イメージファイト
ジャンル | 縦スクロールシューティング |
---|---|
対応機種 | アーケード |
開発元 | アイレム |
発売元 | アイレム |
音楽 | 石田雅彦 |
シリーズ | イメージファイトシリーズ |
人数 | 1 - 2人(交互プレイ) |
メディア | 業務用基板(1.56メガバイト) |
稼働時期 |
|
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
デバイス | 8方向レバー 2ボタン |
システム基板 | アイレムM72システム |
CPU | V30 (@ 8 Mhz) |
サウンド | Z80 (@ 3.579545 Mhz) YM2151 (@ 3.579545 Mhz) DAC |
ディスプレイ | ラスタースキャン 縦モニター 256×384ピクセル 55.00Hz パレット512色 |
売上本数 | ![]() (1989年度ベストインカム5位)[1] |
『IMAGE FIGHT』(イメージファイト)は、1988年にアイレムが制作・販売したアーケードゲームである。ジャンルは縦スクロールシューティングゲーム。
目次
ゲーム内容[編集]
操作[編集]
8方向レバーと2ボタン(ショット、変速)で自機を操作する。全8(+1)ステージ×2周。
同社R-TYPEの流れを汲む、戦略パターン暗記型のゲームである。速度調節や武器の使い分け、安全地帯などを駆使した綿密な攻略法を組み立て、ステージを進める。全体的に敵の耐久力が高く、プレイには相応の連打力が必須とされる。
変速[編集]
自機は、変速ボタンによりスピードを4段階に調節できる(ボタンを押す毎に1速→2速→3速→4速→3速→2速→1速と変化)。変速時に自機尾部から出るバックファイアーにも攻撃力があり、攻略上重要な武器の一つとなっている。なお、変速によって機体は四つの形態に変形するが、外見が変わるだけで、当たり判定等に変化はない。
ポッド[編集]
POWボックス内に入っている攻撃補助ユニット。自機左側、右側、尾部の順に、1個ずつ最大3個まで装備でき、ショットボタンを押すとノーマルショットと同威力のショットを発射する。青色のポッドは方向を正面に固定されており、赤色のポッドはレバー入力と逆の方向を向くように旋回し、16方向に方向を変える事が出来る。ポッドを3個装備している時に新たにポッドを取ると、装備しているポッドが取った色に統一される。敵弾は防げないが、敵に接触させる事でダメージを与えられる。
攻撃・変速ボタンを同時に押すと、両サイドのポッドが前方に射出される(ポッドシュート)。射出されたポッドは一定距離前方に直進した後、弧を描いて元の位置を目指して戻ってくる。基本的に障害物を通り抜けることはできないが、シュートしたポッドが一定時間戻って来ない場合は、障害物を突き抜けて戻ってくることがある。
パーツ[編集]
全9種類。POWボックス内に入っており、ボックスを破壊後に出現したパーツに自機が接触すると機首に装備出来る。パーツを装備すると自機はノーマルショットを撃つことができなくなるが、代わりにパーツ特有の攻撃を行うことができるようになる。
全てのパーツは、装備中に敵弾を受けたり敵機や障害物、POWボックスに衝突すると破壊されてしまう。
パーツを装着した状態では別のパーツを装着することはできない。上述のように一旦パーツを破壊しないとパーツの変更はできない。
- バリア
- 攻撃ボタン押し続ける[2]ことにより、前方にリング状のバリアを2個形成できる。展開されたバリアは敵弾を防ぎ、触れた敵にダメージを与えることもできる。
- 反射ボール
- 地形にぶつかると跳ね返るボールを、前方斜め45度の2方向に発射する。地形が入り組んだステージで威力を発揮する。
- サーチレーザー
- 耐久力の低い敵を貫通し、敵と横軸が合うと直角に曲がって着弾するレーザーを2本、前方に発射する。威力が高く弾速も速い。
- バルカン7
- 前方に弾丸を7発、扇状に発射する。連射性があまり高くないが、弾一つあたりの攻撃力は高い。
- ドリルレーザー
- 耐久力の低い敵を貫通するレーザーを正面に2本発射する。自機の真正面の敵に対して絶大な威力を発揮する。
- リングレーザー
- 前方ランダム方向に耐久力の低い敵を貫通するリング状のレーザーを発射する。攻撃範囲が広く出現個数も多い。
- Vバルカン
- 前方斜め30度の2方向に弾丸を発射する。派手さはないが連射性が高く比較的使いやすい。
- サーチミサイル
- 敵を自動追尾するミサイルを発射する。速度は遅めだが連射が利き、後方の敵も追尾する。
- サイド
- 左右2方向に弾丸を発射する。連射性が低い。
設定[編集]
ストーリー[編集]
20XX年(続編の『イメージファイトII』では2048年に変更)、東西陣営の果て無き軍事競争が続く中、西側ムーンベースの突然の爆発により月が崩壊、その直後、正体不明の敵による軌道工業プラントへの破壊活動が開始された。偵察衛星は、植物に寄生されたムーンベースのマザーコンピューターの映像をキャッチ、それを見た一部の学者は、一連の事件をエイリアンによる侵略であると主張。事態の収拾を急ぐべく西側陣営は、『OF-1 ダイダロス』を準備、訓練過程をクリアした者を次々と宇宙へと飛び上がらせていった。
ステージ構成[編集]
ステージ5までは仮想現実空間での『訓練』、後半3ステージは宇宙空間での『実戦』という構成になっている。前半は『訓練』であるため、クリア毎に敵機撃墜率を集計しており、ステージ5クリア時点の平均撃墜率が90%を割っている場合、補習ステージをクリアしなければ実戦ステージに突入できないようになっている。補習ステージは、自機の装備が全くない上入手もできない状態で進めなければならず、また敵の配置設定が極めて巧妙なため、非常に難度が高い。なお、後半の『実戦ステージ1』においても自機の装備は初期状態になる。
全ステージをめぐると、敵弾の高速化や耐久力の上昇などあらゆる難易度が上昇する2周目が開始される。2周目の補習ステージも同様で、補習ステージでのノーミスクリアは非常に困難とされる。2週目をクリアすると1周目と若干異なるエンディングを迎え、ゲーム終了となる。
キャラクター[編集]
自機[編集]
OF-1 OF-1 DAEDALUS |
|
---|---|
形式番号 | OF-1 |
分類 | 軌道戦闘機 |
全高 | 3.9m |
全長 | 8.3m |
全幅 | 8.7m |
重量 | 11.6t |
動力源 | 放出式核融合炉×2基 |
推進機関 | ラムジェットエンジン(大気圏内飛行時) 熱核ロケットエンジン(大気圏外飛行時) |
最高速度 | マッハ14.4 |
HMI | サイバーコネクター P.L.D. (Psychic Linkage Drive) |
武装 | P.O.D.(Psychic operated Offence Device)×3基(最大)[2基] エネルギーコンバーター [光子バルカン] [スタンダード波動砲試作型] [OF・フォース] [追尾ミサイル] [爆雷] |
特殊装備 | P.E.C.(Pan Energy Connecter) |
乗員人数 | 1名 |
搭乗者 | ショウ・サワムラ、マサヤ・サワムラ、グレゴリー・クラウス[3] |
- OF-1 ダイダロス
月面ムーンベースのマザーコンピューター「MARIKO」の暴走に対応すべく、西側陣営が開発した最新鋭軌道戦闘機。初の大気圏離脱・突入能力をもった機体である。型式番号の「OF」は「Orbit Fighter(軌道戦闘機)」を示す。
スピード変更時の安定的な姿勢制御のために、機体の形態を変形する事が可能である。機体操縦用のインターフェイスシステム「サイバーコネクター」と「P.L.D.(Psychic Linkage Drive)」の併用により、P.O.D.(Psychic operated Offence Device、通称ポッド)と呼ばれる無人補助攻撃システムによる多元攻撃が可能。
また、P.E.C.(Pan Energy Connecter)により多種のエネルギーコンバーター(通称パーツ)を接続することによって様々な攻撃が可能となっている他、追加装備として大気圏離脱用のブースターも存在する。自機として登場する通常型の他に、バリエーションとしてゼロ空間限定型「OF-1Z」、高重力惑星仕様「OF-1G」、電子戦装備型「OF-1E」などがある。
『R-TYPE FINAL』以降のR-TYPEシリーズにも登場しているが、これらの作品ではR戦闘機「TX-T エクリプス」から派生した機体となっており、武装もR戦闘機に準じた物となっている。なお、右のスペック表で[ ]でくくられている部分は『R-TYPE FINAL』以降での設定である。
他機種版[編集]
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 売上本数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | イメージファイト |
ファミリーコンピュータ | アイレム | アイレム | 2メガビット+64キロRAM ロムカセット[4] |
- | ||
2 | イメージファイト |
PCエンジン | アイレム | アイレム | 4メガビットHuCARD[5] | - | ||
3 | イメージファイト |
FM TOWNS | ビング | ビング | CD-ROM | - | - | |
4 | イメージファイト |
X68000 | アイレム | アイレム | 5インチ2HDフロッピーディスク2枚組 | IX68-02 | - | |
5 | アーケードギアーズ イメージファイト&エックスマルチプライ |
セガサターン PlayStation |
エクシングエンタテイメント | エクシングエンタテイメント | CD-ROM | T-26110G SLPS 01267 |
- | |
6 | イメージファイト |
Wii (バーチャルコンソール) |
アイレム | アイレム | ダウンロード | - | - | |
PCエンジン版の移植 | ||||||||
7 | IREM Arcade Hits |
Windows | DotEmu | DotEmu | ダウンロード | - | - | |
本作の他に17本アーケード作品同時収録 | ||||||||
8 | イメージファイト |
Wii U (バーチャルコンソール) |
アイレム | コナミデジタルエンタテインメント | ダウンロード | PPEJ | - | |
PCエンジン版の移植 |
- ファミリーコンピュータ版
- ハードウェアの制約に合わせた技術調整が行われている。そのためか、補習ステージの難易度が極端に下がっている。
評価[編集]
評価 | ||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
||||||||||||||||||
|
- アーケード版
- ゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第3回ゲーメスト大賞」(1989年度)で、読者投票により大賞9位を獲得している[1]。その他に、ベストシューティング賞で3位、プレイヤー人気で2位、年間ヒットゲームで2位、編集部特別賞を獲得している[1]。
- 1991年に刊行されたゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』において、それまでの全アーケードゲーム作品を対象とした読者投票では第25位を獲得、同誌では「妥協を許さぬマニア好みのシューティング」、「考え尽くされた敵の配置とち密なゲーム性は、マニアの挑戦意欲をかきたてるには最高のゲームだったといえよう」、「R-TYPEの企画者が作ったといわれるだけあって、とても自機のシステムが工夫されています。まさに、ゲームは自分のできることが一番重要だとおもわせてくれるのです」と評している[12]。
- 1998年にそれまで発売されていたアーケードゲーム全てを対象に行われた『ゲーメスト』読者の人気投票によるゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』では、「R-TYPE開発者による、数々の独創的アイディアが詰め込まれた作品」、「自機そのものの大きな特徴は、ゲーム中いつでもスピードを変えられる点である」、「ゲーム性同様、世界観、演出も凝っている」、「全2周でオールクリアだが、2周目はかなり難しく、緻密なパターン化が要求される」と紹介されている[13]。
- ファミリーコンピュータ版
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計で23点(満40点)[7]、ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、18.24点(満30点)となっている[4]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 2.96 | 3.05 | 3.20 | 3.17 | 2.93 | 2.93 | 18.24 |
- PCエンジン版
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では7・7・8・8の合計30点(満40点)でシルバー殿堂入りを獲得[8]、『月刊PCエンジン』では90・90・90・90・75の平均87点、『マル勝PCエンジン』では9・8・8・7の合計32点(満40点)、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、22.30点(満30点)となっている[5]。 また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で146位(485本中、1993年時点)となっている[5]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.82 | 3.57 | 3.86 | 3.95 | 3.48 | 3.61 | 22.30 |
関連項目[編集]
- イメージファイトII - PCエンジンSUPER CD-ROM2用として発売された続編。
- R-TYPE FINAL - 自機のひとつとしてOF-1ダイダロス、OF-3ガルーダが登場。
- レイディアントシルバーガン - 開発スタッフが本作に影響を受けたと語っている。
- 金平守人 - ファミリーコンピュータ移植版のステージ2の制作に携わっていた。
- ダイダロス
脚注[編集]
- ^ a b c d e f g 「ゲーメスト大賞11年史」、『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、 20頁、 ISBN 9784881994290。
- ^ バリアを形成するにはショットボタンを「押し続ける」必要がある。連打では形成されない。
- ^ 『イメージファイト2』での設定。
- ^ a b c 「5月10日号特別付録 ファミコン ロムカセット オールカタログ」、『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、 219頁。
- ^ a b c d 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」、『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、 70頁。
- ^ “ImageFight for NES (1990) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2017年4月22日閲覧。
- ^ a b “イメージファイト [ファミコン]/ ファミ通.com” (日本語). KADOKAWA CORPORATION. 2015年7月4日閲覧。
- ^ a b “イメージファイト [PCエンジン]/ ファミ通.com” (日本語). KADOKAWA CORPORATION. 2015年7月4日閲覧。
- ^ Arabia, Felix (February 8, 2009). “Image Fight (Arcade) review on HonestGamers”. HonestGamers 2009年6月4日閲覧。.
- ^ Arabia, Felix (February 8, 2009). “Image Fight (NES) review on HonestGamers”. HonestGamers 2009年7月30日閲覧。.
- ^ Arabia, Felix (February 8, 2009). “Image Fight (TurboGrafx-16) review on HonestGamers”. HonestGamers 2009年7月30日閲覧。.
- ^ a b 「最も愛されたゲームたち!! 読者が選んだベスト30」、『ザ・ベストゲーム 月刊ゲーメスト7月号増刊』第6巻第7号、新声社、1991年7月1日、 50 - 51頁、 ISBN 雑誌03660-7。
- ^ 「ザ・ベストゲーム」、『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、 79頁、 ISBN 9784881994290。
外部リンク[編集]
|