アグテレク・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群

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世界遺産 アグテレク・カルストと
スロバキア・カルストの
洞窟群
ハンガリースロバキア
ドミツァ洞窟
ドミツァ洞窟
英名 Caves of Aggtelek Karst and Slovak Karst
仏名 Grottes du karst d'Aggtelek et du karst de Slovaquie
登録区分 自然遺産
IUCN分類 Unassigned(非帰属)
登録基準 (8)
登録年 1995年
拡張年 2000年
公式サイト 世界遺産センター(英語)
使用方法表示

アグテレク・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群(アグテレク・カルストとスロバキア・カルストのどうくつぐん)は、ハンガリースロバキアが共有する世界遺産である。それらは国境付近に広がるカルスト地形と700以上の鍾乳洞群で、一部は国境を超えてつながっている。 

アグテレク・カルスト[編集]

ハンガリー北部のアグテレク地方(オックテレック地方)に広がるカルストアグテレク・カルスト景観は、アグテレク国立公園として保護されている。この国立公園1985年に設定されたもので、面積は198.92 km2 である。ここにはヨーロッパ最大の鍾乳洞バラドラ洞窟Baradla cave)がある。全長26kmのうち、8kmはスロバキア国内にあり、ドミツァ洞窟と呼ばれている。

バラドラ洞窟[編集]

バラドラ洞窟

バラドラ洞窟は複雑に入り組んでおり、その形状に合わせて様々な異名が付けられている。中でも「コンサートの広間」は、夏に実際にオペラオーケストラの演奏会が開催される。これは、鍾乳洞の音響効果が音楽鑑賞に効果的なためである。

スロバキア・カルスト[編集]

スロバキア・カルスト(灰色の部分)

スロバキア・カルスト(Slovak Karst)あるいはスロヴェンスキー・クラス (Slovenský kras)は、スロバキア南部のカルパチア山脈に属するSlovenské rudohorie山脈の支脈の一つである。この地域には、カルスト地形を示す平原や高原が無数にみられる。1973年以降、スロヴェンスキー・クラス景観保護地域となっていたが、2002年3月1日をもって、国立公園になった。この一帯はユネスコ生物圏保護区にも指定され、アグテレク・カルストとともに世界遺産に登録されている。

特色[編集]

最高峰はJelení vrchで、標高は947mである。主要な川は、Sajó, Štítnik, Turňaである。スロバキア・カルストは北温帯の温和な気候帯に属し、四季がはっきりした大陸性の気候である。地質は、中生代石灰岩ドロマイト(白雲岩)の地層が広がり、それらの下に難透性の砂岩、石灰岩、スレート(粘板岩)の地層がある。平原はオークシデの森林に、丘はオーク林に、カルストの窪地はトウヒ林に、それぞれ覆われている。北部には、ブナ林もある。

ザディエル渓谷(Zádielska tiesňava)

平原や高原には、直径250m以上、深さ45mに及ぶ窪地(ドリーネ)や、円錐状の丘、川水が地下に流れ込んでいく渓谷など、多くの特徴的なカルスト地形が見られる。また、深さ100m以上の垂直な縦穴が数多く知られている。いくつかには、「悪魔の穴」(Čertova diera,深さ186m)、「小さな鉄の淵」(Malá železná priepasť,深さ142m)、「イノシシの淵」(Diviačia priepasť,深さ122m)などといった異名が付けられている。

この地域は鍾乳洞がたくさんあることでもよく知られている。ハンガリーのバラドラ洞窟とつながっている、ヨーロッパ最大の鍾乳洞のドミツァ洞窟に加えて、Ochtinská Aragonite Cave (Ochtinská aragonitová jaskyňa), Gombasek Cave (Gombasecká jaskyňa), Jasovská Cave (Jasovská jaskyňa)などが一般に公開されている。それ以外で特筆すべき洞窟としては、Krásnohorská Cave (Krásnohorská jaskyňa) と Hrušovská Cave (Hrušovská jaskyňa)がある。

この地域にはカルスト湖もある。最大のものはJašteričie jazero(「トカゲの湖」の意)である。

スロバキア・カルストは生物圏保護区に指定されているとおり、動植物にも見るべきものがある。希少な植物の例として、第三紀からの生き残りであるエリトロニウム・デンスカニス(Erythronium dens-canis)や、固有種のオノスマ・トルネンシス(Onosma tornensis, ムラサキ科オノスマ属)、セスレリア・ヘウフレリアナ(Sesleria heufleriana)、ディアントゥス・ルムニトゼリイ(Dianthus lumnitzerii, ナデシコ属)などがある。希少な動物には、カタシロワシチュウヒワシヒメチョウゲンボウなどがある。

登録基準[編集]

この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。

  • (8) 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。

登録対象[編集]

1995年にはバラドラ=ドミツァ洞窟(登録ID725-001)をはじめとする22の洞窟が登録され、2000年にスロバキア側のドブシンスカ氷穴(Dobšinská Ice Cave, ID725-023, 面積約6km2)が追加された。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]