ポイント賞
自転車競技大会のロードレースのステージレースにおいて、総合成績、山岳賞と並び、主要3部門賞と言われているのがポイント賞(ぽいんとしょう。英: Points Classification)である(なお、英語では『Sprint Classification』(スプリント賞)と呼ぶこともある)。
概要
ポイント賞がグランツールで設けられたのはいずれの大会も第二次世界大戦後のことである。ツール・ド・フランスは1953年、ブエルタ・ア・エスパーニャは1955年、ジロ・デ・イタリアは1966年にそれぞれ設けられた。
トラックレースにもポイントレースという種目があるが、要領はそれとほぼ同じである。各コースに設定されたポイント地点とゴール地点において早く到達した順に高いポイントが付与され、完走した選手の中から一番ポイントを稼いだ選手が受賞となるが、特にゴール地点は中間のポイント地点よりも高いポイントが与えられており、ここでの順位がとりわけ重要である。
ツール・ド・フランスにおいては、平坦なステージには高いポイントが与えられ、難易度の高い山岳ステージほどポイントが低く、完全にスプリンターのための賞となっている。特に序盤ステージは平坦コースが続き、ポイント賞を狙うスプリンター型選手にとってみればまさしく稼ぎ場のステージである。
これに対し、ジロ・デ・イタリアやブエルタ・ア・エスパーニャでは、平坦ステージも山岳ステージも与えられるポイントは同じであるため、山岳ステージで上位に入るオールラウンダーやクライマーもポイント賞争いの上位に入ったり、時にはポイント賞を獲得することがある。
平坦なステージにおける、ゴール前数キロメートルの大集団による高速走行とそこからのスプリントはしばしば落車を誘発し、ひいてはそれがもとで大量落車へと繋がるケースもしばしある。山岳賞争いと比較すると派手な印象があるポイント賞争いだが、こうした事故の危険性と常に隣り合わせであるのもまた特徴であるともいえる。
常連選手の特徴
この賞の常連選手というのは、短い距離のスプリントを得意とする反面、その脚質上とりわけ山岳コースを苦手としているスプリンター型選手が少なくなく、中には総合成績だけ見ると常に下位に甘んじている選手もいるが、一方で世界自転車選手権やクラシックレースといったワンデーレースで大活躍する選手も多いことや、競技期間が3週間にも及ぶグランツールも現在は平均時速が40Kmを越すという高速レース化が顕著となっており、そのため、主要3部門賞の中では今や総合成績に次ぐ重要な意味合いを持つものとなってきている。
したがってこの賞の獲得者はステージレースの区間優勝も数多く果たし、また年間を通じて争われる賞(現在であれば、UCIワールドツアー)の上位に名を連ねる選手も少なくない。
ポイント賞に関する記録
通算獲得回数上位選手
- ツール・ド・フランス・・・1996, 1997, 1998, 1999, 2000, 2001
- ブエルタ・ア・エスパーニャ・・・2002, 2003, 2004
- ツール・ド・フランス・・・1982, 1983, 1985, 1989
- ブエルタ・ア・エスパーニャ・・・1980, 1985, 1986, 1988
- ローラン・ジャラベール(フランス)・・・7回
- ツール・ド・フランス・・・1992,1995
- ジロ・デ・イタリア・・・1999
- ブエルタ・ア・エスパーニャ・・・1994,1995,1996,1997
全グランツール受賞達成者
過去4人達成。
- ツール・ド・フランス・・・1969,1971,1972
- ジロ・デ・イタリア・・・1968
- ブエルタ・ア・エスパーニャ・・・1973
- ツール・ド・フランス・・・1993,1994
- ジロ・デ・イタリア・・・1994
- ブエルタ・ア・エスパーニャ・・・1992
- ローラン・ジャラベール(フランス)・・・重複を避けるため、上記参照。
- ツール・ド・フランス・・・2010
- ジロ・デ・イタリア・・・2004
- ブエルタ・ア・エスパーニャ・・・2005
グランツールにおけるポイント賞受賞者
※太字は総合優勝&ポイント賞
※斜太字は総合優勝&ポイント賞&山岳賞
関連項目
脚注
- ^ アルベルト・コンタドール成績取り消しに伴う繰り上げ
- ^ ダニーロ・ディルーカ成績取り消しに伴う繰り上げ
- ^ アレサンドロ・ペタッキ成績取り消しに伴う繰り上げ