伊予灘ものがたり

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国鉄キハ40系気動車 (2代) > 伊予灘ものがたり
伊予灘ものがたり
Kiro47-1402.JPG
概要
種類 臨時列車
現況 運行中
地域 愛媛県
運行開始 2014年7月26日
運営者 四国旅客鉄道(JR四国)
路線
起点 松山駅
終点 伊予大洲駅八幡浜駅
使用路線 JR四国:予讃線(愛ある伊予灘線)
技術
車両 キロ47形気動車
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化 直流1,500 V(松山 - 伊予市間)[注 1]
非電化(伊予市 -八幡浜間)
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伊予灘ものがたり(いよなだものがたり)[1]は、四国旅客鉄道(JR四国)が松山駅 - 伊予大洲駅八幡浜駅間を予讃線(愛ある伊予灘線)経由で2014年より運行している観光列車である。

概要[編集]

四国初の本格的な観光列車であり[2]、2014年7月26日より運行が開始されている[3]。運行に先立ち、伊予灘ものがたりが走る予讃線の伊予市駅 - 伊予大洲駅間の伊予灘沿い区間(伊予長浜駅経由)は、2014年3月15日に愛称が「愛ある伊予灘線」となった[4]

コンセプトはレトロモダンで、伊予灘をはじめとした美しい景観、アテンダントや地元住民によるおもてなし、地元食材を使用した供食サービスなどが楽しめるようになっている[2][5]

これらの特色で利用客から高い評価を得ており、日本経済新聞調べ(2015年8月)のおすすめの観光列車ベスト10で第1位となっている[6]。乗車率は平均85%程度[7]で全国の観光列車の中でも高い[8]

2021年2月21日、運行開始からの累計利用客数が13万人を突破、車内ではそれを記念したくす玉割り行われた[9]

運行状況[編集]

金土日・祝日に松山駅・伊予大洲駅間1往復と、松山駅・八幡浜駅間1往復ずつとなっており、運行ごとに以下の別称(ものがたりの名称)が付けられている[10][11]。「大洲編」「双海編」「八幡浜編」では地元の食材等による供食サービス、「道後編」ではアフタヌーンティーのサービスが事前予約制で実施されている[10][12]。食事メニューは乗車する列車や季節によって異なる。また、事前予約の食事以外にも、スイーツ、おつまみ、飲料品(アルコール類含む)、グッズ等の車内販売が行われている。

2016年度の運行計画では、利用者の要望に基づき、下灘駅での停車時間を従来より延長することとなった[13]

全席がグリーン車指定席の扱いであり、利用には乗車区間の運賃と普通列車グリーン料金が必要。なお、他のものがたり列車とは異なり種別は快速であるため、特急料金は不要である[14]。また、食事のサービスを受ける場合はこれに加えて食事予約券が必要であるほか、運転区間の全区間を乗車しなければならない。食事予約券はJR四国以外では東日本旅客鉄道(JR東日本)・西日本旅客鉄道(JR西日本)・九州旅客鉄道(JR九州)管内のみどりの窓口[15]で発売する。ほかにも、供食サービスの関係で、本列車については食品やペット(動物)の持ち込みは禁止(水やお茶程度の飲料は可能)とされている。

  • 「大洲編」(伊予大洲行・下り)
  • 「双海編」(伊予大洲発・上り)
  • 「八幡浜編」(八幡浜行・下り)
  • 「道後編」(八幡浜発・上り)

停車駅[編集]

2017年3月4日のダイヤ改正から、下灘駅での客扱いが見直され乗車・下車ともに不可となったが、運転停車として継続しているため従来どおりホーム上での記念撮影等は可能である[16]

双海編では伊予長浜駅伊予上灘駅での運転停車時にホームで特産品の販売を行っている。

使用車両[編集]

松山運転所所属のキハ47形を専用車改造[17]した2両編成が使用される[18]。1号車「茜の章」は伊予灘の夕焼けをイメージした茜色、2号車「黄金の章」は愛媛の柑橘類太陽をイメージした黄金色に塗装されている。シンボルマークは夕日とオレンジをイメージしている。1号車茜の章から2号車黄金の章への移ろいは、アレンジした和文様を用いてレトロ感を演出している[19]

車内のデザインのコンセプトは、和と洋を調和させた懐古調のデザインであり、茜の章は和座椅子の畳席を設置するなど和のテイストのインテリア、黄金の章はバースタイルのダイニングカウンターをもつモダンスタイルなインテリアとなっている[20][21]。洗面台には砥部焼が用いられている。バリアフリー対応のトイレも設置されている。

座席数は1号車、2号車とも25席(計50席)で、伊予灘方向を向いている展望シート、2名用対面シート、4名用ボックスシート(利用は3名以上の予約のみ)がある。車内のどの席でも伊予灘の景色を楽しめるよう、山側の座席は一段高くなっている[2]。なおこの車両は同社の社員がデザインした[22]

  • 1号車(八幡浜方):キロ47 1401(←キハ47 501)
  • 2号車(松山方):キロ47 1402(←キハ47 1501)

改造種車のキハ47形2両はいずれも2011年3月31日付で廃車され[23]、解体されずに残されていた。2014年7月1日付で復籍している。

BGMや警笛(ミュージックホーン)、チャイムは松山出身の音楽家、向井浩二が作曲したものを使用している[24]。また、松山のアマチュアシンガーソングライターによりテーマソング「伊予灘ものがたりの歌」が作成されており、松山駅や車内で使用されている[25]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 但し、気動車を使用。

出典[編集]

  1. ^ 四国旅客鉄道の登録商標(第5686228号)
  2. ^ a b c 入江学 (2014年7月14日). “瀬戸内の走るホテルは茜色、「伊予灘ものがたり」”. NIKKEI STYLE. 日本経済新聞社. 2017年3月18日閲覧。
  3. ^ “レトロに楽しむ景色と食事 「伊予灘ものがたり」出発式”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社. (201407-27). オリジナルの2014年7月27日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140727080744/http://www.asahi.com/articles/ASG7V3K6XG7VPFIB00H.html 2017年3月18日閲覧。 
  4. ^ 予讃線、海回り区間に愛称を設定”. 鉄道コム. 朝日インタラクティブ (2013年11月22日). 2017年3月18日閲覧。
  5. ^ “和洋調和 観光列車「伊予灘ものがたり」公開”. 愛媛新聞ONLINE. 愛媛新聞社. (2014年7月2日). http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20140702/news20140702954.html 2017年3月18日閲覧。 
  6. ^ 1位「伊予灘ものがたり」 お薦めの観光列車、ベスト10”. NIKKEI STYLE. 日本経済新聞社 (2015年8月30日). 2017年3月18日閲覧。
  7. ^ 杉山淳一 (2018年4月22日). “平均乗車率は脅威の85% 観光列車「伊予灘ものがたり」が愛される理由”. 文春オンライン. http://bunshun.jp/articles/-/7124 
  8. ^ “新観光列車運行などで乗客増へ”. NHK NEWS WEB. 日本放送協会. (2016年3月13日). オリジナルの2016年3月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160313202948/http://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/8036783661.html 2017年3月18日閲覧。 
  9. ^ “伊予灘ものがたり、利用者数13万人を達成【愛媛】”. eat news. 愛媛朝日テレビ. (2021年2月21日). https://eat.jp/eat/?ehimenews=%e4%bc%8a%e4%ba%88%e7%81%98%e3%82%82%e3%81%ae%e3%81%8c%e3%81%9f%e3%82%8a%e3%80%81%e5%88%a9%e7%94%a8%e8%80%85%e6%95%b0%ef%bc%91%ef%bc%93%e4%b8%87%e4%ba%ba%e3%82%92%e9%81%94%e6%88%90%e3%80%90%e6%84%9b 2021年2月22日閲覧。 
  10. ^ a b “JR四国「伊予灘ものがたり」7月26日から運行”. 朝日新聞社. (2014年5月1日). オリジナルの2014年5月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140519164735/http://www.asahi.com/articles/ASG4Z5Q3TG4ZPLXB00N.html 2017年3月18日閲覧。 
  11. ^ “伊予灘ものがたり 運行ダイヤ” (PDF) (プレスリリース), 四国旅客鉄道, (2014年4月30日), オリジナルの2014年7月22日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20140722185837/http://jr-shikoku.co.jp/03_news/press/14-04-30/01/bessi7.pdf 2017年3月18日閲覧。 
  12. ^ アフタヌーンティーの提供について”. 四国旅客鉄道 (2015年2月25日). 2015年3月15日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年3月18日閲覧。
  13. ^ “観光列車「伊予灘ものがたり」の時刻変更と平成28 年度上期運転日について” (PDF) (プレスリリース), 四国旅客鉄道, (2016年1月22日), http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2016%2001%2022%2001.pdf 2017年3月18日閲覧。 
  14. ^ 快速列車ではあるが、前述のとおり全席グリーン車指定席であるため、青春18きっぷ四国再発見早トクきっぷを乗車券として用いることはできない。
  15. ^ 窓口を廃止して『話せる指定席券売機(JR東日本)』『みどりの券売機プラス(JR西日本・JR四国)』『なんでも私に聞いてください!「ど~ぞ」(JR九州)』を設置した駅の場合、乗車券・指定券の発売は可能だが、食事予約券の発売が不可能なため、オペレーターによる操作で無料の乗車票を発券した上で、乗車票で指定された駅のみどりの窓口での別途購入を案内される。
  16. ^ “伊予灘ものがたりの時刻変更・リニューアルについて” (PDF) (プレスリリース), 四国旅客鉄道, (2016年12月16日), http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2016%2012%2016%2005.pdf 2017年3月18日閲覧。 
  17. ^ ただし、改造は車内と外装のみで、駆動機関などの足回りは種車のままである。また、出入口のドアは各車両1ヶ所(連結部寄り)のみとなっている。
  18. ^ “観光列車「伊予灘ものがたり」の運行について” (プレスリリース), 四国旅客鉄道, (2014年4月30日), オリジナルの2014年5月19日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20140519171126/http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/14-04-30/01.htm 2017年3月18日閲覧。 
  19. ^ 観光列車伊予灘ものがたりのデザインが発表される鉄道ニュース2013年11月22日
  20. ^ JR四国「伊予灘ものがたり」、7月26日から運転開始
  21. ^ 「伊予灘ものがたり」の運転日と時刻表。JR四国による渾身の「グルメ列車」は松山発着で週末に1日4便を運転!
  22. ^ 大坂直樹 (2015年5月3日). “水戸岡デザインは古い?「観光列車」に新時代”. 東洋経済ONlINE. 東洋経済新報社. 2016年7月16日閲覧。
  23. ^ 鉄道ファン』、交友社、2014年9月、 64頁。
  24. ^ “観光列車「伊予灘ものがたり」、砥部焼の器で料理提供 愛媛”. 産業経済新聞社. (2014年6月12日). http://www.sankei.com/region/news/140612/rgn1406120037-n1.html 2017年3月18日閲覧。 
  25. ^ iyonada.monogatariの投稿(345943428928437) - Facebook

関連項目[編集]

これらは発想は共通しているが、販売形態が「きっぷ」(乗車券と料金券)ではなく「旅行商品」である(従って団体専用列車となる)ことが「伊予灘ものがたり」との根本的な違いである(ただし、「おれんじ食堂」は食事を伴わなければ通常の乗車券・指定券で利用可能)。

外部リンク[編集]