シンクホール

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シンクホール英語: sinkhole)あるいはドリーネドイツ語: Doline)は、石灰岩ドロマイト地域で地下に空洞が発達し表層が崩落して生ずる陥没孔である[1]

概要[編集]

地下水による浸食、あるいは何らかの化学的な変化によって、地下にある岩石または空間が崩壊し、地表にまで到達する大きな穴が開く。カルスト地形においてしばしば起こる。

鉱山跡や採石場跡が陥没した時など、人工的な構造物に由来するものもシンクホールと呼ばれる。カルストに由来するシンクホールと区別するため、英語ではドイツ語に由来する「Pinge」と呼ばれることもある。

湖沼や海にも発生する。海面下のシンクホールはブルーホールとよばれる。ユカタン半島の低平な石灰岩地帯に見られる陥没穴はセノーテと名づけられており、地下水が溜まった天然の井戸となっている。

また、道路に埋設した上下水道管が壊れて漏水し地盤が崩れて発生する場合や、高層建築物建設に伴う掘削によって地下水が抜け地盤沈下を起こすことで穴が開く場合があり、これらもシンクホールとよばれることがある。

大韓民国では、近年人為的な要因から発生するシンクホールが増えており、社会問題となっている[2]

地方名[編集]

ドリーネ(doline)はを意味するセルビア語ドリーナ(dolina)に由来し、英語では落込穴を意味するシンクホール(sinkhole)が用いられる[3]

事例・事故[編集]

予兆もなく突然起こるので、しばしば人が飲み込まれる。

2007年2月23日グアテマラシティの住宅街に深さ100mのシンクホールが発生、5人が死亡した[4]2010年5月30日には、グアテマラシティの工場地帯で直径20m、深さ30mのシンクホールができ、3階建ての工場がそのまま崩壊し15人が死亡した。熱帯低気圧がもたらした洪水下水道管の管理不良が原因であった[4]

2014年11月、ロシア中部ペルミ地方ソリカムスク(ru:Соликамск)のカリウム鉱山で巨大なシンクホールが出現、12月には幅80mに達した[5]

2015年2月20日、韓国ソウルで、突然歩道が深さ約5メートル陥没し、バスを降りたばかりの男女2人が転落した[6][7]

日本のシンクホール[編集]

2016年11月8日に福岡市博多区の地下鉄七隈線の建設工事現場にて発生したシンクホール。写真は陥没翌日の11月9日撮影。なお、この後復旧工事が進み1週間後の11月15日朝5時より人や車の通行が陥没前と同様に可能な状態となった。

日本では石灰岩により自然的に発生するシンクホールは少ないが、鉱山跡、採石場跡、下水道管路、地下鉄工事現場などではシンクホールが多く発生している。ごく浅い場所で採掘する亜炭の採掘場所の跡地での発生が多い。北海道の炭鉱跡地など、炭鉱が大規模な場合はシンクホールも大規模になる。

市街地でも、かつて採炭や採石が盛んだった地域はよく発生している。例えば、亜炭で有名な可児郡御嵩町、大谷石で有名な宇都宮市大谷町、炭鉱で有名な北海道夕張郡や福岡県筑豊地方、などで発生している。陥没を避けるために、坑道跡に地下水充填などの対策があるが、鉱業とともに町の産業も衰退した自治体ではそのような予算がない場合が多い。もし自宅などがシンクホールの底に沈んだ場合は、特定鉱害として鉱業法第109条に基づき、行政の支援が受けられる場合がある。

日本国内では下水管に起因する道路陥没事故が年間4,000 - 5,000件程度起こっている[8]

主なシンクホール、陥没事故[編集]

  • 都営地下鉄浅草線
  • 東葉高速鉄道
  • 福岡市地下鉄七隈線
  • 御嵩町
  • 大蔵海岸
  • 琉海ビル陥没事故
  • 梅ヶ丘特殊地下壕
  • 東北新幹線
    • 牛鍵トンネル [1]
    • 第1上野トンネル - 御徒町トンネル工事
  • 上越新幹線
    • 榛名トンネル
  • 首都圏中央連絡自動車道
    • 笠森トンネル [2]
    • 山口トンネル [3]
  • 東京メトロ千代田線
    • 不忍池の陥没事故
  • 中央環状品川線
    • 五反田出入口工事箇所付近 [4]
  • 生駒トンネル
  • 北山バイパス
  • 飯山トンネル
  • 湖北トンネル [5]
  • 天王洲アイル駅
  • 京都市営地下鉄 [6]
  • 2008年3月11日、北海道三笠市に出現。長さ40メートル、幅70メートル、深さ20メートルと非常に大きい。旧北炭幌内炭鉱跡地。
  • 2009年4月2日、北海道胆振管内安平町のゴルフホールで突然陥没。プレイ中の女性が死亡した。
  • 2013年02月05日、宇都宮市大谷平和観音の南東の山林に出現。地下にはかつて大谷石の採掘場があった。
  • 2015年3月15日、愛知県春日井市の公園に出現。ここには戦前に亜炭鉱の採掘場があった。

脚注[編集]

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  1. ^ 桑原徹 「地盤沈下」『土と基礎』26(1)、社団法人地盤工学会、1978-01-25、p.94 CiNii論文PDFオープンアクセス
  2. ^ 【社説】都心のシンクホール、放置すれば大事故招く=韓国”. 中央日報 (2014年8月28日). 2015年2月23日閲覧。
  3. ^ ドリーネ【doline】 世界大百科事典第2版
  4. ^ a b 直径20メートルのグアテマラのシンクホール…3階工場を飲み込む”. 中央日報 (2014年8月28日). 2015年2月22日閲覧。
  5. ^ Giant Sinkhole Still Expanding, Russian Potash Producer Uralkali Says”. The Moscow Times (2014年12月11日). 2015年2月22日閲覧。
  6. ^ 韓国・ソウルで歩道が深さおよそ5mにわたり陥没 男女2人転落 FNNニュース 2015年2月21日
  7. ^ 韓国で路面陥没!? カップル落下の瞬間 AFPBB News - Yahoo!ニュース 2015年2月25日
  8. ^ 国土交通省資料3頁参照 (PDF)

関連項目[編集]