裏切りのサーカス

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裏切りのサーカス
Tinker Tailor Soldier Spy
監督 トーマス・アルフレッドソン
脚本 ブリジット・オコナー
ピーター・ストローハン
原作 ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ
ジョン・ル・カレ
製作 ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
ロビン・スロヴォ
製作総指揮 ピーター・モーガン
ライザ・チェイシン
ロン・ハルパーン
デブラ・ヘイワード
ジョン・ル・カレ
ダグラス・アーバンスキー
出演者 ゲイリー・オールドマン
コリン・ファース
トム・ハーディ
ジョン・ハート
トビー・ジョーンズ
マーク・ストロング
ベネディクト・カンバーバッチ
キーラン・ハインズ
音楽 アルベルト・イグレシアス
撮影 ホイテ・ヴァン・ホイテマ
編集 ディノ・ヨンサーテル
製作会社 スタジオカナル
ワーキング・タイトル・フィルムズ
配給 イギリスの旗 スタジオカナルUK
フランスの旗 スタジオカナル
日本の旗 ギャガ
公開 イタリアの旗 2011年9月5日VIFF
イギリスの旗 2011年9月16日
フランスの旗 2012年2月8日
日本の旗 2012年4月21日
上映時間 128分
製作国 イギリスの旗 イギリス
フランスの旗 フランス
ドイツの旗 ドイツ
言語 英語
ロシア語
ハンガリー語
フランス語
製作費 $21,000,000[1]
興行収入 $80,630,608[2]
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裏切りのサーカス』(うらぎりのサーカス、原題: Tinker Tailor Soldier Spy)は、2011年イギリスフランスドイツ合作のスパイ映画。ジョン・ル・カレの1974年の小説『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を、ブリジット・オコナーピーター・ストローハンが脚本化し、トーマス・アルフレッドソンが監督した作品である。主人公のジョージ・スマイリー英語版ゲイリー・オールドマンが演じ、コリン・ファーストム・ハーディジョン・ハートトビー・ジョーンズマーク・ストロングベネディクト・カンバーバッチキーラン・ハインズらが共演する。

イギリスのワーキング・タイトル・フィルムズが製作し、フランスのスタジオカナルが出資した。プレミア上映は第68回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門で行われた。本作は批評家には好評を持って迎えられ、またイギリスでは週末興行収入で3週連続1位となった。日本ではR15+指定。

あらすじ[編集]

時は東西冷戦下。イギリスとソ連の諜報機関、MI6(通称:サーカス)とKGBは水面下で様々な情報戦を繰り広げていた。

長年の作戦失敗や情報漏洩から、サーカスのリーダーであるコントロールは内部にKGBの二重スパイ「もぐら」がいることを確信。「もぐら」に関する情報源と接触するため、ジム・プリドーをハンガリーに送り込むも作戦は失敗。責任をとってコントロールと彼の右腕であったジョージ・スマイリーは引退を余儀なくされる。

退職後ほどなくコントロールは死去。ほぼ同時期に実働部隊であるスカルプハンター(通称:首狩人)のリッキー・ターの前に「もぐら」の情報を持つKGBの女イリーナが現れる。彼女と恋仲になったターはイリーナをイギリスに亡命させるためロンドンのサーカス本部に連絡するが、翌日イリーナは何故かKGBに発見され連れ去られてしまう。サーカス内部に「もぐら」がいることを思い知ったターはイギリスへ戻り、政府の情報機関監視役であるオリバー・レイコン次官に連絡、レイコンにより引退したスマイリーが「もぐら」探しを命じられることとなる。スマイリーは、ターの上司でスマイリーに忠実であったため左遷されたピーター・ギラム、そして警視庁保安部の元警部メンデルとともに調査を始める。

「もぐら」と目されるのは4人の幹部。現サーカスのリーダーであるパーシー・アレリン、アレリンを傀儡とし実権を握っていると噂されるビル・ヘイドン、勇敢だが愚直なロイ・ブランド、日和見な性格のトビー・エスタヘイス。彼らは「もぐら」を探していたコントロールによってそれぞれ「ティンカー(鋳掛け屋)」(アレリン)、「テイラー(仕立屋)」(ヘイドン)、「ソルジャー(兵隊)」(ブランド)、「プアマン(貧乏人)」(エスタヘイス)とコードネームを付けられていた。またスマイリー自身もコントロールにより「ベガマン(乞食)」として候補に含まれていたことを知る。

4人の「もぐら」候補の過去、KGBの大物スパイであるカーラとスマイリーの関係、作戦の失敗で死んだとされていたプリドーの生存、スマイリーと妻アンの関係が徐々に明らかになる中、アレリンらが強硬に進める「ウィッチクラフト作戦」の実態が判明する。ソ連大使館員ポリヤコフこそが「ウィッチクラフト」の正体であり、彼から情報をもらうために、アレリンら幹部4人がくだらない情報を彼に渡していたのだが、それはカーラの仕組んだ罠であり、アレリンらのうちの1人が「もぐら」としてプリヤコフに重要な情報を渡していたのだ。スマイリーはエスタヘイスを追及して隠れ家を聞き出すと、ターを使ってパリからアレリンらに情報を送ってゆさぶる。隠れ家で待ち伏せしていたスマイリーの前に現れたのはヘイドンだった。ヘイドンはカーラの指示でアンの愛人となることでスマイリーの判断を曇らせようとまでしていたのである。数日後に移送の決まったヘイドンを、かねてより彼が「もぐら」であることに気付いていた「親友」のプリドーが射殺する。

家を出ていたアンがスマイリーのもとに戻る。そして、アレリン失脚後のサーカスのリーダーとしてスマイリーが復職する。

キャスト[編集]

ジョージ・スマイリー英語版
演 - ゲイリー・オールドマン、日本語吹替 - 辻親八
サーカスの元幹部。コントロールのかつての右腕。
ビル・ヘイドン
演 - コリン・ファース、日本語吹替 - 森田順平
サーカス幹部。両性愛者。スマイリーの妻の浮気相手。
リッキー・ター
演 - トム・ハーディ、日本語吹替 - 鶴岡聡
サーカス職員。首狩人。
ジム・プリドー
演 - マーク・ストロング、日本語吹替 - 加藤亮夫
サーカス職員。ヘイドンの「親友」。
ロイ・ブランド
演 - キーラン・ハインズ、日本語吹替 - 水野龍司
サーカス幹部。
ピーター・ギラム
演 - ベネディクト・カンバーバッチ、日本語吹替 - 小川輝晃
サーカス職員。同性愛者
トビー・エスタヘイス
演 - デヴィッド・デンシック、日本語吹替 - 鈴木正和
サーカス幹部。
ジェリー・ウェスタビー
演 - スティーヴン・グレアム
サーカスを辞めさせられた職員。プリドーの事件発生時の当直。
オリヴァー・レイコン
演 - サイモン・マクバーニー
情報機関監視役。
パーシー・アレリン
演 - トビー・ジョーンズ、日本語吹替 - 佐々木睦
サーカスの現リーダー。
コントロール
演 - ジョン・ハート、日本語吹替 - 大塚周夫
サーカスの前リーダー。
イリーナ
演 - スヴェトラーナ・コドチェンコワ、日本語吹替 - 石田嘉代
ターの前に現れたKGBの女。
コニー・サックス
演 - キャシー・バーク、日本語吹替 - 増子倭文江
サーカスを辞めさせられたベテラン女性職員。
メンデル
演 - ロジャー・ロイド=パック
警視庁保安部の元警部。
マッケルヴォア
演 - クリスチャン・マッケイ
パリのサーカス職員。
アレクセイ・ポリヤコフ
演 - コンスタンチン・ハベンスキー
ソ連大使館員。在ロンドン文化担当官。実は元軍人。
カーラ
声 - マイケル・サーン
「もぐら」を操るソ連大物スパイ。

製作[編集]

企画[編集]

プロジェクトはワーキング・タイトル・フィルムズの依頼でピーター・モーガンが脚本の草案を書き上げたことで開始された。モーガンはその後、私的な理由のために脚本を降板したものの、製作総指揮として残留した[3]。モーガンの離脱により、ワーキング・タイトルは脚本再考のためにブリジット・オコナーピーター・ストローハンを雇った。2009年7月9日、トーマス・アルフレッドソンの監督着任が明らかになった。本作は彼にとって初めての英語作品となる[4][5]。本作はスタジオカナルの資金援助により、2100万ドルの製作費を持っていた[1]

キャスティング[編集]

監督はジョージ・スマイリー役にゲイリー・オールドマンを選び、彼は「高貴な顔」と「必要とされる静かな強さと知性」を持っていると説明した[6]デヴィッド・シューリスは早い段階で出演交渉がされていた[7]マイケル・ファスベンダーはリッキー・ター役で出演交渉されていたが、『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』の撮影とスケジュールが重なってしまった。その代わりにトム・ハーディが同役を演じることになった[8]。2010年9月17日、マーク・ストロングの出演が確定した[9]。また、ジャレッド・ハリスは『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』とのスケジュール衝突により断念し、彼の役はトビー・ジョーンズが演じることになった[10]

撮影[編集]

「サーカス」の外観となったブライスハウス

主要撮影は2010年10月7日から12月22日までに行われた[11]。スタジオのシーンは北ロンドンのミル・ヒルにある旧軍兵舎で撮影された[1]。「サーカス」の外観には西ロンドンのブライスハウスが使われた[12]

原作小説でチェコスロバキアで発生するイベントは、映画製作で20%のリベートがあるハンガリーで撮影された。製作チームはブダペストで5日間の撮影を行った。また、クリスマス直前の9日間にはイスタンブールでも撮影した[1]。アルフレッドソンの前作『 ぼくのエリ 200歳の少女』でも共同したホイテ・ヴァン・ホイテマ(撮影)とディノ・ヨンサーテル(編集)が本作にも参加している[13]

ポストプロダクション[編集]

編集には6ヶ月を費やした。映画の最後には、製作チームがジョージ・スマイリーが一人で居る時に聴くだろうと推測したフランスの曲 "La Mer" が使われ、フリオ・イグレシアスが演奏した。スマイリーが曲を聴く場面も撮影されたが、結局それがあまりにも多くの意味を与えることを避けるためにカットされた[14]

公開[編集]

ヴェネツィア国際映画祭でのプレミア時のゲイリー・オールドマン。

プレミア上映は2011年9月5日、第68回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション上映で行われた[15]。イギリスではスタジオカナルUK英語版の配給で2011年9月16日に公開された[16]。アメリカ合衆国での権利は、ワーキング・タイトルと恒久的なファーストルック契約を結んでいるユニバーサル・ピクチャーズが買い取り、その子会社であるフォーカス・フィーチャーズに譲渡された。フォーカスはアメリカでの拡大公開を目指した上で、2011年12月9日に限定公開を開始した[17]

批評家の反応[編集]

『裏切りのサーカス』は批評家には概ね好評であった[18][19]。2011年12月15日時点でRotten Tomatoesでは120件のレビューで84%が支持して「フレッシュ」で平均点は7.8/10である[19]

興行収入[編集]

イギリスでは公開から3週連続で週末興行収入1位となった[20]。2013年5月11日時点で、Box Office Mojo調査による世界興行収入は8063万608ドルに達している[2]

受賞歴[編集]

主催 発表日 部門 対象 結果
ヴェネツィア国際映画祭 2011年9月10日 金獅子賞 『裏切りのサーカス』 ノミネート
ハリウッド映画祭 2011年10月25日 作曲賞 アルベルト・イグレシアス 受賞
英国インディペンデント映画賞 2011年12月4日 英国インディペンデント映画賞 『裏切りのサーカス』 ノミネート
監督賞 トーマス・アルフレッドソン ノミネート
主演男優賞 ゲイリー・オールドマン ノミネート
助演女優賞 キャシー・バーク ノミネート
助演男優賞 トム・ハーディ ノミネート
ベネディクト・カンバーバッチ ノミネート
技術貢献賞 マリア・ジャーコヴィク(美術) 受賞
ワシントンD.C.映画批評家協会 2011年12月5日 脚色賞 ブリジット・オコナー
ピーター・ストローハン
ノミネート
サンフランシスコ映画批評家協会 2011年12月11日 主演男優賞 ゲイリー・オールドマン 受賞
脚色賞 ブリジット・オコナー
ピーター・ストローハン
受賞
女性映画批評家協会 2011年12月18日 男優賞 トム・ハーディ(Warriorに対しても) 受賞
サテライト賞 2011年12月18日 作品賞 『裏切りのサーカス』 ノミネート
監督賞 トーマス・アルフレッドソン ノミネート
主演男優賞 ゲイリー・オールドマン ノミネート
シカゴ映画批評家協会 2011年12月19日 主演男優賞 ゲイリー・オールドマン ノミネート
脚色賞 ブリジット・オコナー
ピーター・ストローハン
ノミネート
セントルイス映画批評家協会 2011年12月19日 主演男優賞 ゲイリー・オールドマン ノミネート
フェニックス映画批評家協会 2011年12月27日 主演男優賞 ゲイリー・オールドマン ノミネート
オンライン映画批評家協会 2012年1月2日 主演男優賞 ゲイリー・オールドマン ノミネート
脚色賞 ブリジット・オコナー
ピーター・ストローハン
受賞
編集賞 ディノ・ヨンサーテル ノミネート
ロンドン映画批評家協会 2012年1月19日 作品賞 『裏切りのサーカス』 ノミネート
主演男優賞 ゲイリー・オールドマン ノミネート
脚本賞 ブリジット・オコナー
ピーター・ストローハン
ノミネート
英国作品賞 『裏切りのサーカス』 ノミネート
英国男優賞 ゲイリー・オールドマン ノミネート
技術賞 マリア・ジャーコヴィク(美術) ノミネート
美術監督組合 2012年2月4日 ピリオド映画美術賞 マリア・ジャーコヴィク ノミネート
全米撮影監督協会 2012年2月12日 映画撮影賞 ホイテ・ヴァン・ホイテマ ノミネート
映画芸術科学アカデミー 2012年2月26日 主演男優賞 ゲイリー・オールドマン ノミネート
脚色賞 ブリジット・オコナー
ピーター・ストローハン
ノミネート
作曲賞 アルベルト・イグレシアス ノミネート

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d Tutt, Louise (2011年12月8日). “How to tailor a spy classic”. Screen International. 2011年12月11日閲覧。
  2. ^ a b Tinker, Tailor, Soldier, Spy”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2013年5月11日閲覧。
  3. ^ Radish, Christina (2010年10月14日). “Screenwriter Peter Morgan Exclusive Interview”. Collider.com. 2010年10月21日閲覧。
  4. ^ de Semlyen, Phil (2009年7月9日). “Tomas Alfredson To Direct Tinker, Tailor | Movie News | Empire”. empireonline.com. 2011年9月26日閲覧。
  5. ^ Staff (2009年7月9日). “Tomas Alfredson to direct Tinker, Tailor, Solider, Spy”. Screen Daily. 2011年9月26日閲覧。
  6. ^ Interview - Tomas Alfredson: outside the frame”. The Spectator (2010年10月23日). 2011年3月23日閲覧。
  7. ^ White, James (2010年7月8日). “Cast Confirmed For Tinker, Tailor”. empireonline.com. 2011年9月26日閲覧。
  8. ^ Goldberg, Matt (2010年9月3日). “Tom Hardy Replaces Michael Fassbender in Tinker, Tailor, Soldier, Spy”. Collider.com. 2011年9月26日閲覧。
  9. ^ Anderton, Ethan (2009年9月17日). “Mark Strong Lands a Role in 'Tinker, Tailor, Soldier, Spy'”. FirstShowing.net. 2011年9月26日閲覧。
  10. ^ Goldberg, Matt (2010年10月22日). “Jones Replaces Harris in Tinker, Tailor, Soldier, Spy; Hurt, Graham, Lloyd-Pack, Dencik, and Burke Join Cast”. Collider.com. 2011年3月23日閲覧。
  11. ^ Tinker, Tailor, Soldier, Spy”. Screenbase.com. Screen International. 2011年3月23日閲覧。
  12. ^ Film London - September 2011 - Blythe House”. Film London. 2011年9月21日閲覧。
  13. ^ Ramachandran, Naman (2010年12月7日). “Alfredson shoots 'Tinker, Tailor, Soldier, Spy'”. Cineuropa.org. 2011年6月1日閲覧。
  14. ^ Gradvall, Jan (2011年12月3日). “Tomas Alfredson: Jag avskyr intryck just nu” (スウェーデン語). di.se. 2011年12月11日閲覧。 “Julio Iglesisas version av La Mer blir allt som MI6-världen inte är.”
  15. ^ Venezia 68: Tinker, Tailor, Soldier, Spy - Tomas Alfredson”. labiennale.org. Venice Biennale. 2011年8月27日閲覧。
  16. ^ Tinker, Tailor, Soldier, Spy”. Screenrush.co.uk. Tiger Global. 2011年6月1日閲覧。
  17. ^ Brevet, Brad (2011年8月29日). “Ugh, No 'Tinker, Tailor, Soldier, Spy' Until December”. 2011年9月2日閲覧。
  18. ^ Emami, Gazelle (2011年9月5日). “Tinker Tailor Soldier Spy Reviews: What The Critics Are Saying”. The Huffington Post. 2011年9月26日閲覧。
  19. ^ a b Staff (2011年). “Tinker Tailor Soldier Spy”. Rotten Tomatoes. 2011年9月26日閲覧。
  20. ^ Tinker, Tailor, Soldier, Spy: United Kingdom”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年10月14日閲覧。

外部リンク[編集]