暁のヨナ
暁のヨナ | |
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ジャンル | 少女漫画、ファンタジー |
漫画 | |
作者 | 草凪みずほ |
出版社 | 白泉社 |
掲載誌 | 花とゆめ |
レーベル | 花とゆめコミックス |
発表号 | 2009年17号 - |
巻数 | 既刊20巻(2016年3月現在) |
アニメ | |
原作 | 草凪みずほ |
監督 | 米田和弘 |
シリーズ構成 | 猪爪慎一 |
キャラクターデザイン | 吉川真帆 |
音楽 | 梁邦彦 |
アニメーション制作 | studioぴえろ |
製作 | 暁のヨナ製作委員会 |
放送局 | AT-X・TOKYO MXほか |
放送期間 | 2014年10月 - 2015年3月 |
話数 | 全24話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・アニメ |
ポータル | 漫画・アニメ |
Template:漫画 は 廃止されました |
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『暁のヨナ』(あかつきのヨナ)は、草凪みずほによる日本の漫画作品。作品タイトルロゴ内には『YONA -The girl standing in the blush of dawn-』という英語表記も含まれている。
『花とゆめ』(白泉社)にて、2009年17号から連載開始。単行本は「花とゆめコミックス」より刊行され、2016年3月の時点で既刊20巻+小説(藤谷燈子)が刊行されている。2014年10月より2015年3月までテレビアニメが放送された。2016年3月に舞台化[1]。
古代アジアをモチーフにした[注釈 1]ファンタジー作品[2]。謀反により父王を殺され王都を追われた王女が、神託に従って不思議な力を持つ者たちを探しながら生き抜くための力を蓄えるという貴種流離譚[3][出典無効]。
あらすじ
「高華王国(こうかおうこく)」の皇女ヨナは珍しい赤い癖っ毛と恋愛ぐらいしか悩みのない、気は強くとも無知でか弱く幼い姫君だった。優しい父王や、幼馴染かつ専属護衛のハク達に庇護されながら、大切に甘やかされ育った。長年、同じく幼馴染かつ従兄であるスウォンに恋心を抱いていたが、父王にはスウォンは与えることは出来ないと告げられてしまう。
そんな折16歳の誕生日に、スウォンから美しい簪を贈られると「暁の空の色です」と髪の色を褒められる。嫌いだった自分の髪の色を一瞬で愛おしく感じるようになる程にスウォンに恋をしていたことに改めて気がつき、スウォンに対する想いを諦められないと説得しに父の寝所を訪れたヨナが目にしたのは刃を父の血で赤く染めたスウォンと既に事切れた父の姿であった。優しい幼馴染のスウォンには裏の顔があり、王位簒奪のために以前から暗躍していたのだった。最早城の中は敵だらけで自らも命を狙われたヨナはハクに助けられ、命からがら城の外へと逃げ延びた。ぬるま湯の中で生きてきたヨナにとって城から追われ山中での逃亡生活は過酷を極め、突然の父の死と最愛の男性の裏切りは堪え難く、虚ろな目で廃人のようになってしまった。
ハクの故郷である「風牙の都」に身を寄せたヨナは、風の部族の人々の優しさや温かな振る舞いに活力を取り戻す。しかし、平穏は長くは続かず、ヨナやハクのためにスウォンの王位簒奪を認めない風の部族に、スウォンは火の部族を使い圧力を掛けてくる。自分達の存在が風の部族を争いに巻き込んでしまうと悟ったヨナは、ハクと共に旅立ちの決心をする。その決心を聞いたハクの育ての親である長老ムンドクは過去に王宮から追放され風の土地の何処かに隠れ住んでいる神官を捜すよう助言する。神の言葉を聞き、嘗ては国の政にも大きく関わったという神官ならば、これからヨナがどう生きるべきかを神託を授けてくれるだろうという。このまま逃げ続けるべきか、今も愛着を絶てないスウォンと立ち向かうべきか、判断がつきかねたヨナはひとまず神官を捜す旅に出ることにした。その途中、火の部族からの追っ手にヨナを庇ったハクが殺されかけるのを見て「これではハクの足枷になるだけ」「神に問う前に自分に問うことがあるはずだ」と髪を切り捨てると生まれて初めて剣を握り、守られるだけの立場に甘んじず自らも自分や大切なもののために戦う覚悟を決める。だが、追い込まれた二人は、何人も踏み入れないとされている深い深い奈落の絶崖から転落してしまう。
その後、奇跡的にも生き延びた2人は偶然にも神官イクスの元に身を寄せている少年ユンに拾われ助けられる。運命ともいえる偶然の悪戯から遂にイクスを見い出したヨナは神託を授けられる。それは建国神話に伝わる龍神の血を引き、それぞれが特殊な能力を持つという4人の戦士を集めた時「遂に赤き龍 暁より還り給う」という謎めいたものだった。また「このままではハク殿は死にます」「貴方が生きるということは普通に平和に暮らすのとは違う」「高華国の大地を揺るがし嵐を起こすということ」だと告げると、ヨナが隠れて平穏に生きてゆくことは出来ないと示唆した。これから先、自分達の命を守る為に仲間は必要だが、こんな私事で伝説の「四龍の戦士」が力を貸してくれるのか、と迷うヨナに「あの夜奇跡的に命を拾い、城から奇跡的に逃げ延び、奈落の崖を落ちても奇跡的に無事だったのは、最早私事ではなく天命だったのだ」とイクスは告げるとユンを2人に託す。神託の真意はわからないものの「不条理なまま死ぬのは嫌」「神の力だろうと私は手に入れたい」と、ハクや自分の命を守るために神託に賭け「四龍の戦士」を捜す旅に出ることとなった。
やがて旅先で四龍を見つけるが、その内の三龍は彼女に出会った瞬間、洗礼のごとく強烈な衝撃を受け、逆に彼女を主として見い出す。驚いた彼女はそのことを否定、あくまで仲間の命を守るために力を貸して欲しいと頼むが、残るゼノは冷静で、娘さんこそ高華王国初代国王「緋龍王」の転生だと、改めて彼女に告げる。
登場人物
※担当声優はドラマCD版・テレビアニメ版共通のもの。演は舞台版キャスト。
主要人物
- ヨナ
- 声 - 斎藤千和[4] 演 - 新垣里沙[5]
- 本作の主人公。初登場時15歳。身長157cm。高華王国のただ1人の皇女。この世界では珍しい赤い髪に紫の瞳を持つ。
- 国王の一人娘として空都の緋龍城で過保護なまでに大切に育てられ、外に出たことはほとんどなく、やや勝気だが無知でか弱い姫に育つ。
- 幼い頃から従兄で幼馴染のスウォンに想いを寄せていたが、彼からはいつまでも子供扱いされており、父のイル王からは父方の伯父の息子で夫候補の最有力である筈の彼との婚姻を、何故か反対されていた。
- 16歳の誕生日の夜、スウォンの裏切りにより父を弑逆される。父・城・王位・愛する従兄、それらを一夜にして全て失い自らの命も空前の灯びであったが、すんでのところで専属護衛官のハクに助けられ城から逃げ延びる。始めは廃人同然だったが風の部族の集落で生きる気力を取り戻すと、更に逃亡する途中で追手からハクを守るべく初めて剣を手にする。その際長かった髪を切り、守られるだけの姫君を返上する覚悟を決める。
- 甘やかされて育ったため、国の衰退や自身が住んでいた城の事情すら知らなかったが、ハクとの道中や四龍との出会いを経て自身の無知を自覚し、心身共に着実に成長していく。そして自身や大切な仲間を守る為、父が忌み嫌った武器を手にすることを決意する。最初は人を殺す行為に迷いもあったが、阿波の人々を救うため領主クムジを討つ。ハクに教わった弓の腕は確かで、剣も一応は使えるが更に腕を上げるべくハクに頼み込んで日々修行している。
- 彼女の凛々しく勇ましい姿と強烈な魅力に惹かれる者も少なくない。王侯貴族を憎んでいたユンが今では彼女を不可欠な仲間として認め、「四龍の運命」を嫌い旅の勧誘を強く拒んでいたジェハさえも、彼女一人のために最終的には自ら旅の仲間に加わった位である。
- 元々幼馴染であり、自らと共に城を追われる立場になった今もなお、亡き父への揺るぎない忠誠心を示してくれるハクは最も信頼できる存在であり、時に心の支えにもなっている。更に最近は少しずつ異性として意識しつつある。
- その一方で運命の悪戯か度々スウォンと再会し、父を殺されたことへの憎しみと未だ捨てきれぬ情の間で葛藤する。しかしスウォンが父を弑逆し王位簒奪をしたのは、単なる敵討ちではなく別に本来の目的があるらしいと気付き、彼女自身も『イル王の娘 ヨナ姫』として民のために何が出来るのか、父の作った綻びを少しでも直したいと考え始める。
- ソン・ハク
- 声 - 前野智昭[4]、高垣彩陽(幼少期) 演 - 松下優也[5]
- ヨナの専属護衛を務める青年。初登場時18歳。身長188cm。黒い髪に黒い瞳を持つ。
- 緋龍城の要である五将軍の一人で、風の部族の族長でもある。また、皇女であるヨナの専属護衛官も兼任しているため、15歳からは城に居を構えていた。元々は孤児であり、詳しい経緯は不明。風の部族の前族長ムンドクの養子。なお「ソン」の名は風の部族長であることを示すもの(他の部族も同様)。
- 高華屈指の武人で"高華の雷獣"と呼ばれる。その強さは折り紙つきで、キジャに「龍の腕と互角の威力」と言わしめるほどの槍(厳密には大刀)の腕を誇る。年若い13歳の頃には公式試合で、武人として名高い地の部族長グンテを打ち負かした程の一騎当千の実力を持つある種の天才。
- ヨナとは幼馴染であるため、時に分不相応な軽口を叩いて彼女と漫才を演じるが、実は密かに好意を寄せ続けている。だが、身分が違うことを理解していると同時にヨナの幸せを願っており、スウォンによる謀反が起こる前は自分の気持ちは心に秘め、ヨナとスウォンが恋仲になれるように応援していた。やがて2人が夫妻となり国を治めるようになった暁には、滅びの瞬間まで二人を守り続けたいとも願っていた。また、スウォンとも幼馴染であり、彼にハクが目標だと告げられた際には王族で人を動かす実力と魅力を持ったスウォンと肩を並べて隣で歩いて行けるように、それに相応しい人間になろうと心に誓っていた。
- ヨナの3歳上であり、スウォンとは同い年である。
- 「愚王」「臆病者」だと囁かれていた亡きイル王に忠誠を誓い、ただの臆病者ではないと見抜いていた数少ない人物でもある。
- スウォンの策略によりイル王弑逆の冤罪を被ったため、風の部族を守るために将軍職を退いたと同時に、ソンの名を返すことにより部族との繋がりを実質的に絶つと「ただのハク」としてヨナと共に逃亡生活を送ることになる。謀反を起こすまでは大切な友人であったスウォンだが、国のためとは言えヨナを裏切りイル王を弑逆したスウォンの命を絶つのは自身の役目だと考えている。ヨナは「スウォンのことを誰よりも信頼していたため何があっても許さない」と語っており、偶然スウォンと再会したときも我を忘れるほど憎しみをぶつけたほどである。
- 城から追われ取り巻く状況や環境が変化したため、ヨナへの秘めていた気持ちが抑えきれなくなってきているが、主と従者でありあくまで仕事だと一線を引き、最低限の距離感を保とうと努力している。
- スウォン
- 声 - 小林裕介、山本希望(幼少期)[6] 演 - 碕理人[5]
- ヨナの父方の従兄。イル王の実兄ユホンの息子。初登場時18歳。身長185cm。金茶の髪に茶色の瞳を持ち、長髪で下の方で結わえている。
- 普段は穏やかでおっとりとしており、周りには締まりがない印象を与えがちだが、実際はかなり聡明で冷徹に物事を見極める視野を持っている。謎多き人物。ヨナやハクとは幼馴染であり幼い頃からとても仲が良かった。父であるユホンを敬愛し、師匠でもあるムンドクを尊敬していた。また、ハクのことが幼い頃からの目標であり、兄のように慕っていた。
- だが、ある事件をきっかけに前々から計画していた謀反をヨナの16歳の誕生日についに実行し、叔父のイル王を弑逆。偶然現場に居合わせたヨナまでも手に掛ける素振りを見せた。事実を知らされ、激昂しながらも真意を問うハクに「二人が今まで見ていたスウォンなど居なかった」「邪魔をするなら誰であっても切り捨てる」と告げる。だがヨナとハクが絶壁から落ちたと知らせを受けた時は言葉を失い呆然とする素振りも見せるなど、本音が明かされていない一面も多い。
- ハクとヨナが城から逃げ延びた後には大切な幼馴染であったハクにイル王弑逆の罪とヨナ誘拐の罪を負わせ、正統な王位継承者であるヨナの唯一の味方である風の部族に圧力をかけて、高華王国・空の部族第11代目国王として即位した。ヨナにはイル王弑逆の動機を「父の仇討ち」と語ったが、経緯は謎に包まれたままである。
- ヨナやハクと偶然再会した折にはヨナを配下から見えないように隠し庇ったり、殺意を向けてきたハクを応戦もせずただ見つめており、2人を見逃すなど捨てきれない情がある模様。
- 弱体化した祖国を憂いており、そのためならば多少の犠牲を払っても民のため・国のためになると考えている節があるが、上からの一方的な改革には限界があることを認識していない可能性が高い。戒帝国に攻め入り金州奪還に成功するが、結果的に戒の敗残兵による虐殺を引き起こしてしまい、現地の人々の恨みを買うこととなる。
旅の仲間
- ユン
- 声 - 皆川純子[4] 演 - 樋口裕太[5]
- 緋龍城を追い出された神官イクスと共に暮らしていた美少年。初登場時15歳。身長162cm。茶髪に青い瞳を持ち、頭に羽根飾りを着けている。仲間内では最年少。
- 元々はイクスに保護された孤児だが、実際には生活能力のないイクスの面倒を見ていた。好奇心旺盛で賢く、薬の調合や料理を器用にこなす。美少年を自称し、実際女装しても気付かれないほどの容姿の持ち主でもある。
- 元は火の部族領の東火村の生まれで、食べるものにも事欠く暮らしを送っていた。金の粒を奪うために石を投げたことが、イクスとの出会いのきっかけである。
- 絶壁から落ち怪我を負っていたヨナとハクを助け、結果として神官を探していたヨナをイクスに引き合わせた。ヨナ達が旅立つ際、イクスの勧めで世界を知るために二人に同行することとなる。
- 心優しく面倒見の良い性格だが、貧しい出自で苦労したため、民を救おうともしない王や貴族を嫌っており、出会った当初は無知なヨナに辛く当たっていた。だが、ヨナと共に行動するうちに彼女の優しさや強さを目の当たりにし、次第に彼女を認めるようになる。涙もろい面もあり、その度にハクにからかわれている。
- 戦闘能力は全く無いが、生活能力が無いヨナ達にとって生命線として必要不可欠の存在であり、事実戦闘以外は大抵何でもこなせる一種の天才でもある。金欠の際には、露店を開き「客引きしないと飯抜き」と兵糧攻めの脅し文句で全員を絶対服従させる程の発言権がある。ヨナ達の珍獣ぶりに常時頭を抱えながらも皆の世話をかいがいしく焼き、元気に日々奮闘している。仲間の心の機微にも鋭く、ヨナを巡る各々の気持ちにも気がついており、集団生活に面倒事は持ち込むなと度々発言している。
- 彼自身が生まれ育ったような食べるものや清潔な水もなく、病が蔓延して死亡者が続出する貧しい村がなくなることを願っており、自身の出来ることを考え行動している。
- ヨナと天幕で2人きりで寝ていても唯一誰にもからかわれたり警戒されない存在でもあり、仲間全員から自身だけ男扱いされていないことを密かに悩んでいる。
- 偶然四龍が代々短命であることを知り激しく動揺していたが、それでもしぶとく生きて欲しいと涙ながらに告げる。
- キジャ(白龍)
- 声 - 森田成一[4]、千菅春香(幼少期) 演 - 北村諒[5]
- 四龍の一人で、右手に龍の力を宿している。初登場時20歳。身長175cm。この世界では珍しい白銀色の髪に、青い瞳を持つ。肌の色は女性並みに際立って白く、とても美しい容姿をしている。
- 龍の鱗が生えた右手を持ち、人間離れした攻撃力を持つ。右手は一回りほどの大きさから成人男性の頭を鷲掴みできるまでの大きさに調節できる。普段は通常の大きさで包帯で鱗を隠している。主の出現を渇望しており、ヨナと出会った瞬間に洗礼を受け、主として見出した。そのため、四龍では2番目に最短で仲間となりすぐに旅立った(半日後)。四龍の使命に忠実であり、自身を"白蛇"と呼ぶハクとは折り合いが悪い。
- 性格は生真面目で天然。里を出たことがなく大切に育てられたため、世間知らずな面もあり、虫が大の苦手で体も若干弱い。だが、主と戦う準備はそこそこ出来ており、馬にも騎乗できる。そのことを知ったユンに「ウソ⁉︎」と驚かれている。
- ヨナに対して四龍の中では一番忠誠心を抱いているが、それ以外にも僅かに恋慕の感情を抱くも忠誠心の一部だと思い込んでおり、自身の気持ちにはまだ気付いてない。
- 四龍は兄弟のようなものと考えている。特にシンアに対して兄のように世話を焼いており、ジェハやゼノのこともよく気にかけている。また、最年少ながら何でも出来るユンには尊敬の意味を含めあまり干渉しないが、先述の理由でハクとは諍いが絶えない。
- 先代の白龍は実の父親であった。父はキジャと同じく主に仕えたいという願望を強く持っていたが彼の代では叶わず、絶望し苦悩の中で龍の右手を用いて幼いキジャの背中に、生涯残る深い掻き傷を残してしまった。その一件から父子といえども先代と一対一で顔を会わせられた機会は父の死を看取る時しかなかったが、主を渇望していた気持ちがわかる故、父への遺恨は全くない。
- 呆れる程に前向きで意志がはっきりしているが、歴代白龍の無念をこぼさず受け止める度量の深い一面もある。
- シンア(青龍)
- 声 - 岡本信彦[4]、小林沙苗(幼少期)[7] 演 - 鷹松宏一[5]
- 四龍の一人で、眼に龍の力を宿している。初登場時18歳。身長180cm。名を持っていなかったため、ヨナにより"月の光"の意の「シンア」と命名された。青い髪に、この世のものとは思えぬ美しさの黄金の瞳を持つ。目の下に模様がありこれは代々青龍にだけ表れる印のようなものであり、力が完全に消滅すれば模様も消える。
- その眼を見た者の神経を麻痺させる能力があり、その能力ゆえに里人達から怖れ忌まれていた。相手の麻痺は自分の麻痺として返ってくるため、先代の青龍アオから眼の使用を禁じられていた。だが、アオの死後に一人で里を守るべく眼を使用してしまい、僅か4歳にして大勢の兵士を返り討ちにしてしまう。そのため、里人からはますます化け物だと蔑まれ恐れられてしまった。それからは人を傷つけないようにずっと一人で過ごし面を付けて穴倉の中でひっそりと生きてきたが、ヨナに出会い暖かさに触れ、自分のために涙を流し手を差し伸べてくれたヨナを信じて旅の仲間に加わった。また、遠視能力を持っており、常人では不可能な距離の遠方の景色までをもはっきり見ることができる。
- 性格はおとなしく寡黙で優しいが、基本的に言葉を発さないので仲間内でも心情がやや伝わりづらい面がある。過去に受けた心の傷から青龍の眼を人に見せる事を拒んでおり、眼を隠すために顔の上半分を覆う「面」を常時着用したり目の部分だけ布を巻いたりしている。戦闘時にも余程の危機が迫らない限り、眼の能力は使わず剣で戦う。面と一緒に付けている白く長い毛は先代であるアオの風貌を模したものであり、幼い頃ずっと側にいた彼を慕っていた。その毛はゼノ曰くとてもモフモフで暖かいらしい。剣の技も彼から教わった。
- 他人にはなかなか心を開かないが、ヨナには絶対的な信頼を置き、仲間たちにも少しずつ心を開いている。
- アオ
- 声 - 山本希望[4]
- 青龍の里でシンアと一緒にいたメスのリス。リスでありながら肉食で魚も何でも食べる。先代青龍の名"アオ"と名付けられたが、「ぷっきゅー」という鳴き声からユンなどにはプッキューと呼ばれている。大抵シンアかヨナの頭や肩に乗り、踊っている。ヨナが辛い時や泣いている時は慰めたり、仲間が風邪を引くとどんぐりの押し売りで元気付けようとする。「プッキュー団栗!」や、「プッキューご飯!」と言うと起きる。気がつくと仲間の誰かの肩にいる、そんな愛すべきマスコット的存在である。
- アニメのクレジットではプッキュー(アオ)と表記されている。
- ジェハ(緑龍)
- 声 - 諏訪部順一[4] 演 - 木村達成[5]
- 四龍の一人で、右脚に龍の力を宿している。初回登場時25歳。身長188cm。美しさに拘りを持つ。珍しい緑の髪に緑の瞳を持ち、長髪をリボンで結わえている。仲間内で最年長だと思われていた。
- 龍の鱗が生えた右脚から繰り出す驚異的な脚力により、瞬時に屋根の上に飛び乗ることが出来る。まるで空を飛んでいるかの如く見えることから、空舞う海賊と囁かれていた。暗器を好み、羽ばたくかのように飛翔して上空から飛び道具で敵を攻撃するのを得意とする。服の中に常時多数隠し持っている。
- 龍の脚の見た目を好んでいないため、包帯で巻いて滅多に靴を脱がないでいる。
- 四龍の宿命を拒み続けて自由を求めて緑龍の里を逃げ出し、四龍や緋龍王の生まれ変わりと決して出会わないように隠れていた。各地を転々とした後に領主クムジ(声 - 菅生隆之)の悪行を暴いて、地の部族、阿波(アワ)の港の民を救おうとする海賊の長の女性ギガン(声 - 榊原良子)の元に居着いた。ギガンと気が置けない仲間達と共に戦っていたが、遂に四龍の仲間とヨナに出会ってしまい強烈な洗礼を受ける。そしてその天命に抗い続けていた。だが、結局はヨナ自身を気に入ったため、仲間として旅に加わった。
- 女性を見れば砂を吐くようなセリフで口説き、真綿で包むように大切にする主義らしい。また、踏まれても蹴られても追いかけるが、追われると冷める主義とのことである。実は案外面倒見が良く、仲間のお兄さん的存在でもある。
- 密かにヨナに心揺らされているうちの1人で、ハクの気持ちをからかいつつも彼に本音を突かれやり返されている。心惹かれるのはあくまで四龍の血のせいだとも考えているが、ハクとヨナの微妙な距離感と一種の危うい関係性に気がついており、四龍の中では誰よりもそのことに気を配っている。
- ゼノ(黄龍)
- 声 - 下野紘 演 - 橋本祥平[5]
- 四龍の一人で、体に龍の力を宿している。初回登場時、外見年齢は17歳。身長166cm。金髪に青い瞳を持ち、頭に布と緋龍王から貰った首飾りを巻いている。外見は17歳のまま、数千年の時を生きている為、仲間内では実質最年長。
- 一人称は「俺」だが、自分の名前で言うことのほうが多い。何故か仲間の名前を一度も呼んだことはなく、ヨナのことは「娘さん」、ハクは「兄ちゃん」、ユンは「ぼうず」、他の四龍達のことは「白龍」、「青龍」、「緑龍」と呼んでいる。
- 偶然ヨナ達の焼く肉に引き寄せられる形で出会ったかのように見えたが、実はかなり前からヨナが王に値する存在か試す意味でも距離を取りながら監視していた。他の四龍のように、ヨナに出会った時に感じる筈の強烈な洗礼も感じている素振りは見せず、最初はわかりやすい龍の力も見受けられなかったため、謎が多い存在であった。キジャとジェハは同じ四龍ということことだけは感じたらしいが、あまりに近くに居たので逆に疑われてしまった。
- 性格は至って呑気でのんびりや屋なので一見無邪気に見えるが、ヨナに誰も聞けなかった今後の歩む道を厳しく問いかけるなど妙に鋭い一面もある。
- 不老不死である上に、初代黄龍である事が判明。外見も黄龍の血を飲んだ時から変化していない。数千年の時を生きながら、緋龍王の生まれ変わりに出会うのを待っていた。元々は神の声を聴ける神官だった。その為、予言めいた発言をする事がある。
- 戦闘能力はヨナ以下で盾を持ってヨナやユンを庇いつつ逃げるのが関の山のように見えていたが、実はその体は剣で貫かれようが腕や首を落とされようが再生する。傷を再生するたびに体は鋼のような鱗に覆われる。鱗に覆われた状態だと腕力や脚力も強化される。バラバラになった体の一部を自在に操れるようで、切り落とされた腕に剣を握らせ宙に浮かせて刺したりしている。ただ攻撃を受けないと何の力もないので、落ちこぼれだと本人は言っている。また、緋龍城から離れすぎると傷の治りが遅いらしい。飢え死にもしないが空腹にはなる。
- 当初は傷の治りが早いだけで戦力にならないと言われていたが、戦場で斬られた際に傷が再生したことで黄龍の真の力を知る。緋龍王には疲れることもなく、病にもかからない、怪我をすれば痛いのにすぐに痛みが引くことが気持ち悪いと話していた。
- 緋龍王の死後、他の三龍が狙われるようになったので争いの元にならないよう送り出すと、自らは一人残り神官の真似事をしながら城で王子や妃を支えていた。民を犠牲にしたくないという緋龍王の志を継ぎ、小さないざこざ以外は一人で国のために闘い続けていたが、いつまでも変わらない外見を不気味に思われ遂には城を去る。城を去る際に後継者として立てた神官に首飾りを渡しているが、しばらくして手元に戻っている。この首飾りは龍が彫られた紋章で、緋龍王が地上に降りたときに龍達から賜ったもの。三龍とも死に別れ行く当てもなく孤独に彷徨っていたが、カヤという娘に助けられる。共に過ごすうちに心通わせるようになり後に婚姻したが、カヤの病死により別れている。
空の部族
- イル
- 声 - 赤城進[4]
- 高華王国・空の部族第10代目国王。ヨナの父親、スウォンの叔父。
- ヨナが幼い頃、最愛の妻である王妃を賊によって弑逆され、悲劇を繰り返さないために再婚しなかったので実子は皇女ヨナのみである。ヨナのスウォンに対する想いを知った上で、彼を後継者には出来ない旨を告げたが、ヨナの夫候補・次期国王候補の最有力者である筈のスウォンをヨナの夫・高華国王に据えることを否定した経緯や真意は不明。
- 優しく平和主義で戦や諍いを嫌う穏やかな性質は人間としては美点とされるが、一国の元首としてはむしろ欠点となってしまった。波風を立てず平穏を保つ事に終始して領地を譲り国力を低下させてしまったため、他部族や他国の言いなりだと周囲に「臆病な王」と評され、民の救いにはならなかったと国民から「酷い王」と恨まれていた。史実には国を弱体化させた愚王と記されることになる。しかし、ヨナに対する求婚をハクに邪魔されてカッとなり斬りかかろうとしたテジュンの刃を素手で握って場を収め、穏やかな顔で傷と流れる血を隠すという強い意志を知るハクにより、武器を厭い誰もが傷つかない世界を理想だと揺るがない人物として死後も彼の敬愛と称賛を受けている。国の弱体化・民を不幸にしてしまう結果を招いた極端なまでの低姿勢の理由は不明。
- ユホン
- 声 - 江川央生
- 故人。スウォンの父親でイルの兄、ヨナの伯父。
- 王位継承権を持つ長男でありながら何故か先王に次期国王として選ばれなかったが、王位に興味は無かったため、それほど気にしていなかった。その経緯や真意は不明。
- 勇猛果敢な武人であり、軍を率いて弟王や民を守ることに尽力したが事故に遭い命を落とす。但し、スウォンは「本当はイル王に刺殺された」とヨナに語っており、彼がイルを暗殺する動機のひとつになっているが、その真相は不明。高華国の飛ぶ鳥落とす勢いを体現する存在であり、王位を左右することもあった神官を疎み追放したりしたらしい。
- ジュナム
- 故人。高華王国・空の部族第9代目国王。イルとユホンの父親、ヨナとスウォンの祖父。
- 誰もがユホンが次期国王となる事を疑わない中、何故か軟弱と酷評される次男のイルを次代の国王に選ぶ。イルが愚王と記されるならば、その原因を作った人物になる。
- ハン・ジュド
- 声 - 中谷一博、演 - 三浦知之[8]
- 空の部族の族長で、五将軍の一人。34歳で独身。頬に傷を持つ強面の男。スウォンの王位簒奪に加担した一人。
- 空の部族に限り族長は王か王の血を継ぐものがその任に就くため、ヨナやスウォンの親戚にあたる人物かと思えるが違うらしい。[9]
- スウォン即位後は側近として仕えている。性格は堅物で真面目だが、やや短気な一面があり怒鳴る事や説教が多い。また、地の部族長イ・グンテとの折り合いが悪い。4歳年長ということで以前は敬語を使っていたが、次第にため口で罵倒することが多くなった。顔を合わせれば一方的にからかわれている。未だ独身であることをからかわれると逆上していることから、独身を気にしているようである。
- 結果的にヨナを城から追いやることになってしまったが、本心では幼い頃から知っているヨナの不幸を願ってはいなかった。偶然再会した折には、ヨナが生きていたことに心の中で安堵し動揺していた。しかし、弱体化していく国のためにスウォンを選んだ自身が裏切ったヨナに対して情を持ってはいけないと葛藤している。
風の部族
- ソン・ムンドク
- 声 - 斧アツシ(ドラマCD) / 佐々木勝彦(テレビアニメ)[6]
- ハクの育ての親で、最大の理解者。
- 嘗ては将軍の職に就いており英雄と呼ばれユホンと並び称される最強の武将だったが、ハクが将軍となってからは現役を退き風の部族の長老を務めている。
- スウォンの強硬な即位の仕方には断固反対の立場にあり、彼の圧力に屈して承認したのではなくて愛孫ハクに部族を守ってくれと命令という形で頼まれたためである。ヨナ同様、スウォンのことも孫のように思っていたため、豹変したかのような行動に心を痛めている。ヨナたちに道を示してくれる神官を探すよう助言した。
- ヨナと亡きイルに溢れる忠誠心を抱いており、ハクがイルを"ぽよん"と言ったりヨナを城下町に連れ出したりした際にお仕置きしたことが多々ある。
- テヨン
- 声 - 菊池こころ[10]
- ハクの弟。ハク同様ムンドクに引き取られた孤児で、2人との血の繋がりはない。昔から肺が弱く時折呼吸マヒを起こすため、特に皆に大事にされている。
- テウ
- 声 - KENN[10]
- 17歳。ヨナと運命を共にする覚悟のハクに風の部族を託され、後継として任命された新たな年若い部族長。
- 面倒事が嫌いなユルい性格で風牙の都の門番の一人だった。ハクに次ぐ槍の腕を持つが、まだまだ未熟で日々ムンドクにしごかれている。また、五部族では最年少の部族長でもある。
- ヘンデ
- 声 - 岡本信彦[10]
- 17歳。風牙の都の門番の1人。
- のんびりとした性格だが、足と馬を駆る速さは部族一。
火の部族
- カン・スジン
- 声 - 飛田展男
- 火の部族の族長で、五将軍の一人。狡猾な野心家。
- 最初は裏でスウォンと結託しており、彼が王になる為の手助けをした。その裏には王位に対する野心があり、後に戒帝国の豪族リ・ハザラと結託し謀反を起こすも失敗。ヨナたち一向に遭遇し、「民に生かされている事がわからないお前は王の器ではない」と告げられた。そのヨナの言葉に激昂し、現場に駆け付けたスウォンもろとも殺そうとしたが、結局部下に見限られ最後は見下していた民によって刺殺された。死に際には幼い息子達の姿が浮かんだ。民を顧みず野心ばかりが目立つ男だったが、家族に対しては人並みに愛情を持っており大切に思っていた。
- 水のジュンギ将軍には蛇のような顔と評された。
- カン・キョウガ
- 火の部族の長子。ヨナをお飾りの姫と蔑み、恋煩いで彼女を想う弟テジュンをも見下していた。少し傲慢で他人に厳しすぎる部分はあるが、潔癖で清廉な人物である。父の謀反の際には戦死した父の代わりに弟と母の助命を嘆願し責任を取る形で首を差し出そうとするが、スウォンにより新たな部族長・五将軍の一人に任命され空都で新たな統治の形を学ぶことになる。
- 部族長に任命された際、火の部族領の村々で病に苦しむ民に尽くす弟の姿を初めて目の当たりにし、将軍家の人間がこんな村でこんなことを今している場合ではないと思わず怒鳴りつけたが「いつかでは遅い」とテジュンに言い返されて初めて火の民のことも弟のことも何も知らなかったのだと気がついた。
- カン・テジュン
- 声 - 櫻井孝宏
- 火の部族の将軍の次男。
- 最初は玉座目当てでヨナを口説こうとするが、ハクに邪魔され失敗したことがある。だが、ヨナに対する想いは次第に真摯なものへと育ってゆく。
- 逃亡中のヨナとハクを偶然発見し、ハクだけを殺害しようとするが失敗。二人が絶壁に落ちた時に、自分がヨナを追いつめて殺してしまったと罪の意識に苛まれる。その際には真実をありのままにスウォンに報告し、罰を受けたがっていたほどであった。また、もう二度と会えないことを嘆き、日々抜け殻のように過ごしていた。
- 後にヨナと偶然再会し、あの日のことを心身ともに詫びるとヨナが生きていたことを泣いて喜んでいた。民のために努力しているヨナを見て最初はヨナに喜んで欲しいと不純な動機で病人の世話をし始めるが、次第に使命感に目覚めてゆき陰口を叩いていた部下も忠誠を誓うようになる。部族領の各村を清掃し診療所を設け、衣料や寝具を洗濯し蔓延する病に苦しむ民を救おうと奔走した。その後、ヨナに火の部族領を託されると絶対に自分が守りきると誓った。
- 戒帝国の豪族である筈のリ・ハザラが火の部族領に無断で踏み込み村を強引に横切ろうとした時は身体を張って止めようとする。その際に自身を殺してでも千州兵を進めようとしたのを自分の名前を聞いて別ルートに変更した事に不審を抱くが、父の謀反という形で結託した相手の息子だからだったとその真相を知る。真相を告げられた時はショックで呆然となるが、それでも民のために休まず彩火城へ帰ろうとしなかったため、暫く会わないうちに父など忘れてしまったかと兄に問われるが、父を敬愛していたことを涙ながらに告げた。スウォンから兄の留守の彩火城を守るよう部族長代理を命じられた。
- フクチ
- 声 - 檜山修之(ドラマCD) / 遠藤広之(テレビアニメ)
- テジュンの側近。無表情に黙々と行動し、案外有能。ヨナの生存とテジュンの恋心を知りつつ黙認し、病に苦しむ火の民のために働くテジュンを補佐する。やや太めの体型で、その理由は痩せたら美形になってしまい主人のテジュンを霞ませてしまうからだと本人は語る。
- キルソン
- テジュンの部下。恋するヨナを殺してしまったとテジュンが生ける屍だった頃は同僚と共に密かに軽蔑していたが、病に倒れた自身を看病してくれたことに感謝し、側近のフクチを除いて最初にテジュンに忠誠を誓った。
地の部族
- イ・グンテ
- 声 - 相沢まさき
- 地の部族の族長で、五将軍の一人。褐色肌の野性味溢れる男。38歳。
- 生粋の武人で、最強の武人と謳われたユホンを尊敬しており、他国から圧力を受け弱体化していく高華王国の現状を憂い、イル王の平和政策に密かな不満を抱いていた。スウォンの王位簒奪には関与していないが真相に気づいている節があり、また「いずれは自分が謀反を起こしていた」と仄めかしている。粗野に見えるが部下や民からは慕われている。可愛い妻のユウノがいる。
- 即位したてのスウォンがお忍びで視察に来た際、彼の穏やかでのんびりした態度に「ユホン様の息子とは思えない」と疑念を抱いていたが、一連の出来事を通してスウォンが去る頃には考えを改め、次第に信頼関係を築いていく。民思いで人望もあるが統治能力が高いとは言い難く、財政状態の悪化にも関わらず抜本的な経済改革をせずに阿波の窮地にも気づかなかった。戦場で暴れたいという願望が最優先である。過去に武術大会の試合でハクに敗れている。
- ユウノ
- 声 - 茅野愛衣
- グンテの13歳年下の妻。25歳。しかし、童顔で結婚当時などは15歳くらいにしか見えないため、ジュド将軍がグンテの正気を疑った。笑顔を絶やさない温和な性格。元はグンテ付きの侍女だった。花の香りのお茶を畑で育てスウォンの勧めで戒帝国の商団に販売しているが、個人で行っているので品薄になりがちで入手困難である事が更に人気を高めている。
- チョルラン
- 声 - 水島大宙
- グンテの世話役。グンテを尊敬し敬愛しているが、普段は照れ隠しのため、軽口を叩いている。
- ヒデ爺
- 声 - 千葉繁
- 鉱山を取り仕切る老人。
水の部族
- アン・ジュンギ
- 声 - 石田彰
- 水の部族の族長で、五将軍の一人。常に目を細めていて穏やか。一見優男風で争いを好まず、部族の危機にもなかなか腰を動かさず静観していた。だが、実際は娘想いであり冷静かつ慎重な人物で南戒との戦の際には水の部族が戦のきっかけになったことを認め、国に協力することを決意した。しかし、民が南戒が裏で糸を引く麻薬で苦しんでいるのを救済しないことが国のためと言ったも同然のケイシュクを圧倒する迫力で睨みつけた。
- アン・リリ
- 演 - 三輪紋子[8]
- 水の部族長の娘。黒髪で青い瞳のお嬢様。勝気な性格で、良くも悪くも世間知らずで少々無鉄砲だが、水の部族のことを彼女なりに考えていた。ヨナ達と出会い関わっていく内に己の無知や無力さを恥じ、これからどう行動すべきか真摯に考えるようになる。勝気な面と身分上の問題か友人がいないため、ヨナと仲良くなった際は生き生きしており嬉しそうだった。行動を共にし水の部族のために戦う内に、ある事件に巻き込まれヨナが高華国の姫だと気がつき真実を問う。何かあったら飛んでゆくから忘れるなと約束すると友人として別れを交わし、水の部族の為に部族長の娘として出来ることを見つけて戦うことを決意した。
- アユラ
- 演 - 片瀬成美(notall)[8]
- リリの護衛兼お目付け役。クールな雰囲気の美女。二刀流の剣士で男性にも劣らない実力を持つ。水の部族に身も心も捧げているが、ヨナ達の正体に気がついた際にはテトラと共に胸にしまうことを決め、ヨナたちの旅の無事を願い送り出した。
- テトラ
- 演 - 瀬都ちひろ[8]
- リリの護衛兼お目付け役。明るい雰囲気の巨乳の美女。素手の戦いに長け男性にも劣らない実力を持つが、ナダイ絡みの事件で刺されて重傷を負う。リリの親代わりを自認しており、とても大切に思っている。
その他
- ケイシュク
- 声 - 吉野裕行
- スウォンの参謀。25歳。スウォンにお年寄りみたいだと言われている。スウォンの度々のお忍びに頭を悩ませている。
- ミンス
- 声 - 山本和臣[6]
- イル王の側近で文官。ハクの一歳下で初登場時17歳。立場上ハクやヨナとも絡むことが多く、仲も良かった。
- スウォンが謀反を起こした折、ヨナ達を逃すために囮となり矢に撃たれて絶命した。
- イクス
- 声 - 金丸淳一[11]
- イル王の兄ユホンにより王宮から追放された先代神官の後を継いだ神官。初登場時は33歳。
- 神官ではあるが、先代や他の神官は追放されたか処刑されたため、身分を隠し国を放浪していた。その後はユンと共に誰も踏み入れないとされている絶壁の下に隠れ住んでいた。ユンの保護者的立場にあたるが、実際にはユンに世話をされている。自分の食事を後回しにしてまで、他人を救おうとする優しく心清らかな人物。
- 神託により、ヨナに四龍を探すよう告げた。
- リ・ハザラ
- 南北に分裂した戒帝国の北部、北戒の豪族の一人。スジンと結託して高華国に侵攻し空都陥落を企てるが、それを読んでいたスウォンにより敗退を余儀なくされ、自身はヨナ達に打ちのめされた。どうにか逃げ帰ったが、スウォンが話し合いの場に応じ初めて直接対面した際に、優しげな顔の印象と一見甘い停戦条件の提示にイル王のように甘い人物ならば再び力を蓄えて侵攻してやろうと考えていた。だが、去り際にスウォンが見せた決意と気迫に浅慮だった事に青ざめた。
- アオ(先代青龍)
- 声 - 宮本充[7]
- シンアの育ての親であり剣の師。新しい青龍(シンア)が生まれた際、名を持っていなかったので自らをアオと名乗った。無造作に伸ばした長髪に無精髭を生やし野生染みた風貌を持つ。性格は極めて厳しく粗暴で口調も荒いが、不器用な優しさを垣間見せることもあった。疎まれた青龍の力を完全に失うと「俺は人間だ」と狂った様に歓喜の叫びをあげたが、一人残してゆく幼きシンアには涙を流して謝罪し息絶えた。
- 先代白龍
- 声 - 柳田淳一
- キジャの父で彼に再び王は現れ、白龍の血が王を探し出すと話していた。緋龍王の迎えを渇望していたため、生まれたばかりの我が子が新たな白龍だと知った時は自身が血を繋ぐだけの龍で緋龍王の迎えが来ないことを悟り、絶望の余りキジャの背中に傷を付けてしまう。そのため、キジャとは監視付き制限付きでしか会えずに親子間の交流は少なかった。父の死を察知し忍んできたキジャを婆と勘違いして只人の手となった右手をキジャに見せ、今ならキジャに触れてよいだろうかと親らしい心の内を明かした。たまらず抱き着いたキジャの正体に気がつくと、最後に彼の名をひとつ呟き息絶えた。
- ガロウ
- 先代の緑龍で、里を逃げ出そうとするジェハを何度も捕まえていた。通常は新しい龍が生まれると先代は3 - 4年で死ぬのだが、12年生き抜いた。15歳の時に一度里を逃げ出すが、特に行きたい場所も会いたい人も居ない事に気づく。いつか憧れた里に伝わる緋龍王伝説のような王が迎えに来ることもなく、空しく思っていた時に新しい龍が生まれたと感じ取り里に戻ってジェハの世話係を務めていた。遂に力が完全にジェハに移り、命がいつ尽きてもおかしくない恐怖ゆえ八つ当たりでジェハを殴ったりもしたが、最期は鎖を断ち切って逃亡を図るジェハを逃がすまいと矢を射ろうとする里人に立ち向かい、ジェハを泣きながら逃がすと彼を護ってくれるよう龍神に願いながら息絶えた。
- ヒヨウ
- 演 - 小野一貴[8]
- 四泉や仙水などに店を持ちナダイを取り扱う闇商人。額に傷があり、歳は35くらいだがとても若く見える。ヨナに新たな傷を額につけられたことを恨み、彼女をつけ狙う。ナダイの中毒者を麻薬人形と呼び刺客として使う。
- カザック
- 南戒の貴族で丸々と太った巨漢。ヒヨウの要求に応じ船団を引き連れる。仙水を占拠し、水の部族から高華国を崩壊させようと目論む。
- カルガン
- 戒帝国から商船に潜り込み密入国した少年で、地の部族領の国境沿いの村で出会う。何日も歩き回って空腹だったため、ヨナからユン特製おむすびを盗んだ。惚れっぽい性格なのか、鳥を射落としたヨナに惚れて求婚したかと思えば料理上手なユンを女と勘違いしユンにも求婚していた。ハクの笑顔を見つめているヨナの視線や気持ちに気がつくなど、子供にしてはなかなか鋭い観察眼を持つ。国境付近に兵士が集まり始めて村に帰れなくなってしまったが、ジェハの飛翔する力によって送り届けて貰った。彼が高華国に行ったのは彼の村を含めた金州は高華国の領土であった時代もあり、村の人々が高華国を懐かしがっていたため、高華国を見てみたかったから。高熱と頭痛に倒れた四龍のために薬を入手するが、スウォン率いる高華国軍に敗れた戒帝国軍の兵士による町村での虐殺や破壊に遭遇し、必死にヨナ達の元に逃げ帰る。
- グエン
- 声 - 森田成一
- 初代白龍。緋龍王に対して四龍の中で一番敬意をもっていたように思われる。ゼノのことを気にかけ城から出たら、自分の所に来るように言っていた。死の間際までゼノを思っていた。
- シュテン
- 声 - 諏訪部順一
- 初代緑龍。何の力もないと思われていたゼノを役立たずと馬鹿にしていた。槍の使い手。
- アビ
- 声 - 岡本信彦
- 初代青龍。眼の力の反動で麻痺状態になるとゼノに助けられていた。四龍の力を狙う者たちに捕えられて以来、緋龍王の廟に入り浸り眼を隠すようになる。城を出る時は亡き王を思い泣いていた。
- ツバル
- 灯水町の旅籠屋の女将でリリの知人。実は斉国のナダイ商人でナダイの流通をつぶしているリリが邪魔で息子が行方不明だと嘘をつき、誘い出す。
用語
- 高華王国
- 天界から下った龍である緋龍王によって建国されたという王国。五つの部族の連合王国であり、その時の最大勢力が王族となる。
- 現在は空の部族が王の部族であるが、過去には他の部族が王族だったこともある。イル王の時代に他国や豪族の言いなりになり、領地を譲って国力を低下させた平和主義により現在は弱体化しつつある。各部族の長は将軍と呼ばれ、五部族長の会議が国の意思最高決定機関である。魔法などの超常の力はないようで戦も刀剣や槍を用いての白兵戦で騎乗する動物も馬。火薬はあるが兵器として戦場で活用されていない。戒帝国との戦を見る限り戒帝国もほぼ同様と思われる。
- 緋龍王
- 声 - 大川透
- 高華王国を平定したと言われている初代高華王国国王で、赤い髪の持ち主。戦乱混迷極める人間界を憐れんだ赤い龍神が天界から地上へ下り、人間となり緋龍王と呼ばれるようになった。人間となってからはこれと言って不思議な力は持たず、普通の人間であったらしい。憎まれ裏切られても人間を愛しており、その身が打ち滅ぼされそうになろうとも、「人間など滅ぼし天界に帰ろう」と告げる四龍の求めには応じなかった。その為緋龍王を愛していた四龍により、せめて緋龍王を守れるようにと四龍の分身として四龍の戦士を賜った。また、戦のない永遠の平穏を夢見ていたが、終わらない争いに心を痛めていた。最期は病がちになり、四龍を残し永遠の眠りに就いた。
- 四龍の戦士
- 四龍とも略される。権力を欲する人間達によって緋龍王が打ち滅ぼされそうになった時に天界から舞い降りた白・青・緑・黄の四体の龍により、それぞれの血を与えられた人間の戦士。ある者は何をも引き裂く鋭い爪を、ある者は彼方まで見通す眼を、ある者は天高く跳躍する脚を、ある者は傷つかない頑丈な体を与えられた。戦士達は部族を率いて緋龍王を守り国の混乱を鎮めた。やがて戦い疲れた緋龍王は眠りに就き、役目を終えた戦士達は自らの力を人間の手に余るものと考え姿を消した。
- 四龍の戦士の力は子孫達へと受け継がれており、彼らは現在でも各地の隠れ里で生活しながら移動をしてきた。そのために四龍の戦士の居所は中々掴めないが、白龍の里だけは移動していないので所在が伝わっている。四龍の里が登場したのは白龍と青龍だけで、物語開始後に既に緑龍と黄龍は本人達が別の場所にいたため、所在不明である。また、四龍の戦士は血を分けた兄弟のような存在であるため、お互いの気配を感じ取ることが出来る。
- 緋龍城は龍神の加護が強く、城から遠のくと四龍の力が弱る。黄龍以外は体があまり丈夫でなく、緋龍城から離れすぎると病への抵抗力が子供のように低くなる。また、身に宿る龍の血のせいか、代々早世である。
- 龍神の力は里の人間の一人にしか発現しないが、新たに産まれた子が四龍の特徴を持っていると龍神の力は数年かけて古い龍(先代)から新しい龍(当代)に移る。先代が力を失うに連れて当代の力が増し、先代は龍神の力を完全に失うと死亡する。先代と当代が親子とは限らないが、白龍の場合は父から息子のキジャに力が受け継がれた。
- 四龍に対する里人の扱いは里によって異なり、白龍の里では緋龍王と共に崇拝されていたが、青龍の里では「見た者を石に変える呪いの目を持つ者」として忌まれていた。
- 空の部族
- ヨナ、スウォン、ジュド、イル、ユホンの出身部族。五部族一勢いがある部族で王族でもある。現在、250年間は空の部族による高華王国の支配王朝が継続しているが、過去には火の部族や水の部族が王権を握っていた時期もあるらしい。王都の名は空都で、王の象徴である赤い緋龍城を頂きに築いている。
- 風の部族
- 勇猛果敢な武人を輩出するも総体的に野心を持たず城らしい城も建てていないらしい。風の赴くままに生きていきたいと考えていてハク曰く「ユルい」が、誇り高い部族。部族は皆家族であるという志を持ち、暖かい人柄の人間が多い。そのため、諍いを忌み嫌う亡き国王イルと精神的波長が合致したと思われる。首都は風牙。
- 火の部族
- 痩せた土地が多い為か軍備増強を常に行っており、税の取り立てや兵役が厳しい。総合的に野心が強く、我らこそが緋龍王の末裔で神の血を引く民だとやや傲慢な一面がある。その所為か、虎視眈々と高華王国の王位を狙っていた。貧富の差が激しく、王侯貴族が贅を極める一方で農民は疲弊し不作の度に餓死者が続出している。首都は立派だが地方の治安は悪く農村地帯では盗賊が横行していた。首都は彩火。他には東火村、加淡村、秋村、炎里村などがある。
- 地の部族
- 質実剛健な性質を持ち、武芸に長ける。鉱山と軍事が主要産業。昔は戦の報奨金で潤っていたが、イル王が戦争を禁じた近年は鉱山資源の先細りもあり、困窮していた。スウォンの手助けで、再び首都に活気が戻りつつある。首都は地心。他には阿波などがある。
- 水の部族
- たゆたう水の如く穏やかで争いを好まない人間が多く、慎重な一面がある。豊富な緑と水に囲まれた景勝地であり、高華国一美しい地と言われている。また、他国との貿易が盛んで、他の土地より雨が多い。その美しさとは裏腹に、ナダイという南戒から入ってきた麻薬に沿岸部は徐々に蝕まれつつあり、表沙汰にはならない後ろ暗い闇の部分がある。首都は水呼。他には四泉、仙水などがある。
- 白龍の里
- 最初に登場した四龍の里で、国境近くの山の中腹にあり霧深き幻の里との事。キジャの育った里で四龍の里の中で唯一移動していない里でもある。キジャが婆と呼ぶ老女が取り仕切っており、他の里人は少々排他的ながらも緋龍王や白龍に対して強い敬意を抱いている。そのため赤髪信仰でもあるのかと思うくらいヨナの髪色に反応し、ヨナたちに対して極めて好意的だった。また、各地に情報屋を飛ばしており、外部の事や他の四龍の事にはある程度詳しく敏感らしい。
- 青龍の里
- 国境近くの岩山を掘り抜いて作られたシンアの育った里。元は地の部族の土地にあったが、ある日忽然と消えたらしい。一行が訪ねてきて青龍の名を出してもはぐらかし、赤い髪を見ても反応もなかった。龍の力を呪いのように考えており、いつからか代々青龍には面を被せる掟になっている。そのため、シンアも生まれてすぐ面を被せられて育った。里人は青龍の眼を見たら石になると信じているようで、異常な程シンアを恐れていた。他の龍の存在は一応知っていたようだが、シンアは緋龍王の伝説も四龍のことも教えられずに育ったらしい。白龍の里とは対照的な里。
- 緑龍の里
- ジェハが幼少時に育った里だが、物語開始時には逃げ出しているので詳しい位置等の詳細は不明。過去に緑龍の力が外部に漏れた際に里人が蹂躙されたため、決して外部に漏れないように長い年月を掛け流浪してひっそり生きていた。その経緯から代々緑龍は空に飛んでいけないように、両手両足を鎖に繋がれて育てられていた。ジェハが先代から緋龍王の伝説を教えられていることから、一応ある程度のことは語り継がれている様子である。緑龍を疫病神のように忌避している点は青龍の里と同じ。
- 戒帝国
- 火の部族領に接する北の大国。権力に翳りが生じて国は南北に分裂し帝国とは呼べなくなっており、北戒は更に北の境界線に遊牧民族が戦いを仕掛けており皇帝の力は弱まってリ・ハザラのような豪族が力を強めている。南戒は官吏や商人が移り住んで気候も安定しており、皇帝の従兄弟が仮初めの玉座にいる。
- ナダイ
- 南戒から持ち込まれた麻薬で水の部族の港町に蔓延している。飲んだすぐは快感を覚え痛覚が麻痺するが、徐々に幻覚を見たり全身が砕けるような痛みを感じて凶暴化する。強い中毒性があるらしい。ごく少量であれば、薬になるらしく疲労回復の効果がある。斉国では合法。
- 千州
- 戒帝国の北部(北戒)にあり、火の部族領との国境沿いに位置する土地。北戒の豪族リ・ハザラが治めている。かつては一部が高華国の領土であり、火の部族領であった。ヨナ達一行が火の部族の痩せた貧しい土地を救うために、何かヒントになるものはないかと立ち寄った千里村がある。成り行きで戦で亡くなった人の魂と火の部族の怒りを鎮める火鎮の祭に参加することとなり、そこに住む人々と親交を深めた結果、貴重なイザの実を手に入れ高華国へと持ち帰ることが出来た。
- 金州
- 嘗ては高華国の領土であり、地の部族領であった。今は戒帝国の領土だが、その前は高華国さらに前は戒帝国の領土であったりと複雑な経緯をもつ。高華国に領土返還を求められて拒否したために侵攻され、数日の内に戒帝国軍は制圧された。その結果、自国の敗残兵により金橘は虐殺と略奪が行われ、戦が引き起こす悲しみと憎悪の嵐が吹き荒れた。
- 真国
- 南の国。斉国の東にある。東と南は海に面している。
- 斉国
- 南の国。真国の西にある。西と南は海に面している。カザグモという男が王座に就いているが、母のクヴァと叔父のホツマとクシビが実際は政をしていた。三者の利害が一致し協力体制にあったが、クヴァが死にホツマとクシビが王位を狙い始めている。高華国へ侵攻を目論んで競うように砦を造り、ナダイで弱った水の部族を制圧し、民にそれぞれの名を知らしめようとしている。砦の建設のために水の部族領の国境付近の町や自国からも人を連れてきておりナダイで飼い慣らしている。
- 灯水町
- 国境付近の行方不明者の多発と斉国のナダイ商人の調査のために赴いた町。一人で斉国に行くつもりのリリを心配したテトラが、ヨナたちに護衛を頼み一緒に調査をすることになった。水神の祭りが開かれており、斉国の密偵が起こしたと思わしき事故のけが人をさらわれる。
評価
単行本売上は17巻発売時点で累計300万部を突破している。単行本の帯では、漫画界や小説界などの著名人が推薦文を寄せている。単行本5巻初版帯に三浦建太郎がコメントを寄せたことからはじまり、以降の新刊にもつくようになった。5巻以前の既刊分の単行本にも新たに帯がつけられた。三浦の他に、水野良、あかほりさとる、松下容子、高橋弥七郎、ルビー・パーティー、神山健治、井上堅二らが推薦文を載せている。推薦文によって売上が伸びたことから編集長の友田は本作は販促活動の成功例だとしている[12]。三浦は単行本第6巻発売時の企画としてヨナとハクのイラストを描きおろし[13]、イラストは複製原画とテレホンカードになり、企画応募者に送られた。その後に主要キャラクターらを描き下ろしたイラストも提供し、公式サイトにも掲示されている。
三浦建太郎は「大河伝奇ロマンに新星が!!」と単行本第5巻帯にてコメントしている[14]。高橋弥七郎は単行本第5巻の増刷以降の帯にて「画策と陰謀に始まり、伝説と難題に旅し、愛と情に彩られた娯楽の王道、貴種流離譚。「暁のヨナ」は、それである」とコメント。水野良は「笑顔ひとつで獣も龍もしたがえる 幻想譚(ファンタジー)の姫君はこうでないとね」と単行本第8巻帯にてコメントし、Twitter上では「中華風のファンタジーですが、会話のテンポがとてもよく、コミカルさとシリアスさが絶妙に配合されているので、本格的ながらとても読みやすい作品」と語った[15]。
書籍情報
- 草凪みずほ 『暁のヨナ』 白泉社 〈花とゆめコミックス〉 既刊20巻(2016年3月18日現在)
- 2010年1月19日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19081-3
- 2010年5月19日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19082-0
- 2010年9月17日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19083-7
- 2011年1月19日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19084-4
- 2011年5月19日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19085-1
- 2011年9月20日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19086-8
- 2011年11月18日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19087-5
- 2012年3月19日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19088-2
- 2012年7月20日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19089-9
- ドラマCD付き初回限定版 ISBN 978-4-592-10551-0
- 2012年12月20日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19090-5
- 2013年4月19日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19691-4
- 2013年8月20日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19692-1
- 2013年12月20日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19693-8
- 2014年4月18日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19694-5
- 2014年9月19日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19695-2
- ドラマCD付き初回限定版 ISBN 978-4-592-10556-5
- 2014年12月19日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19696-9
- 2015年3月19日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19697-6
- 2015年6月19日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19698-3
- 2015年9月18日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19699-0
- オリジナルアニメDVD付限定版 ISBN 978-4-592-10512-1
- 2016年3月18日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-21510-3
- (秘)スケッチ集付き特装版 ISBN 978-4-592-21802-9
小説
藤谷燈子・著、草凪みずほ・原作 『小説・暁のヨナ 同じ月の下で』 白泉社 〈花とゆめCOMICSスペシャル花とゆめノベルズ〉 全1巻。
- 2015年3月20日 第1刷発売 ISBN 978-4-592-19795-9
ドラマCD
単行本や雑誌の付録という形で第四弾まで出ている。キャスティングに関しては著者も希望を出し、CD担当者の意見を参考にしつつ決定された[16]。メインキャストはアニメにも続投された。
- 暁のヨナ 単行本第9巻 特典ドラマCD
- 単行本9巻の初回限定版に付属した。第25話をベースにした内容で、第1話から第24話までの展開はダイジェストとなっている。収録時間は約60分。
- 暁のヨナ 真紅のドラマCD
- 『花とゆめ』2012年17号(8月4日号)に付属した。単行本1巻から2巻の内容と、6巻描きおろし部分をベースにした内容で収録時間は約60分[17]。
- 暁のヨナ 緑龍編
- 『花とゆめ』2013年18号(8月20日号)に付属した「緑龍編 ジェハ、登場」と、『花とゆめ』20号(9月20日号)に付属した「緑龍編 ジェハ、闘う」の前後編となっている[18]。
- 暁のヨナ 単行本第15巻 特典ドラマCD
- 単行本15巻の初回限定版に付属した。第41話と第76話をベースにした内容。収録時間は約60分。[19]。
テレビアニメ
2014年10月より2015年3月までTOKYO MX、サンテレビ、テレビ愛知、熊本放送、BS11、AT-Xにて放送された。全24話。物語の展開や設定はほぼ原作通りで、ゼノ(黄龍)との邂逅(原作コミックス第8巻)までを描く。
スタッフ
- 原作 - 草凪みずほ(白泉社「花とゆめ」連載)
- 監督 - 米田和弘
- シリーズ構成 - 猪爪慎一
- キャラクターデザイン - 吉川真帆
- サブキャラクターデザイン・総作画監督 - 楠本祐子、松井祐子
- 武器デザイン - 山本翔
- プロップデザイン - 宮川治雄
- 美術設定 - 田村せいき
- 美術監督 - 渡辺三千恵
- 色彩設計 - 垣田由紀子
- 撮影監督 - 福士享
- 編集 - 坂本久美子
- 音楽 - 梁邦彦
- 音楽プロデューサー - 本多洋一
- 音響監督 - 長崎行男
- 音響効果 - 今野康之
- エグゼクティブプロデューサー - 中山晴喜、本間道幸、酒井俊朗
- チーフプロデューサー - 丸山創、高見正人、白岡真紀
- プロデューサー - 団野喜人、田口智博〈第19話 - 第24話〉、松井将司、石原史朗、北澤晋一郎、夏中恵、山崎明日香、田島宏行
- アニメーションプロデューサー - 富永禎彦
- アニメーション制作 - studioぴえろ
- 制作 - TOKYO MX
- 製作 - 暁のヨナ製作委員会(マーベラス、バップ〈第1話 - 第18話〉→Age Global Networks〈第19話 - 第24話、OAD〉、ぴえろ、白泉社、TOKYO MX、TOP-INSIGHT、AT-X、ドコモ・アニメストア)
主題歌
- オープニングテーマ
-
- 「暁のヨナ」(第1話 - 第14話)
- 作曲・編曲 - 梁邦彦
- 「暁の華」(第15話 - 第23話)
- 作詞 - SAKI / 作曲 - AZU / 編曲 - SATORI SHIRAISHI & Cyntia / 歌 - Cyntia
- 第24話では未使用。
- エンディングテーマ
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
第一話 | 王女ヨナ | 猪爪慎一 | 米田和弘 | 楠本祐子、松井祐子 | |
第二話 | ちぎれた絆 | 北條史也 | 坪山圭一 | ||
第三話 | 遠い空 | 高橋ナツコ | 宮崎なぎさ | 布施康之 | 斉藤大輔、安田祥子 橋本真希 |
第四話 | 風の部族 | 高木聖子 | 北村真咲 | 丸山裕介 | 松岡謙治、豊田桂祐 |
第五話 | 咆哮 | 大西信介 | 米たにヨシトモ | 松村政輝 | Cindy H.Yamauchi |
第六話 | 紅い髪 | 横山彰利 | 金森陽子 | 山本航 | |
第七話 | 天命 | 高木聖子 | 林明偉 | 菅野智之 | |
第八話 | 選んだ扉 | 高橋ナツコ | 北村真咲 | 城所聖明 | 大竹紀子 |
第九話 | ふるえる覚悟 | 猪爪慎一 | 米田和弘 | 清水勝祐、飯飼一幸 橋本真希、たかぎじゅん | |
第十話 | 待望 | 高橋ナツコ | 宮崎なぎさ 米田和弘 |
小高義規 | 坪山圭一、富田美文 |
第十一話 | 龍の爪 | 北村真咲 | 安藤貴史 | 小倉典子 | |
第十二話 | 目隠しの龍 | 大西信介 | 北條史也 | 山本航 | |
第十三話 | 反響する恐怖 | 城所聖明 | 大竹紀子、富田美文 | ||
第十四話 | 光 | 高木聖子 | 北村真咲 | 松村政輝 | 清水勝祐、村上直紀 小澤早依子 |
第十五話 | 新たな地へ | 猪爪慎一 | 林明偉 米田和弘 |
ながはまのりひこ | 菅野智之 |
第十六話 | 戦ごっこ | 横山彰利 | 安藤健 | Cindy H.Yamauchi | |
第十七話 | 阿波の海賊 | 小高義規 | たかぎじゅん | ||
第十八話 | 縁 | 高橋ナツコ | 北村真咲 | 安藤貴史 | 小倉典子、村長由紀 |
第十九話 | 千樹草の試し | 高木聖子 | 北條史也 | 遠藤裕一、富田美文 大竹紀子 | |
第二十話 | 勇気の連鎖 | 大西信介 | 篁蒼氓 | 城所聖明 | 阿部智之 |
第二十一話 | 火花 | 森下直 | 美袋一 | 福田きよむ | 小澤早依子 Kim Bo Kyoung |
第二十二話 | 歴史は夜作られる | 米たにヨシトモ | 安藤貴史 | Cindy H.Yamauchi 楠本祐子、松井祐子 | |
第二十三話 | 誓いの朝 | 山本裕介 | 小高義規 | 坪山圭一、大竹紀子 楠本祐子 | |
第二十四話 | これから | 猪爪慎一 | 米田和弘 | たかぎじゅん、富田美文 小澤早依子、松井啓一郎 高柳久美子 | |
OAD[20] | その背には | 金森陽子 | 富田美文、松岡秀明 小倉典子、小澤早依子 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
日本全域 | AT-X | 2014年10月7日 - 2015年3月24日 | 火曜 23:00 - 23:30 | CS放送 | 製作委員会参加 リピート放送あり |
東京都 | TOKYO MX | 2014年10月8日 - 2015年3月25日 | 水曜 0:30 - 1:00(火曜深夜) | 独立局 | 制作・製作委員会参加 |
兵庫県 | サンテレビ | 2014年10月8日 - 11月12日 | 水曜 0:30 - 1:00(火曜深夜) | ||
2014年11月19日 - 2015年3月25日 | 水曜 0:40 - 1:10(火曜深夜) | ||||
愛知県 | テレビ愛知 | 2014年10月8日 - 2015年3月25日 | 水曜 1:35 - 2:05(火曜深夜) | テレビ東京系列 | |
熊本県 | 熊本放送 | 水曜 2:13 - 2:43(火曜深夜) | TBS系列 | 作者の出身地 | |
日本全域 | BS11 | 水曜 3:00 - 3:30(火曜深夜) | BS放送 | 『ANIME+』枠 |
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
日本全域 | dアニメストア | 2014年10月8日 - | 水曜 12:00 更新 | ネット配信 | 製作委員会参加 見放題サービス利用者は全話見放題 10月3日 20:00 - 23:00に第1話を先行配信(先着2000名限定) |
GyaO! | 最新話1週間無料 | ||||
ひかりTV | |||||
楽天ショウタイム | 2014年10月13日 - | 月曜 0:00(日曜深夜) 更新 | |||
バンダイチャンネル | 2014年10月16日 - | 木曜 0:00(水曜深夜) 更新 | |||
ビデオマーケット | |||||
ニコニコ生放送 | 2014年10月15日 - | 水曜 0:00 - 0:30(火曜深夜) | |||
ニコニコチャンネル | 水曜 0:30(火曜深夜) 更新 | 最新話1週間無料 | |||
U-NEXT | 2014年10月22日 - | 水曜 15:00 更新 | |||
auビデオパス | 2014年10月23日 - | 木曜 0:00(水曜深夜) 更新 | |||
J:COMオンデマンド |
関連商品
BD / DVD
巻 | 発売日 | 収録話 | 規格品番 | |
---|---|---|---|---|
BD | DVD | |||
1 | 2015年5月27日 | 第1話 - 第3話 | VPXY-75141 | VPBY-15671 |
2 | 2015年6月24日 | 第4話 - 第6話 | VPXY-75142 | VPBY-15672 |
3 | 2015年7月22日 | 第7話 - 第9話 | VPXY-75143 | VPBY-15673 |
4 | 2015年8月26日 | 第10話 - 第12話 | VPXY-75144 | VPBY-15674 |
5 | 2015年9月16日 | 第13話 - 第15話 | VPXY-75145 | VPBY-15675 |
6 | 2015年10月21日 | 第16話 - 第18話 | VPXY-75146 | VPBY-15676 |
7 | 2015年11月25日 | 第19話 - 第21話 | VPXY-75147 | VPBY-15677 |
8 | 2015年12月23日 | 第22話 - 第24話 | VPXY-75148 | VPBY-15678 |
CD
- アニメ「暁のヨナ」オリジナル・サウンドトラック(MJSA-01153)
- 発売日:2015年3月18日 発売元:マーベラス
Webラジオ
『暁のヨナ〜高華王国ラジオ〜』のタイトルで音泉にて2014年9月30日から2015年4月7日まで隔週火曜で配信された。全14回。パーソナリティは前野智昭(ハク 役)、小林裕介(スウォン 役)。
- ゲスト
舞台
2015年10月4日、舞台化が明らかにされた[1]。2016年3月16日 - 21日、東京・EXシアター六本木で公演予定。単行本14巻から16巻までにあたる「水の部族編」が舞台化される[8]。
スタッフ
注釈
- ^ 実在の国や歴史にそったものではない。
出典
- ^ a b “人気漫画『暁のヨナ』舞台化”. ORICON STYLE (株式会社oricon ME). (2015年10月4日) 2015年10月4日閲覧。
- ^ “Q&Aです~ 2011.06.26 Sunday 01:13”. ::::: 草凪みずほのNG Life. 2014年10月12日閲覧。
- ^ 単行本第4巻 第19話 柱書き
- ^ a b c d e f g h “「暁のヨナ」ドラマCD化!斎藤千和、前野智昭ら出演”. コミックナタリー. 2012年5月31日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “舞台「暁のヨナ」ヨナ役は新垣里沙!松下優也、北村諒、木村達成も出演”. コミックナタリー (2015年10月20日). 2015年10月20日閲覧。
- ^ a b c 『花とゆめ』2014年21号、白泉社、2014年10月4日。
- ^ a b 『花とゆめ』2015年1号、白泉社、2014年12月5日。
- ^ a b c d e f g h “舞台「暁のヨナ」は水の部族編、リリ役ほか追加キャストも発表”. コミックナタリー (2015年11月6日). 2015年11月6日閲覧。
- ^ 単行本20巻 第116話柱書き。
- ^ a b c 『花とゆめ』2014年22号、白泉社、2014年10月20日。
- ^ “テレビアニメ『暁のヨナ』メインビジュアル第2弾公開!”. アニメイトTV. 2014年11月6日閲覧。
- ^ “編集王に訊く32 『花とゆめ』編集長 友田亮さん”. 2014年10月12日閲覧。
- ^ “6巻本日発売!「ベルセルク」三浦建太郎が「暁のヨナ」描く”. コミックナタリー. 2014年10月12日閲覧。
- ^ “暁のヨナ5巻発売中です May 24 [Tue, 2011, 7:59]”. ::::: 草凪みずほのNG Life. 2014年10月12日閲覧。
- ^ “水野良@ryou_mizuno”. Twitter. 2014年10月12日閲覧。
- ^ 単行本9巻第49話の柱コメント
- ^ “ドラマCD第二弾です…!。・゚・(ノ◇`)”. ::::: 草凪みずほのNG Life. 2014年10月12日閲覧。
- ^ “ドラマCD緑龍編「ジェハ、登場」”. ::::: 草凪みずほのNG Life. 2014年10月12日閲覧。
- ^ “暁のヨナ15巻は初回限定ドラマCD付き!”. ::::: 草凪みずほのNG Life. 2014年10月12日閲覧。
- ^ 原作第19巻限定版同梱DVD収録。
外部リンク
- 暁のヨナ | 白泉社
- アニメ「暁のヨナ」公式ホームページ
- TVアニメ「暁のヨナ」公式 (@yona_anime) - X(旧Twitter)
- 暁のヨナ〜高華王国ラジオ〜
- 舞台「暁のヨナ」オフィシャルサイト
- 舞台「暁のヨナ」 (@yona_stage) - X(旧Twitter)
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