斬魔大聖デモンベイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。114.16.42.57 (会話) による 2012年5月28日 (月) 13:02個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (Category整理。)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

斬魔大聖デモンベイン
(PS2版:機神咆吼デモンベイン)
ジャンル 荒唐無稽スーパーロボット ADV
対応機種 Windows98/2000/Me/XP
プレイステーション2
発売元 ニトロプラス(PC)
角川書店(PS2)
発売日 2003年4月25日 初回限定版(PC)
2003年5月30日 通常版(PC)
2004年7月1日(PS2)通常版 初回限定版
レイティング 18禁(PC)
全年齢対象(PS2)
キャラクター名設定 不可
エンディング数 7
セーブファイル数 60(PC版)
20(PS2版)
画面サイズ 800×600
キャラクターボイス パートボイス(PC)
フルボイス(PS2)
CGモード あり
音楽モード あり
回想モード あり
メッセージスキップ 全文/既読
オートモード あり
備考 PS2:機神咆吼デモンベイン
PS2版はOVAを収録したDVD同梱。
テンプレートを表示

斬魔大聖デモンベイン』(ざんまたいせいデモンベイン)(「斬」の文字は斬の下部に天と表記)は、2003年4月25日ニトロプラスより発売された18禁PCゲーム2004年7月1日には角川書店よりプレイステーション2版『機神咆吼デモンベイン』(きしんほうこうデモンベイン)も発売された。

「荒唐無稽スーパーロボットADV」と銘打たれ、巨大ロボットはもちろん、変身ヒーローやクトゥルー神話を題材にしたモンスターが戦うヒロイックサーガである。

また、後日譚を描いた3Dアクションゲーム『機神飛翔デモンベイン』も発売された(15歳以上推奨)。

2006年にはWOWOW(ノンスクランブル)で、テレビアニメ『機神咆吼デモンベイン』が放送された。

原画、Niθ。シナリオ、鋼屋ジン


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


ストーリー

科学と魔導技術によって繁栄の極みにある都市アーカムシティに住む私立探偵・大十字九郎(だいじゅうじ くろう)は、ある日、アーカムシティを実質的に支配する覇道財閥より魔導書の探索を依頼される。その探索のさなか、アーカムシティの暗部に潜む秘密結社ブラックロッジと、意思をもつ魔導書との抗争に巻き込まれた九郎は、その魔導書の精霊アル・アジフと契約してしまう。さらには、覇道財閥の所有する巨大ロボット・デモンベインに乗り込み、ブラックロッジと死闘を演じることになる。

登場キャラクター

併記されている場合、キャストは全年齢版/18禁(オリジナル)版の順。単独の場合はPS2版「機神咆吼デモンベイン」のみの出演。

大十字探偵事務所

大十字九郎(だいじゅうじ くろう)
声 - 伊藤健太郎 / ヘルシー太郎
アーカムシティに住む三流私立探偵。過去にミスカトニック大学で魔術を学んでいた経緯をもつが、在学中のある出来事がきっかけで大学を中退、魔術を忌避するようになった。その経歴に目をつけられ覇道財閥より力ある魔導書の捜索を依頼される。その中で状況に流されるまま魔導書「アル・アジフ」と契約してしまい、デモンベインを駆ってブラックロッジと戦うことになる。
初めは乗り気ではなかったが、マスターテリオンの残虐性などを目の当たりしてブラックロッジと戦うことを決意。アルに戦い方を学びながらマスターテリオンやアンチクロス等といった凶悪な魔術師達のと戦いを繰り広げ、彼自身も成長してゆく。アルの断片を集める際にデモンベインを使うことが多くなり、それに見かねた瑠璃から正式に覇道財閥の依頼として受けることになる。
三流私立探偵のため滅多に依頼が来ないため、ゲテモノを食って生き延びたり、飲まず食わず生活して最終的にシスターのライカに養ってもらっている。そのため、覇道財閥から依頼を受けた際には本気で涙を流していた。基本的にはお人よしではあるが、本当に許せない相手を目の前にしたときは心底から怒りを露にする熱い魂を持っている。また、女装が恐ろしいまでに似合う。
戦闘時はアルによって「マギウススタイル」と呼ばれる超人形態に変身し、アンチクロスとの戦闘やデモンベインの操縦に臨む。この際には長髪となり、体にフィットしたボディスーツをまとう。また、アルの断片を利用して魔術を利用したりなど様々な戦い方を行う。
あるエンディングではアルと共に最も新しき神、『旧神』となる。
名前の元となったのはブライアン・ラムレイ著『タイタス・クロウの事件簿』に登場する怪奇探偵、タイタス・クロウ(タイ→大、タス→足す→+→十字、クロウ→九郎)である。
アル・アジフ
声 - 神田理江 / 朝宮咲
幼い少女の姿をしているが、正体は魔導書「ネクロノミコン」の原典「キタブ・アル・アジフの精霊」。ブラックロッジに追われていたところを九郎と出会い契約を結ぶ。九郎の魔術師としての素質を見抜き、九郎に魔術師としての施しを行う。
性格は傲慢不遜で瑠璃とはいわゆる犬猿の仲。基本的に世間知らずのため、人とは違う行動をとって九郎を焦らせる事が多い。だが、逆に九郎の生き様に対してツッコミを入れている場面もある。誰に対しても偉そうではあるが、彼女も基本的にはお人よしである。
九郎が「マギウススタイル」になった時は姿を小さくして寄り添い、九郎のサポートを行う。また、デモンベインを操縦するときは元の姿に戻り、魔術側で九郎のバックアップを行っている。その他、通常の状態でも一般人を吹き飛ばすほどの魔術も使うことができる。
当初はマスターテリオンとの戦いで自身を構成するページの一部を喪失していたため、本来の力を出せなかったが、九郎とともにアーカムシティに散らばったページの回収に奔走し、力を取り戻していく。
アルルートに於いてC計画によるクトゥルー召喚直後のアンチクロス等との闘いの中、命を落とすが自らの深層世界での葛藤の末、ナイアルラトホテップの策謀もあり対ベルゼビュート戦の中に復活する。
あるエンディングでは九郎と共に最も新しき神、『旧神』となる。
名前はH・P・ラヴクラフトの作り出した魔導書「ネクロノミコン」の原本「アル・アジフ」より。
ダンセイニ
声 - 不定(しゃべる毎に変わる)
アルがベッド代わりにと事務所に連れ込んできた不定形生物。目・口と思しき感覚器官を縦一列に一個ずつ発生させた、黄色いゼリー状の塊として描かれる。「てけり・り」としか喋れないものの、アルとは意思の疎通が成立しており、性格も紳士。「毎日のエサが産地直送のなので食費がかさむ」のが、九郎の悩みの種。

覇道財閥

覇道瑠璃(はどう るり)
声 - 麻見順子 / 赤白杏奈
アーカムシティの権力者である覇道財閥の若き女性当主。両親をブラックロッジのテロによって失い、先代当主である祖父、覇道鋼造によって育てられる。覇道鋼造から財閥とデモンベインを受け継ぎ、デモンベインを起動するのに必要な魔導書の探索を九郎に依頼する。だが、九郎が見つけてきたアルも九郎と契約しデモンベインも自分の意志とは無関係に九郎に使用されてしまい、初めはそのことを快く思っていなかったが、最終的には九郎たちに強い信頼を置くようになる。
才色兼備のお嬢様であるが、ブラックロッジを倒すと言う強い正義感をもっている。そのため、軽い気持ちで動かしているように見えた九郎達に対して強い批判をしたこともある。最初に会ったときからアルのことは快く思っておらず、九郎たちに信頼を置くようになってからも犬猿の仲で喧嘩になるとアルのことを三流パルプ娘と呼んだりする。その喧嘩の様子は九郎いわく龍虎相打つ一大超決戦らしい。普段の姿からは考えられないが、酒癖が物凄く悪く、他人にすぐに絡むが次の日になったら綺麗に忘れて周りに迷惑を掛けることもある。
普段はドレス姿だが、戦闘になると指令服に着替え地下の司令室に赴きデモンベインをバックアップする。デモンベインの切り札である必殺技「レムリア・インパクト」の使用を認可し、術式を解凍する言霊、ナアカル・コードを送信するのも彼女が行っている。
瑠璃ルートでは己を庇い、負傷した九郎に代わって一時的にアル・アジフと契約した。「マギウススタイル」は彼女の司令服を黒塗りしたような姿になっており、アルにアドバイスを受けながらアンチクロスと戦うことになる。
ウィンフィールド
声 - 子安武人 / 十文字隼人
覇道瑠璃の執事。冷静沈着で瑠璃の命令に絶対服従して瑠璃を補佐する。また、瑠璃の幸せのために一肌脱いだりなど面倒見もいい場面も見られる。
元々アーカムシティでも有名な荒くれ者でその頃ですらボクシングで100人を相手にしても余裕で倒せる程だったが、覇道鋼造に簡単に負けたことからそのまま師弟関係となり、覇道財閥の執事になった。ただの人間ながらアンチクロスの一人ティトゥスと互角の戦闘能力を持ち、瑠璃ルートでは彼と最後まで死闘を演じる事となる。
名前の由来は「戦場(フィールド)の勝者(ウィン)」でウィンフィールド。もしくはH・P・ラヴクラフトの父ウィンフィールド・スコットから。
チアキ
声 - 茂呂田かおる
覇道瑠璃に仕えるメイドの一人。関西弁で話す明るい人物。髪型はポニーテールで眼鏡を掛けている。デモンベイン出撃時は後述のソーニャ、マコトと共に覇道財閥の基地内でオペレーターを担当し、デモンベインのサポートを行なう。メイド三人の中でもチアキだけは、同時に機体の修理・整備員としての仕事も行なっている。整備を担当する関係で後に同じ技術者であるドクター・ウェストと掛け合うシーンが何度かあり、「凡人眼鏡」という不名誉なあだ名を付けられる。ドクター・ウェストの技術力については、チアキが負荷を度外視した無茶な設計をしていると指摘したことから、あまり評価も信用もしていない。
ソーニャ
声 - こおろぎさとみ
覇道瑠璃に仕えるメイドの一人。正確な年齢は公開されていないが瑠璃よりも年上と見られるメイド二人と違い、瑠璃より若いと見られる少女。平時はそうでもないが慌てやすく、大変な事態を迎えた時にはパニックに陥りがちである。明るく丁寧な話し方をし、一見すると他のメイドよりも常識人のように思えるが、覇道財閥を至上と捉え、一般人を「社会的弱者、凡夫、愚民」などと表現し、かなり見下した言動を笑顔で平然と行なう面がある。
マコト
声 - 浅川悠
覇道瑠璃に仕えるメイドの一人。物静かな雰囲気の女性で、抑揚を抑えて冷淡に話す。オペレーターを担当する時には異常事態が起こっても騒がずに淡々と報告しようとする。小さくて可愛い少女を好み、目にすると普段の雰囲気から一変し、息を荒らげ興奮するという傍目からして危険とも取れる性癖を持ち、気に入った少女には「たん」を付けて呼ぶ。逆に男性一般は生理的に受け付けない。
覇道鋼造(はどう こうぞう)
声 - 上別府仁資矢尾一樹(青年時)
瑠璃の祖父であり、覇道財閥の先代総帥。本編における現在時間では故人。一代で覇道財閥という巨万の富を築き上げ、片田舎であったアーカムシティを大都市へと変えた人物。帝王学をはじめ様々な学問に精通し、ウィンフィールドからは「超人」とも評される類稀な先見の明を持つ。表社会ではその能力と財力とで死を迎えるまで世界の覇王として君臨し続け、その裏ではブラックロッジの脅威から世界を守るため、命を懸けて大導師マスターテリオンと戦い続けていた。外道の集団であるブラックロッジに同じ外道をもって対抗する手段としてデモンベインを開発し、孫の瑠璃に託す。
瑠璃ルートではその正体が時間と空間を支配するヨグ=ソトースの門の向こうでのマスターテリオンとの最終決戦に破れ、結果、過去のアリゾナの砂漠にデモンベインごと墜落した九郎であることが判明する。アルルートのハッピーエンド以外では本物の覇道鋼造はアリゾナの砂漠で死にかけていた所をデモンベイン墜落時の衝撃に巻き込まれ、命を落としている。

秘密結社ブラックロッジ

世界制服を目論む、悪の秘密結社。 悪の秘密結社なのだが、ドクターウェストによると慰安旅行があったりする、しかし幹部クラスであるアンチクロスは部下である構成員は使い捨てのコマ程度にしか考えていない。

マスターテリオン
声 - 緑川光 / 氷河流
ブラックロッジの大導師(グランドマスター)。魔導書「ナコト写本」を所有し、鬼械神「リベル・レギス」を使役する。背徳の獣、聖書の獣と謳われる、金髪と金色の瞳の美青年。生身でデモンベインと渡り合えるほどの驚異的な戦闘能力を持つ。実在の魔術師、アレイスター・クロウリーが名前の元と思われる。リベル・レギスは、彼の著書『法の書(LIBER AL VEL LEGIS)』のこと。またブラックロッジはクロウリーが書いた小説『ムーンチャイルド』に、敵の魔術組織として出てくるが、オカルト用語では「黒魔術結社」という意味で一般的に使われる。彼が所有する「ナコト写本」の人型の名「エセルドレーダ」はクロウリーの(性悪な?)飼い犬の名前。その正体は、アンチクロスが1人、ネロと、旧支配者ヨグ=ソトースとの間に生まれた邪神の御子(恐らくはダニッチの怪に登場するウィルバー・ウェイトリィと同様の存在)である。
エセルドレーダ
声 - 神田理江
人類誕生以前に古の種族によって書かれたという最古の魔導書「ナコト写本」の精霊。アルのように少女の姿を象る。マスターテリオンに異常なまでの忠誠を誓っている。
ドクター・ウェスト
声 - 山崎たくみ / Prof.紫龍
ブラックロッジの破壊メカ製作担当。「~なのである」という口調で話す。自らを一億年に一人の大天才を自称し、事実デモンベインのコピーロボットを数日で作り上げたり、完全な自我を持った人造人間を作り上げたりとそれに相応しい頭脳を有するが言動その他がおよそ常軌を逸するマッドサイエンティスト。ブラックロッジからの構成員にも慕われていたりしている。小説版によれば、過去にミスカトニック大学で医学を学んでいた経緯をもつが、在学中のある出来事がきっかけで大学を中退。
最初に出会った時から九郎を一方的にライバル視しており、アルの断片を捜索する際にも度々衝突している。九郎からは「電波野郎」とも言われている。だが、アンチクロスの反逆や部下のことを駒としてしか見ていない態度が自分なりの美学とは反していたため、最終的には九郎達の側に付きサポートするようになる。
ギターケース型の対人ロケットランチャーを使う。事あるごとにエレキギターで弾き語る。
名前の元になっているのは、H・P・ラヴクラフトの『死体蘇生者ハーバート・ウェスト』の主人公。
エルザ
声 - 佐藤美佳子 / 神村ひな
ドクター・ウェストが製作したロボ娘。語尾に「~ロボ」と付ける。
ウェストの大学時代の共同研究者の女性(小説版設定)、あるいは彼の妹(シナリオ担当談)をモデルとして製作したらしい。戦闘能力は高いが、製作者が製作者なのでロボット三原則などお構いなし(全く言う事を聞かない)。性格(演算回路?)にも相当問題あり。第六感回路も内蔵されているらしく、勘で攻撃をかわしたりもする。作中では敵対しながらも九郎に惚れ込み、彼を「ダーリン」と呼ぶようになる。
拳銃型トンファーや、どこからか飛んでくる棺桶に収められた術式魔砲「我、埋葬にあたわず(ディグ・ミー・ノー・グレイブ)」を使って戦う。
名前の元になっているのは、『フランケンシュタインの花嫁』で「The Mate」を演じたエルザ・ランチェスター

アンチクロス(逆十字)

ブラックロッジの7人の大幹部。全員がローマ皇帝の名を持つ魔術師であり、それぞれ専用の鬼械神を持つ。

アウグストゥス
声 - 若本規夫
マスターテリオンの側近。九郎たちの前には最後に姿を現すが、アンチクロスの中では比較的早い時期から登場している。白髪の黒人で、黒のスーツ姿で右手には葉巻を持ち、耳にはハート型のピアスをしている。魔導書「金枝篇」を所有し、強力なレーザ砲を主体とした鬼械神「レガシー・オブ・ゴールド」を使役。自身もまた光の魔術を得意としている。
アル・アジフの断片回収の件への杜撰な対応などからマスターテリオンに不信感を抱き、C計画に於けるクトゥルー召喚後に彼を裏切り、他のアンチクロスと共にブラックロッジを牛耳ろうと企てている。だが、その裏切りすらマスターテリオンの計算の内であった。
PS2版『機神咆吼』では後に王冠とマントを羽織り、「地球皇帝」を名乗る。
ティベリウス
声 - 矢尾一樹
死人使い(ネクロマンサー)。道化師姿で顔には仮面を付けており、喜怒哀楽に応じて付け替えている。男性だが女言葉で道化口調だが、弱者をいたぶるサディスト。魔導書「妖蛆の秘密」(デ・ウェルミス・ミステリイス)を所有し、鬼械神「ベルゼビュート」を使役。両手の鉄爪と触手を武器とし、鬼械神に搭乗した状態では怨霊を用いた衝撃波・呪弾の魔術を行使する。
すでに死んでいるが、魔導書の力により不死の肉体を持ち、銃で撃たれても体を切り刻まれても死なない。その不死身ぶり故に最も九郎達を苦しめたアンチクロスと言える。だが、魔導書が消滅すれば不死の能力も失い死ぬことになる。
シャイニング・トラペゾヘドロンの犠牲者第一号。ちなみにライカルートではデモンベインを駆った事もある。
カリグラ
声 - 郷里大輔
アンチクロス屈指の巨漢。骸骨の仮面にスーツを着用している。魔導書「水神クタアト」を所有し、鬼械神「クラーケン」を使役。強力なアームに水流を操り敵を貫く魔術を使う。自身も拳を一振りするだけで爆発を引き起こせる。
クラウディウスとは喧嘩友達だが、あまりに激しい喧嘩をするため、巻き添えで死者が出ている。普段は大人しいが怒らせると手がつけられない。
クラウディウス
声 - 今井由香 ※TVアニメは川上とも子
小柄な少年の姿をしていた魔術師。目の周りにはペイントを施している。性格は生意気で快活、非常に口が悪い。魔導書「セラエノ断章」を所有し、空中戦を得意とした鬼械神「ロードビヤーキー」を使役。玩具を模した魔術具を使用し、風を操り竜巻を引き起こしたり、鎌鼬で敵を切り裂くといった魔術を行使する。カリグラとは毎日のように喧嘩をしているが、同時にいつもつるんで行動しており、カリグラが九郎に倒されたときは激憤して暴れ回った。
ウェスパシアヌス
声 - 広瀬正志
杖を突いた老紳士。ムーンチャイルド計画の発案者であり、Cの巫女を作り出した張本人。魔導書「エイボンの書」を所有し、鬼械神「サイクラノーシュ」を使役。常に3体の使い魔「ガルバ」「オトー」「ウィテリウス」を従えており、3体の使い魔から魔術を発動したり、鬼械神からは使い魔を使用した呪縛結界などを用いる。また、この三体を身代わりとする事で、三度までなら死ぬことが出来る。
アウグストゥスが反乱成功させた際に片腕のように動く裏側で、マスターテリオンを魔術師として超えるために「C計画」最後の仕上げを企てる。
ティトゥス
声 - 中田譲治
二刀流。常人には見切れない神速の刀の使い手。 魔導書「屍食教典儀」を所有し、刀を使用する鬼械神「皇餓(オーガ)」を使役。力を求めるあまり人間を止め、第三・第四の腕を背に隠している。その強さのあまり、対等若しくはそれ以上に戦える相手が滅多に居らず、それにある種の渇きと倦怠感を憶えている。
ティベリウスと共に覇道家に乗り込んできた際、覇道家の執事ウィンフィールドと死闘を演じ好敵手として付け狙う。最終的に第三・第四の腕による不意打ちで勝負をつけたが、人間を超えずに限界の粋に達したウィンフィールドに自分の過ちに気づかされることになる。瑠璃ルートでは最後までウィンフィールドと死闘を演じ敗れた。
ネロ
声 - ???
「暴君」の異名を持つ魔道師でアンチクロスの紅一点。魔導書「無銘祭祀書」を所有し、鬼械神「ネームレス・ワン」を使役。その力はマスターテリオンと同等と言われるほど。オートマティックとリボルバーの二丁の魔銃を用いる。マスターテリオンから逃亡を図った現在は地下に幽閉されている。ムーンチャイルド計画の成功例でウェスパシアヌスにとっての最高傑作だが、実はそう仕組まれた存在で一連の真相を知っている。「Cの巫女」として「C計画」になくてはならない存在でもある。

謎の戦士

メタトロン
声 - ???
アーカムシティの守護者。名前は「天使王」とも表現される。顔を含めた全身を魔術が施された白いアーマーで包み隠しているため、正体は不明。フルボイスの『機神咆吼デモンベイン』の場合、その声から男性ではないと推測はできる。白い翼で空を翔る姿はまさに天使の名に相応しく、右手を変形して放つレーザーと、両手甲のビームサーベルを主な武器にするほか、全身に火器が仕込まれている。デモンベインが活動する以前から活躍しており、破壊ロボが現れると颯爽と現れては撃破することから、シティの人々からは正義の味方として扱われている。本人としては正義の味方を気取るつもりは無く、自身の個人的な理由で独り戦っている。本編中の選択肢によって定まったルートによって、メタトロンの正体が判明するか否か決定される。
サンダルフォン
声 - 檜山修之
メタトロンと対極をなす黒い天使。名前には「堕天使」という意味合いがある。全身に黒いアーマーをまとう。ブラックロッジに与し、メタトロンの現れるところ必ず出現する。メタトロンに一度殺されたことから憎悪を抱き、殺してメタトロンを超えることに激しく執着している。剣とレーザーを駆使するメタトロンとは異なり、魔術的に力を高められた拳のみで戦う。本名はリューガ・クルセイド。サンダルフォンの正体と素顔が判明するか否かも、メタトロンと同じくルートによって決まる。

その他

ライカ・クルセイド
声 - 黒河奈美 / 本山美奈
アーカムシティの教会で孤児達の世話をしているシスター。九郎のミスカトニック大学時代からの知り合いで、生活能力のない九郎を実質的に養っている。後に発売された外伝小説では女の情念系、コブシの効いた演歌を熱唱するなどの一面が垣間見られた。
本編の進め方によっては、実はアンチクロスの実験体ムーンチャイルドの生き残りで、サンダルフォンこと実弟のリューガが暴走した際に殺してしまった事を悔い、修羅としてブラックロッジを倒すために行動している事が判明する。なお、他のルートでも伏線は張られている。
ナイア
声 - 折笠愛
眼鏡をかけた古本屋の女主人。抜群にスタイルがいい。度々、九郎の前に現れては意味深な言葉を残して去っていく謎の人物でマスターテリオンとも浅からぬ関係がある。
その正体は無貌の神・這い寄る混沌 ナイアルラトホテップ。すべての黒幕である。
エンネア
声 - 成瀬未亜
ひょんな事から九郎の所にしばらくの間住む事となった少女。家事全般が凄く得意で、特に料理に関してはプロ並みの腕前。その正体はアンチクロス最強の暴君ネロで、一連の真相を知っている人物である。真相を知っている事から同時に絶望もしている。
ルルイエ異本
声 - こおろぎさとみ
クトゥルー崇拝に関わる禁断の魔導書ルルイエ異本の精霊。異界のものの召喚に関する知識が記されている。インスマウス沖の島の聖堂に祀られていたが、ウェスパシアヌスにより持ち出される。金と紫のオッドアイで、アル・アジフ、エセルドレーダ同様に少女の姿で、異界の装束を纏う。非常に無口で、喋るシーンは主に呪歌を紡ぐとき。
クトゥルーの召喚に必要不可欠であり、ブラックロッジにより「C計画」を実現する為に用いられる。

主題歌

PC版主題歌

「HOLY WORLD」
作曲・編曲:磯江俊道 作詞:Hassy 歌:生沢佑一

PC版エンディングテーマ

「天意悠久」
作曲・編曲:磯江俊道 作詞:江幡育子 歌:いとうかなこ

PS2版主題歌

「機神咆吼ッ! デモンベイン!」
作曲・編曲:大山曜 歌:生沢佑一
「Evil Shine」
歌:生沢佑一
「Shadow in the dark」
歌:いとうかなこ

サントラCD

「DEUS MACHINA DEMONBANE Original Sound Track」
発売元:ニトロプラス 販売元:ホビボックス

OVA「機神咆吼デモンベイン」

PS2用ソフト『機神咆吼デモンベイン』には、ゲームディスクとは別にOVAを収録したDVDが同梱されている。詳細は機神咆吼デモンベインを参照。

デモンベイン

デモンベインは主人公である大十字九郎とヒロインのアル・アジフが搭乗するいわゆる主役ロボ。覇道財閥が対ブラックロッジの切り札として用意した巨大ロボットである。覇道鋼造がデウス・マキナの構造と機能を模して造り上げたロボットで、魔術的存在であるデウス・マキナと、純粋に機械である破壊ロボの中間に位置する存在。オリジナルな魔導書を所有せず、正式なデウス・マキナを持たない鋼造が設計したためか魔術的構成はでたらめで、組み込まれる魔導書側からの改修が必要な状態であった。

装甲に特殊合金ヒヒイロカネを用い、何重にも魔術的防御が施されているため、通常兵器では傷一つ付ける事ができない。破壊ロボの必殺技「ジェノサイド・クロスファイアー」をうけてもびくともしない高い防御力を持つが、作中では敵の攻撃力が非常に高いため硬いというイメージはあまり無いようである。また、強力な防御陣を展開したり、後半になると自己修復ができるようになる為か、装甲の重要性をあまり感じさせない。「獅子の心臓」と呼ばれる魔道機関により搭乗する魔術師の魔力によって動き、全体に魔力を供給する為に伝導率の高い水銀を血液のように張り巡らせている。

操作時は操作系を担当する者の脳に直接情報が流れ込み、強い意志がないと過剰な情報に脳が追いついてこれず廃人になる恐れがある。制御系はオペレーターが行い、常に魔術方式を処理しなければならない。初陣の際はでたらめな魔術方式だったため、アル・アジフがほとんど改修した。

固定武装としては頭部のこめかみ部分にバルカン砲、右手には触れた対象に無限の熱量を流し込んで滅殺する第一近接昇華呪法 レムリア・インパクト」、両足に装備された断鎖術式ティマイオスクリティアスの時空間歪曲機構による近接粉砕呪法「アトランティス・ストライク」がある。また、この時空間歪曲機構の作用によって生み出される爆発的な反発力により推進する。携行武器として自動式拳銃クトゥグァ回転式拳銃イタクァを持つ。さらに中盤戦で、敵を完全消滅させる窮極呪法兵葬「シャイニング・トラペゾヘドロン」も使えるようになる。なお、レムリア・インパクトの発動には覇道財閥総帥である覇道瑠璃の承認が必要だが、ナアカル・コードの解除キーを使うことで瑠璃の承認無しでも発動が可能となる。終盤でアルの本来の鬼械神アイオーンのフライト・ユニット「シャンタク」を装着し飛行能力を獲得したほか、過剰なほどの機動力(それこそ地球の物理法則を無視した機動)を発揮できるようになる。

デザイン上の特徴としては、両足首から脚部前面を覆うように突き出た装甲が挙げられる。デザイナーによると、これはデモンベインが「正義側の最後の砦」であることから城壁をイメージしてデザインされたものらしい。

語源は「Demon:魔」を「Bane:滅ぼす」ということで「DemonBane:魔を滅ぼす者」。ゲーム本編では召喚の呪文中に「魔を断つ剣」という表現が用いられている。 なお、本機は初回起動時にオペレーターのアルに

「I'm innocent hatred.  I'm innocent rage.  I'm innocent sword.  I'm DEMONBANE」

と自ら名乗っている。アルはこの訴えを「我は憎悪に燃える空より産まれ落ちた涙。我は流された血を舐める炎に宿りし正しき怒り。我は無垢なる刃(魔を断つ刃、デモンベイン)」と受け取り、本機を起動した。

デウス・マキナの語源はラテン語の「デウス・エクス・マキナ」 ( DEUS EX MACHINA ) から。「機械仕掛けの神」という意味で、演劇等において収拾のつかなくなった事態を半ば強引に解決する存在を指す。作中では「鬼械神」という文字が当てられる。

評価

非常に個性の強いキャラクター、燃え、萌え、泣き、笑いがバランスよく組み込まれた完成度が高いシナリオで、シナリオに定評があるニトロプラス作品の中でも特に高い人気がある作品である。[要出典]

美少女ゲームでありながら男性キャラも高い人気を誇り、特にドクターウェストとウィンフィールドはテックジャイアンで行われた「2003年上半期に発売されたゲーム人気投票」で並み居る女性キャラを押しのけてそれぞれ4位と9位にランクインしている。なお同人気投票でヒロインであるアル・アジフは2位だった。

美少女ゲームには珍しく敵味方含め、メインで戦うキャラに女性キャラはメタトロンとエルザ(これも正確には女性型ロボット)のみで、殆どが男性キャラでありこの辺りも本作が燃えゲーと言われる由縁である。[要出典]

デモンベイン立体化計画

いわゆる巨大ロボットもののお約束ともいえる主人公ロボットの模型化については当然『斬魔大聖デモンベイン』においても例外ではなく、A-BRAND とのタイアップ企画として製品発売前から既に原型作成が行われており、デモンベイン立体化計画としてその製作途中の様子や原型を web やイベント等で公開していた。これにより本来畑違いであるはずの模型誌においても『斬魔大聖デモンベイン』が取り扱われることとなった。

また、プレイステーション2に移植が決定した際も立体化計画は立案され、今度は D2 Project として 2m 大のモデルが製作された。こちらは、2003年12月21日に秋葉原ラジオ会館で行われた「D2 Project 完成竣工式」を皮切りに各種イベントで展示されている。なおこの立体モデル作成には300万円ほどしたといいPS2版ガイドブックでは「これだけあれば雑誌の裏表紙取れるはずがモデルを優先した」との逸話も存在する。

完成したこの超巨大フィギュアはニトロプラス本社の入り口で社員や来客を出迎えている。

メディアミックス

小説

アニメ

  • 『機神咆吼デモンベイン』(OVA版)
  • 『機神咆吼デモンベイン』(TVアニメ版)
  • 『OUROBOROS RONDO』

漫画

  • 『機神咆吼デモンベイン コミックアラカルト』(著作:コンプティーク編集部、発行:角川書店)
  • 『機神咆吼デモンベイン』全4巻(原作:ニトロプラス、シナリオ:種子島貴、漫画:たなか友基、発行:角川書店)

ドラマCD

  • 機神咆吼デモンベイン ミニドラマCD vol.1~3(脚本:宮本夕生)

サウンドトラック

  • 機神咆吼デモンベインオリジナルサウンドトラック
  • Fabula Adamas 機神飛翔デモンベイン オリジナルサウンドトラック

カードゲーム

これらのほかに機神咆吼デモンベイン専用TCGがブロッコリーより販売された。

Dragon All Stars
ブロッコリートレーディングカードゲーム、ドラゴンオールスターズに参戦している。
収録エキスパンションは、どらぱれ
ディープエンジェルカードコレクション
ブロッコリートレーディングカードゲーム、ディープエンジェルカードコレクションに参戦している。
収録エキスパンションは、ハイグレードエディション。
ChaosTCG
ブシロードトレーディングカードゲーム、ChaosTCGに参戦している。
収録エキスパンションは、プロモーション専用配布。
Lycee
シルバーブリッツのトレーディングカードゲーム、Lyceeに参戦している。
収録エキスパンションは、Nitoroplus1.0など。

関連項目

外部リンク