失楽園
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楽園を追放されるアダムとエバ(ジェームズ・ティソ画)
『失楽園』(しつらくえん、英語:Paradise Lost)とは、旧約聖書『創世記』第3章の挿話である。蛇に唆されたアダムとエバが、神の禁を破って「善悪の知識の実」を食べ、最終的にエデンの園を追放されるというもの。楽園喪失、楽園追放ともいう。
ミルトンの著作[編集]
ユリウス暦1667年にイギリスの17世紀の詩人、ジョン・ミルトンによる旧約聖書の『創世記』をテーマにした壮大な初期近代英語の叙事詩。ヤハウェに叛逆して一敗地にまみれた堕天使のルシファーの再起と、ルシファーの人間に対する嫉妬、およびルシファーの謀略により楽園追放に至るも、その罪を自覚して甘受し楽園を去る人間の偉大さを描いている。『失楽園』に対応する作品として『復楽園』(楽園回復)もある。ダンテ・アリギエーリの『神曲』とともに、キリスト教文学の代表作として知られる。
ミルトンは悪魔学の専門家ではなかったが、その当時に見られた悪魔に対する様々な説を総合した独自の解釈を作中に盛り込んだ。ミルトンによる解釈はその後のキリスト教に影響し、殊にルシファーに関する逸話に大きな影響を与えた。ミルトンの詩の中では、ルシファーはヤハウェの偉大さを知りつつも、服従よりも自由に戦って敗北することを選ぶ、一種の英雄として描かれる[注釈 1]。
関連書籍[編集]
- ジョン・ミルトン『失楽園』上、平井正穂訳、岩波書店〈岩波文庫赤206-2〉、1981年1月。ISBN 4-00-322062-5。
- ジョン・ミルトン『失楽園』下、平井正穂訳、岩波書店〈岩波文庫赤206-3〉、1981年2月。ISBN 4-00-322063-3。
- ジョン・ミルトン『楽園の喪失』新井明訳、大修館書店、1979年。ISBN 4-469-24046-X。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
外部リンク[編集]