日産・マーチ

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マーチ(MARCH)は、日産自動車が製造するハッチバック型の小型乗用車。日本国外(欧州)ではMicra(マイクラ)という名で販売されている。

4年サイクルでフルモデルチェンジを繰り返す日本のコンパクトカーの中で、10年サイクルでそれを行っている稀有な車種である。

ワンメイクレース「マーチカップ」が開催されている。

トヨタ・ヴィッツホンダ・フィットとともに、日本のコンパクトカー御三家のうちのひとつ。

歴史

初代(K10型、1982年-1992年)

1981年10月 第24回東京モーターショーに「NX-018」として出品。名称を一般公募とした。

1982年10月モーターショー発表から長期間のティザーキャンペーンの後、新発売。所謂、初期型。応募総数565万通から選ばれた「マーチ」の名称は公募順位が37位と低く、当時爆発的に売れていたホンダ・シティに対抗するために(「まち」→マーチで)採用された名称であると噂された。CMタレントは車名から近藤真彦が起用されている。CMでは近藤が「心が 弾むぜ 街にマーチがやってきた」と歌う。歴代マーチで唯一、ティザーCMを放映していた。ボディは3ドアハッチバックのみ。搭載するエンジンは直列4気筒OHC MA10S型(987cc)でトランスミッションの種類は4/5MT、3AT。初期~中期型直前までは、NAPS仕様の酸化/三元触媒の違いによっても、5速用エンジンと4速用エンジンの2種類があった。

1983年4月 3ドアハッチバック車、G-COLLET仕様追加。

1983年9月 5ドアハッチバック車、FT、FC仕様、3ドアハッチバックサンルーフ車G-1仕様の追加。

1984年2月 5ドアハッチバック車の最上級車種、FV仕様車の追加。

1985年2月 マイナーチェンジ。所謂、中期型。非対称デザインのラジエーターグリル、大型バンパーを採用したほか、テールランプのデザインを変更し、バック灯をバンパー内に配置した。MA10Sでは三元触媒に統一、さらにMA10ET型ターボ付エンジン(987cc)を搭載する「ターボ」を追加。ターボ仕様は丸型フォグランプ付大型バンパー、リアスポイラーを外観上の特徴とする。

1986年9月 PUMPS!仕様車の追加。。

1986年 全日本ラリー選手権Aクラスに参戦しドライバーズチャンピオンを獲得。

1987年8月 マーチ・キャンバストップ車の追加。G-1仕様車の廃止。L仕様5MT車を除く全車にパワーステアリングを メーカーオプションで拡大設定。車体色に新色を大量採用、内装は、トリム、シート生地の変更。MA10ETエンジンは空燃費比最適制御によりEGR装置を廃止。

1987年 全日本ラリー選手権Aクラスに参戦しドライバーズチャンピオンを獲得。

1988年1月マイナーチェンジ。所謂、後期型。主にラジエーターグリルやボンネット、内装の材質、カラーデザイン変更をする。


1988年モータースポーツ活動の対応車種、マーチR仕様車発売。主に国内ラリーで活躍。外見上主にボンネットに インタークーラー用エアーバルジが追加された他はデザインは1985年マイナーチェンジ、所謂、中期型デザインのままK10マーチシリーズ後期型発売後も外見デザインを継続。
                         

1990年マーチ3ドアi.z-f、5ドアi・z(アイズィー)、i.z-f発売。スーパーターボ、発売。

1991年K10型マーチ、生産終了。

1991年K10マーチシリーズ生産終了後、限定発売でMA型エンジン搭載車両、日産・フィガロ(E-FK10)(MA10ET)987CC発売。


当時、荻窪にあった旧・プリンス自動車の開発拠点で開発された車種であり、開発主管は初代プレーリーレパード(F31型)、ローレル(C32型)、スカイラインR31(7th)・R32型の開発主管を務めていた旧・プリンス自動車出身の伊藤修令氏であった。同車専用に開発された1000(987)ccの総アルミエンジン(MA10S型 直列4気筒、57ps)を搭載。数度のマイナーチェンジの中、ターボ搭載モデル「マーチターボ」やモータースポーツ活動への対応車種として排気量をボアダウンし930ccとした(MA09ERT型・110ps)スーパーチャージャー(SC)とターボチャージャー(TC)を搭載したラリーベースモデル「マーチR」、マーチRに実用装備を施し、5速MTの他、3速ATも設定した、「スーパーターボ」も登場。また、これらスポーツ路線と並行に3ドアハッチバックの付加価値装備仕様車(コレット)やキャンバストップ車やボディーカラーやシートの色のバリエーションを増やす等の女性仕様車(PUMPS)、ファミリーユースの5ドアハッチバックも発売するなど、ユーザーの多様化に対応した。

K10型をベースとしたパイクカーBe-1」(BK10型)MA10S(987cc)エンジン搭載車「パオ」(PK10型)MA10S(987cc)エンジン搭載車「フィガロ」(FK10型)MA10ET(987cc)エンジン搭載も登場、人気を博す。特にBe-1は中古車市場にリセールした方が、本体購入価格より倍近い値段がつくという事で「財テクカー」と呼ばれた。また横浜スタジアムの投手のリリーフカーもBe-1を暫く利用した。

2代目(K11型、1992年-2002年)

1992年1月 K11型発売。1300ccDOHCエンジン(CG13DE型、79ps)を中心にラインアップ。日本車で初めてヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞する(このほかにも日本カー・オブ・ザ・イヤーRJCカー・オブ・ザ・イヤーグッドデザイン賞を受賞している)。日産車として初めてCVT(N・CVT)を装備する(当時提携関係にあった富士重工業から供給を受けていた)。キャッチコピーは、「タウン・スモール」。マーチという名前にちなみ“A#”・“G#”・“b”・“iz-f”といった英米式音階表記がグレード名となる。

1994年12月 一部変更により、運転席SRSエアバッグを全車標準装備となる。

1995年4月 「アンシャンテ」追加。

1997年8月 オープンカーの「マーチカブリオレ」が登場。

1998年4月 英国日産自動車製造会社で生産しているヨーロッパ向けマーチ(現地名;マイクラ)に、プジョー製1.5リットル TUD5型ディーゼルエンジンを搭載。

1999年9月 英国日産自動車製造会社にてマイクラの累計生産100万台を達成。
1999年11月 マイナーチェンジ。1.0LのCG10DE型の出力向上、および1.3LはCG13DE型にかわりCGA3DE型を搭載することで出力を向上するとともに、1.0~1.3Lクラス用無段変速機「HYPER CVT」を採用。また、マーチとして初の4WD車を設定。リアを延長しステーションワゴン化したマーチBOX(WK11型)登場。

2000年10月 内装を一部変更し、グレード体系も見直し。
2000年12月 オーテックジャパンの手による、丸型ヘッドランプが特徴の特別仕様車「ポルカ」を設定。

2001年4月 K11型国内登録累計100万台達成記念車を発売。
2001年5月 良品計画が運営するWEBサイト「ムジ・ネット」を通して1000台限定で「MujiCar1000」が発売された。

2003年 「MID-11」公開。オーテックジャパンの手によるスペシャルメイド。K11型3ドアをベースにP12型プリメーラに搭載されていた直列4気筒DOHC SR20VE型(204PS 21kgm)に6速M/Tを組み合わせ、リアシート位置へ横置きした。

また、光岡自動車はこの型のマーチをベースにリアを延長し、トランク部を備えたクラッシック風小型セダン光岡・ビュートを自社開発し発売する。

日本では発売されてないが、台湾裕隆汽車ではマーチセダンが「行進曲」という名前で現地生産されていた。

1990年代後半の日産の業績が低迷していた時期も、安定した販売台数を稼ぎ、その屋台骨を支えたロングセラーカー。また2代目マーチのプラットホームから初代キューブが生まれている。

なお、フランスでは氷上レースを戦うためにこの型のマイクラをベースにA32型セフィーロ用3000ccDOHCのVQ30DEエンジンと4WDシステムをミッドマウントしたスペシャルモデルが開発された事がある。

3代目(K12型、2002年-)

2001年9月 第59回フランクフルトモーターショーに「mm.e(エムエムイー)」を出品。
2001年10月 第35回東京モーターショーに「mm」という名で参考出品。

2002年2月22日 発売。独特の愛嬌のあるデザインとなり、ルノーと日産が共同開発したプラットフォームとした事で、ガソリンの挿入口がこれまでの日産FF車の定番であった左側から右側に変更された。「デザインを女性好みにし過ぎている」という意見もあったが、好評を博しルノーと日産の提携後初の大ヒット車となった。キャッチコピーは、「あなたを見つめて進化したスモール。friendly!

日産の事実上の親会社で、アライアンス関係を結んでいるルノーと共同開発した「アライアンス・Bプラットフォーム」を使用している。またキューブティーダノート、果てはブルーバードシルフィ(二代目)などがマーチのプラットフォームから派生している。さらに、ルノーでも2004年秋発売のルノー・モデュス(日本投入未定)、2005年秋発売の三代目ルノー・クリオ(2006年1月に日本でもルノー・ルーテシアとして発表)にこのプラットフォームが使われている。エンジンは当初日本車では珍しく排気量が200ccずつ異なるCR14DE型1400cc(98ps)、CR12DE型1200cc(90ps)、およびCR10DE型1000cc(68ps)の3種類。トランスミッションは電子制御4速オートマチック「E-ATx」と5速マニュアルトランスミッション(1200ccのみ)で、2代目にあったCVTは設定されていない。サイドエアバッグ・カーテンエアバッグを上級グレードに標準装備しているが、発売当初はクラス唯一のものだった。CMにはフリッパーズ・ギターの楽曲が使用されていた。

2002年9月 後輪をモーターで動かす方式の4WD、「e-4WD」を1400cc車(97ps)に設定。オーテックジャパンの手による、英国ブランド小型車MINIの外装を意識したとも言われる洗練された特別仕様車「ラフィート」を設定。
同月 パリモーターショー(Mondial de L’Automobile)にマイクラ、および新型マイクラをベースとするハードトップ・オープンカー「マイクラ C+C(CプラスC)」を出展。
2002年11月 英国日産自動車製造会社 サンダーランド工場で新型マイクラの生産を開始。

2003年7月 スポーティーグレード「14s」を追加。自動車業界として初めてシャープ株式会社のプラズマクラスター技術を搭載する「プラズマクラスターイオンエアコン」をオプション設定。
同月 「マイクラ」がドイツのレッド・ドット・デザイン賞を受賞。
2003年9月 第60回フランクフルトモーターショーに10月に販売を開始する「マイクラ1.5dCi」を出展。
2003年10月 オーテックジャパンの手による特別仕様車「12SR」を設定。CR12DE型エンジンの出力向上のほか、専用スポーツチューンドサスペンション等を装備している。

2004年4月 マイナーチェンジ。新色を設定したほか、CR10DE型搭載車を廃止し、5ドア車はCR14DE型搭載車のみとなる。
2004年11月 オーテックジャパンの手によるクラシカルな特別仕様車「ボレロ」を設定。

2005年6月 英国日産自動車製造会社にて、カルマンと共同開発したクーペカブリオレタイプ「マイクラC+C」を披露。
2005年8月 マイナーチェンジを実施。1400ccのFFモデル、12c「Bパッケージ」と国内向 けでは12cの3ドアモデルが廃止された。ライバル車の2代目ヴィッツの3ドアモデルが廃止してから6ヶ月のことであった。1400ccモデルに代わって、HR15DEエンジンとエクストロニックCVTを装備した「15S」「15E」「15G」「15RX」が新たに設定され、同時に1200ccモデルも含めてグレード体系が見直された。「e-4WD」車は引き続き1400ccのままである。スポーツモデルの「12SR」も引き続き設定されているが、これに加えて、1500ccとCVTを装備したスポーツモデル「15SR-A」も追加された(12SR・15SR-Aともにオーテックジャパンにて取り扱い)。シフト_ワード は、「SHIFT_fashion ファッションをシフトする。」
2005年9月 フランクフルトモーターショー「マイクラC+C」および「マイクラ160SR」を出展。
2005年11月 ヨーロッパにて、電動格納式ハードトップオープンカーの「マイクラC+C」が発売された。K11型の「マーチカブリオレ」とは異なり、今のところ日本への投入予定はないといわれているが、要望が多ければ日本導入もありうるとされている。

派生モデル

マーチをベースとした派生車種は多く、同社製のパイクカーやオーテックジャパン製の特別仕様車が存在し、光岡自動車のビュートもマーチをベースとしている。ただし、2代目がベースとなるため、最近まで「メイクアップ・ビュート」と称し、2代目の中古車を使用していた。そして2005年9月20日光岡自動車はマイナーチェンジを済ませた三代目(K12)型マーチをベースに実に13年ぶりとなるフルモデルチェンジを行い、新型ヴュートとして同日発表・発売した。また、同じ光岡のユーガも2代目マーチの姉妹車であった旧型キューブをベースとしていた。

ほかに、現存する派生モデルにはボレロ、ラフィートのほかは同プラットフォームをベースに開発された姉妹車日産・キューブキューブキュービックティーダラティオ含む)、ノート、三代目ウイングロード、二代目ブルーバードシルフィルノー・モデュス、三代目ルノー・クリオがある。一方ヨーロッパでは、前述のマイクラC+Cのほか日産・ノートのMPV的テイストの欧州仕様版がイギリス・サンダーランド工場にて生産される。

車名の由来

車名「マーチ(MARCH)」は英語で、「行進曲」「行進」「3月」の意である。同社のサニーも同じように一般公募で命名された。欧州では「Micra(マイクラ/ミクラ)」の車名で販売されている。

CM・キャッチコピー

初代

CMキャラクターは、歌手の近藤真彦が起用されていた。

スーパーアイドル」(1982年)

飛び出せ!マーチ」(1983年)

美しい人、マーチ」(1984年~1985年)

遊ingターボ」(1985年~1987年)

マイ・ベーシック」(1989年)

スーパーチャージを迎え撃て。」(1990年)

1300ターボを迎え撃て。」(1990年)

こいつの心臓はなんてタフなんだ。

こいつの心臓は凄い。

リトル・ビック・カーだね。

全身にまっとたレーサー感覚。

全身、スポーツギア感覚。


2代目

タウン・スモールという性能。」(1992年~1996年)

I LOVE MARCH」(1999年~2001年)

3代目

friendly!」(2002年~2004年)

私らしく。Newマーチ」(2005年~)

関連項目

外部リンク

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