Wikipedia:大胆な編集、差し戻し、議論のサイクル

大胆な編集、差し戻し、議論のサイクル (BRD cycle) は合意に達するための方法のひとつです。ウィキペディアの方針によって義務付けられているのではありませんが、反論を特定し、議論を進め、手詰まり状態を抜け出すのに役立ちます。別の状況では、#代替手段のほうがいいかもしれません。気遣い交渉力を用いてください。一部の編集者は、記事の以前の版への復帰を挑戦的だとみなすことがもあるでしょうから、熟慮して忍耐強く行ってください。

大胆な編集 (Bold Edit) は、ウィキペディアを発展させる原動力となります。よい貢献は歓迎されます。疑義があれば編集してください!同様に、記事のノートページに編集内容を提案し、そして合理的な時間が過ぎても反応がないならば、その編集に取り掛かってください。時に編集者は忙しかったり、誰も記事を見ていないのです。その編集は、関心を持つ編集者の注意を引くか、あるいは単に記事を改善することになります。共によい結果です。大胆な編集は議論につながるかもしれないので、他の編集者に知らせるために編集要約欄に「不適切ならば差し戻してください」とか、あるいは同様なことを記すよう検討します。

差し戻し (Revert) は、編集が記事を改善しておらず、簡単に修正できない場合に使われるでしょう。差し戻しは必要な時にだけ英語版行います。BRDは差し戻しを奨励しているのではなく、差し戻されることがあるということです。差し戻す時には、要約欄にその理由を記し、必要であればリンクも使いましょう。議論がはじまったら、その記事の編集履歴やノートページを見てください。あなたからはじめることもできます。(Wikipedia:ウィキペディア用語集もあります)

編集についての議論 (Discussion) を、差し戻しを行った人とその記事のノートページで行い理由を説明します。編集合戦をしないように。

サイクル (Cycle)。議論を手詰まり状態にしないよう。差し戻した人の懸念をあなたがよく理解しているなら、そうした懸念のいくつかの側面に合理的に対処するような新しい編集を試みることもできるでしょう。はっきりした結論が出る前に編集することもできますが、もちろん編集合戦をしないように。

適用[編集]

誰と議論すべきかを見つけることは、しばしば困難でしょう。大胆な編集を行うことで関心を持つ人の注意をひきます。それから問題について議論を交わすことが可能となります。Wikipedia:合意形成と比べてみてください。
いつ用いるか
大勢が議論している事で進展がほとんどない時や、合理的に労力が投じられた後、編集者による懸念がノートページに記されていないとき。
どのように進めるか
関心を強く抱いている人を発見し、一人一人とそれぞれについて譲歩したり合意に達します。

BRDは何ではないか[編集]

  • BRDは、偏向した編集英語版や、あなたの観点を押し付けるためのものではありません。
  • BRDは、記事を改善するという誠実な試みを変更が気に入らないと言って差し戻すための言い訳ではありません。
  • BRDだけでは、差し戻しの理由にはなりません。方針やガイドライン常識英語版によって裏付けられないならば、差し戻しはBRDのサイクルの一環ではありません。
  • BRD は、何かの変更を何度も差し戻す理由ではありません。あなたによる復帰が、他の大胆な編集を呼び込んだならば、差し戻さず議論を行うことを考慮すべきです。ノートページはすべての編集者に開放されています。最初に議論を開始した人がBRDをよく守っている人です。
  • BRDは、強制されるものではありません。BRDをはじめる義務も、あなたがはじめたからといって守る義務もありません。以降で言及する#代替手段や、他の代替方法を試みるかもしれません。
  • BRDはWikipedia:Template名前空間での行動指針としては正当化されません。反対に、注意を受けるでしょうし、広く使われているテンプレートでは禁止されています。

詳細[編集]

サイクルにおけるそれぞれの段階と留意点を示します。

大胆な編集[編集]

  • 焦点集中: 確実に必要な編集だけを行います。大胆な編集は必ずしも大規模な編集ではなく、大規模な変更よりも焦点に集中した方が結果を生みやすいでしょう。
  • 次に何が起こるか待つ: 誰かが見るようにしばらく編集をやめます。
  • 抵抗を予想する—反対さえも: 反対意見による議論に備える。必要であれば、待つ間に返答を書いておくこともできます。
  • 敬意を保ちます: 何か言われても、一息ついて冷静に。

差し戻し[編集]

  • 差し戻す前に、最初に考慮しましょう。差し戻しを使わずにその文章を他の方法で改善したほうがいいのではないか、その編集の一部を温存しつつ改善できないか、代わりの大胆な編集ができないかといったことです。別の対立見解の編集者がさらに大胆な編集をしたり、あなたの改善をさらに洗練させて反応するかもしれません。この「大胆な洗練」は理想的な共同編集のサイクルです。共同編集による記事の改善は理想的です。しかし、もし以前の状態への復帰やそれに近いと感じたら、編集をやめて次の段階である「議論」に移ってください。
  • 差し戻しの編集要約欄にて、あなたによる差し戻しの理由を簡単に説明し(さらにWP:BRDへリンクをしてもよい)、大胆な編集をした人が差し戻しの理由を聞きたがっていれば、その記事のノートページで議論されることを促します。または、あなた自身で記事のノートページに問題について記し、議論を開始するのもいいでしょう。その編集の問題について耳を傾けてもらえるよう、あなたが望んでいると伝えればより協力的であると感じてもらえることでしょう。一方で、単なる差し戻しはぶっきらぼうに感じさせるでしょう。
  • あなたが2度差し戻したらBRDのサイクルではありません: ノートページで元に戻された理由を聞きだしましょう。
  • 他の人々が差し戻しでなく普通に編集しはじめれば、サイクルはここで終わりです: 通常の編集状況に戻ったでしょう。

議論[編集]

  • もしあなたの編集が差し戻されても、それをさらにあなたの編集へと差し戻しません。 そうしてしまうと、BRDから外れます。
  • エチケット礼儀のガイドラインを順守する。: サイクルを強化し、うまく回していく簡単な方法は礼儀正しくすることです。お手本となり、共同編集者の心持ちを保ちます。
  • 一度に1人か多くて2人の編集者と話し合います。 議論が進展していれば、全員に返答しなければと考える必要はありません。議論の焦点を保つためです。議論が終わってから、他の関係者とで再開すればいいでしょう。
  • 「方針」、「合意」、「手続き」が、差し戻しのための正当な理由となるか、注意深く検討します 合意は変更可能であるにもかかわらず、これらは合意に基づくウィキでは時に過剰に強調されます。他方で、新たな理由なく古い議論を繰り返し再検討に持ち込むのでは、妨害的となってしまいます(ゴネ得蒸し返しを解説する私論英語版も参照)。古い合意に同意できないということでも大丈夫ですが、再検討する場合には合理的な考えが必要とされます。速やかに撤回しないのであれば、以下のことを手助けにします。
    • 非常に注意深く耳を傾けます。: あなたの編集に反対する誰かが抱いている、懸念となる見解に十分注に意深く、完全に把握するよう努めます。もし相手の意見を聞き入れようとしていないなら、合意を見出すことはできず関係者の時間の無駄英語版です。受け入れなければいけません。
    • 妥協の心構えを。: もしあなたの変更へと威嚇して従わせようとするなら、合意を形成しておらず敵対的になってしまっています。このサイクルは、反対の立場を浮き彫りにするよう考案されています。あなたの妥協を明らかにすべきで、そうすればお返しに他者が妥協することを期待できます。これも均等になるとは限らないでしょう。
  • ノートページで議論する: 編集要約欄によって「議論」ができると考えないでください。応答する方法がありません。ノートページや会話ページが適切です。

再び大胆な編集[編集]

  • 他の編集者に合意された変更点を適用してもらう。 相手が望まないなら不要ですが、必ず申し出てみます。この提案だけで敬意を表すことができるでしょう。受け入れられれば、履歴に誰が編集したかが示され、他の編集者は言い回しが正確であるか監督できます(合意が反映されているか)。このようなやり方は、3RRに引っかかるのを防ぐでしょう。
  • この版が最終版とはならないでしょう。 一度ですべて完了することはありません。一部に合意が見つかれば、変更して確定させていきます。そこから新たな要点も見えるでしょう。サイクルが一度完了すれば、さらなる変更が容易となるためのきっかけとなったり、合理的な妥協点に達し終了するかもしれません。

編集合戦[編集]

  • 編集合戦を控えてください。 BRDのサイクルのD(議論)後に、さらなるR(差し戻し)はありません。さらなるサイクルが始まる前に、議論を通じた合意に向かって進むことです。もし議論という部分を飛ばせば、他の編集者の意見のあらゆる側面を受け入れずに差し戻すことであり、編集合戦という敵対行為です。こうした「再差し戻し」 (re-revert) は非協力的であり、一時的なブロックの様な制裁を招くこともあります。目的は合意を求めるということであり、自らの願望を他の編集者に強制しないようにします。
  • また議論に熱中しすぎないよう。 できるだけ速やかに編集することができるよう、賛否両論どちらであろうと立場を特定して合意に向けて議論します。もし新しい編集が議論相手の懸念の一部を合理的に反映しているようであれば、議論中に遠慮なく大胆な編集を試します。この方法は、重要な問題が解決されているかを手短に見極めます。解決していなければ、中心となる固着点に集中します。注意として、これを繰り返すと3RRに引っかかりブロックされることもあるでしょう。他の編集者の意見の一部を反映しているなど、修正的に解決するための明確な意図である必要があります。24時間以内に連続的に3回の差し戻しは、あるいは24時間経過直後でも、編集合戦とみなされれば一時的にブロックされるでしょう。

注意事項[編集]

  • 続けざまにいくつもBRDを行うと、合意を求めるための原則に反する恐れがあり、最初に差し戻した人との編集合戦で終わる可能性があります。1度にひとつだけに対処しましょう。

代替手段[編集]

BRDはすべての状況でうまくいくものではないでしょう。少数の人しか参加していない論争に適しています。他にも多くの代替策があり、その状況にふさわしいものがあるでしょう。

  • 大胆な編集、差し戻し、再び大胆な編集: 議論を行わずに編集をやめません。差し戻しをした人が、承諾しなかったことを推測し、受け入れられるであろう他の編集を試します。あなたの続く再編集が小規模だと役立ちやすいでしょう。なぜ他の編集者が、あなたの変更に反対するのかを検討しやすくするかもしれないからです。
  • 大胆な編集、差し戻し、差し戻し: 差し戻しが誤りだと純粋に思えるのであれば、その差し戻しを素早く実行するかもしれません。ただし、編集合戦のリスクを軽減するためにノートページや編集要約欄にて、なぜ誤りだと考えるのかを説明すべきです。例えば、差し戻した人が、同じ資料が重複して記載されていることに気づかずに差し戻した場合です。
  • あなたの編集、彼らの編集、あなたの編集: 「大胆な改善」であり、他の編集者がそのページの別の部分を改善するのではなく、あなたの編集を改善します。これは共同編集の成功です。
  • 先に議論する: 大胆に編集しない。代わりに、先にノートページで議論を開始します。あなたが同意するまで編集を行わない。
  • Wikipedia:次に行きましょう英語版 他の記事に移動します。それを議論する間に、あなたは百もの記事を改善できるかもしれません。

いくつかの論争の解決の手続きは、行き詰まりを突破するのに役立つことがあります。

また、出典がないなど要求される水準に満たない場合には、Wikipedia:妨害的編集#妨害的編集者への対処も参考となるでしょう。

関連項目[編集]