外洋海軍

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外洋海軍(がいようかいぐん、Blue Water Navy)は、海軍の性能を示す一種の区分である。

定義[編集]

  外洋海軍(ブルーウォーター・ネイビー)
  地域海軍(グリーンウォーター・ネイビー)

外洋海軍とは、自国の沿岸に留まらず、世界の各海域で広域的かつ長期的に艦隊を運用し、作戦を展開できる能力を有する海軍を指す。

艦隊を世界各海域で運用することができ、かつ寄港することなしに洋上補給等により作戦を長期継続的に展開できることが外洋海軍の最低限の要件である。すなわち、艦隊には戦闘艦についても、艦隊防衛や自国の商船団等を味方の基地の支援なしに防衛できる能力、艦隊や護衛する商船団の洋上行動を長期的に可能とする程度の補給艦運用能力・洋上補給能力が少なくとも求められる。例えば中国人民解放軍海軍の場合、外洋海軍の目標として「沿岸から1,500海里以上の遠方海域を制圧可能な能力」を目途にしていると考えられている[1]

ただ、一概に外洋海軍といっても、アメリカ合衆国海軍や、かつてのイギリス王立海軍大日本帝国海軍(いわゆる世界三大海軍)のように、海を隔てた遠方にある敵地に対して強力な攻撃力を有する外征的外洋海軍もあれば、海上自衛隊のように、シーレーン防衛を戦略目標とし、策源地への攻撃能力を有しないものの、広域的に艦隊を洋上展開し、艦隊並びに護衛する商船団を防衛するに十分な防御力を有する海軍もまた外洋海軍に含まれる。

外洋海軍を保有する国家[編集]

合衆国海軍、王立海軍、フランス海軍については、完成度の高い外洋海軍といえるが、中国人民解放軍海軍は外洋海軍としては発展途上であり、大韓民国海軍などは装備自体は外洋海軍になりつつあるが、その海軍の本質的な戦略目標や海軍の運用能力から地域海軍の域を出ない。

なお、海上自衛隊は有事の際、世界の公海上に存在するシーレーンの防衛が可能な装備・運用能力を保有するため外洋海軍としての性能を備えているものの、国内法の制約上平時は地域海軍としての原則的任務を遂行する運用がおこなわれている。

出典[編集]

  1. ^ 防衛省 (2005年). “第1章 わが国を取り巻く安全保障環境 - 平成17年版 防衛白書”. 2013年5月9日閲覧。

関連項目[編集]

  • 地域海軍(グリーンウォーター・ネイビー)
  • 沿岸海軍(ブラウンウォーター・ネイビー)