タトラT3

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タトラT3
タトラT3
タトラT3
基本情報
製造所 ČKDタトラ
主要諸元
最高速度 65 km/h
車両定員 T3 - 110人(座席23人)
T3SU - 95人(座席36人)
自重 16 t
全長 14,000 mm
全幅 2,500 mm
全高 3,050 mm
主電動機 TE022
主電動機出力 40kW
搭載数 4基 / 両
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タトラT3(Tatra T3)とは、チェコプラハに本社を置くタトラ社(ČKDタトラ・スミーホフ工場)によって生産された路面電車タトラカー)。

概要[編集]

1960年から1989年にかけて、計13991台が生産された。この数は、世界中の路面電車で最も多い生産台数である。またČKDが1994年に民営化された後に車体や制御装置を刷新した増備車が製造されている。

タトラT3を開発する上で課された条件は、前モデルであるタトラT2と同様の乗客を乗せつつ、その生産をより容易にするというものであった。そのため、若干ボディが薄くなり、座席にも改良が図られた。タトラT3は、チェコスロバキアの各地で運行されたほか、旧共産圏の各国へ輸出された。

チェコスロバキアから各国に輸出されたT3は、その末尾に輸出先の国を示すアルファベットがつけられた。タトラT3SUは、ソ連(SU)に輸出されたモデルであり、1963年よりモスクワで用いられたのを最初に、33の都市で導入された。このソ連型のモデルは、チェコスロバキア国内でも用いられるようになり、T3SUCS(CSはチェコスロバキア)と称された。タトラT3Dは、東ドイツに輸出されたモデルであり、まず1964年よりドレスデンで導入され、のちにシュヴェリーンやカール=マルクス=シュタット(現在のケムニッツ)でも導入された。現在でもケムニッツでは、T3Dが市電で用いられている。その他、ユーゴスラビア向けのT3YUや、ルーマニア向けのT3Rなどが生産された。

B3[編集]

タトラB3
タトラB3
タトラB3
基本情報
製造所 ČKDタトラ
主要諸元
最高速度 65 km/h
車両定員 124人(座席28人)
全長 14,000 mm
全幅 2,500 mm
全高 3,050 mm
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1973年から1988年にかけて製造されたタトラT3と同型の付随車。T3から運転台を取り除いた外見となっている。

122両がチェコスロバキア東ドイツへ導入され、T3など動力車に牽引される形で用いられている。

T3R[編集]

タトラT3R
タトラT3R(ブルノ市電)
タトラT3R(ブルノ市電)
基本情報
製造所 ČKDタトラ
主要諸元
最高速度 60 km/h
車両定員 108人(座席22人)
自重 16 t
全長 14,000 mm
全幅 2,500 mm
全高 3,060 mm
主電動機 TE022、TE 026 A05
主電動機出力 TE022 - 40 kW
TE 026 A05 - 46.8 kW
搭載数 4基 / 両
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1990年代中盤から後半にかけてチェコ共和国向けに製造された増備車。建築家のパトリック・コタスによって設計された新たな前面デザインやGTOサイリスタ制御の採用など、各部に近代化がなされている。

1997年からブルノ市電へ10台が製造された一方、プラハ市電(1998年)およびブルノ市電(1995年)に既存のタトラT3の機器を流用した車両が導入されたが、そのうちプラハ市電に導入された車両は故障が相次ぎ、2005年に廃車された[1]

なお、タトラT3のルーマニア向け車両とは関係ない別形式である。

T3RF[編集]

タトラT3RF
タトラT3RF(サマーラ市電)
タトラT3RF(サマーラ市電)
基本情報
製造所 ČKDタトラ
主要諸元
最高速度 60 km/h
車両定員 108人(座席22人)
自重 17.3 t
全長 14,000 mm
全幅 2,500 mm
全高 3,060 mm
主電動機 TE 026 A05
主電動機出力 46.8 kW
搭載数 4基 / 両
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1990年代中盤から後半にかけてロシア連邦向けに製造された増備車。上記のT3Rの設計を踏襲しているが、ドアの形状などが若干異なる。

1997年から1999年にかけてロシア連邦イジェフスク市電とサマーラ市電向けに製造されたほか、サマーラ市電への導入がキャンセルされた2両については2002年にチェコのブルノ市電へ導入された。なお、その際に車体の一部がチェコ向けに改造されている。

更新工事[編集]

1990年代以降、チェコロシアなどタトラT3が多く活躍している国では、制御機器の交換、車体更新、それに伴う低床化など、T3の近代化工事が行われている。

タトラT3が導入された主な都市・路線[編集]

チェコの旗チェコ共和国

スロバキアの旗スロバキア共和国

ロシアの旗ロシア連邦

ウクライナの旗ウクライナ

ドイツの旗ドイツ連邦共和国

エストニアの旗エストニア共和国

ラトビアの旗ラトビア共和国

クロアチアの旗クロアチア共和国

ボスニア・ヘルツェゴビナの旗ボスニア・ヘルツェゴビナ

朝鮮民主主義人民共和国の旗朝鮮民主主義人民共和国

日本の旗日本国

  • 土佐電気鉄道(現・とさでん交通) - 「世界の電車」計画の一環として、元プラハ市電の6319号を1994年2月に購入し[2]、自社桟橋車庫に搬入されたが、導入計画は中止となり営業運転に使用されることはなく、2006年に解体処分された。

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ T3R [online]”. 2018年3月9日閲覧。
  2. ^ 「外国電車導入」『路面電車はゆく 高知』(高知新聞社)1998年10月18日第1刷発行、52頁。

外部リンク[編集]