プレガバリン

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プレガバリン
Pregabalin.svg
Pregabalin ball-and-stick model.png
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
法的規制
投与方法 経口(日本)
薬物動態データ
生物学的利用能 ≥90%
血漿タンパク結合 結合しない
代謝 ごく少量
半減期 5 - 6.5 時間
排泄 腎臓、尿中に排泄
識別
CAS番号
(MeSH)
148553-50-8
ATCコード N03AX16
PubChem CID: 5486971
DrugBank APRD01198
ChemSpider 4589156 チェック
UNII 55JG375S6M チェック
KEGG D02716  チェック
ChEMBL CHEMBL1059 チェック
化学的データ
化学式 C8H17NO2
分子量 159.23 g.mol-1
リリカカプセル:75mg

プレガバリンINN: Pregabalin)は、神経障害性疼痛に用いられる医薬品である。日本では2010年より商品名リリカで、ファイザーより製造販売されている(エーザイが販売提携)。欧州ではてんかん全般性不安障害 (GAD) の承認もある[1]。服用中止の際の離脱症状や、依存の可能性がある[2]

薬理[編集]

神経におけるシナプスに存在する電位依存性カルシウムチャネルのα2δリガンドとして結合し、神経細胞内へのカルシウム流入を抑制し、グルタミン酸などの神経伝達物質の放出を妨げる。このことにより、疼痛信号の中枢神経系への伝達を抑制し、疼痛を緩和する。

GABA模倣特性を持ち、またドーパミン作動性の報酬系に直接・間接的に作用するため、薬剤乱用の懸念となる[1]

適応症[編集]

  • 神経障害性疼痛(2013年2月28日、中枢性・末梢性の区別なく適応となった)
    • 発売当初は帯状疱疹後神経痛、その後末梢性神経障害性疼痛であった。
  • 線維筋痛症(2012年6月22日認可)
    • 日本人の線維筋痛症においても、二重盲検試験で有効性・安全性が認められた[3]

有効性[編集]

プレガバリンが慢性膵炎による疼痛を緩和し、プラセボよりも優れていたとの報告がある[4]

適応外使用[編集]

慢性瘙痒に対して有効なことがある[5]神経伝達物質を阻害することにより、痒み刺激を遮断すると考えられている。むずむず脚症候群プラミペキソールよりもさらに有効と報告された[6]

副作用[編集]

  • 浮動性めまい
  • 傾眠
  • 浮腫

など

2014年09月17日、厚生労働省は製造販売元のファイザーに対して劇症肝炎と重篤な肝機能障害を添付文書に追記するよう指示した[7]。過去3年間で同副作用が発現した患者は11人で、劇症肝炎を発現した患者1人が死亡した。

離脱症状[編集]

医薬品の添付文書には、急な投与中止により、不眠、悪心、頭痛、下痢、不安や多汗症といった症状の可能性があるため、1週間以上かけて徐々に減量する旨の注意書きが記載されている。

離脱症状の特徴については2012年の論文に記載されている[2]

乱用[編集]

文献の調査からは、臨床試験では陶酔の副作用が報告されており、前臨床試験ではGABAとグルタミン酸の調節作用からの乱用の可能性を示した[8]。特に薬物乱用の既往歴のある場合には、乱用の兆候に注意が必要となる[8]

類似した薬剤であるガバペンチンよりも早く吸収され、同様に、陶酔と鎮静の混合作用を引き起こすと考えられる[1]。闇市場での需要の成長も見られる[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d Schifano, Fabrizio; Orsolini, Laura; Duccio Papanti, G.; Corkery, John M. (2015). “Novel psychoactive substances of interest for psychiatry”. World Psychiatry 14 (1): 15–26. doi:10.1002/wps.20174. PMC 4329884. PMID 25655145. http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/wps.20174/full. 
  2. ^ a b “Gabapentin and pregabalin: abuse and addiction” (pdf). Prescrire Int (128): 152–4. (2012). PMID 22822593. http://legeforeningen.no/PageFiles/123775/Pregabalin%20og%20Gabapentinmisbruk%20%20oversikt%20i%20prescrire%202012.pdf. 
  3. ^ Ohta, Hiroyoshi; Oka, Hiroshi; Usui, Chie; Ohkura, Masayuki; Suzuki, Makoto; Nishioka, Kusuki (2012). “A randomized, double-blind, multicenter, placebo-controlled phase III trial to evaluate the efficacy and safety of pregabalin in Japanese patients with fibromyalgia”. Arthritis Res. Ther. 14 (5): R217. doi:10.1186/ar4056. PMC 3580529. PMID 23062189. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=3580529. 
  4. ^ Olesen, Søren Schou; Bouwense, Stefan A.W.; Wilder–Smith, Oliver H.G.; van Goor, Harry; Drewes, Asbjørn Mohr (2011). “Pregabalin Reduces Pain in Patients With Chronic Pancreatitis in a Randomized, Controlled Trial”. Gastroenterology 141 (2): 536–543. doi:10.1053/j.gastro.2011.04.003. PMID 21683078. 
  5. ^ Yosipovitch, Gil; Bernhard, Jeffrey D. (2013). “Chronic Pruritus”. N. Eng. J. Med. 368 (17): 1625–1634. doi:10.1056/NEJMcp1208814. PMID 23614588. 
  6. ^ Allen, Richard P.; Chen, Crystal; Garcia-Borreguero, Diego; Polo, Olli; DuBrava, Sarah; Miceli, Jeffrey; Knapp, Lloyd; Winkelman, John W. (2014). “Comparison of Pregabalin with Pramipexole for Restless Legs Syndrome”. N. Eng. J. Med. 370 (7): 621–631. doi:10.1056/NEJMoa1303646. PMID 24521108. 
  7. ^ 神経障害性の痛み治療薬「リリカ」に重い副作用” (2014年9月17日). 2014年9月18日閲覧。
  8. ^ a b Schjerning, Ole; Rosenzweig, Mary; Pottegård, Anton; Damkier, Per; Nielsen, Jimmi (2016). “Abuse Potential of Pregabalin”. CNS Drugs 30 (1): 9–25. doi:10.1007/s40263-015-0303-6. PMID 26767525. 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]