齋藤友香理
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齋藤 友香理 | |
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出生名 | 齋藤 友香理 |
生誕 | 1983年5月29日(39歳) |
出身地 |
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学歴 | 桐朋学園大学、カール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学 |
ジャンル | クラシック音楽 |
職業 | 指揮者 |
担当楽器 | 指揮 |
活動期間 | 2010年 - |
齋藤 友香理 (さいとう ゆかり、1983年5月29日 - ) は日本人指揮者[1]。ドイツのドレスデンを拠点に活動中[2]。
経歴[編集]
生い立ちと教育[編集]
東京都出身。4歳でピアノを始め、桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学ピアノ科を卒業。大学在学中から副科で指揮を学び始める。当初は、ピアノが上手くなるための指揮の勉強だったが、見る見るうちに指揮の魅力に憑りつかれ、卒業後も同大学の科目履修生として指揮を学んだ[1][3]。2009年に小澤征爾音楽塾においてオペラ・プロジェクト『ヘンゼルとグレーテル』のアシスタント指揮者を務める。2009年から2013年までローム ミュージック ファウンデーションの音楽セミナーに参加し、指揮を小澤征爾と湯浅勇治、コレペティションを三ツ石潤司に学ぶ[1]。この間、2010年には新日鐵文化財団 (現・日本製鉄文化財団) の指揮研究員として、紀尾井ホール室内管弦楽団および東京フィルハーモニー交響楽団にて研鑽を積んだ[4]。
2013年からドレスデンのカール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学において、ゲオルグ・クリストフ・ザンドマン教授からオーケストラ指揮法を学んだ[1]。尚、齋藤が留学先をドレスデンに決めた理由の一つは、オペラを本格的に勉強するためだったという[5]。ドレスデンで学業の傍ら、2014年にモーリッツブルク音楽祭でハインリヒ・シフのアシスタント指揮者を務め、2015年3月にはライプツィヒで、ヴァイマル、ライプツィヒ、ドレスデンの音楽大学の選抜指揮者としてMDR交響楽団を指揮した[1]。2018年にはバイエルン州立歌劇場で上演されたワーグナー『パルジファル』公演において、キリル・ペトレンコのアシスタントを務めた。このとき齋藤は、ペトレンコが、パルジファルの作品をしっかりと読み込んでいることと、相手が誰であろうとお互い納得するまで徹底して話し合うことに、強い印象を受けた[6]。
指揮者として[編集]
齋藤が初めてオーケストラを指揮したのは、高校3年生のときのクラスのミュージカル上演であるが[2]、一般の演奏会でプロのオーケストラを指揮したのは、2010年9月に、小澤征爾音楽塾にて、小澤征爾の指名でオペラ『ヘンゼルとグレーテル』を指揮したのが最初である。2013年夏に、大阪フィルハーモニー交響楽団、九州交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団を指揮し、国内オーケストラに相次いでデビュー。その後、国内のオーケストラを数多く指揮している[1] (後述の「演奏活動」を参照)。
齋藤の海外での活動のきっかけは、2015年にブザンソン国際指揮者コンクールにて3人のファイナリストの1人となり、オーケストラ賞と聴衆賞を同時受賞したことである[7]。これを受けて2016年9月にリール国立管弦楽団を指揮してフランス・デビュー[8]。次いで2017年10月にトーンキュンストラー管弦楽団を指揮してウィーン・デビューした[9][10]。
演奏活動[編集]
レパートリー[編集]
齋藤の演奏会は、ドイツを中心とした中欧、東欧の古典派、ロマン派の作品を取り上げることが多い。例えば、齋藤のウィーン・デビューとなった、2017年10月のトーンキュンストラー管弦楽団との演奏会は、ウェーバーの『魔弾の射手』序曲とクラリネット協奏曲第2番変ホ長調、ロベルト・シューマンの交響曲第4番ニ短調という、ザクセンゆかりの作曲家で固めたプログラムであった[9][10]。2018年5月の東京交響楽団とアンティエ・ヴァイトハース (ヴァイオリニスト) との演奏会では、メンデルスゾーン、ブルッフ、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を3曲同時に演奏している[11][12]。近年も、新型コロナ・ウィルス感染症の流行で演奏会の開催が困難な中[2]、2020年10月に群馬交響楽団、2021年2月に東京交響楽団と、いずれもモーツァルトとベートーヴェンに焦点を当てた演奏会を開催した[13][14]他、2022年1月には新日本フィルハーモニー交響楽団とシューベルト交響曲第7番ロ短調「未完成」とベートーヴェン交響曲第5番ハ短調「運命」、ドヴォルザーク交響曲第9番ホ短調「新世界より」を一挙に演奏した[15]。
このようなドイツを中心とした中欧、東欧の古典派、ロマン派の作品と並んで、齋藤の演奏会にはオペラやオペレッタ、バレエといった舞台芸術の楽曲も多く登場する。2020年10月の日本フィルハーモニー交響楽団との演奏会の後半は、オペラとオペレッタの序曲とアリアに焦点を当てた[16]。2021年12月の東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団との「第6回オペラ歌手紅白対抗歌合戦 声魂真剣勝負」では、紅組の指揮者として女声のアリアと二重唱を指揮した[17]。また、2022年1月に札幌交響楽団とレハールのオペレッタ『微笑みの国』『メリー・ウィドウ』から数曲を演奏している[18]。バレエについても、2021年12月にKバレエカンパニーとチャイコフスキーのくるみ割り人形のハイライトを上演した[19][20][21]。齋藤自身も「世界中の劇場に行ってみたい」と、舞台芸術への意気込みを語っている[2]。
このほか、齋藤はガーシュイン[22]やヒンデミット[23]、ウィリアム・ウォルトン[24]、ヴァルター・ブラウンフェルス[25]、ジョン・ウィリアムズ[26]などの20世紀の作品も指揮している。また、今後は海外で日本人作曲家の作品を海外で演奏し発信することにも意欲を示している[2]。
主な共演者[編集]
- オーケストラ (国外のオーケストラはアルファベット順、日本のオーケストラは五十音順):Orchestre national de Lille (リール国立管弦楽団)、Tonkünstler-Orchester Niederösterreich (トーンキュンストラー管弦楽団)、大阪フィルハーモニー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、北九州グランフィルハーモニー管弦楽団、群馬交響楽団、札幌交響楽団、シアター・オーケストラ・トーキョー、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、日本センチュリー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、兵庫芸術文化センター管弦楽団、読売日本交響楽団
- ソリスト (外国人は姓のアルファベット順、日本人は五十音順):Hartmut Hudezeck (ハルトムート・フデツェック、ピアノ)、Hervé Joulain (エルヴェ・ジュラン、ホルン)、Daniel Ottensamer (ダニエル・オッテンザマー、クラリネット)、Timothy Ridout (ティモシー・リダウト、ヴィオラ)、Antje Weithaas (アンティエ・ヴァイトハース、ヴァイオリン)、石上真由子 (ヴァイオリン)、今井信子 (ヴィオラ)、上野聖矢 (フルート)、奥村愛 (ヴァイオリン)、加耒徹 (バリトン)、木下美穂子 (ソプラノ)、郷家曉子 (メゾソプラノ)、近藤圭 (バリトン)、佐々木亮 (ヴィオラ)、佐藤晴真 (チェロ)、佐藤瞳 (ソプラノ)、三戸大久 (バスバリトン)、髙木竜馬 (ピアノ)、冨平安希子 (ソプラノ)、林美智子 (メゾソプラノ)、古橋郷平 (テノール)、宮里直樹 (テノール)、宮本益光 (バリトン)、森田啓佑 (チェロ)、山宮るり子 (ハープ)、横坂源 (チェロ)、与那城敬 (バリトン)
- 合唱団:大阪フィルハーモニー合唱団、成城合唱団
- バレエ団:Kバレエカンパニー
受賞歴[編集]
- 2015年 ブザンソン国際コンクール オーケストラ賞および聴衆賞[7]
日本初演[編集]
- ズザンネ・ツァガール=スヴィリドフ作曲「チェロとオーケストラのための《つばき》」、横坂源 (チェリスト)、東京交響楽団 (ミューザ川崎シンフォニーホール、2020年2月9日)[27]
録音[編集]
以下の演奏会は、演奏会後、期間限定でアーカイブ配信された。
- 日本フィル&サントリーホール とっておきアフタヌーン Vol. 14 (サントリーホール、2020年10月5日)[16]
- ヴィオラスペース2021 vol. 29 コンサートI「オーケストラ」(紀尾井ホール、2021年6月1日)[23]
- 湯けむりコンサート 群響草津公演 (草津音楽の森国際コンサートホール、2021年12月5日)[28]
- 2022都民芸術フェスティバル~ドイツの神髄~ (東京芸術劇場、2022年2月3日)[29]
また、以下の演奏 (の一部) が、オンラインで公開されている。
- ブザンソン国際指揮者コンクール・ファイナル (ページ右下の動画の3分18秒以降、2015年9月20日、2021年6月7日閲覧)
- 東京オペラシティシリーズ 第103回のリハーサル風景 (2018年5月11日、2021年6月7日閲覧)
- 湯けむりコンサート群響草津公演から、モーツァルトのディヴェルティメント ニ長調 K. 136及びピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466より、ハイドンのチェロ協奏曲第1番 ハ長調 Hob.VIIb:1より (草津音楽の森国際コンサートホール、2021年12月5日、2022年3月12日閲覧)
メディア出演・記事[編集]
テレビ・ラジオ[編集]
- セブンルール (カンテレ・フジテレビ系、2020年2月18日)
- ONE hour Sense (フジテレビ、2020年8月30日)
- NHKハグくむコンサート (NHK、2021年11月20日)
- ブラボー!オーケストラ ▽関西フィルハーモニー管弦楽団 (NHK FM、2021年12月26日)
- ブラボー!オーケストラ ▽東京交響楽団 (NHK FM、2022年2月13日、20日)
新聞・雑誌[編集]
- 岩崎貴行「若手指揮者、相次ぎ起用 国内オーケストラに新風」(日本経済新聞夕刊、2018年5月28日付、2021年6月6日閲覧)
- 「ACT4 People 齋藤友香理 (指揮者)」『ACT4』88号 (インプレザリオ、2019年01月25日)、p. 15
外部リンク[編集]
- Artist|Conductor Yukari Saito 齋藤 友香理、KAJIMOTO、2022年1月2日閲覧
脚注[編集]
- ^ a b c d e f Tonkünstler Betriebsges.m.b.H.: Tonkünstler Orchester Daniel Ottensamer Programm, p. 12, Tonkünstler Orchester, 2017
- ^ a b c d e 日本フィル&サントリーホール とっておきアフタヌーン Vol. 14 齋藤友香理(指揮) インタビュー、サントリーホール
- ^ Y. Nag「アーティスト自身による自画自賛 vol. 23 指揮者 齋藤友香理」(TOKYOWISE, 2021年6月7日閲覧)
- ^ 「新日鐵文化財団で指揮研究員制度発足」 (「ぶらあぼ」、2010年4月23日、2021年6月7日閲覧
- ^ サントリーホール「日本フィル&サントリーホール とっておきアフタヌーン Vol. 14 齋藤友香理(指揮) インタビュー」
- ^ 「ACT4 People 齋藤友香理 (指揮者)」『ACT4』88号 (インプレザリオ、2019年01月25日)、p. 15
- ^ a b 54e Concours – 2015, Festival interational de musique Besançon Franche-Comté,
- ^ 7. Orchestre National de Lille <<16/17 une saison décoif-fante!>>, p. 15
- ^ a b Subscription Concert, Tonkünstler Orchestra, Oct 12, 2017
- ^ a b Subscription Concert, Tonkünstler Orchestra, Oct 14, 2017
- ^ 東京オペラシティシリーズ第103回、東京交響楽団、2021年6月6日閲覧
- ^ 東京交響楽団 第107回新潟定期演奏会、新潟市民芸術文化会館、2021年6月6日閲覧
- ^ 県民音楽のひろば (伊勢崎市境総合文化センター)、群馬交響楽団、2021年6月7日閲覧
- ^ 東京交響楽団演奏会、逗子市、2021年6月7日閲覧
- ^ ニューイヤーコンサート2022 "華麗なる3大交響曲"、新日本フィルハーモニー交響楽団、2022年1月26日閲覧
- ^ a b 公演スケジュール、サントリーホール、2021年6月7日閲覧
- ^ 第6回オペラ歌手紅白対抗歌合戦 声魂真剣勝負、サントリーホール、2022年1月2日閲覧
- ^ Kitaraのニューイヤー、札幌交響楽団、2022年1月26日閲覧
- ^ 子どもたちへ贈る バレエと音楽の煌めき、大田区文化振興協会、2022年2月15日閲覧
- ^ シアター オーケストラ トーキョー バレエ!バレエ!!バレエ!!! くるみ割り人形とクララのクリスマス、立川市地域文化振興財団、2022年2月15日閲覧
- ^ くるみ割り人形とクララのクリスマス、さいたまアート・フェスタ2021、2022年2月15日閲覧
- ^ GERSHWIN AUF REISEN. EIN AMERIKANER IN PARIS, Tonkünstler Orchester, 2021年6月7日閲覧
- ^ a b ヴィオラスペース2021 vol. 29 Happy Birthday Beethoven & Hindemith、テレビマンユニオン音楽事業部、2021年6月7日閲覧
- ^ 第5回東京国際ヴィオラコンクール、東京国際ヴィオラコンクール運営事務局、2022年6月6日閲覧
- ^ 7. Philharmonisches Konzert, ERZGEBIRGS RUND-SCHAU, 2021年6月7日閲覧
- ^ 音と光が誘うジョン・ウィリアムズの世界、Osaka Shion Wind Orchestra、2022年1月2日閲覧
- ^ 名曲全集 第154回<後期>、東京交響楽団、2021年6月7日閲覧
- ^ 湯けむりコンサート 群響草津公演、群馬交響楽団、2022年3月2日閲覧
- ^ 2022都民芸術フェスティバル~ドイツの神髄~、東京交響楽団、2022年2月15日閲覧