Aurex

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Aurex(オーレックス)は、東芝(1984年3月以前は東京芝浦電気)子会社の東芝エルイートレーディング(TLET)が、白物家電に用いられる"TOSHIBA"とは別に、オーディオ製品に用いるブランド名。

歴史[編集]

audioオーディオ)のrexラテン語、=king、王)を意味する造語である。1970年代当時、民生の録音再生機器の主流となっていたカセットテープの宿命であったヒス・ノイズの低減及びオープンリールタイプのテープレコーダーに比較して劣っていたダイナミックレンジの伸張を目的として開発された"adres"(Automatic Dynamic Range Expantion System)は、後に同様の効果を持つDOLBY-Cタイプに主流を奪われてしまったが、オーディオ史にその名を刻むものとなった。また、既存分野の製品の開発にも力が注がれ、プリ・アンプ製品でSY-Λ88は名機の誉れが高かった。オーレックス独自のエレクトレットコンデンサ技術によるヘッドフォン・イコライザーアンプ・カートリッジは、ブランド価値を高めた。1980年初頭には家具の一部の様に、部屋の一部分を占める程大きなサイズのシステムコンポーネントを各メーカーが開発する中で、「バードランド」という商品名のコンポーネントを手掛けた。

1985年頃には単品オーディオから撤退。この頃からCDを搭載したミニコンポやゼネラルオーディオにAurexブランドを付与しはじめ、ターゲットユーザーを学生/若者向けにシフト。ヘヴィメタル調のCMを投入してブランドの浸透を図った。しかし市場の評価は芳しくなく、1989年にはこれらの自社開発を終了。ミニコンポはケンウッド、ゼネラルオーディオはシャープからのOEMにそれぞれ切り替え、販売のみ続行した。

1990年、オーディオ事業を当時のグループ企業であったオンキヨーに譲渡し、東芝系列のチェーン店ではオンキヨーが取り扱われることとなった。これに伴いAurexブランドは2016年3月のブランド復活まで一旦消滅した。

2000年代中期にはCDラジカセ、お風呂ラジオなど安価なオーディオ機器を「CUTE BEAT」の愛称でTLETにて発売。2014年現在では非常に珍しいカセットデッキフルロジック&リモコンのCDラジカセもラインナップされている。また、2013年にはAurex時代の技術者が中心になって2年かけて商品開発が行われた、音質を重視したカナル型インナーイヤーヘッドホンを発売している[1]

2016年3月1日、TLETから同年3月下旬発売のハイレゾ音源対応可搬型パーソナルCDラジオシステム「TY-AH1000」の公式発表に併せ、26年ぶりにAurexブランドが復活[2][3]

特徴[編集]

代表的な要素技術[編集]

  • ノイズリダクション "adres"
  • Λコンデンサを使用したアンプ
  • クリーンドライブ
  • エレクトレットコンデンサカートリッジ
  • イコライザーアンプ
  • スーパーAP(High-Bハードパーマロイ)ヘッド
  • AS(オール・センダスト)ヘッド

代表的な製品[編集]

プリアンプ
  • SY-77
  • SY-88
  • SY-Λ88
  • SY-Λ88II
  • SY-Λ90
  • SY-99
イコライザーアンプ
  • SZ-1000
パワーアンプ
  • SC-55
  • SC-77
  • SC-88
  • SC-Λ90F
  • SC-Λ99
プリメインアンプ
  • SB-66
  • SB-66C
  • SB-Λ70
  • SB-Λ70C
  • SB-Λ77
  • SB-Λ77C
カセットデッキ
  • PC-X12
  • PC-X25AD
  • PC-X33(アドレス未搭載。Fe-Cr、メタル使用可。APヘッド)
  • PC-X46AD
  • PC-X45AD
  • PC-X55AD
  • PC-X6AD
  • PC-X60AD
  • PC-X66AD
  • PC-X80AD
  • PC-X88AD(3ヘッド)
  • PC-G3AW(Wカセット)
  • PC-G6AR(オートリバース)
  • PC-G7AD
  • PC-G8AD
  • PC-G90AD(3ヘッド)
コンパクトカセットテープ
  • MX メタルテープ 上記デッキのリファレンステープ
  • AX クロムテープ 上記デッキのリファレンステープ
  • AD ノーマルテープ(TDKのAD) 上記デッキのリファレンステープ
  • F ノーマルテープ(TDKの初代D) Aurex初期のデッキのリファレンステープ
  • FH ノーマルテープ(TDKの初代D改良型)
  • TD ノーマルテープ
  • KS ノーマルテープ(後期D)
  • FS ノーマルテープ(後期D ハーフ改良型)
すべてTDKからのOEMで、F、FH、TD、KS、FSは東芝ブランド(BOMBEAT)でも販売された。また、Fe-CrはソニーのDUADを使用。
CDプレイヤー
  • XR-Z90
  • XR-Z70
チューナー
  • ST-910
スピーカー
  • SS-510
  • SS-L8S
ターンテーブル
  • SR-510
  • SR-M99
ヘッドフォン
  • HR-X1
  • HR-F1
  • HR-1000
  • HR-910
  • HR-810
  • HR-710
  • HR-V9
  • HR-V7

備考[編集]

同時代に東芝と同様、ピュアオーディオに別ブランド名を冠したメーカーには、シャープ(OPTONICA)、日立製作所→日立コンシューマ・マーケティング(Lo-D、2010年ゼネラルオーディオのブランドとして復活)、三洋電機(OTTO)、松下電器→パナソニックTechnics、2015年ブランド復活)、三菱電機三菱電機エンジニアリングDIATONE、2005年ブランド復活)等があるが、ピュアオーディオの衰退とゼネラルオーディオの隆盛につれて撤退したブランドも少なくない。

脚注[編集]

  1. ^ 雌伏のサウンド。今復活する「東芝のオーディオ」東芝初のカナル型インナーイヤーヘッドホン「RZE-S70」「RZE-S60」を聴く。 Impress Watch 営業統括部、2014年。
  2. ^ 新製品情報『ハイレゾ音源の再生に対応した高音質CDラジオの発売について-「実用最大出力50Wマルチデジタルアンプ」「ハイレゾ対応ツィータ」搭載、ワイドFMに対応-』 - 東芝エルイートレーディング 2016年3月1日(2016年3月2日閲覧)。
  3. ^ これにはラジカセに必須のFMロッドアンテナと、コンポに必須のAMループアンテナが付随している。東芝側はコンポではなく「最高級ハイレゾCDラジオ」と説明している。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]