ステファノー (衛星)

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ステファノー
Stephano
Stephano - Uranus moon.jpg
仮符号・別名 S/1999 U 2
Uranus XX
分類 天王星の衛星
発見
発見日 1999年7月18日[1][2]
発見者 ジョン・J・カヴェラーズ
ブレット・J・グラドマン
マシュー・J・ホルマン
ジャン=マルク・プティ
ハンス・ショル[1]
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 8,004,000 km[3][4]
離心率 (e) 0.2292[4]
公転周期 (P) 677.37 日[4]
軌道傾斜角 (i) 123.26° (天王星の赤道面に対して)
144.103° (局所的なラプラス面に対して)
141.81° (黄道面に対して)[3]
天王星の衛星
物理的性質
平均半径 16 km[3]
表面積 3,216.99 km2[1]
体積 17,157 km3[1]
質量 2.2×1016 kg[5]
平均密度 1.3 g/cm3 (仮定値)[5]
表面重力 0.0041 m/s2
脱出速度 0.013 km/s
アルベド(反射能) 0.04 (仮定値)[5]
表面温度
最低 平均 最高
~65 K (推定)
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ステファノー (ステファーノ[6][7][8]、Uranus XX Stephano) は、天王星の第20衛星である。

発見と命名[編集]

発見報告と確定[編集]

ステファノーは、1999年7月18日にジョン・J・カヴェラーズらによってカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡を用いた観測によって発見された[1][2]。この時の観測では、別の天王星の衛星セティボス (発見時の仮符号は S/1999 U 1) も発見されており[9][10]、さらに同日にプロスペロー (S/1999 U 3) も発見されている[11]。発見は7月27日に国際天文学連合のサーキュラーで公表され S/1999 U 2 という仮符号が与えられたが、この段階では確実に天王星の衛星であるという確証は得られず、ケンタウルス族の天体だとしても観測された位置を説明することができた[9][10]。しかし天王星の見かけの動きと似たケンタウルス族天体はそれまで発見されていなかったため、S/1999 U 1 と共に天王星の衛星である可能性は高いとされた[9][10]

発見報告後も継続的に観測が行われ[11]2000年には S/1999 U 1 と共に天王星の衛星であることが確実視された[12]。この段階の軌道解析では軌道傾斜角がおよそ 69° の大きく傾いた順行衛星だと思われていたが、後の観測でおよそ 141.5° の逆行衛星であることが明らかになった[13][14]

命名[編集]

最終的に軌道が確定したことを受け、2000年8月21日にウィリアム・シェイクスピア戯曲テンペスト』に登場する人物に因んで命名され[1]Uranus XX という確定番号が与えられた[15][6][7]。なお日本語表記としては ステファーノ という表記も見られ[6][7][8]国立天文台の発行する天文ニュースではこちらが使われていた[6]

名称の由来[編集]

ステファノーという名前は、ウィリアム・シェイクスピア戯曲テンペスト』に登場する、主人公プロスペローを放逐した政敵の一味に同行し乗船していた、酔いどれの執事ステファノーにちなんで付けられた。

口を開けば酒のことばかりで、常時手が震えてふらついている。威勢のいいことを口走るが、すぐに怯えて謝ったりもする。その彼と友人である道化師トリンキュローが難破して流れ着いた先で怪物キャリバンと出会い、リーダーとなってプロスペローらを襲撃しようとする。

特徴[編集]

天王星周りの不規則衛星の軌道のアニメーション。赤色がステファノーである。
       天王星  ·        シコラクス ·        フランシスコ  ·        キャリバン  ·        ステファノー  ·        トリンキュロー

内衛星群と異なり、軌道も大きく傾いており、逆行軌道を持つ不規則衛星である。キャリバンフランシスコと力学的に似た軌道を持っており、共通の起源を持っている可能性がある[1][16]。天王星が形成された後、もしくは形成段階に、天王星によって捕獲されて衛星になったと考えられている[16]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g In Depth | Stephano – Solar System Exploration: NASA Science”. アメリカ航空宇宙局 (2017年12月5日). 2019年1月17日閲覧。
  2. ^ a b Planet and Satellite Names and Discoverers”. Planetary Names. 国際天文学連合. 2015年1月11日閲覧。
  3. ^ a b c Sheppard, Scott S.; Jewitt, David; Kleyna, Jan (2005年). “An Ultradeep Survey for Irregular Satellites of Uranus: Limits to Completeness”. The Astronomical Journal 129 (1): 518–525. arXiv:astro-ph/0410059. doi:10.1086/426329. ISSN 0004-6256. 
  4. ^ a b c Jet Propulsion Laboratory (2013年8月23日). “Planetary Satellite Mean Orbital Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進研究所. 2018年12月25日閲覧。
  5. ^ a b c Jet Propulsion Laboratory (2015年2月19日). “Planetary Satellite Physical Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進研究所. 2018年12月25日閲覧。
  6. ^ a b c d 天王星の衛星3個に命名”. 国立天文台・天文ニュース. 国立天文台 (2000年8月24日). 2019年1月17日閲覧。
  7. ^ a b c 天王星の衛星3個に命名”. アストロアーツ (2000年8月24日). 2019年1月17日閲覧。
  8. ^ a b 宇宙の質問箱-データ●太陽系内の衛星表”. 太陽系内の衛星表. 国立科学博物館. 2019年1月17日閲覧。
  9. ^ a b c Brian G. Marsden (1999年7月27日). “IAUC 7230: Prob. NEW Sats OF URANUS”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2019年1月17日閲覧。
  10. ^ a b c 天王星にまた2個の衛星を発見”. 国立天文台・天文ニュース. 国立天文台 (1999年7月29日). 2019年1月17日閲覧。
  11. ^ a b Brian G. Marsden (1999年9月4日). “IAUC 7248: Prob. NEW Sats OF URANUS”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2019年1月17日閲覧。
  12. ^ Brian G. Marsden (2000年3月24日). “IAUC 7385: S/1999 U 1, S/1999 U 2, S/1999 U 3”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2019年1月17日閲覧。
  13. ^ Brian G. Marsden (2000年8月5日). “IAUC 7473: S/1999 U 2”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2019年1月17日閲覧。
  14. ^ Gladman, B (2000年). “The Discovery of Uranus XIX, XX, and XXI”. Icarus 147 (1): 320–324. doi:10.1006/icar.2000.6463. ISSN 00191035. 
  15. ^ Daniel W. E. Green (2000年8月21日). “IAUC 7479: COMET C/2000 O3 (SOHO); C/2000 P1, C/2000 P2; Sats OF URANUS; EDITORIAL NOTICE”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2019年1月17日閲覧。
  16. ^ a b Grav, Tommy; Holman, Matthew J.; Fraser, Wesley C. (2004年9月20日). “Photometry of Irregular Satellites of Uranus and Neptune”. The Astrophysical Journal 613 (1): L77–L80. arXiv:astro-ph/0405605. Bibcode 2004ApJ...613L..77G. doi:10.1086/424997.