ハーム・リダクション

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ハームリダクション(harm reduction)とは、個人が、健康被害や危険をもたらす行動習慣(合法違法を問わない)をただちにやめることができないとき、その行動にともなう害や危険をできるかぎり少なくすることを目的としてとられる、公衆衛生上の実践、方略、指針、政策を指す。ハームミニマイゼーション(harm minimization)とも呼ばれることもある。日本語では、「被害低減」の訳語をあてることができるが、「ハームリダクション」の語をそのまま外来語表現として用いることが多い。(ハーム・リダクションと表記されることもあるが、コストリダクション、ノイズリダクションなどと同様にハームリダクションと表記できるものである。)

ハームリダクションアプローチは、娯楽目的の薬物使用やセックス行動のような様々な人間行動に対して適応されており、それはサービスから地勢的状況まで様々な状況に利用されている。

例としては、静脈注射使用者に対する注射針交換プログラム(en:Needle exchange programme)が挙げられる。この実践は、ヘロインや他の薬物使用における注射針の回し打ちや再利用を減らすことによって、HIVC型肝炎などの感染症の拡大を防ぐことを目的とする。注射針無料交換プログラムや、オピオイド置換療法英語版は、プライマリヘルスケアの場において安価に提供可能なプログラムである。メサドンや医療用ヘロインを用いた維持療法についてのアウトカム研究は、ハームリダクションプログラムの利用者は、過剰摂取による事故がより少ないこと、救急医療の利用回数や医療費がコントロール群に比べ少なく、就業していることが多く、薬物目当ての軽犯罪にかかわることが少ないことなどを報告している。

典型的な批判としては、ハイリスク行動や違法行為について寛容的であることは、コミュニティに対して「認知されている行為である」というメッセージを送ることになってしまい、こういった対応は、その有害性を減少させることはできないという意見がある[1][2]



脚注[編集]

  1. ^ INCB 2001 Annual Report - Oceania”. p. 559. 2010年3月28日閲覧。
  2. ^ Anger as Vice Girls Get Free Condoms”. 2010年4月20日閲覧。

関連項目[編集]