「VF-11 サンダーボルト」の版間の差分

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バトロイドへの変形方法はVF-1以来の屈胴式で、変形後のシルエットも似通っている。しかし、VF-1では脚部が変形の際に一度切り離されてから機首のジョイントに接続されるのに対し、こちらではセンターモジュールから分離すること無くそのまま変形する。
バトロイドへの変形方法はVF-1以来の屈胴式で、変形後のシルエットも似通っている。しかし、VF-1では脚部が変形の際に一度切り離されてから機首のジョイントに接続されるのに対し、こちらではセンターモジュールから分離すること無くそのまま変形する。


また、この機体からの特徴として、防弾用のシールドが標準装備となったことが挙げられる。ファイター形態では機体後尾のパンケーキ部(VF-1ではこの部分にバトロイド時のブースターが配置されている)に配置され、[[ガウォーク]]、バトロイド時は左前腕部に装着される(盾の裏にガンポッドの予備マガジンを備える)。ガンポッド先端には銃剣が付けられたが、これら盾や剣といった格闘戦装備は、反乱分子の[[ゼントラーディ人]]やバトルスーツの鎮圧作戦上必要とみなされ設けられた。他には、ファイター形態で頭部レーザー斜銃の位置が機体下面から上面後ろ向きへ変更されたが、これは空中戦(ドッグファイト)で死角となる後方の敵機を狙い撃つためである。この方式はVF-5000からVF-11を経て有効性が立証され、以降のVFシリーズの標準仕様となった。
また、この機体からの特徴として、防弾用のシールドが標準装備となったことが挙げられる。ファイター形態では機体後尾のパンケーキ部(VF-1ではこの部分にバトロイド時のブースターが配置されている)に配置され、[[ガウォーク]]、バトロイド時は左前腕部に装着される(盾の裏にガンポッドの予備マガジンを備える)。ガンポッド先端には銃剣が付けられたが、これら盾や剣といった格闘戦装備は、反乱分子の[[ゼントラーディ|ゼントラーディ人]]やバトルスーツの鎮圧作戦上必要とみなされ設けられた。他には、ファイター形態で頭部レーザー斜銃の位置が機体下面から上面後ろ向きへ変更されたが、これは空中戦(ドッグファイト)で死角となる後方の敵機を狙い撃つためである。この方式はVF-5000からVF-11を経て有効性が立証され、以降のVFシリーズの標準仕様となった。


VF-1以来の多目的戦闘機とあって、使用用途に合わせ様々なオプションユニットが開発されている(追加装備を参照)。
VF-1以来の多目的戦闘機とあって、使用用途に合わせ様々なオプションユニットが開発されている(追加装備を参照)。
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: A型のエンジン推力を向上させた改良型。『[[マクロスプラス]]』に登場。この型にてメーカーの量産体制が整い、主力機として大量に生産、配備されている。頭部は1門の対空レーザーと一つ目のカメラアイを持っておりVF-1Aと似た構成になっている。標準装備の30mm6連ガンポッドには収納式の銃剣が装備されている。カラーリングはブラウン地に黒とオレンジのワンポイントが入っている。
: A型のエンジン推力を向上させた改良型。『[[マクロスプラス]]』に登場。この型にてメーカーの量産体制が整い、主力機として大量に生産、配備されている。頭部は1門の対空レーザーと一つ目のカメラアイを持っておりVF-1Aと似た構成になっている。標準装備の30mm6連ガンポッドには収納式の銃剣が装備されている。カラーリングはブラウン地に黒とオレンジのワンポイントが入っている。
:; VF-11B レイヴンズ仕様
:; VF-11B レイヴンズ仕様
:: 2050年を舞台にした『[[マクロスVF-X2]]』に登場。統合軍特殊部隊VF-Xレイヴンズの使用するVF-11B。カラーリングはグレー地に黄色と黒でワンポイントが入っている。ハイ・マニューバ・ミサイルを装備している。
:: 2050年を舞台にした『[[マクロス VF-X2]]』に登場。統合軍特殊部隊VF-Xレイヴンズの使用するVF-11B。カラーリングはグレー地に黄色と黒でワンポイントが入っている。ハイ・マニューバ・ミサイルを装備している。
:; VF-11B ノートゥングII
:; VF-11B ノートゥングII
::2058年を舞台にした『[[マクロス・ザ・ライド]]』に登場。チェルシー・スカーレットの乗るバンキッシュ・レース用の機体。中古のVF-11Bを3機も使用し、ロビンズファミリーの手によって組み上げられた。制御AIはVF-19ACTIVE ノートゥングのものを一部継承した「ブリュンヒルデJr.」を搭載し、アクチュエーターも調整されているため、変形速度・照準精度はVF-19並に向上している。チェルシーは歌手でもあるためスピーカーポッドおよびマイクポッドを装備する。カラーリングはスカイブルーと白。
::2058年を舞台にした『[[マクロス・ザ・ライド]]』に登場。チェルシー・スカーレットの乗るバンキッシュ・レース用の機体。中古のVF-11Bを3機も使用し、ロビンズファミリーの手によって組み上げられた。制御AIはVF-19ACTIVE ノートゥングのものを一部継承した「ブリュンヒルデJr.」を搭載し、アクチュエーターも調整されているため、変形速度・照準精度はVF-19並に向上している。チェルシーは歌手でもあるためスピーカーポッドおよびマイクポッドを装備する。カラーリングはスカイブルーと白。
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:: マクロス7船団の出港前、2030年頃に使用されていたVF-11C。金龍、レイ・ラブロック、ステファンが所属していた部隊「ピンクペッカー」はパープルのカラーリングで統一されたVF-11Cに搭乗していた。『マクロス7』10話に登場。先行配備型ではないかと考えられている<ref>マクロス・クロニクル新訂版 No.16</ref>。
:: マクロス7船団の出港前、2030年頃に使用されていたVF-11C。金龍、レイ・ラブロック、ステファンが所属していた部隊「ピンクペッカー」はパープルのカラーリングで統一されたVF-11Cに搭乗していた。『マクロス7』10話に登場。先行配備型ではないかと考えられている<ref>マクロス・クロニクル新訂版 No.16</ref>。
:; VF-11C サンダーボルト・インターセプター
:; VF-11C サンダーボルト・インターセプター
:: 『マクロス・ザ・ライド』に登場。守護神アンソニー・クレメンスの搭乗するバンキッシュ用の機体。エンジンはVF-11MAXLにも採用された、VF-16A用のFF-3600J熱核バーストタービン(推力64,200kg×2)に換装されている。特殊バッテリーを内蔵しており、バトロイド形態に限りピンポイントバリアが使用できる。火器管制AIは最新型にアップデートされており、ファスケスとの戦闘ではVF-19A用のSPP-8クラスターミサイルで[[エルガーゾルン]]を撃墜する。
:: 『マクロス・ザ・ライド』に登場。守護神アンソニー・クレメンスの搭乗するバンキッシュ用の機体。エンジンはVF-11MAXLにも採用された、VF-16A用のFF-3600J熱核バーストタービン(推力64,200kg×2)に換装されている。特殊バッテリーを内蔵しており、バトロイド形態に限りピンポイントバリアが使用できる。火器管制AIは最新型にアップデートされており、ファスケスとの戦闘ではVF-19A用のSPP-8クラスターミサイルで[[VF-14 バンパイア#Fz-109 エルガーゾルン|Fz-109 エルガーゾルン]]を撃墜する。
:; VF-11C ミーナ機
:; VF-11C ミーナ機
:: 2060年を舞台にした『[[マクロス30]]』に登場。S.M.S惑星ウロボロス支社のミーナ・フォルテ用のVF-11C。初心者でも扱いやすいようにチューニングされている。カラーリングはスカイブルーで、S.M.Sのマーキングが入っており、機体番号はSMS037[http://b.bngi-channel.jp/macross30/character/character_08.html]。30mm6連ガンポッドの他にウロボロス仕様共通の特徴として、ドラグノフ・アンチ・マテリアル・スナイパーライフルを装備する。
:: 2060年を舞台にした『[[マクロス30]]』に登場。S.M.S惑星ウロボロス支社のミーナ・フォルテ用のVF-11C。初心者でも扱いやすいようにチューニングされている。カラーリングはスカイブルーで、S.M.Sのマーキングが入っており、機体番号はSMS037[http://b.bngi-channel.jp/macross30/character/character_08.html]。30mm6連ガンポッドの他にウロボロス仕様共通の特徴として、ドラグノフ・アンチ・マテリアル・スナイパーライフルを装備する。

2013年7月6日 (土) 19:43時点における版

VF-11 サンダーボルト(ブイエフじゅういち サンダーボルト)は、OVAマクロスプラス』およびテレビアニメマクロス7』、その他「マクロスシリーズ」作品に登場する架空の兵器

可変戦闘機(ヴァリアヴル・ファイター=VF)シリーズの1機種。ペットネーム(愛称)の「サンダーボルト(Thunderbolt)」は雷電落雷の意。なお、実在の航空機P-47(サンダーボルト)、A-10(サンダーボルトII)にも同様の愛称が付けられている。デザインモチーフはSu-33 フランカーD(VF-11MAXLのみF-16XL )。

概要

超時空要塞マクロス』から劇中で約30年が経過した西暦2040年という設定のOVA『マクロスプラス』にて初登場。30年が経過していれば当然、次世代機が出ているだろうということでVF-1 バルキリーに変わる新たな機体としてデザインされた。デザイナーの河森正治曰く、VF-1 バルキリーを出しても良かったが、意地になって新たにデザインしたという[1]。デザインコンセプトは翼竜で、翼竜が翼を広げたように見えるようになっている[2]

『プラス』劇中ではVF-11Bが量産され普及しており、主人公であるイサム・ダイソンもYF-19の前に乗っている。しかし、YF-21をレーダーで捕らえられなかったり、ブースターを増設しないと追いつけないなど最新鋭機に対しては性能差を見せつけられる。

同時期にテレビ放映された『マクロス7』は2045年が舞台となっており、VF-11C、VF-11D改、VF-11MAXL改が登場する。当初は『マクロス7』の主人公(熱気バサラ)もVF-11からVF-19に乗り換える構想があったが、VF-11はおもちゃにした時の強度に問題があったため、実現しなかった[3]。VF-11MAXL改ミレーヌバルキリーはヒロインのミレーヌ・ジーナスが搭乗する機体で、初の女性型バルキリーとしてデザインされた。VF-1Jミリア機やVF-2SSシルビー機など女性パイロットが乗るバルキリーは従来もあったが、形状も女性的な機体はマクロスシリーズ初。

小説企画『マクロス・ザ・ライド』は2058年のバルキリーによるエアレース「バンキッシュ」を題材としており、民間に払い下げられたエアレース仕様のものや報道用の機体が登場する。

バンダイやまとハセガワからはプラモデルや可変トイが発売されている。

機体解説

機体諸元
VF-11 サンダーボルト
設計・製造 新星インダストリー
全長 ファイター:15.51m
全幅 ファイター:11.20m
全高 ファイター:3.49m
バトロイド:12.92m(頭部レーザー機銃を除く)
空虚重量 9,000kg
エンジン (主機)新星/P&W/ロイス熱核タービン FF-2025G ×2
(副機)P&W高機動バーニアスラスター HMM-5B
エンジン推力 (主機)28,000kg×2(宇宙空間瞬間最大推力)
最高速度 (高度10,000m)M3.5+
(高度30,000m以上)M8.2+
乗員 1名(D型は2名)
攻撃兵装 対空パルスレーザー機銃×1
ハワードGU-15 ガンポッド×1
(先端部に銃剣を内蔵、C型以降は廃止)
防御兵装 防弾シールド×1(ガンポッド予備マガジン2基を格納)
チャフフレアディスペンサー×2
選択装備 専用スーパーパック(大気圏内用、大気圏外用 他)
APS-11 アーマードパック
レーダードーム
サウンドブースター(MAXL改専用) 他
主なパイロット VFX-11 マクシミリアン・ジーナス
VF-11B イサム・ダイソン
VF-11C 金竜
VF-11MAXL改 ミレーヌ・ジーナス

2030年より新統合軍の主力機として配備された機体。2020年代までは宇宙用主力機としてVF-4 ライトニングIII、大気圏内主力機としてVF-5000 スターミラージュ、対地制圧用重攻撃機としてVA-3 インベーダー、大気圏内用の軽戦闘機としてVF-9 カットラスがそれぞれ配備されたが、いずれも特定の目的に特化した設計でVF-1 バルキリーのような汎用性を持つ、本当の意味での次世代機は登場していなかった。折から、宇宙移民圏の治安維持強化のためVF-1の様な汎用機の必要性が見直されており、老朽化したVF-4の代替として、新星インダストリー社開発のVFX-11がゼネラル・ギャラクシー社のYF-14を抑え、「VF-11 サンダーボルト」として制式採用されることとなった。なお、敗れたYF-14はVF-14 バンパイアとして、移民惑星でのライセンス生産へと回された。

VF-11はトータルバランスを重視した機体で、性能面で特に傑出したものはない。しかし、癖のない飛行安定性や整備性、信頼性など、現場での運用評価が高く、用途別のバリエーション展開も容易であった。その適応性、拡張性の高さからVF-1の正統な後継機の座に就くことになり、後継主力機であるVF-19 エクスカリバーが登場するまでの10年以上に渡り第一線で運用され続けた。主機はVF-4に搭載されたFF-2011の約2倍の出力を持つ新中州/P&W/ロイス熱核タービンエンジンFF-2050Gを搭載している。宇宙空間においても飛行可能であるが、本体内の燃料積載量が少なく行動時間が制限されるため、宇宙空間ではスーパーパックを装備する。

ファイター形態は、VF-1やVF-5000の流れを汲む、大気圏内での空力特性を重視したフォルムを持つ。機首両脇の大型カナードが特徴的で、装備していない場合と比較して若干最高速度は落ちるが高機動時の操縦性に優れている。

バトロイドへの変形方法はVF-1以来の屈胴式で、変形後のシルエットも似通っている。しかし、VF-1では脚部が変形の際に一度切り離されてから機首のジョイントに接続されるのに対し、こちらではセンターモジュールから分離すること無くそのまま変形する。

また、この機体からの特徴として、防弾用のシールドが標準装備となったことが挙げられる。ファイター形態では機体後尾のパンケーキ部(VF-1ではこの部分にバトロイド時のブースターが配置されている)に配置され、ガウォーク、バトロイド時は左前腕部に装着される(盾の裏にガンポッドの予備マガジンを備える)。ガンポッド先端には銃剣が付けられたが、これら盾や剣といった格闘戦装備は、反乱分子のゼントラーディ人やバトルスーツの鎮圧作戦上必要とみなされ設けられた。他には、ファイター形態で頭部レーザー斜銃の位置が機体下面から上面後ろ向きへ変更されたが、これは空中戦(ドッグファイト)で死角となる後方の敵機を狙い撃つためである。この方式はVF-5000からVF-11を経て有効性が立証され、以降のVFシリーズの標準仕様となった。

VF-1以来の多目的戦闘機とあって、使用用途に合わせ様々なオプションユニットが開発されている(追加装備を参照)。

VF-19やVF-171といった後継機の登場に伴って退役し、民間にも多数払い下げられた。バンキッシュレースではVF-11のみで行われる「サンダーボルト・クラス」という下位リーグがあり、独自の改造を施された機体が競い合っている。

バリエーション

VF-X-11
『アドバンスド・バルキリー』に登場するAFTI(Advanced Fighter Technology Integration)の実験機。ブレンデッドウィングボディ(翼胴一体)で主翼の先が跳ね上がっており、垂直尾翼の役割を果たす。カナード翼がついている。エンジンは機体の上部に2機搭載されている。機体のサイズはVF-1 バルキリーより若干小さい。
VFX-11
マクロスM3』に登場する性能評価用の試作型。開発時にはカナードの採用を巡って論議が起こり、カナード非採用型1機とカナード採用型2機の計3機が試作された。カナード採用型はカナード非採用型から改造されて製造された。西暦2030年の惑星ベルファンにおける統合政府要人誘拐事件において、マクシミリアン・ジーナスミリア・ファリーナ・ジーナス夫妻による救出作戦にそれぞれのパーソナルカラーに塗装したカナード採用型のVFX-11が極秘裏に投入され、スリーサーフィス機の大気圏内での優れた運動性を実証したという経緯がある。
フォールドブースターを装備したVFX-11を奪った反統合思想を持つゼントラーディ勢力が後に独自の可変戦闘デバイスであるフェイオス・バルキリーを開発した[4]。ただし、形状などは大きく異なる。
VFX-11 マックス機
ブルーのカラーリングのVFX-11。
VFX-11 ミリア機
レッドのカラーリングのVFX-11。
VF-11A
初期生産型。頭部レーザー機銃は短砲身で、モニターアイの形状は小さく二窓型になっているなどB型以降とは異なる。軍からの仕様変更要求が数回あったことと、VF-14以外の全ての可変戦闘機が機種転換の対象になったため、メーカーの量産体制が整わず生産、配備数は少数に止まった。
VF-11B
A型のエンジン推力を向上させた改良型。『マクロスプラス』に登場。この型にてメーカーの量産体制が整い、主力機として大量に生産、配備されている。頭部は1門の対空レーザーと一つ目のカメラアイを持っておりVF-1Aと似た構成になっている。標準装備の30mm6連ガンポッドには収納式の銃剣が装備されている。カラーリングはブラウン地に黒とオレンジのワンポイントが入っている。
VF-11B レイヴンズ仕様
2050年を舞台にした『マクロス VF-X2』に登場。統合軍特殊部隊VF-Xレイヴンズの使用するVF-11B。カラーリングはグレー地に黄色と黒でワンポイントが入っている。ハイ・マニューバ・ミサイルを装備している。
VF-11B ノートゥングII
2058年を舞台にした『マクロス・ザ・ライド』に登場。チェルシー・スカーレットの乗るバンキッシュ・レース用の機体。中古のVF-11Bを3機も使用し、ロビンズファミリーの手によって組み上げられた。制御AIはVF-19ACTIVE ノートゥングのものを一部継承した「ブリュンヒルデJr.」を搭載し、アクチュエーターも調整されているため、変形速度・照準精度はVF-19並に向上している。チェルシーは歌手でもあるためスピーカーポッドおよびマイクポッドを装備する。カラーリングはスカイブルーと白。
VF-11B/X シスターバルキリー
『マクロス・ザ・ライド』のバルキリー図鑑に登場。シスター・シスターとシスター・ニコル姉弟の乗るバンキッシュ・レース用の機体。カラーリングは白と黒で、十字架のマーキングが入っている。
VF-11 無人機仕様
VF-11の無人機仕様。機首ユニットの形状が異なり、ターゲット・ドローンと同様のオレンジ色で塗装されている。スーパーパックを装備可能。『マクロスプラス』第3話に登場し、ゴーストX-9の運用試験の標的機として使用される。
VF-11C
B型のアビオニクス改良型。『マクロス7』に登場する機種で、2040年代、前線部隊から順次機種転換が進められた。C型は新造機だけでなく、B型からC型へのアップデートも可能。バトロイド時のコクピットカバーや専用スーパーパック(後述)以外、B型との外見上の変更点は判別しづらい。ガンポッドはB型とは別のタイプで、銃剣はコストの問題から省略されたため近接戦闘能力が低下している。カラーリングは明るめのホワイトグレー。
『マクロス7』では第1話からスーパーパックを装備して登場するが、第28話ではスーパーパックを装備していないVF-11Cも登場する。通常はスーパーパック装備時には垂直尾翼が折りたたまれているが、開いたままのVF-11Cも存在する。
VF-11C ピンクペッカー仕様
マクロス7船団の出港前、2030年頃に使用されていたVF-11C。金龍、レイ・ラブロック、ステファンが所属していた部隊「ピンクペッカー」はパープルのカラーリングで統一されたVF-11Cに搭乗していた。『マクロス7』10話に登場。先行配備型ではないかと考えられている[5]
VF-11C サンダーボルト・インターセプター
『マクロス・ザ・ライド』に登場。守護神アンソニー・クレメンスの搭乗するバンキッシュ用の機体。エンジンはVF-11MAXLにも採用された、VF-16A用のFF-3600J熱核バーストタービン(推力64,200kg×2)に換装されている。特殊バッテリーを内蔵しており、バトロイド形態に限りピンポイントバリアが使用できる。火器管制AIは最新型にアップデートされており、ファスケスとの戦闘ではVF-19A用のSPP-8クラスターミサイルでFz-109 エルガーゾルンを撃墜する。
VF-11C ミーナ機
2060年を舞台にした『マクロス30』に登場。S.M.S惑星ウロボロス支社のミーナ・フォルテ用のVF-11C。初心者でも扱いやすいようにチューニングされている。カラーリングはスカイブルーで、S.M.Sのマーキングが入っており、機体番号はSMS037[1]。30mm6連ガンポッドの他にウロボロス仕様共通の特徴として、ドラグノフ・アンチ・マテリアル・スナイパーライフルを装備する。
VE-11 サンダーシーカー
『マクロス7』に登場。偵察・電子戦に対応した円盤状の大型レーダードームを搭載した早期警戒機。スーパーパックも装備可能。
VF-11D
C型の複座練習型。コクピット部が延長されキャノピーが二重式となった。
VF-11D改
マクロス7船団の音楽部隊ジャミングバーズが使用する機体。カナードが若干大型化し、頭部形状もB/C型から変化している。ジャミングバーズ隊員は操縦技術を持たない民間人のため、前席に統合軍パイロットが搭乗し操縦、二重キャノピー構造の後席にジャミングバーズ隊員が搭乗する。大気圏内外両用のサウンドブースターポッドを装備している。
VF-11D サンダーフォーカス
『マクロス・ザ・ライド』に登場。報道記者であるローズ・グリューネシルトが、バンキッシュ・レースの高性能な競技機に追随する為に、民間に払い下げられた複座型を独自改造してエンジンをチューンナップ、エネルギー転換装甲による防護を施したカメラポッドを懸垂する。AVFも参加するレースのため、場合によっては特注のスーパーパックを装備する。
VF-11MAXL
VF-11B/Cをベースに、エンジンを次世代型の熱核バーストタービン(VF-16AのFF-3600Jを流用)に換装し、カナードと大型デルタ翼の組み合わせ(クローズカップルドデルタ)の採用など、大幅な改良が加えられた。主翼翼端には垂直尾翼を備えている。パイロットの個性に合わせて作られるいわばオーダーメイド機であり、統合軍全体で10数機しか生産されていない。機体により、頭部やカラーリングが異なり、B/C型同様の垂直尾翼を持つVF-11MAXLも存在する。VF-11MAXLは熱核バーストタービンエンジン搭載機なので、B/C型のようなスーパーパックを必要としない。ただし他の熱核バーストタービンエンジン搭載機がそうであるように、更なる能力向上の為に追加装備することは可能である。武装はB/C型用30mmガンポッドの他、背部推進器に内蔵式でマイクロミサイルが装備される。F-16XLが命名参考にされていると思われる。
小説『マクロスフロンティア』ではLAIに資料用として保管されていた機体が登場する。アルトたちがバジュラの大群から脱出するために使用する。
VF-11MAXL改 ミレーヌバルキリー
マクロス7船団が対プロトデビルン用に編成した民間協力隊「サウンドフォース」に配備された特注機。搭乗者であるミレーヌ・ジーナスの名を取りミレーヌバルキリーの通称で呼ばれる。
ノーマルのMAXLから最大の変更点は、より女性的にアレンジされた体型と極端に擬人化されたフェイス部。このフェイス部は超高級車メーカー、フェリーニ・カロッツェリアに特注し、一枚板から丹念に打ち出されたもので、他のサウンドフォース機にも見られる特徴である。熱核バーストタービンエンジンは細い脚部に合わせて、ノーマルのMAXLのFF-3600JからFF-2099A改(推力41,500kg×2)に換装されている。また、操縦桿がベース型のサウンドスティックコントロールに変更されている他、サウンドエナジー変換シート等が標準装備されている。更に追加オプションとして、サウンドエナジーを増幅し広域に放射する専用のサウンドブースター2号機を装着する。他、スピーカーポッド射出用のランチャーポッドや、脚部に内蔵式で護身用ミサイル6発×2、背部推進器に内蔵式でマイクロミサイルが装備される。カラーリングは白とピンク。

兵装

ハワード GU-15 30mm6連ガンポッド
ファイター形態では機体下部に懸架され、ガウォーク・バトロイド時には手で使用するVF-11Bの主武装。銃身の上部は弾装になっている。銃身の先端には収納式の銃剣を備える。
ハワード GU-16 多目的ガンポッド
VF-11C用のガンポッド。コストカットのため銃剣はオミットされている。ヴァリエーションとしてショートバレル化および減装薬で低反動化したGU-16Sがある。
GU-XS-06 6連重ガンポッド
全長はバトロイド形態のVF-11の全高に匹敵し、非常に大型で重いため、重量バランスをとるために、APS-11装着時のバトロイド形態でのみ運用可能な、6連重ガンポッド。APS-11非装着時のバトロイド形態や、ファイター/ガウォーク形態では運用不可。
後方対空パルスレーザー砲
B、C型共通の対空パルスレーザー砲。ファイター時は後方の機体に対して攻撃できる。
チャフ・フレアディスペンサー
脚部エンジンナセルにはチャフ・フレアディスペンサーユニットを備える。
防弾シールド
防御用の盾。シールドの裏側には予備の弾装を装着できる。

追加兵装

大気圏内用固体燃料ブースター
スーパーノヴァ計画の追跡観測機 (VF-11B) に装着された外付け式のロケットブースター。機体を挟んで上下に固形燃料ロケット2基を装着するため、これに干渉する対空レーザーは使用不可、ガンポッドも装備できなくなる[6]。燃焼時間は約5分と短く機体バランスも悪くなるものの、最高速度を大きく高めることができる。しかし、それでもYF-21に追随するのは困難であった。あくまでもテスト用の装備であり実戦用ではない。
フォールドブースター
VF-19やVF-22S シュトゥルムフォーゲルIIと共通の可変戦闘機用小型フォールドシステム。空間を折り畳み、機体を別の場所へと跳躍させる。ミレーヌのMAXL改にはサウンドブースターの上に二段重ねで装備される。

追加・拡張装備

スーパーパック
追加ブースターおよび推進剤のタンク、マイクロミサイルポッドによる機動性・攻撃力向上用のオプションパック。これを装備したVF-11はスーパーサンダーボルトと呼ばれる。
VF-11B用大気圏外型スーパーパック
ヒューズHMMM-Mk6マイクロ・ミサイルランチャーを搭載したMP-SP09背部ブースターユニットと脚部ブースターユニットからなる。VF-1のものよりも小型化されている。マイクロミサイルの発射口が片側4つで、ノズル形状が円錐型である。
VF-11C用大気圏外型スーパーパック
VF-1のものよりも小型化されている。マイクロミサイルの発射口が片側2つで、ノズル形状が角型である。
VF-11C用大気圏内型兼大気圏外型スーパーパック
空気抵抗を考慮した流線型で、推力偏向ノズルが付けられている。劇中では『マクロス7』の44話内での作戦「オペレーション・スターゲイザー」で使用された。
APS-11 アーマードパック
GBP-1S アーマードバルキリーの流れを汲むバトロイド形態専用の追加装備。GBP-1Sを凌ぐ耐弾性、重武装からフルアーマード・サンダーボルトと呼ばれる。バトロイドの全身を覆う脱着式装甲に大量のミサイルが内蔵され、両肩の連装ビーム砲計4門、専用の長射程高貫徹力型6連重ガンポッドGU-XS-06なども使用する。腕部の大型シールドはリアクティブアーマー仕様。
サウンドブースター
サウンドブースター 2号機
ミレーヌ・ジーナスのMAXL改型専用の装備。飛行時は全翼機型で背部にドッキングし、バトロイド時には両翼に大型の時空共振サウンドスピーカーを展開する。VF-11MAXL改のいる区域まで自律航行も可能である。量産型VF-19用のエンジンを搭載し大気圏内外で使用可能なブースターを備えているため、最大速度および機動性に優れる。 ファイター、ガウォーク、バトロイドの三形態に装備可能だが、変形時は一時的に切り離す必要がある。
VF-11D改用大気圏内外両型サウンドブースターパック
VF-11D改用で、時空共振サウンドスピーカーを備える。ミサイルランチャーも搭載している。

商品化

『マクロス7』放送時に「1/144 バルキリー VF-11C」と「1/144 ミレーヌバルキリー VF-11MALX改」のプラモデルバンダイより発売されている。どちらも変形はしないが、ファイター形態とバトロイド形態の2つの形態が作成可能な2機セットになっている。

2008年にはやまとから非可変の完成品トイ「群雄【動】」シリーズとして「VF-11B バトロイド」が発売された。同年12月にはカラーバリエーションとして『マクロス VF-X2』版が発売されている。

2009年4月にやまとから3形態へ変形可能な完成品トイ「1/60 完全変形 VF-11B withスーパーパック」が、2010年2月には「1/60 完全変形 VF-11C withスーパーパック」が発売された。

2011年6月には 1/72 縮尺スケールモデルハセガワからファイター形態のプラモデル「VF-11B サンダーボルト“マクロスプラス”」が発売された。同年12月16日にはバリエーションキットとして「VF-11D サンダーフォーカス “マクロス・ザ・ライド”」が、2012年3月17日には「VF-11B ノートゥングII “マクロス・ザ・ライド”」が限定発売された。11月8日には「VF-11B スーパーサンダーボルト “マクロスプラス”」が、2013年5月31日には「VE-11 サンダーシーカー」が発売された。

日本国外においても『ロボテック』の登場メカとして人気があり、同社の米国支社であるYAMATO USA社から各種商品が発売されている。

脚注

  1. ^ B-CLUB Vol.145
  2. ^ マクロス・ザ・ライド ビジュアルブック2 77頁
  3. ^ マクロスデジタルミッションVF-X 最強攻略ガイド
  4. ^ マクロス・クロニクル No.46 31頁
  5. ^ マクロス・クロニクル新訂版 No.16
  6. ^ マクロス・クロニクル No.29 6頁

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