ノート:オリオン座

ページのコンテンツが他言語でサポートされていません。

オリオン座について[編集]

オリオン座(オリオンざ、Orion)は、トレミーの48星座の1つ。ギリシア神話における登場人物オーリーオーン(以下、星座の絵姿としてはオリオンと表記)を題材とした星座

天の赤道上にあり、おうし座の東にある星座。中央に三つ星が並んでいるのが目印。北半球における冬の晴れた夜空は湿度が低く澄んでいるため、星がよく見えるばかりでなく、オリオン座にはオリオンの肩に相当する赤みがかったα星ベテルギウス、脚に相当する青白いβ星リゲル全天21の1等星の2つを含み、2等星以上を7つも含むなど明るい星が多く、都会の空でもよく目立つ有名な星座である。

特徴的な星の配置は、古代から世界各国で様々な呼び方をされていた。日本では京都府綾部市山梨県甲府市塩山市などで、形をに見立てた鼓星(つづみぼし)という名前が伝わっていた。オリオン座はしばしば文学作品などにも登場する。

#歴史に見られるオリオン座の記述」を参照

オリオン座は他の星や星座を見つける基準にもなる。オリオンのベルトのラインを南東へ延ばした先には全天で一番明るい恒星であるシリウス(α Canis Majoris)があり、この星はおおいぬ座に含まれる。ベテルギウスと、おおいぬ座α星シリウス、こいぬ座のα星プロキオンの3つの1等星を結ぶとほぼきれいな正三角形となり、これを「冬の大三角」と呼んでいる。ベテルギウスをほぼ中心に置いて囲むように、プロキオンから右回りにふたご座β星ポルックスぎょしゃ座α星カペラおうし座α星アルデバラン、オリオン座β星リゲルを結び、再びシリウスを通ってプロキオンに至る六角形を引くこともできる(これを「冬のダイヤモンド」と呼ぶことがある)。

主な天体[編集][編集]

オリオン座の領域には、明るい星や有名な星雲星団が多くある。

恒星[編集][編集]

オリオン座の恒星の一覧」も参照

2つの1等星α星(ベテルギウス)とβ星(リゲル)以外に、γ星、δ星、ε星、ζ星、κ星の5つの2等星がある。

  • α:ベテルギウス(Betelgeuse)は、オリオンの右肩にあるオリオン座で2番目に明るい恒星。全天21の1等星の1つ。赤色超巨星であり大きさはベテルギウスを現在の太陽の位置に持ってきたとき、木星の軌道を飲み込む程になる。また周期2110日で変光するSRC型の脈動変光星でもある。光度が極大になると、リゲルより明るくなる。冬の大三角を構成する3つの星の1つだが、シリウス、プロキオンが太陽からおよそ10光年の距離と近いのに比べ、600光年以上の遠い距離にある。
  • β:リゲル(Rigel)は、オリオンの左の膝の上にあるオリオン座で最も明るい恒星。全天21の1等星の1つ。非常に明るい大きな青白い星である。

リゲル、ベテルギウスには和名が存在する。それぞれの和名については(リゲル#和名ベテルギウス#和名の項を参照)。

  • γ星:ベラトリックス(Bellatrix)は、「女戦士」の名を持つ。オリオンの左肩にある2等星。
  • δ星:ミンタカ(Mintaka):2等星。ほぼ天の赤道上にある星。
  • ε星:アルニラム(Alnilam):2等星。
  • ζ星:アルニタク(Alnitak):2等星。

δ星、ε星、ζ星は、3つ並んだ2等星で、オリオンの帯として知られる。1列に並んで同じような明るさで輝いては見えるが、3つの星は互いに距離が離れており、3つの星同士に関連性はない。日本では「三つ星」(みつぼし)と呼ばれ、この三つ星だけでも、オリオン座を容易に見つけることができる。

英語では三つ星を Tristar と呼ぶ。その他、日本各地にベテルギウスとリゲルをアステリズムとした方言や三つ星などの方言が多数見つかっている。詳細はオリオン座に関連する方言参考。

  • κ星:サイフ(Saiph)は、オリオンの右の膝にある2等星。
  • λ星:メイサ (Meissa)は、オリオンの頭である。
  • π3星:タビト(Tabit)は、オリオン座の西端に位置する。
  • χ1星:北端に輝く。

π3星とχ1星は、比較的太陽に似た薄黄色や黄色の主系列星で、遠い星の多いオリオン座ではもとより恒星全体の中でも太陽系に近い星である。

オリオン座の明るい星々は年齢や物理的特徴が非常に似ている。これはオリオン座付近に巨大分子雲が存在し、オリオン座を構成する星々の多くがこの同じ分子雲から生まれたためであると考えられている。散開星団よりは広がっているが同じ年齢と運動を持つこのような星の集団をアソシエーションと呼ぶ。オリオンアソシエーションはその代表的なもの。しかし、ベテルギウス、π3星、χ1星は例外である。

オリオン座の暗い星の中で特筆すべき星としては、以下の星が挙げられる。

星団・星雲・銀河[編集][編集]

オリオン座の主星を囲むバーナードループ三つ星と馬頭星雲(左端の星の南の星雲中)オリオン大星雲(M42)

- 散光星雲。オリオンのベルトの三つ星の南に位置する2つの星雲(M43が北側)である。かつてはM43が大きな明るい星とされ、M43、M42、ι星の3つが並んだ姿を、ι星を「剣先」に、オリオンが腰につけた剣と見立てた。日本ではこの剣を「三つ星」との対比で「小三つ星(こみつぼし)」と呼んでいる。後にM43は星ではなくM42と同じ散光星雲であることが判明した。大星雲はベテルギウスやリゲルよりもさらに遠くにある(およそ1,300光年)が、肉眼で視認可能であり、双眼鏡では中心の若い星や輝くガス雲を見ることができる。望遠鏡ではトラペジウム( 41 Orionis:θ1 Orionis)や 43 Orions(θ2 Orions)を始めとするTheta Orionis英語版)、さらにたくさんの若い星群42 Orionis英語版)、Iota Orionis英語版))が星雲を照らしているのが観測できる。
- 暗黒星雲。写真等で有名で、三つ星の東側にある。この付近は写真で撮影するとかなり明るく星雲が写る領域である。
- 馬頭星雲の左上に位置する。暗黒星雲が明るい星雲を隠している。
- 超新星残骸。オリオン座全体を大きな円弧状に取り巻くようにしている。
- 三つ星の北東側にある、二重星によって照らされている散光星雲。

これらの星雲群はオリオン座分子雲と総称されている。

その他[編集][編集]

歴史に見られるオリオン座の記述[編集][編集]

オリオン座はさまざまな古代文明で特別に認識され、神話や説話の中で様々な呼称や解釈がなされている。

古代オリエント[編集][編集]

星座書ウラノメトリアにおけるオリオン座 オリオンの名は、アッカド語のUru-anna(ウルアンナ、天の光の意)が由来であるという指摘がある。このオリオンの名は、ホラティウスホメロスの『オデュッセイア』や『イーリアス』、ウェルギリウスの『アエネイス』で言及される。ミルトンの『失楽園』や、テニスンの『ロックスレー・ホール』にも現れる。

しかし、別の説によれば、オリオンはウーロン(古代ギリシアの言語で尿の意)からきているともいわれる。

古代エジプトは三ツ星とその南側をサフと呼び、オシリスと同一視した。古代メソポタミアシュメール人はより広い(現在のオリオン座に近い)星々を「アヌの真の羊飼い」と呼んだ。これがオリオン座の原型と考えられている。

古代ギリシア[編集][編集]

ギリシア神話において、ヒュギーヌスの伝えるところでは、巨人オーリーオーン(オリオン座)は海の神ポセイドーンの子で優れた猟師だったが、「この世に自分が倒せない獲物はいない」と驕ったため、地中から現れたさそり(さそり座)に毒針で刺し殺された。その後オリオンとさそりはともに天にあげられ星座となった。ゲルマニクスは、オリオン座は冬の間、空高いところで威張っているが、さそり座が東の空から上るとこそこそと西の空に沈む、としている。

またヒュギーヌスは、オーリーオーンの死について、月の女神アルテミスにまつわる別の神話も伝えている。

古代中国[編集][編集]

古代中国の天文学占星術において、オリオン座の7つの星は星官のうちの参宿(參 、しん、拼音: Shēn)に属している。オリオン座(参)とさそり座(商)が天球上でほぼ反対側に位置して同時には上らないことから、不仲や疎遠な人間関係を指して「参商之隔(さんしょうのへだて)」という言葉がある。

オリオンの「ベルトおよび剣」は、古代・近代文学の中で頻繁に引用された。

古代日本[編集][編集]

オリオン座の方言」も参照

日本神話に現れる表筒男命・中筒男命・底筒男命が、三つ星として知られるδ星、ε星、ζ星のことだという説がある(学説であって、そういう古伝承があるわけではない)。 沖縄では、オリオンのベルト部分にあたる3つの星を「黄金三星」(こがねみつぼし、クガニミチブシ)と呼び、神が住む星とされている。--113.40.192.129 2022年11月12日 (土) 03:06 (UTC)[返信]