原島弁護士の愛と悲しみ

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原島弁護士の愛と悲しみ』(はらしまべんごしのあいとかなしみ)は、小杉健治による日本短編推理小説、およびそれを表題作とする短編集。

概要[編集]

デビュー初期の短編5編が収録されている。

表題作は、1983年に第22回オール讀物推理小説新人賞を受賞した作者のデビュー作。受賞時のタイトルは「原島弁護士の処置」だったが、翌年に『原島弁護士の愛と悲しみに』としてテレビドラマ化され、文庫化の際に同題で刊行された。長らく絶版となっていたが、2008年光文社文庫より再版された。

各話概要[編集]

原島弁護士の愛と悲しみ[編集]

弁護士水木邦夫は、弁護を担当することになった佐竹浩一に関する資料を読み漁っていた。佐竹が犯した罪は“殺人”。殺されたのは、佐竹の妻子を殺した罪で逮捕起訴され、一審で無期懲役判決を下されたが、二審で逆転無罪となった瀬川順平という男だった。

一審の裁判で自白は強要されたものだと供述を翻し、一転無罪を主張し始めた瀬川の二審の弁護士を務めたのが、原島だった。

原島はかつて、妻子を無謀運転のバイクにひき殺されていたが、そのバイクを運転していたのが当時17歳だった瀬川順平であった。果たして原島は単なる社会正義からこの弁護を引き受けたのか……。

テレビドラマ[編集]

1985年版[編集]

1985年2月13日20日に2話構成でTBS恋はミステリー劇場」にてテレビドラマ化。脚本は今野勉、監督・演出は大山勝美。第22回ギャラクシー賞選奨。

主なキャスト

1989年版[編集]

1989年7月31日テレビ東京月曜・女のサスペンス」にてテレビドラマ化。

主なキャスト

スタッフ

赤い記憶[編集]

  • 初出:『オール讀物』1984年9月号

テレビドラマ[編集]

1985年2月26日日本テレビ系列・火曜サスペンス劇場にてテレビドラマ化。

キャスト

 ほか

スタッフ

冬の死[編集]

  • 初出:『オール讀物』1985年7月号

愛の軌跡[編集]

  • 初出:『オール讀物』1985年9月号

牧原博士、最後の鑑定書[編集]

  • 初出:第21回オール讀物推理小説新人賞候補作を改稿

書誌情報[編集]