コンテンツにスキップ

ワープド・ツアー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。キュアサマー (会話 | 投稿記録) による 2023年5月9日 (火) 01:45個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (曖昧さ回避ページKEMURIへのリンクを解消、リンク先をKemuriに変更(DisamAssist使用))であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ワープド・ツアー
Warped Tour
Warped Tour 2008年
Warped Tour 2008年
概要
開催年 1995年 - 2019年
会場 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カナダの旗 カナダ
北米40以上の都市
主催 Kevin Lyman
協賛 Vans
テンプレートを表示

ワープド・ツアー(Warped Tour)は、アメリカ合衆国カナダで毎年6月から8月あたりに開催されていた、アメリカ最大級のロックエクストリーム・スポーツの都市巡回型フェスティバルである。正式名称は、ヴァンズ・ワープド・ツアー(Vans Warped Tour)だが、単に略してワープド・ツアーと呼ばれる。1995年に初開催され、2019年に終了した。

全米を代表する複合型フェスティバルの一つで、毎年、主にパンク・ロックバンドを中心とした100を超えるロックバンドと、有名BMXライダー、プロのスケーターなどを交えて、北米40以上の都市をサーカス団の如く回る。また、数多くのインディーズバンドの登竜門的な役割も果たしており、このツアーによって知名度を獲得し、その後大ブレイクしたバンドも数多く存在している。

ヴァンズ・ワープド・ツアーの「ヴァンズ」とは、アメリカのスニーカーブランドの名称であり、ワープド・ツアーのスポンサーであることから先頭に付けられている。

概要

2010年のオルタナティブ・プレス/アドベントステージ (左側) と グラマーキルズステージ (右側) の様子。

1994年に、ケヴィン・リーマン(Kevin Lyman)によって創設された。元々は「スケートボードの大会の際にバンド音楽を流そう」という試みから始まったもので、それが少しずつ規模が大きくなっていき、最終的に全米最大級のフェスティバルにまで発展した。彼は、このワープドツアーの他にも「Taste of Chaos」など、他の大規模ロックフェスティバルの発起人でもあり、正にこの業界の第一人者とも呼べる存在である。

記念すべき第一回目の開催は、1995年8月4日のソルトレークシティ公演。また、1998年には日本やオーストラリアなど、アメリカ以外の国でも開催された。入場者数も年々増加していき、毎年およそ60~70万人を動員していた。

創始者のケヴィン・リーマンは、2018年のVans Warped Tourが最後のツアーになると明言した[1]。翌2019年は3都市のみで開催され、25年の歴史に幕を閉じた[2]

ツアーの様子

2010年8月のスケジュール表。出場するバンド名とそのステージ名、そして公演開始時刻が、この様に一枚の大きな掲示板に記されている。

ハーフパイプ上をスケーターBMXライダーが走りながら、その背後ではパンクロック・バンドによるライブが行われている。このロックライブについてだが、だいたい午前11時くらいに始まり、午後9時くらいまで開催されている。また、ライブステージが全部で10個ほど設置されており、著名なバンドは、その内2つ用意されているメインステージにて公演を行う事が多い。ちなみに、1つのバンドに与えられるパフォーミング時間はおよそ30分で、それが終わると違うバンドと交代する。
この他にも売店やフリーマーケットが展開されている。また、各バンドには簡易テントが用意されており、そこで自身のCDやグッズの販売、ファンへのサイン等を行うバンドも多い。

2006年からは、エコ活動も積極的に行われるようになった。代表的なものとして、「ツアーバスには、バイオ燃料を使う」、「パフォーミングステージには、太陽光電池を設置する」等。これによって、多くのガソリンや電気が節約できるようになり、その効果も多方面から評価されている[3]

2009年からは、2つあったメインステージが1つに縮小される事となったが、その代わりに、各バンドのパフォーミング時間は、以前の30分間から40分間へと伸びている。

出場バンドの経緯

開幕当初は、No Use For A Nameなどのパンクスカ寄りのバンドが中心となって同ツアーを盛り上げていたが、年数と共にポップ・パンクヘビーメタルなど、様々なジャンルのミュージシャンを交ぜるようになった。しかし、どの年のツアーもその時代の流行を反映したバンドが中心となっており、その構成は目まぐるしく変わっている。例えば、近年はエモスクリーモパンクを凌ぐほどの人気を見せているが、それに合わせてBoys Like GirlsUnderoathをメインステージ公演に起用するなど、主催者側もきちんと時代を反映したバンド構成を行っている。

入場するには?

「Warped Tour 2006」の入場パス。

入場料を支払ってパスさえ入手すれば、全てのパフォーマンスを閲覧することができる。(しかし、複数のステージでパフォーマンスが同時進行しているので、事実上全てを閲覧するのは不可能。多くのファンは、自分の好きなバンドが出場するステージを狙って見に行く。)

入場料は年や開催地によって異なるが、だいたい40$~60$の間のことが多い。(都市部での開催の方が高値になる場合が多い。)

様々なトラブル

これまで15年以上に渡って開催されたこのワープド・ツアーだが、全てが円満に終わったという訳では無い。今までに起きた主なトラブルは、以下の通り。

  • 2001年。D12と、同じ年に出演していたラッパーのイーシャム(Esham)とが対立し、共に途中で出場禁止となった。理由はD12に所属するエミネムの娘に対し、イーシャムが彼の持ち歌の中で悪口を言ったためだと言われている。
  • 2006年。アンダーオースのキリスト教的信念から来る『同性愛者どうしの結婚に反対する姿勢』を、NOFXのフロントマンファット・マイクが茶化した事により、アンダーオース側が不快感を示し、ツアーを途中で辞退する事態にまで発展した。
  • 2007年。主催者のケビン・リーマンによると、この年に出場したクリスチャン・バンドとパンク・ロックバンドの間でなんとも言えぬ緊張感があった。

著名な出演アーティスト

1995年

8月4日に、ソルトレークシティからスタート。

1996年

Pennywiseの公演

7月4日に、アリゾナ州フェニックスからスタート。

1997年

7月3日に、ロサンゼルスからスタート。

"The Vandals"の公演。

1998年

7月2日に、カリフォルニア州ラグナヒルズからスタート。

1999年

6月25日に、テキサス州サン・アントニオからスタート。

2000年

6月25日に、アリゾナ州フェニックスからスタート。

2001年

6月22日に、アリゾナ州フェニックスからスタート。

2002年

2003年

6月19日に、アイダホ州アイダホ・センターからスタート。

2004年

6月2日に、テキサス州ヒューストンからスタート。

"Anti-Flag"の公演。


2005年

6月18日に、オハイオ州コロンバスからスタート。

"Amber Pacific"の公演。

2006年

6月15日に、メリーランド州コロンビアからスタート。

"New Found Glory"の公演。
  • From First to Lastが、ボーカルの声帯に問題が発生した為、途中棄権している。
  • Spitalfieldが、ギタリストの脱退により、途中棄権している。
  • Underøath が、バンド内の問題により途中棄権している。その穴を埋める形で、Talib Kweliの出演が急きょ決定した。

2007年

6月29日に、カリフォルニア州ポモナからスタート。

"Paramore"の公演。

2008年

6月20日に、カリフォルニア州ポモナからスタート。

  • オレスカバンドが、日本人バンドとしては初となる全公演出場を果たした。
  • 約27,000kmを横断し、計65万人を動員した。
The Academy Is...の公演。

2009年

6月26日に、カリフォルニア州ポモナからスタート。

2010年

  • 6月25日に、カリフォルニア州カーソンからスタート。
  • 全43公演
Alkaline Trioの公演。

2011年

Of Mice & Menの公演。

2012年

日本での開催

ワープド・ツアーは過去3回(1998年、2004年[4]、2018年[5])に渡り日本でも開催されている。

1998年

開催日 会場 出演者
1月28日 川崎 CLUB CITTA'
1月29日


2004年

開催日 会場 出演者
1月10日 - 1月11日 新木場 STUDIO COAST

2018年

開催日 会場 エリア 出演者
3月31日 幕張メッセ 国際展示場9-11ホール
EAST STAGE
WEST STAGE
NORTH PARK STAGE
4月1日
EAST STAGE
WEST STAGE
NORTH PARK

脚注

  1. ^ Home - Alternative Press”. web.archive.org (2018年2月15日). 2020年4月6日閲覧。
  2. ^ Giordano, Medea (2018年7月3日). “R.I.P. Warped Tour. At Least We Still Have Vans.” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2018/07/03/style/warped-tour-vans.html 2020年4月6日閲覧。 
  3. ^ “Warped Eco Initiative”. dosomething (dosomething). http://www.dosomething.org/project/warped-eco-initiative 2009年4月4日閲覧。 
  4. ^ 10-FEETのあの日、あの時 8|HMV&BOOKS onlineニュース”. 2022年7月16日閲覧。
  5. ^ "Warped Tour Japan 2018"、来年3/31、4/1の2日間にわたり開催!第1弾アーティストにKORN、PROPHETS OF RAGE、LIMP BIZKITが決定!”. 2022年7月16日閲覧。

外部リンク