幻の動物とその生息地

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幻の動物とその生息地 (Fantastic Beasts and Where to Find Them)
著者 J・K・ローリング
(ニュート・スキャマンダーとして)
イギリス
シリーズ ハリー・ポッターシリーズ
ジャンル ファンタジー
出版社
  • Bloomsbury (UK) (Canada 2010–present)
  • Arthur A. Levine/
    Scholastic (US)
  • Raincoast (Canada 1998–2010)
  • 静山社 (日本)
出版日 2001
ページ数 128

幻の動物とその生息地』(まぼろしのどうぶつとそのせいそくち、原題:Fantastic Beasts & Where to Find Them)は、『ハリー・ポッター』シリーズの作中に登場する書物、またそれを元にした映画シリーズ(邦題:ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅)の名称である。2001年にJ・K・ローリングが架空の著者ニュート・スキャマンダーのペンネームを用いて刊行した、ハリー・ポッターの世界における魔法生物に関する書籍である。シリーズ最初の小説である『ハリー・ポッターと賢者の石』に登場した同名の教科書で、ハリー・ポッター所蔵のコピーという設定である。ハリー、ロン・ウィーズリーハーマイオニー・グレンジャーによる手書きのメモという設定の書き込みも入っており、登場する動物に自分たちが出会った時の経験や、シリーズに関係する内輪のジョークなどが書かれている。

2001年に出版社であるスカラスティックと行ったインタビューで、ローリングは初期の本で既にたくさんの情報をふくらませていた楽しいトピックであるがゆえに魔法生物という主題を選んだと述べている。ローリングの名前は本のカバーにはなく、本書は「ニュート・スキャマンダー」というペンネームに帰属しているが、この人物はハリーが初年度に買った必需品リストに出てきているように、シリーズ内で教科書の著者という設定になっている人物である。

本の収益はチャリティーであるコミックリリーフに寄付された。売り上げ1冊あたり、表示価格の80%以上が世界中のさまざまな地域に住む貧しい子どもたちに直接渡るようになっている。コミックリリーフによると、この本と一緒に出た『クィディッチ今昔』は170万ポンド以上を集めた[1]

2013年9月12日にワーナー・ブラザースとローリングは本に触発された映画を5本のシリーズで作るつもりであると発表した[2]。ローリング自身が脚本家をつとめた。ワーナー・ブラザーズの示唆を受けてローリングが映画のプランを考えた。映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は、ニュート・スキャマンダーを主人公とする物語で、ハリーの物語が始まる70年前のニューヨークが舞台である[3]。映画は2016年11月18日に公開された。

概要[編集]

ホグワーツ魔法魔術学校で使われる教科書」で、魔法生物に関する基礎知識や、約85種の魔法生物の生態と危険度を示した書物である。名目上の著者は魔法生物研究者のニュートン・アルテミス・フィド・スキャマンダー(ニュート・スキャマンダー)であるが、実際の著者はJ・K・ローリングである。スキャマンダーによると、この本に入っている情報のほとんどは五大陸を何年も旅して行った観察によって集めたものである。初版はオプスキュラス・ブックスのオーガスタス・ワームから1918年に委託を受けたものであるが、1927年まで刊行されず、2001年刊行の第52版がマグル向けにも発売されたという設定になっている。本のカバーは何だかわからない動物にひっかかれたようなデザインである。

ハリー・ポッターが使用したものの複製品(と言う設定)であり、そのため「ハリーが書きこんだ落書き」も再現されている。また、ハリーの友人のロン・ウィーズリーは、自分の教科書がばらばらになったため、ハリーの教科書を共用しており、ロンの落書きも見られる(一部、ハーマイオニー・グレンジャーの落書きもある)。コメントは第四作である『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の頃に書かれたようである。いたずら書きのおかげでシリーズのファンに特別な情報がわかるようにもなっており、たとえば「アクロマンチュラ」の項目のコメントからホグワーツがスコットランドにあることを確認できる。コミックリリーフ的なコメントもある。

ホグワーツ魔法魔術学校校長アルバス・ダンブルドアの前書き(とブックカース)が追記されている。前書きはこの特別版の目的(コミックリリーフのチャリティ)についての説明である。

ハリー・ポッターの世界においては、本書はホグワーツの一年生の必修教科書であり、初版から定評のある教科書であった。三年生まで魔法動物飼育学の授業がないため、なぜ一年生でこの本が必要なのかは不明である。しかしながら、本書は闇の魔術に対する防衛術の授業で闇の生物を学ぶ際に百科事典のように用いられるのかもしれない。本の序文でアルバス・ダンブルドアはこの本がホグワーツに加えて魔法使いの家庭でも素晴らしい参考文献になると述べている。

2001年にイギリスアメリカ合衆国日本などで副読本として実際に発売された。。日本では松岡佑子の翻訳で静山社より発行された(ISBN 4915512436)。日本では、同時発売された『クィディッチ今昔』とともに、限られた書店で期間限定付で発売するという特殊な販売方法がとられたが、注文すれば店頭にない書店でも取り寄せができる場合があった。現在は市場在庫はほとんど残っておらず、入手しづらい本になっている。

ニュート・スキャマンダー[編集]

設定[編集]

ニュートン・アルテミス・フィド・「ニュート」・スキャマンダーは1897年生まれで、『幻の動物とその生息地』の架空の著者である。本の著者略歴によると、スキャマンダーは自らのふしぎな動物に対する関心と、熱心なヒッポグリフブリーダーであった母のすすめで魔法生物学者となった。ホグワーツではハッフルパフ寮に振り分けられた。

ホグワーツを放校になった後、スキャマンダーは魔法省の魔法生物規制管理部に入った。屋敷しもべ妖精転勤室で短い勤務をし、動物課に異動になって、1947年に狼人間登録簿を初めて作成し、1965年に実験的飼育禁止令を通過させ、またドラゴンの研究および制御室のために何度も研究旅行を行った。魔法生物学への貢献で1979年に勲二等マーリン勲章を受勲している。

退職後はドーセットで妻のポーペンティナ及びペットのニーズル(ホッピー、ミリー、モーラー)と暮らしていた。ロルフという孫がおり、『ハリー・ポッターと死の秘宝』の出来事の後、しばらくしてからルーナ・ラブグッド(ハリー・ポッターシリーズ最後の3作に登場する人物)と結婚した。

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』映画版ではニュート・スキャマンダーの名前がマローダーの地図にあらわれていた。

映画版『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』によると、スキャマンダーは飼っていた動物に関する詳細不明の事件の後にホグワーツを出ていくことになったが、アルバス・ダンブルドアはスキャマンダーを弁護してくれたという。

ハリー・ポッター・シリーズでの役割[編集]

スキャマンダー自身はハリー・ポッターシリーズ7作には登場しない。『ハリー・ポッターと賢者の石』で『幻の動物とその生息地』著者として少々言及されるのみである。映画版の『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』では中心人物である。

主な生物[編集]

この本に出てくる生物:

  • アクロマンチュラ Acromantula
  • アッシュワインダー Ashwinder
  • オーグリー Augurey
  • バジリスク Basilisk
  • ビリーウィグ Billywig
  • ボウトラックル Bowtruckle
  • バンディマン Bundimun
  • ケンタウルス Centaur
  • キメラ Chimaera
  • チズパープル Chizpurfle
  • クラバート Clabbert
  • クラップ Crup
  • デミガイズ Demiguise
  • ディリコール Diricawl
  • ドクシ- Doxy
  • ドラゴン Dragon
    • オーストラリア・ニュージランド・オパールアイ種 Antipodean Opaleye
    • チャイニーズ・ファイアボール種/中国火の玉種 Chinese Fireball
    • ウェールズ・グリーン普通種 Common Welsh Green
    • ヘブリデス・ブラック種 Hebridean Black
    • ハンガリー・ホーンテイル種 Hungarian Horntail
    • ノルウェー・リッジバック種 Norwegian Ridgeback
    • ペルー・バイパーツース種 Peruvian Vipertooth
    • ルーマニア・ロングホーン種 Romanian Longhorn
    • スウェーデン・ショート-スナウト種 Swedish Short-Snout
    • ウクライナ・アイアンベリー種 Ukrainian Ironbelly
  • ダグボッグ Dugbog
  • エルクリング Erkling
  • エルンペント Erumpent
  • フェアリー/妖精 Fairy
  • ファイア・クラブ/火蟹 Fire Crab
  • フロバーワーム/レタス食い虫 Flobberworm
  • フウーパー Fwooper
  • グールお化け Ghoul
  • グランバンブル Glumbumble
  • ノーム/庭小人 Gnome
  • グラップホーン Graphorn
  • グリフィン Griffin
  • グリンデロー/水魔 Grindylow
  • ヒッポカンポス/海馬 Hippocampus
  • ヒッポグリフ Hippogriff
  • ホークランプ Horklump
  • インプ/小鬼妖精 Imp
  • ジャービー Jarvey
  • ジョバーノール Jobberknoll
  • カッパ/河童 Kappa
  • ケルピー/水魔 Kelpie
  • ナール Knarl
  • ニーズル Kneazle
  • レプラコーン Leprechaun
  • レシフォールド Lethifold
  • ロバラグ Lobalug
  • マックルド・マラクロー Mackled Malaclaw
  • マンティコア Manticore
  • マーピープル/水中人(セイレンセルキーメロウ) Merpeople
  • モーク Moke
  • ムーンカーフ Mooncalf
  • マートラップ Murtlap
  • ニフラー Niffler
  • ノグテイル Nogtail
  • ヌンドゥ Nundu
  • オカミー Occamy
  • フェニックス/不死鳥 Phoenix
  • ピクシー/ピクシー妖精 Pixie
  • プリンピー Plimpy
  • ポグレビン Pogrebin
  • ポーロック Porlock
  • パフスケイン Puffskein
  • クィンタペッド Quintaped
  • ラモラ Ramora
  • レッドキャップ/赤帽鬼 Red Cap
  • リーエム Re'em
  • ルーンスプール Runespoor
  • サラマンダー/火トカゲ Salamander
  • シー・サーペント/海蛇 Sea Serpent
  • シュレイク Shrake
  • スニジェット Snidget
  • スフィンクス Sphinx
  • ストリーラー Streeler
  • テボ Tebo
  • トロール Troll
  • ユニコーン/一角獣 Unicorn
  • ウィアウルフ/狼人間 Werewolf
  • ウィングド・ホース 天馬 Winged Horse
    • アブラクサン Abraxan
    • イーソナン Aethonon
    • グレニアン Granian
    • セストラル Thestral
  • イエティ Yeti

脚注[編集]

  1. ^ News”. Comic Relief (2009年7月16日). 2012年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年11月10日閲覧。
  2. ^ "Five films exactly". JK Rowling Twitter feed” (2016年10月13日). 2017年1月4日閲覧。
  3. ^ Tartaglione, Nancy (2013年9月12日). “Warner Bros, J.K. Rowling Team For New 'Harry Potter'-Inspired Film Series”. Deadline. 2013年9月12日閲覧。

外部リンク[編集]