熊蜂の飛行

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熊蜂の飛行の2つの主題はいずれもグヴィドン王子と関係するライトモチーフの変形になっている。
マルハナバチ
『サルタン皇帝』のための蜂の衣装スケッチ。コンスタンチン・コローヴィン画、1913年

熊蜂の飛行」(くまばちのひこう、ロシア語: Полет шмеля英語: Flight of the Bumblebee)は、ロシアの作曲家リムスキー=コルサコフが作曲した曲。オペラ『サルタン皇帝』の中の間奏曲

このロシア語の"Шмель"、英語の"bumblebee"の和名はミツバチ科マルハナバチを指す(ミツバチよりも大型だがクマバチよりは小型)。

和訳では「くまんばちの飛行」、「熊蜂は飛ぶ」、「くまんばちは飛ぶ」等とも訳される。「マルハナバチ〜」と訳されることは少ない。

概説[編集]

アレクサンドル・プーシキンの原作に基づき1889年から翌年にかけて作曲されたオペラ『サルタン皇帝』(ロシア語: Сказка о царе Салтане)第3幕第2場への間奏曲で、主人公のグヴィドン王子が魔法の力で蜂に姿を変えて都へ飛んでいく場所で使われる。その後、蜂が悪役の2人の姉妹を襲う場面でも同じ音楽が使用される。独奏用などに編曲され、熊蜂の羽音を模した親しみやすい曲調もあって広く知られている。

プーシキンの原作ではグヴィドンは3回虫に変身しているが(1回めは蚊、2回めは蝿、3回めは蜂)、リムスキー=コルサコフの作品では蜂のみが採用されている。

演奏者のテクニックを示すために、様々な楽器へ編曲・独奏される:

編成[編集]

主な編曲[編集]

使用例[編集]