平井正穂
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平井 正穂(ひらい まさお、1911年12月10日 - 2005年2月24日)は、日本の英文学者。
人物[編集]
福岡県久留米市に生まれ、福岡市で育つ。旧制第八高等学校卒業後、1935年、東京帝国大学英文科卒業、大学院に進む。1937年、助手に採用される。1940年、旧制新潟高等学校教授、東大教授斎藤勇の女婿となる。1948年、東大英文科助教授、教授を務め、69年から71年まで文学部長、72年定年退官後は武蔵大学教授。日本英文学会会長を務めた。東京大学名誉教授。日本学士院会員。
ジョン・ミルトン、T・S・エリオットなど英文学の正統的研究者。
小泉八雲、夏目金之助、斎藤勇に継いで東大英文科を担い、高橋康也、丸谷才一、宮崎雄行、冨山太佳夫、山内久明など、数多くの優秀な教え子を輩出した。篠田一士・高松雄一等による『ルネサンスの文学と思想 平井正穂教授還暦記念論文集』が、筑摩書房で1977年に刊行された。
著書[編集]
- 『ルネサンスの人間像』新月社, 1948
- 『John Milton』研究社出版, 1958 (新英米文学評伝叢書)
- 『イギリス文学試論集』研究社出版, 1965
- 『イギリス文学史 人間像の展開』筑摩書房, 1968、筑摩叢書, 1980
- 『ミルトンとその時代』研究社出版, 1974
- 『イギリス文学ノート 思索と体験』八潮出版社, 1982
- 『イギリス文学論集』研究社出版, 1998
- 『イギリス文学史』海老池俊治と共著、明治書院, 1980
- 編『エリオット 20世紀英米文学案内』研究社出版[1], 1967
翻訳[編集]
- トマス・モア『ユートピア』新月社, 1948/岩波文庫, 1958、改版2011、ワイド版1994
- ダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー/ペスト』筑摩書房〈世界文学大系 デフォー[2] スウィフト〉, 1959、新版(筑摩世界文学大系), 1974
- ジョージ・ギッシング『ヘンリ・ライクロフトの私記』岩波文庫, 1961、ワイド版1991
- オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの画像』筑摩書房〈世界文学大系 近代小説集〉, 1964、新版(筑摩世界文学大系 名作集), 1975
- シェイクスピア『夏の夜の夢』『尺には尺を』- 筑摩書房(世界古典文学全集), 1964
- ウィリアム・ゴールディング『蝿の王』集英社(世界文学全集), 1965、新版1973ほか。のち新潮文庫、集英社文庫(各・改版)
- スティーヴンソン『新アラビアンナイト』[3]集英社(世界文学全集), 1970
- デフォー『ロビンソン・クルーソー』 岩波文庫(上・下), 1967-71、改版2012。※下巻は第2部(その後の物語)
- デフォー『ペスト』[4] 中公文庫, 1973、改版2009 - 1665-66年ロンドンでの疫病感染(パンデミック)を描く。
- シェイクスピア『ロミオとジューリエット』集英社(世界文学全集), 1973、新版1979。岩波文庫, 1988
- 『オセロー』集英社(世界文学全集), 1973、新版1979。集英社文庫, 1988
- 『リア王』、『アントニーとクレオパトラ』集英社(世界文学全集 新版), 1979
- クリストファー・マーロウ『フォースタス博士の悲劇』-「筑摩世界文学大系18 古典劇集」筑摩書房, 1975
- チャールズ・ラム『エリア随筆』八潮出版社, 1978。抜粋訳
- ジョン・ミルトン『失楽園』筑摩書房, 1979/岩波文庫(上・下), 1981。講談社(世界文学全集), 1986
- ジョナサン・スウィフト『ガリヴァー旅行記』岩波文庫, 1980、単行版1982、ワイド版1993
- 『イギリス名詩選』岩波文庫, 1990、ワイド版1991、単行版1997。編訳
参考[編集]
- デジタル版日本人名大辞典
- 平井正穂教授略歴・業績 (平井正穂教授記念号) 武蔵大学人文学会雑誌 1982
脚注[編集]
- ^ エリオットは「全集」中央公論社、「筑摩世界文学大系」などに翻訳がある。
- ^ 「ロビンソン・クルーソー」は、集英社と筑摩書房(世界文学全集)にも収録。スウィフトは、中野好夫訳「ガリヴァー旅行記」
- ^ 他は「宝島」上田和夫訳
- ^ 「ペスト」は、中央公論社(デフォー 世界の文学)1971、新版1994。他は、平野敬一訳「ロビンソン・クルーソー」
出典[編集]
- 小谷野敦 『文学研究という不幸』 ベスト文庫、2010年、6頁。ISBN 978-4-584-12264-8。