日本製鋼所室蘭製作所

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日本製鋼所室蘭製作所

株式会社日本製鋼所室蘭製作所(にほんせいこうしょ むろらん せいさくしょ、The Japan Steel Works, Ltd. Muroran Plant)は北海道室蘭市茶津町にある、日本製鋼所の製作所である。

概要[編集]

1907年英国技術を導入して国産兵器を製造する会社として、北海道炭礦汽船株式会社、英国アームストロング・ホイットワース社 (Sir W.G.Armstrong, Whitworth and Co., Ltd.)、英国ヴィッカース社 (Vickers Sons and Maxim, Ltd.) の出資によって北海道室蘭市に設立された製鋼所であり、その歴史は雲伯鉄鋼合資会社(現在の日立金属安来工場)に次ぐ。

世界最大級の熱間自由鍛造水圧プレス (14,000 t)、超大型数値制御加工機械旋盤・立旋盤等)を有しており、発電用ローターシャフトなどの大型部材を製造できる設備を持っている。また、世界最大級のエレクトロスラグ再熔解装置 (ESR: Electroslag Remelting) を有しており、清浄度が要求される特殊な材料の精錬を行うことができる。

風力発電風車のタワー(鉄塔)やブレードの生産を行っており、発電機を除く風車の大部分を一貫生産することができる(国内で風力発電用風車を一貫生産できるのは三菱重工業と日本製鋼所のみである)。2006年には自社製の風力発電所(茶津風力発電所)を建設し、売電事業に参入した。

また、全国でも珍しく工場内には日本刀の鍛刀技術の保存と刀匠を擁護し伝承することを目的とする、現当主・堀井胤匡とその弟子たちの「瑞泉鍛刀所」(1918年設置)がある[1][2]。毎年、正月に行われる打ち初め式は、北海道の風物詩としてニュースとなることがある[3]

原子力発電所で使用される発電機や加圧器を構成する部材も製造しており、「室蘭(の操業)が止まったら日本の原発が止まる」と評される。

生産品[編集]

  • 鋳鋼品
  • 鍛鋼品
  • 発電用タービンローター
  • 原子力圧力容器
  • クラッド鋼板
  • 石油化学プラント
  • 風力発電用風車

アクセス[編集]

沿革[編集]

  • 1907年明治40年)北海道炭礦汽船株式會社(北炭)と英国アームストロング・ウイットウォース會社(Sir W.G.Armstrong, Whitworth and Co., Ltd.)、英国ビッカース會社(Vickers Sons and Maxim, Ltd.)の共同出資により北海道室蘭町に設立。
  • 1911年(明治44年)室蘭に私立楽生病院(直後に日本製鋼所職工共済会病院と改称、現・社会医療法人母恋 日鋼記念病院)開設。
  • 1911年(明治44年)当時の東宮(大正天皇)行啓の宿泊所・迎賓館として瑞泉閣を建設。
  • 1915年大正4年)本社を東京へ移転、室蘭支店および室蘭工場となる。
  • 1918年(大正7年)室蘭支店および室蘭工場を統合して室蘭工業所となる。
  • 1918年(大正7年)鍛刀技術の保存と向上のため鍛刀所を建設。
  • 1918年(大正7年)室蘭工業所にて日本初の航空機用エンジンである室0号完成。
  • 1919年(大正8年)北海道製鐵株式會社(現新日本製鐵室蘭製鐵所)と合併、輪西工場製鐵課とする。
  • 1921年(大正10年)航空機用エンジンの生産から撤退。
  • 1924年(大正13年)三井財閥などとの出資により輪西製鐵組合を設立、輪西工場の資産を移管する。なお、生産は引き続き日本製鋼所が担当した。
  • 1931年昭和6年)輪西製鐵株式會社設立、製鉄・探鉱事業を分離。
  • 1945年(昭和20年)室蘭艦砲射撃により多数の死傷者を出す。戦後、民需転換許可。
  • 1950年(昭和25年)企業再建整備法により株式会社旧日本製鋼所と改称ののち解散、あらたに株式会社日本製鋼所を設立(4製作所、1作業所体制)。
  • 1954年(昭和29年)大規模合理化により日鋼室蘭争議勃発。
  • 1973年(昭和48年)ASME U、U2 Certificate取得。
  • 1974年(昭和49年)ASME NPT Certificate取得。
  • 1975年(昭和50年)ASME QSC取得。
  • 1980年(昭和55年)日本製鋼所病院を医療法人社団 日鋼記念病院(現・社会医療法人母恋 日鋼記念病院)として分離・独立。
  • 1994年平成6年)ISO 9001、9002取得。
  • 1998年(平成10年)ISO 14001取得。
  • 2000年(平成12年)風力発電用タワーを生産開始。
  • 2003年(平成15年)14,000 tf熱間鍛造プレス機を更新。新本事務所竣工。
  • 2005年(平成17年)風力発電用ブレードを生産開始。
  • 2005年(平成17年)日本製鋼所・新日本製鐵神鋼環境ソリューションが北海道PCB廃棄物処理施設設置工事の設計を受注。
  • 2006年(平成18年)室蘭製作所構内に茶津風力発電所を建設、風力発電(売電)事業に参入。

旧陸軍との関係[編集]

日本製鋼所室蘭製作所は海軍の強い影響下で設立されたため(イギリスとの共同出資となったのはそのためである)、長い間陸軍関係者の出入りが制限されていた。

そのため陸軍大臣当時の東條英機を門前払いする事件も起こっている。しかし東條が首相に就任するとさすがに追い返すわけにはいかず、それ以後は陸軍関係者の見学も許可するようになった。

脚注[編集]

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関連項目[編集]