マルチチャンネル

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マルチチャンネルとは、記録再生放送方法のひとつ。1つの記録・放送で複数のチャンネルを再生・受信できる。音声の場合は、サラウンドがそのひとつ。デジタル放送の場合は、1つの放送でA・B・Cチャンネルと3つのチャンネルが受信できるものがある。

日本のデジタルテレビ放送の事例

日本デジタルテレビ放送地デジBS)においては、1つの物理チャンネルハイビジョン1チャンネル分または、標準画質複数チャンネル分の周波数領域を確保しており、標準画質放送では同時に最大3つの異なる番組を編成することができる[1]。なお、マルチ放送開始直前と終了直後には画質切り替えにより画面の乱れが一瞬生じるため、普段、マルチ編成が行われない放送局ではその旨がテロップ等で挿入することがある。

マルチ放送実施の場合、NHKプロ野球中継などを例に挙げると、本放送終了5分前からテロップや実況アナウンサーによる告知が行われる。主チャンネルでの放送が終わり、マルチチャンネル放送が開始し、副チャンネルでプロ野球中継を続行。主チャンネルでは副チャンネルへの切り替え方法のお知らせを約1分間放送し、次番組を開始する。なお、副チャンネルでの放送が終了した後も画質切り替え時の画面の乱れを考慮し編成上では本放送の番組終了まで続けられるが、その間は「この時間帯は○○チャンネル(本放送)をご覧ください」等と表示するか、埋め合わせの映像(フィラー)を流し、主チャンネルへの視聴を誘導している。

現行ではNHK総合テレビジョン(以下、NHK総合)、NHK教育テレビジョン(以下、Eテレ)、NHK BS1(以下、BS1)、放送大学(地上波・BS共)、東京メトロポリタンテレビジョン(以下、TOKYO MX)、三重テレビケーブルテレビの自主放送が率先的に取り組んでいる。その他民放はマルチチャンネル分のスポンサー確保や視聴率などの問題があるため、ごく一部に限られている。

チャンネルの切換方法

  • 電子番組ガイド(EPG)
  • リモコンなどの上下キー
  • リモコンのテンキー(10キー)による3桁数字入力
  • リモコンの色ボタン(特にWOWOW
  • ※放送では主にチャンネルの切換が簡便である1-3の項目についての説明がなされている。

主な事例

地上波

地上波ワンセグ放送
  • Eテレ・ワンセグ2では土曜13時台、および月曜~金曜夜の5分枠でワンセグのみの独自番組を編成していた(こちらも高校野球中継期間中などで独自番組を休止する期間がある)が、2014年度をもってワンセグ独自編成の放送は事実上廃止され、現在は基本的にフルセグ1chのサイマル放送のみである(ワンセグでは日中に行うマルチチャンネル編成での3chでの放送は受信できないため)
  • TOKYO MX、奈良テレビが「ワンセグ2サービス」(NHKのワンセグ2とは別)による独自編成・マルチ編成を行っている。TOKYO MXは地上波固定向け放送のマルチ編成に同じ。奈良テレビはワンセグ独自の編成を組んでいる(地上波固定向け放送は現在マルチ放送をしていない。またワンセグはサブの2ch(092)で配信されており、地上波固定向け放送の番組は1ch(091)で視聴するが、当初は地上波の内容が2ch、ワンセグ独自編成が1chであった)。なお、2014年4月1日放送からTOKYO MXは固定向け放送でも終日マルチ編成を行っており、現在の編成は固定向け放送・ワンセグ共通。
その他

BS

  • NHK BS1では、スポーツ中継(特にNHKプロ野球大リーグ中継など)に採用されており、101ch(IDキー1番)で予定の終了時間までに試合が終わらない場合、予備の102ch(同2番)に切り替えてスポーツ中継の続きを行う(101chはハイビジョン画質のままで通常放送を行う)。再編前はBSハイビジョン放送(103ch=ID3番。現在のNHK BSプレミアム)の予備放送チャンネルである104chを使って同様のサービスを行った。大相撲中継では再編前にBS2で放送していた原則として幕下下位以下の取組[5]を現在では102chで総合テレビの放送開始までリレー中継している。なお現在のBSプレミアムでも104を予備チャンネルとしているがめったにマルチ編成を行うことはない。
  • BS日テレでは2014年3月の本社移転(汐留日テレタワー)に伴うマスター更新に伴い、マルチ編成を主としてスポーツ中継(プロ野球・読売ジャイアンツ主管試合)、QVC(CSの通販専門チャンネルの再送信)で実施する。
  • WOWOWではかつて、深夜・早朝やスポーツ中継(テニス他)実施時間帯の一部で標準画質でのマルチ放送を行っていたが、2011年10月からハイビジョンの独立3チャンネル体制 (WOWOWプライム・ライブ・シネマ) に移行している。

脚注

  1. ^ 一例としては、1chでニュース番組、2chでドラマ、3chでスポーツ中継といった具合である。
  2. ^ 24時間マルチチャンネル編成をスタート(PDF、2014.2、TOKYO MX)
  3. ^ これはこの番組が全局ネットではあるも、あくまで全編ローカルセールス枠であり、スポンサーの融通が利くためである。土曜日もタイガース戦中継をする日があるが、こちらは直後の番組がネットワークセールス枠であるため、マルチ編成を行う頻度は少ない。
  4. ^ 2013年度は19時まで定時番組が編成される関係で、18:15-19:00にも2chでトップ中継を行った。
  5. ^ 十両・幕内の取り組みでも、国会中継や祝日編成など、やむを得ない事情で地上波で放送できない場合は、地上波の放送開始前までBS1で放送。

関連項目

外部リンク