ニルギリ級フリゲート

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ニルギリ級フリゲート
INS Taragiri (F41).JPG
基本情報
艦種 フリゲート
運用者  インド海軍
就役期間 1972年 - 2013年
前級 タルワー級 (英12型)
次級 ゴーダーヴァリ級 (16型)
要目
基準排水量 2,250→2,970トン
満載排水量 2,800→3,250トン
全長 113.38 m
最大幅 13.1 m
吃水 4.27 m
ボイラー 水管ボイラー×2缶
主機 蒸気タービン×2基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 30,000馬力
速力 30ノット
航続距離 4,500海里 (12kt巡航時)
乗員 士官40名+下士官兵370名
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ニルギリ級フリゲート(にるぎりきゅうフリゲート、Nilgiri-class frigate)は、インド海軍フリゲートの艦級。イギリス海軍リアンダー級フリゲートの準同型艦であり、またインド国内で建造された初の大型水上戦闘艦でもある[1][2][3][4]

来歴[編集]

イギリス領インド帝国時代の王立インド海軍 (Royal Indian Navyは、第二次世界大戦での連合国の勝利に大きく貢献した。第二次世界大戦末期より、来るべき戦後に備えて、王立インド海軍の大規模な増強計画が進められており、1943年中盤には巡洋艦駆逐艦の導入が提案された。1950年には「王立インド海軍」から「インド海軍」へと改称して独立性を高めるとともに艦隊の拡充も図られていき、大戦中に提案された巡洋艦・駆逐艦は1948年から1949年にかけて順次に就役したほか[5]1954年にはイギリス海軍の防空護衛艦である41型フリゲートおよび廉価型対潜護衛艦である14型フリゲートの準同型艦3隻ずつが発注された。そして1956年には、14型と対になる高性能型対潜護衛艦である12型フリゲート(ホイットビィ級)の準同型艦としてタルワー級2隻が発注された。これらは1958年から1960年にかけて順次に就役した[2]

一方、イギリス本国では、船団護衛艦としての12型をもとに艦隊護衛艦として発展させたリアンダー級が開発され、1955/6年度より建造に着手していた[6]。これとあわせて、インド海軍でも同級に準じた艦が建造されることになった。これが本級である。タルワー級の建造はイギリスの造船所で行われたのに対し、本級では、ムンバイのマザゴンドック造船所 (Mazagon Dock Shipbuilders Limitedで国産化することになり、1966年より建造が開始された[2]

設計[編集]

上記の経緯より、イギリス海軍のリアンダー級幅広型の設計がおおむね踏襲されているが、インドでの運用に合わせて改設計が施された[2]。構成品の60パーセントは国産化されている[3]。大きな変更点が格納庫で、オリジナルで搭載されていたウェストランド ワスプよりも機体が長いチャタク・ヘリコプター[注 1]を搭載する必要から、後方に入れ子式の部分を追加した。また最後期型2隻は、更に大型のシーキングMk.42を収容できるように格納庫を拡張し、ヘリコプター甲板にベアトラップ着艦拘束・機体移送装置を設置するなどの大規模な設計変更が行われており、排水量も増大した。また係留作業の便を考慮して、艦尾に切り欠きが設けられている[4]。なお本級は概して乗員が極めて多く、人口密度の高い艦であった[1]

主機もリアンダー級、ひいてはタルワー級と同系列で、バブコック・アンド・ウィルコックス(B&W)社製の水管ボイラー2缶(圧力38.7 kgf/cm² (550 psi)、温度450 °C (842 °F))とくみあわせたギアード・タービン(出力30,000馬力)で5翼式のスクリュープロペラ2軸を駆動する方式とされた。電源の合計出力もリアンダー級幅広型と同じく2,500キロワットであった[1]

装備[編集]

ネームシップでは、リアンダー級幅広型に準じたイギリス製の装備が搭載されたが、2番艦以降では、レーダーは下表のようにオランダ製に変更された[2]。また個艦防空ミサイルも、ネームシップでは、シーキャットGWS-22の4連装発射機1基をMRS-3射撃指揮装置(903型レーダー装備)と組み合わせて搭載していたのに対し、2番艦以降では、ミサイル発射機2基をオランダ製のM4射撃指揮装置(M45レーダー装備)と組み合わせて搭載した[1]。その後、シーキャットの陳腐化に伴い、全艦でAK-230 30mm高角機銃に換装されている[3][4]

探信儀として184型ソナー、対潜迫撃砲の目標捕捉用として170型ソナーを搭載したほか、1・2番艦では可変深度式の199型ソナーも搭載したが、以後の艦では可変深度ソナーは省かれた。また2番艦「ヒムギリ」では、184型にかえて、試験的に国産のAPSOH(Advanced Panoramic Sonar)を搭載した[1]。そして最後期型2隻では、探信儀をSQS-505に変更するとともに、ディオドン可変深度ソナーを搭載した[3][4]

兵装・電装諸元表[編集]

1番艦 2~4番艦 5・6番艦
兵装 45口径114mm連装砲×1基
シーキャットGWS-22
短SAM 4連装発射機×1基
シーキャット短SAM発射機×2基
リンボー対潜迫撃砲×1基 375mm連装対潜ロケット砲×1基
324mm3連装魚雷発射管×2基
艦載機 チャタク[注 1]×1機 シーキング×1機
レーダー 965M型 対空捜索用 RAWL-02 対空捜索用
993型
対空・対水上捜索用
DA-05 対空捜索用
ZW-06 対水上捜索用
978型 航海用 デッカ式 航海用
903型
射撃指揮用×2基
M44 砲射撃指揮用×1基
M45 短SAM射撃指揮用×2基
ソナー 184型 探信儀 (2番艦ではAPSOH) SQS-505 探信儀
162M型 海底捜索用
170型 目標捕捉用
199型 可変深度式 (1・2番艦のみ) ディオドン 可変深度式

同型艦一覧[編集]

# 艦名 起工 進水 就役 退役
F33 ニルギリ
INS Nilgiri
1966年
10月
1968年
10月
1972年
6月23日
1996年
5月31日
F34 ヒムギリ
INS Himgiri
1967年 1970年
6月5日
1974年
2月18日
2005年
5月6日
F35 ウダイギリ
INS Udaygiri
1970年
9月14日
1972年
10月24日
1976年
2月18日
2007年
8月24日
F36 ドゥナギリ
INS Dunagiri
1973年
1月
1974年
3月9日
1977年
5月5日
2010年
10月20日
F41 タラギリ
INS Taragiri
1974年 1976年
10月25日
1980年
5月16日
2013年
6月27日
F42 ヴィンデャギリ
INS Vindhyagiri
1976年 1977年
11月12日
1981年
7月8日
2012年
6月11日

脚注[編集]

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注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e Prezelin 1990, p. 238.
  2. ^ a b c d e Gardiner 1996, pp. 173-174.
  3. ^ a b c d Saunders 2009, p. 337.
  4. ^ a b c d Wertheim 2013, p. 280.
  5. ^ Gardiner 1996, pp. 170-171.
  6. ^ Friedman 2012, pp. 196-217.

参考文献[編集]

外部リンク[編集]