オスプレイ級機雷掃討艇
オスプレイ級機雷掃討艇 | |
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基本情報 | |
艦種 | 機雷掃討艇 (MHC) |
前級 |
ハークネス級 ブルーバード級 (MSC) |
要目 | |
軽荷排水量 | 803トン |
満載排水量 | 918トン |
全長 | 57.25m |
最大幅 | 10.95m |
吃水 | 2.9m |
機関方式 | CODOE方式 |
主機 |
・ID36 SS8V-AMディーゼルエンジン×2基 ・補助電動機×2基 |
推進器 | シュナイダープロペラ×2軸 |
出力 | 1,600馬力 |
速力 | 12ノット (22 km/h) |
航続距離 | 2,500海里 (12ノット巡航時) |
乗員 | 士官2名+曹士32名+予備人員21名 |
兵装 | ブローニングM2重機関銃×2挺 |
C4ISTAR | AN/SYQ-13 掃海艇情報処理装置 |
レーダー | AN/SPS-64(V)9 対水上捜索用 |
ソナー | AN/SQQ-32 可変深度式 |
特殊装備 | AN/SLQ-48 機雷処分具 |
オスプレイ級沿岸機雷掃討艇(オスプレイきゅうえんがんきらいそうとうてい、英語: Osprey-class coastal minehunter)は、アメリカ海軍が運用していた機雷掃討艇。同型艇は12隻。
設計
[編集]当初ノルウェー海軍がアルタ級掃海艇で実現したのと同様の表面効果翼船(SES)のカーディナル級機雷掃討艇を計画していたが、機雷爆発により発生する衝撃に対する不安等からキャンセルされ、代わりにイタリアのレリチ級機雷掃討艇をベースにした本級が整備されることになった[1]。レリチ級を拡大したような外観であり、船型は長船首楼型、船体構造も同様にガラス繊維強化プラスチック(GFRP)によるモノコック構造となっている[2]。
主機関としてはイソッタ・フラスキーニ社製ID36 SS8V-AM V型8気筒ディーゼルエンジンが搭載される。水中放射雑音低減のため、主機関は架台上に設置されている。また低速時には180馬力の補助電動機2基による電気推進を使用するほか、定点保持のためバウ・スラスターも備えている[2][3]。
装備
[編集]装備面では、先行するアヴェンジャー級掃海艦と同様、AN/SQQ-32可変深度ソナーとAN/SLQ-48自走式機雷処分具を搭載する。ただしレリチ級やアヴェンジャー級と異なり、係維掃海具や感応掃海具は搭載せず、機雷掃討に特化している[2]。
AN/SQQ-32はアメリカのレイセオン社とフランスのトムソン・シントラ社により開発された機雷探知機で、機雷探知機能はレイセオン社の技術に基づいて35キロヘルツの周波数を使用しており、5本の垂直ビームによって全周にわたって海面から海底までを捜索できる。一方、機雷類別機能はトムソン・シントラ社の技術に基づいて445-650キロヘルツの周波数を使用しており、0.13度の分解能を誇っている[4]。
AN/SLQ-48機雷処分具(mine neutralization system, MNS)はハネウェル社によって開発されたもので、深々度機雷に対処する必要から、海上自衛隊のS-7などと同様の母艇給電方式を採用している。運用深度は推定500メートル、速力6ノットで、機雷類別用の高解像度ソナーとビデオカメラを備えている[5]。
配備
[編集]全艦2006年から2007年にかけてアメリカ海軍より退役した後、各国に引き渡されている。ギリシャ海軍、エジプト海軍は各2隻を受領した。2008年4月29日トルコへ1隻引き渡すことが議会により承認された。その後、トルコに対する2隻目と台湾に対する2隻の販売が認可された。2010年9月28日、台湾に対する3隻目の輸出について米上下両院での承認が得られた。2010年9月29日に米国上院がインド海軍に対する2隻の販売を承認したとインドのメディアで報じられた。[6] [7] 2012年8月10日、台湾の左営港においてオスプレイ級2隻の台湾到着を記念する式典が挙行されたが、正式な再就役は同年10月を予定している。
アメリカ海軍 | 退役後 | ||||||
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# | 艦名 | 造船所 | 就役 | 退役 | 再就役先 | # | 艦名 |
MHC-51 | オスプレイ USS Osprey |
インターマリン | 1993年 | 2006年 | |||
MHC-52 | ハーロン USS Heron |
1994年 | 2007年 | ギリシャ海軍 | M64 | Calypso | |
MHC-53 | ペリカン USS Pelican |
エイボンデール | 1995年 | 2007年 | M61 | Euniki | |
MHC-54 | ロビン USS Robin |
1996年 | 2006年 | ||||
MHC-55 | オリオール USS Oriole |
インターマリン | 1995年 | 2006年 | 中華民国海軍 | MHC- 1310 |
永靖 ROCS Yung Jin |
MHC-56 | キングフィッシャー USS Kingfisher |
エイボンデール | 1996年 | 2007年 | インド海軍 | 売却承認済 | |
MHC-57 | コルモラン USS Cormorant |
1997年 | 2007年 | ||||
MHC-58 | ブラックホ-ク USS Black Hawk |
インターマリン | 1996年 | 2007年 | |||
MHC-59 | ファルコン USS Falcon |
1997年 | 2006年 | 中華民国海軍 | MHC- 1311 |
永安 ROCS Yung An | |
MHC-60 | カーディナル USS Cardinal |
1997年 | 2007年 | エジプト海軍 | Shareen | ||
MHC-61 | レイヴン USS Raven |
1998年 | 2007年 | al Faruq | |||
MHC-62 | シュライク USS Shrike |
1999年 | 2007年 |
出典
[編集]- ^ GlobalSecurity.org MSH-1 CARDINAL Minesweeper Hunter
- ^ a b c 「世界の代表的対機雷戦艦艇 (特集 新しい対機雷戦)」『世界の艦船』第631号、海人社、2004年9月、74-81頁、NAID 40006349315。
- ^ Norman Polmar (2005). The Naval Institute guide to the ships and aircraft of the U.S. fleet. Naval Institute Press. ISBN 9781591146858
- ^ 黒川武彦「センサー (現代の掃海艦艇を解剖する)」『世界の艦船』第427号、海人社、1990年10月、88-91頁。
- ^ 大平忠「機雷処分具 (現代の掃海艦艇を解剖する)」『世界の艦船』第427号、海人社、1990年10月、96-99頁。
- ^ US Senate OKs transfer of two minehunters to India
- ^ US senate approves sale of 2 Osprey-class minehunters to India