メンズブラ
メンズブラとは男性がブラジャーを着ける行為、あるいはそのために男性専用に作られたブラジャー(後述)のことを指す。
着用者の多くは機能性を重要視し、女装や性的興奮を得るためのものではない[1]。また、ブラジャーをする男性を指してブラ男と呼ぶことがある[2]。
目的
ブラジャーは女性の乳房を支えることが基本目的であり、本来男性にはブラジャーは必要ない。しかし、安らぐためや、胸回りを締め付けて気分を引き締めるため[3] などの様々な理由により、男性がブラジャーを着用する例が報告されている。
その他に、下記のような理由で男性がブラジャーを着用するケースが考えられる。
- 機能性
- 上述のとおり、安らぐため、気分を引き締めるためなど。この項では主にこの理由について解説している。
- 生理的な理由
- 肥満や女性化乳房 (Gynecomastia) でブラジャーを付けないと生活上不便な場合。
- フェティシズム
- 性的嗜好としてブラジャーの触った感触や着けた感触、デザインの違いを楽しむ者もいる[4]。また色にこだわったりレースが好きな者、逆にシンプルなシームレスを好む者もいる。
- 性同一性に関する理由
- 性同一性障害などで、男性が自己の性自認を女性であると認識している場合(MtF)に着用することがある。性同一性障害に至らない場合で性別違和感を覚える場合も同様である。
- 女装
- 女性用衣服の一部として着ける、また体型を女性らしく補正するために胸パッドと共に着用する。
国際日本文化研究センターの井上章一は、「表面とは違う自分がいることを、自分だけにひそかにアピールしたい。そんな心理が働くのでは」と分析している[2]。
着用
男性が女性用のブラジャーを着用しようとすると、アンダーバストが足りないことがある。そのため、ゴムひも等でホックを引っかけて留めている人やホックがかからないまま放置している人、伸び縮みするスポーツブラを使う人、外国人に合わせて作られた輸入品のブラを使用している人、アンダーを長くする製品を使用する場合がある。この問題が発生しないよう男性用に独自に製作されたメンズブラが、2008年11月に東京の「ウィッシュルーム」から発売され[5]、楽天のランキングで1位となった。2012年現在、1日6枚程度のペースで売れている[1]。
ブラジャーを着け、下着やワイシャツが白いものだと外に透ける。しかし現在メンズブラは市民権を得ておらず[6]、これは通常の生活をしている男性の場合は不都合なので、一般に上にグレイや紺などの下着を着ける人もいる。
店頭での購入に抵抗がある場合、通販で購入する人がいる。また店頭でも試着は困難で、自分に合うサイズを見つけるのが難しい。
出典
- ^ a b ふんどし女子、メンズブラ・・・ 下着 薄れる性差 『中日新聞』2012年2月1日
- ^ a b 大木隆士「オレ 実はブラ男 ひそかに増殖中?」『読売新聞』夕刊、2008年2月23日
- ^ 人気の色はピンク? 黒? メンズブラ”の世界を徹底取材『リアルライブ』2010年7月16日
- ^ 青山まり 2005, p. 42.
- ^ Toshi Maeda (2008年11月21日). “Bra for the boys an online bestseller in Japan”. Reuters
- ^ 青山まり 2005, p. 14.
参考文献
- 青山まり『ブラジャーをする男たちとしない女』新水社、2005年。ISBN 978-4883850723。