ヘリコプター揚陸艦
ヘリコプター揚陸艦(ヘリコプターようりくかん、Landing Platform Helicopter,LPH)は、揚陸艦の一種である。全通甲板のヘリコプター甲板を持ち揚陸手段としてヘリコプターを運用する作戦を実行する能力がある揚陸艦であり、広義には水上からの揚陸能力を併せ持つ強襲揚陸艦等を含む。
概要
第二次世界大戦より後に初めて広義の強襲揚陸艦として用いられたのがヘリコプター揚陸艦タイプで、アメリカ合衆国・イギリスともに航空母艦としての運用に適さなくなった艦を艦種変更でヘリコプター揚陸艦とした。
ヘリコプター揚陸艦は揚陸能力をヘリコプターに完全に依存しているため、実戦に投入されるとヘリコプターの離着艦が不可能な悪天候下での揚陸作戦の実行は不可能、戦車などの重量物を揚陸することができないという弱点が明らかになる。このため狭義のヘリコプター運用能力に特化した揚陸艦としては新造は少なく、航空母艦から転用された例を含めても比較的少数にとどまる。この弱点を補うため、以降の新造艦ではヘリコプター揚陸艦同等のヘリコプター運用能力にドック型揚陸艦等の上陸用舟艇による揚陸機能とを併せ持った狭義の強襲揚陸艦へと発展することとなった。
イギリスではこの艦種をコマンド母艦 (Commando Carrier) と呼ぶ。艦種変更のほか、アメリカではイオー・ジマ級、イギリスでは「オーシャン」が新造されている。
各国のヘリコプター揚陸艦
- セティス・ベイ(USS Thetis Bay, LPH-6)[脚注 1]
- ブロック・アイランド(USS Block Island, LPH-1)[脚注 2]
- ボクサー級強襲揚陸艦[脚注 3]
- イオー・ジマ級強襲揚陸艦[脚注 4]
脚注
- ^ カサブランカ級航空母艦→1955年CVHA-1に類別変更→1959年LPH-6に類別変更
- ^ コメンスメント・ベイ級航空母艦→1957年類別変更→就役せず再度CVEに類別変更され退役
- ^ エセックス級航空母艦からの類別変更。同型艦3隻
- ^ 新造艦。同型艦7隻
- ^ セントー級航空母艦→1962年類別変更
- ^ セントー級航空母艦→類別変更
- ^ セントー級航空母艦→1971年類別変更→1981年V/STOL空母に再改装
- ^ 新造艦。同型艦なし