アマランサス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒユ属から転送)
移動先: 案内検索
ヒユ属
Amaranthus caudatus
Amaranthus caudatus
(2006年10月22日)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: ヒユ科 Amaranthaceae
亜科 : Amaranthoideae
: ヒユ属 Amaranthus
学名
Amaranthus
L.
英名
Pigweed
Amaranth
亜属
  • Acnida
  • Albersia
  • Amaranthus

アマランサス学名: Amaranthus)はヒユ科ヒユ属(アマランサス属)の植物の総称。アマランスとも。

ギリシャ語Αμάρανθος(アマラントス、(花が)しおれることがない)が語源である。

形態・生態[編集]

一年草。非耐寒性。互生し、晩夏から初秋にかけて色づく。

ヘルシーフードとして[編集]

2010年代から「スーパーグレイン(驚異の穀物)」として注目されるようになり、世界保健機構(WHO)はアマランサスを「未来の食物」と称している[1]

たんぱく質が白米の約2倍あり、消化は白米の3倍以上良い[1]。ビタミンや抗酸化物質も多く含まれ(ビタミンA、C、E、K、B5、B6、葉酸、ナイアシン、リボフラビンなど)、免疫力の向上やアンチエイジングの効用があるとされる[1]

同じくヘルシーフードとして注目されるキヌアよりも、カルシウム・マグネシウム・リン・鉄分の含有量が多い[1]。鉄分に加えて亜鉛やビタミンB6など女性に不足しがちな栄養分も含まれ、必須アミノ酸のリジンも美肌効果をもたらすとされる[1]。日本で健康食品として注目され始めたのは2015年頃であり[2]、2016年には女性グループのももいろクローバーZが『AMARANTHUS』(アマランサス)と題した作品を発表するなど、徐々に知名度が高まってきている。

人間との関わり[編集]

南米の祝祭「死者の日」には、ドクロの形をしたアマランサスのおこしが作られる。

古代南米インカ文明などでは、種子を穀物として食用にしてきた。これはトウモロコシ豆類に匹敵する重要作物であった。19世紀に入るとインドなどでも大規模に栽培されるようになった。日本へは江戸時代に、主に観賞用として伝来した。東北地方では小規模ながら、アカアワなどの名前で食用にも栽培されていた。

中国では、中国語北京語)で 莧菜xiàncài、シエンツァイ)、広東語莧菜yin6choi3、インチョイ)、上海語米莧 (ミーシ)と呼び、緑色の葉とを食用にしている。英語では、一般に chinese spinach(中国のホウレンソウ)などと呼ぶが、オーストラリアでは、広東語を英語風に書いた een choy(イーンチョイ)を野菜としての標準名としている。独特のえぐ味と濃い風味がある。炒めると葉に含まれる色素に溶出して、紅色に染まる品種が多いが、赤くならない品種もある。

観葉植物としても栽培される。花からは系の染料が採れ、その色はアマランス色英語版)と呼ばれる。ただし、合成着色料赤色2号もアマランスと名づけられているが、色が似ているだけで無関係な物質である。

アマランサスの中でも、ヒモゲイトウ (Amaranthus caudatus) が最も大規模に栽培されている。

分類[編集]

ヒユ(莧、A. tricolor)の仲間であるが、形態は多様である。和名に「ケイトウ(鶏頭)」を含む種も多いが、ケイトウ (Celosia argentea) は同科別属である。

ヒユ属の種分化は非常に多様で、雑種も多く、分類は難しい。の数は分類により約20種~約300種と大きな幅がある[3]。近年の研究によると、ヒユ属は3亜属[4]70種[5]に分類できる。

ITISによる42種を挙げる。和名・英名との対応は、別の分類では異なることもある。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b c d e [1]
  2. ^ [2]
  3. ^ NBCI Taxonomy Browserは(雑種・未記載除き)23種、ITISは42種、Wikispeciesは308種
  4. ^ Mosyakin, S.L.; Robertson, K.R. (1996), “New infrageneric taxa and combinations in Amaranthus (Amaranthaceae)”, Ann. Bot. Fennici 33: 275-281 
  5. ^ Juan, R.; et al. (2007), “Electrophoretic characterization of Amaranthus L. seed proteins and its systematic implication”, Botanical Journal of the Linnean Society 155: 57-63. 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]