長崎スマートカード

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長崎スマートカード(ながさきスマートカード)は、長崎県内を拠点とするバス路面電車鉄道事業者で相互利用が可能なICカード方式の回数乗車券定期乗車券である。

カード裏面(西肥自動車)

概要[編集]

カードリーダー(島鉄)
長崎県内のバス・路面電車・鉄道で利用可能(一部を除く)

長崎スマートカードが登場する以前から存在した長崎県営バス、佐世保市営バス並びに長崎自動車、西肥自動車、島原鉄道の各バス路線共通回数乗車券を電子移行する形で導入された。長崎県バス協会・九州バス協会・日本バス協会から補助金を受けて導入された。現在ではバス・路面電車・鉄道10社[1](いずれも車内収受式)が導入している。入金処理(積み増し)した額が使えるプリペイド(前払い)方式。発行枚数は2005年12月の時点で約32万枚である。システムには、「FeliCa(フェリカ)」を採用している。長崎スマートカードの回数券残額の積み増しは車内または最寄りの窓口で行う。カードリーダーは小田原機器製。小児・障害者向けに半額割引カードも存在する。

特典としては乗継割引(5%)・積み増し加算(10%)・利用額に応じてのポイント付与(1%)を設けている[1]

導入事業者・利用可能エリア[編集]

車体にICマークを貼付(県営バス)
松浦鉄道

バス[編集]

路面電車[編集]

鉄道[編集]

導入・利用状況[編集]

2002年1月21日に、長崎市内で式典を行うとともに一部路線での運用を開始した。予算や、2002年までは車両ごとに無線局免許を受けなければならなかったことから、一度に全路線へ導入を行うことはできなかったが、3年をかけて2005年3月までに各社とも全車両への導入を完了させ、完全にキャッシュレスでの乗車を可能とした。

これに伴い、これまで使われてきた6社局共通回数券は、2004年9月30日で発売終了となり、2005年4月1日以降は利用できなくなった。また、長崎バスが独自に導入していたバスカードも、2002年12月31日をもって発売終了となっている。

2004年3月より定期券にも長崎スマートカードが導入された。区間や利用者名などは長崎スマートカードの表面に青字で印字され、更新するごとに書き換えられる。最初の発行時の回数券残額は0円である。しかしながら、事前に積み増しをすることで、定期券区間外に乗り越した場合も、定期券区間外の乗り越し分を降車時に自動で回数券残額から精算することが可能である。

2008年3月20日から長崎電気軌道にも導入された。初期導入車両は16両で、2008年12月31日までに150形160形を除く全車両に導入され、2009年1月10日より定期券タイプの長崎スマートカードの発売が開始された。現金での利用客に対しては、新地中華街電停で乗り継ぎ券を引き続き渡している。回数券は2009年9月30日まで使用できた(発売は2008年12月31日に終了した)。なお、長崎スマートカードを使用して築町電停で乗り継ぐ(石橋方面と出島方面との接続)場合、30分以内に限られる。

長崎電気軌道での長崎スマートカードの導入に伴い、以後新規に発行されるカードの絵柄も、長崎の風物とバスを描くデザインからバスと電車両方で使えることを示すデザインに変更された。その後配色を変更したカードも登場し、現在利用可能なカードには3種類のデザインがある[2][3]

2008年12月より、佐世保市が発行する市内路線バス(佐世保市交通局・させぼバス・西肥自動車)に乗車可能な福祉乗車証佐世保市敬老特別乗車証・佐世保市心身障害者(児)福祉特別乗車証、佐世保市敬老パス・福祉パス)が長崎スマートカードを利用した方式に変更されている。

2011年3月12日より、松浦鉄道にも導入された。保有車両26台の乗降口に乗車リーダーと降車リーダー付き運賃箱を取り付け、有人駅7駅の窓口にてスマートカードの取り扱い業務を行なっている[4]

モバイル長崎スマートカード[編集]

2005年12月12日からおサイフケータイに対応した、モバイル長崎スマートカードのサービスを開始した。NTTドコモiモードFeliCa対応機種のみ利用可能で、auソフトバンクモバイルスマートフォンのおサイフケータイは対応していない。また、島鉄バスと松浦鉄道ではモバイル長崎スマートカードは利用できない。

モバイル長崎スマートカードは、島鉄バスと松浦鉄道を除く各社局の定期券にも対応し、携帯電話の画面で区間表示・利用表示が停留所名で表記されるほか、停留所の追加・廃止にも対応できる。

カードの特徴[編集]

  • 回数券発売額は3,000円。車内のほか、各事業者の営業所や、長崎大学生活協同組合などで発売している。
  • 回数券残額を1,000円単位で30,000円まで積み増すことができる。車内では、長崎電気軌道と松浦鉄道では自動積み増し機で積み増すことができるが、バスでは運転士に申告する必要がある。
    • 両替機と紙幣読み込み機を共用するため、運転士が操作する前に誤って紙幣を入れてしまうと両替になる。
  • 積み増しをした金額の10パーセントがプレミアムとして上乗せされる。さらに前回の積み増しから今回の積み増しをした時点までの利用額の1パーセントのポイントが付く。ポイントは10円単位で上乗せされる。
  • 同一バス事業者の同一停留所で30分以内に乗り継ぐ場合は、乗り継ぎ後の運賃から、乗り継ぎ前の運賃と乗り継ぎ後の運賃の合計額の5パーセントを、10円単位で四捨五入した額が割り引かれる[5]。長崎電気軌道の場合は、新地中華街電停で30分以内に、直通列車がない方向への乗り継ぎを行うと2回目の乗車が無料になる。松浦鉄道の場合は、乗り継ぎ割引は行われない。(但し、全線運賃上限200円となる日は、伊万里で乗り継ぐと、2回目の乗車運賃が無料となる。)
  • 回数券残額は乗降の際にカードリーダーに触れることで確認できるほか、各社局の窓口や自動積み増し機、ドアが閉まっているときに車内でカードリーダーに触れることでも確認可能である。
  • 窓口にて利用履歴を確認できる。履歴印字も可能で、日付・時刻・利用額・停留所名・系統名が印字される[6]
  • デポジットはない。
  • 有効期間は最終利用日より10年間で、これを経過するとSFは失効する。

積み増し方法[編集]

各社局の車内・営業所などで、積み増しを行うことができる。バス車内では、運転手に申し出る。長崎電気軌道車両内・松浦鉄道車両内では、自動積み増し機で行うか、運転士に申し出る。

長崎自動車(長崎バス)
大橋営業所
神の島営業所
桜の里営業所
ダイヤランド営業所
時津営業所
松ヶ枝営業所
柳営業所
新地総合サービスセンター - 自動積み増し機と窓口の両方で可能。
ココウォークバスセンター - 自動積み増し機と窓口の両方で可能。
さいかい交通窓口
浜屋百貨店 - 自動積み増し機
長崎県交通局(県営バス)
長崎ターミナル(長崎駅前交通会館)
矢上営業所
長与営業所
諫早ターミナル
大村ターミナル
県営バス施設外
長崎県庁生活協同組合
長崎市役所生活協同組合
プチ北尾(中央橋バス停側の店舗)
長崎電気軌道
電車車内 - 運転士または車掌に申告せずに積み増し可能。
西町営業所(浦上車庫前電停) - 自動積み増し機と窓口の両方で可能。
蛍茶屋営業所(蛍茶屋電停)- 自動積み増し機と窓口の両方で可能。
赤迫配車室 - 自動積み増し機
西浜町定期券発売所
長崎西洋館 - 自動積み増し機
松浦鉄道
列車車内 - 運転士に申告せずに積み増し可能。
駅員配置駅

※浜屋百貨店の浜屋プレイガイドでは従来、長崎県交通局が積み増しを取り扱っていたが、長崎県交通局から業務委託を受けた業者の着服が発覚したため一度取り扱いが中止された[7]。その後長崎県交通局に代わり長崎自動車が2011年11月より自動積み増し機を設置する形で浜屋百貨店での取り扱いが再開している[8]

ココカラーカード[編集]

長崎自動車が2008年に開業したみらい長崎ココウォーククレジットカードオリエントコーポレーションと提携し発行。長崎スマートカードの機能にクレジットカードの機能が付いている。JCBやNTTドコモのiDの加盟店で使用可能である。

不具合[編集]

2009年7月15日、7社局及び県バス協会は車載器の不具合により、特定の利用者から運賃を過徴収していたことを発表した[9]。過徴収額は19,890円。

2008年3月20日から2009年1月10日までの期間中、前日までに乗り継ぎ割引を利用し、当日最初に路面電車でカードを利用した場合、乗り継ぎ割引の利用回数が0に戻らず、乗り継ぎ割引が受けられないケースが982件生じた。影響を受けたカードは410枚で、1枚当たり10円から720円を過徴収していた。

過徴収されたカード利用者には、翌日以降の利用時に過徴収額をカードに積み戻しすることで対処した。対象かどうかはホームページに判別プログラムがあり、カード番号を入力することで対象カードかどうかが判別できる。

今後の予定[編集]

導入から15年が経過し機器の老朽化が進行していることから、長崎電気軌道松浦鉄道長崎県交通局長崎県央バス佐世保市交通局させぼバス西肥自動車は2020年度を目処にnimocaへ切り替える方針を明らかにした[10][11]

一方、長崎自動車さいかい交通は2017年11月になって、2019年度を目処に独自規格のICカードを導入することを発表した。「地域創生型ICカード」と題し、カードの利用でTポイントが付与されるシステムを構築する。なお、利用者の利便性という観点から、当社が導入するカードをnimoca導入事業者でも利用できるように要請するとともに、当社のシステムでnimocaも利用できるよう検討するとしている[11][12]

また、島原鉄道は当初はnimocaへの切り替えを発表していたが、2017年12月に長崎自動車の傘下に入ったためこの方針を白紙撤回、地域創生型ICカードを導入することとなった。

脚注[編集]

  1. ^ a b 長崎スマートカード
  2. ^ 参考:長崎電気軌道によるスマートカードの案内
  3. ^ 参考:長崎バスによるスマートカードの案内
  4. ^ 松浦鉄道の最近の取り組み
  5. ^ ただし、1日2回までで、長崎バスとさいかい交通は同一事業者扱いとなる。
  6. ^ ただし、最新の利用履歴は反映されていないことがある。また、カードの発行事業者と窓口を運営する事業者が異なると一部のデータを確認できないことがある。
  7. ^ 平成23年9月29日 スマートカード積増業務委託に係る刑事告訴について - 長崎県
  8. ^ 浜屋への自動積み増し機設置のご案内 - 長崎バス
  9. ^ スマートカードご利用のお客様へお知らせ(長崎電気軌道)
  10. ^ “2020年 長崎県の交通事業者7社局で、全国相互利用ICカード「nimoca(ニモカ)」を導入予定!”. 一般社団法人 長崎県バス協会(次期ICカード(ニモカ)準備委員会 長崎電気軌道サイト内). http://www.naga-den.com/smarts/index/580/ 2018年9月21日閲覧。 
  11. ^ a b “長崎電気軌道や松浦鉄道など7社局「nimoca」導入へ 全国相互利用サービスに対応”. 乗りものニュース. (2018年4月3日). https://trafficnews.jp/post/80153 2018年4月17日閲覧。 
  12. ^ ICカード乗車券に関する方針について (PDF)”. 長崎自動車 (2017年11月27日). 2017年11月28日閲覧。

外部リンク[編集]

各者のカード案内ページ
その他