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ブロマゼパム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブロマゼパム
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
法的規制
  • Schedule IV (US)
投与経路 経口
薬物動態データ
生物学的利用能84%
代謝肝臓
半減期10-20 時間
排泄腎臓
識別
CAS番号
1812-30-2
ATCコード N05BA08 (WHO)
PubChem CID: 2441
DrugBank ?
KEGG D01245
化学的データ
化学式C14H10BrN3O
分子量316.2
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ブロマゼパム (Bromazepam) は、ベンゾジアゼピン系の緩和精神安定剤抗不安薬の一種。日本国内では、ロシュからレキソタン商品名で販売されており、ジェネリック医薬品としては、サンドセニランなどがある(後述のように、レキソタンには剤形に坐剤がないため、坐剤に限りセニランが先発薬)。

連用により依存症、急激な量の減少により離脱症状を生じることがある[1]向精神薬に関する条約のスケジュールIVに指定されている。麻薬及び向精神薬取締法の第三種向精神薬である。

適用

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心身症神経症などにおける身体症候、不安緊張うつ病およびうつ状態・睡眠障害など。また麻酔前投与薬としても用いられる。筋弛緩作用(筋肉の緊張をほぐす)がある。

薬理

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にある抑制性のGABAニューロンのシナプス後膜に存在するGABAA受容体アゴニストとして高い親和性で結合し、抑制性の内因性リガンドであるGABA親和性を増大させることにより、神経の興奮性を低下させると考えられている。

副作用

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倦怠感頭痛・集中力低下・ふらつき・脱力感など。アルコール(飲酒)や他の向精神薬を同時に摂取すると、副作用が強く出る可能性がある。2週間を超える使用は、離脱症状反跳症状の危険性がある。長期間使用した場合、耐性や依存性が生じる[2]

耐性・依存・離脱

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他のベンゾジアゼピンと同様に、ブロマゼパムには乱用・誤用・身体依存精神依存のリスクがある[3][4]。 離脱についての調査では、身体的・精神的依存が認められ、4週間の継続使用後に反跳性不安が見られた。ゆっくりと減薬を行った患者では離脱は起こらなかった[5]

全般性不安障害のためブロマゼパム治療を行われた患者は、不安の悪化などの離脱症状を経験し、急激な断薬時に身体依存が起こった[6]

日本では2017年3月に「重大な副作用」の項に、連用により依存症を生じることがあるので用量と使用期間に注意し慎重に投与し、急激な量の減少によって離脱症状が生じるため徐々に減量する旨が追加され、厚生労働省よりこのことの周知徹底のため関係機関に通達がなされた[1]奇異反応に関して[7]、錯乱や興奮が生じる旨が記載されている[1]医薬品医療機器総合機構からは、必要性を考え漫然とした長期使用を避ける、用量順守と類似薬の重複の確認、また慎重に少しずつ減量する旨の医薬品適正使用のお願いが出されている[8]。調査結果には、日本の診療ガイドライン5つ、日本の学術雑誌8誌による要旨が記載されている[7]

禁忌

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眼圧を上げる作用があるので急性狭隅角緑内障の患者、および症状を悪化させる可能性があるので重症筋無力症の患者に使うことは禁忌とされており使ってはならない。また、過去にこの薬に対して過敏症の既往歴がある人にも使ってはならない。

注意

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呼吸器系の疾患や病気を持つ人、心臓肝臓腎臓に障害を持つ人、脳に障害のある人、高齢者などに投与する時は、障害や疾患を悪化させたり、副作用が強く出る可能性がある。

画像

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出典

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  1. ^ a b c 厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長『催眠鎮静薬、抗不安薬及び抗てんかん薬の「使用上の注意」改訂の周知について (薬生安発0321第2号)』(pdf)(プレスリリース)https://www.pmda.go.jp/files/000217230.pdf2017年3月25日閲覧 、および、使用上の注意改訂情報(平成29年3月21日指示分)”. 医薬品医療機器総合機構 (2017年3月21日). 2017年3月25日閲覧。
  2. ^ Lader M, Tylee A, Donoghue J (2009). “Withdrawing benzodiazepines in primary care”. CNS Drugs 23 (1): 19?34. doi:10.2165/0023210-200923010-00002. PMID 19062773. 
  3. ^ Rastogi RB; Lapierre YD, Singhal RL (1978). “Some neurochemical correlates of "rebound" phenomenon observed during withdrawal after long-term exposure to 1, 4-benzodiazepines”. Prog Neuropsychopharmacol 2 (1): 43?54. doi:10.1016/0364-7722(78)90021-8. PMID 31644. 
  4. ^ Laux G (May 1979). “[A case of Lexotanil dependence. Case report on tranquilizer abuse]”. Nervenarzt 50 (5): 326?7. PMID 37451. 
  5. ^ Fontaine, R; Chouinard, G; Annable, L (Jul 1984). “Rebound anxiety in anxious patients after abrupt withdrawal of benzodiazepine treatment.”. The American journal of psychiatry 141 (7): 848?52. ISSN 0002-953X. PMID 6145363. 
  6. ^ Chouinard G; Labonte A, Fontaine R, Annable L (1983). “New concepts in benzodiazepine therapy: rebound anxiety and new indications for the more potent benzodiazepines”. Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry 7 (4?6): 669?73. doi:10.1016/0278-5846(83)90043-X. PMID 6141609. 
  7. ^ a b 医薬品医療機器総合機構『調査結果報告書』(pdf)(プレスリリース)医薬品医療機器総合機構、2017年2月28日http://www.pmda.go.jp/files/000217061.pdf2017年3月25日閲覧 
  8. ^ 医薬品医療機器総合機構 (2017-03). “ベンゾジアゼピン受容体作動薬の依存性について” (pdf). 医薬品医療機器総合機構PMDAからの医薬品適正使用のお願い (11). https://www.pmda.go.jp/files/000217046.pdf 2017年3月25日閲覧。. 

関連項目

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