パンサラッサ (競走馬)

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パンサラッサ
2022年天皇賞秋
欧字表記 Panthalassa[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2017年3月1日(7歳)[1]
ロードカナロア[1]
ミスペンバリー[1]
母の父 Montjeu[1]
生国 日本の旗 日本北海道新ひだか町[2]
生産者 木村秀則[1]
馬主 広尾レース(株)[1]
調教師 矢作芳人栗東[1]
競走成績
生涯成績 23戦6勝[1]
中央:22戦5勝
海外:1戦1勝
獲得賞金 5億3973万6500円
中央:3億170万円[1]
UAE:195万米ドル[3][注 1]
(2022年10月30日現在)
勝ち鞍
GI ドバイターフ 2022年
GII 中山記念 2022年
GIII 福島記念 2021年
Listed オクトーバーS 2021年
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パンサラッサ(欧字名:Panthalassa2017年3月1日 - )は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍は2022年ドバイターフ中山記念2021年福島記念

馬名の由来は、かつての地球に存在した海の名前(パンサラッサ)。父名からの連想。

戦績

2歳(2019年)

9月21日、阪神競馬場の芝1600mコースで行われた新馬戦に鞍上坂井瑠星で出走しデビューしロータスランドの6着に敗れる。阪神芝2000m未勝利戦の2着を経て、初勝利は3戦目の10月12日の京都競馬場での未勝利戦 (芝2000m/内回り) であった。12月28日のホープフルステークスに12番人気で重賞初挑戦するも同厩コントレイルの6着に敗れる。

3歳(2020年)

3歳シーズンに入り、1月26日の若駒ステークスから始動するも4着。その後は弥生賞ディープインパクト記念に出走するが9着に敗れた。6月20日の阪神競馬場での3歳上1勝クラスで2勝目を挙げると、中1週で挑んだラジオNIKKEI賞では2着に入った。夏が明け、9月27日には距離延長で神戸新聞杯に出走するが、僚馬コントレイルの12着に敗れる。その後はオクトーバーステークス、アンドロメダステークスとリステッド競走を連戦するも、それぞれ2着、4着と勝ちきれなかった。12月12日にはダートに転戦し師走ステークスに出走。1番人気に推されたものの、11着に惨敗した。

4歳(2021年)

2月7日、芝に戻って関門橋ステークスに出走、ワールドウインズのクビ差2着となる。その後は中山記念に出走するも7着、読売マイラーズカップでは左前肢跛行により競走除外を受けた[4]

10月17日、オクトーバーステークス (東京・芝2000m) で鞍上吉田豊が得意とする逃げ戦法で1年4カ月ぶりの勝利を挙げ、逃げ戦法に活路を見出した。11月14日、福島記念 (福島・芝2000m) に5番人気で鞍上菱田裕二で出走。1000メートルを57秒3のハイペースで後続を突き放し最後の直線も先頭を譲らず4馬身差の逃げ切り勝ちで2連勝、重賞初勝利を挙げた。なお、この日、キャリア2戦目(阪神内回り2000mの2歳未勝利戦)で自身を下したアカイイトエリザベス女王杯で勝利し重賞初勝利を挙げている。

5歳(2022年)

5歳初戦として、中山記念(GII)に出走。2番人気に推されたレースでは、抜群のスタートから難なく主導権を取り、1000m57秒6のハイラップで大逃げ。さらに後続との差を広げていき、最後まで押し切って重賞2勝目を飾った[5]

次走として3月26日のドバイターフ(G1)に出走。抜群のスタートを切り、先頭に難なく立ち1馬身リードし、そのリードを保ったまま最終直線に突入。外から追い縋る前年覇者のロードノースと追い比べとなり、さらに外からヴァンドギャルドも差し切り態勢に入って三頭並んでゴール前を通過。長い写真判定の末、最内パンサラッサと真ん中のロードノースが1着同着となり、G1初制覇を果たした[6]。馬主の広尾レースは前身のサウスニアレースホース時代を通じてGI級競走初優勝。鞍上の吉田豊にとっても2010年のマイルチャンピオンシップ南部杯オーロマイスター以来の優勝、海外GIはともに初制覇となった。レース後、矢作師はロードノースの次走がプリンスオブウェールズステークスの予定であることを踏まえて、「もしロードノースがプリンスオブウェールズに行くなら、私たちも行かなければいけないでしょう」と同レースへの参戦も示唆した[7]

しかしプリンスオブウェールズステークスには向かわず、8月21日に行われたGII札幌記念に出走。GI3勝を挙げこのレース連覇を狙うソダシ金鯱賞でレコード勝ちしたジャックドールなどのメンバーを抑えて1番人気に推された。レースでは行き脚がつかず序盤は2番手も、促してハナへ。大逃げとはいかず、道中は他馬を引きつけたまま進んだ。最後の直線では逃げるもジャックドールに捉えられ、最後までもつれたが2着に敗れた。鞍上の吉田豊は「この馬なりにらしさを出してよく食い下がってくれた。行き切ってからは楽ですが、二の脚が遅く最初に苦労する。3、4角でセーフティーリードが欲しかったですが、よく頑張ってくれました」とコメント。管理する矢作調教師は「どうしてもダッシュが悪くなって前に行かなくなっているね。4角でもっと引き離すんだけど。馬がいい子になりすぎて荒々しさが消えている感じがある。ただ、偉い馬。タフな馬場も合っていたと思う」と話した[8]

10月26日、矢作は12月11日に沙田競馬場で行われるGI香港カップの招待を受諾し、天皇賞後に出走する予定であることを明かした[9]

秋初戦として東京競馬場で行われたGI天皇賞(秋)に出走。2枠3番からのスタートとなり、7番人気で迎えたレースではスタート直後に先頭に立つと、1000メートル通過が57秒4(1998年第118回〉のサイレンススズカと同タイム[10])のハイペースを演出。直線に向いても後続は15~20馬身ほど後方で、このまま逃げ切るかという局面までたどりついたが、ゴール寸前で上がり3ハロン32秒7という豪脚を見せ迫ってきた1番人気イクイノックスに差し切られ1馬身差の2着に敗れた。騎乗した吉田豊は「雰囲気は良かったです。最近はゲートがひと息だったのでゲートだけと思っていましたが、これだけ出てくれて、枠も良かったので、向正面では気分良く行けました。涼しくなって状態も上がっていたんでしょう。最後まで頑張ってくれていたので、何とかしたかったです」とコメントした[11]

競走成績

以下の内容は、JBISサーチ[12]およびnetkeiba.com[13]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2019.09.21 阪神 2歳新馬 芝1600m(良) 15 7 13 007.00(4人) 06着 R1:38.0(34.4) -0.8 0坂井瑠星 53 ロータスランド 458
0000.09.28 阪神 2歳未勝利 芝2000m(良) 7 1 1 016.40(4人) 02着 R2:02.6(34.7) -0.2 0坂井瑠星 53 アカイイト 458
0000.10.12 京都 2歳未勝利 芝2000m(不) 12 6 8 005.40(2人) 01着 R2:08.4(40.3) -2.5 0坂井瑠星 54 (サトノヴィーナス) 456
0000.12.07 阪神 エリカ賞 1勝 芝2000m(良) 11 7 8 013.20(6人) 06着 02:01.2(35.0) -0.6 0池添謙一 55 ヒュッゲ 458
0000.12.28 中山 ホープフルS GI 芝2000m(良) 13 6 9 173.4(12人) 06着 R2:02.7(37.7) -1.3 0坂井瑠星 55 コントレイル 456
2020.01.26 京都 若駒S 芝2000m(良) 6 6 6 008.20(5人) 04着 R2:02.9(37.3) -0.4 0坂井瑠星 56 ケヴィン 452
0000.03.08 中山 弥生賞ディープ記念 GII 芝2000m(重) 11 3 3 016.30(5人) 09着 R2:04.1(37.5) -1.2 0坂井瑠星 56 サトノフラッグ 452
0000.06.20 阪神 3歳上1勝クラス 芝2000m(良) 12 6 8 006.20(3人) 01着 R2:00.0(35.8) -0.4 0松山弘平 54 (ディープキング) 462
0000.07.05 福島 ラジオNIKKEI賞 GIII 芝1800m(稍) 12 8 11 015.80(7人) 02着 R1:48.1(36.4) -0.8 0三浦皇成 54 バビット 458
0000.09.27 中京 神戸新聞杯 GII 芝2200m(良) 18 5 10 067.9(10人) 12着 R2:13.9(37.6) -1.4 0坂井瑠星 56 コントレイル 474
0000.10.18 東京 オクトーバーS L 芝2000m(稍) 16 7 14 006.90(4人) 02着 R1:59.6(35.8) -0.1 0藤岡佑介 54 テリトーリアル 464
0000.11.21 阪神 アンドロメダS L 芝2000m(良) 15 5 8 006.40(3人) 04着 R1:59.3(35.9) -0.5 0坂井瑠星 53 アドマイヤビルゴ 474
0000.12.12 中山 師走S L ダ1800m(良) 16 4 8 004.60(1人) 11着 R1:53.6(39.4) -1.2 0戸崎圭太 54 タイキフェルヴール 470
2021.02.07 小倉 関門橋S OP 芝2000m(良) 11 7 8 004.00(3人) 02着 R2:00.5(36.8) -0.1 0菱田裕二 55 ワールドウインズ 468
0000.02.28 中山 中山記念 GII 芝1800m(良) 14 7 12 027.40(9人) 07着 R1:45.7(34.7) -0.8 0三浦皇成 55 ヒシイグアス 470
0000.04.25 阪神 マイラーズC GII 芝1600m(良) 15 2 3 除外 0坂井瑠星 56 ケイデンスコール 476
0000.10.17 東京 オクトーバーS L 芝2000m(稍) 18 1 2 010.90(5人) 01着 R2:00.0(35.9) -0.0 0吉田豊 56 (プレシャスブルー) 476
0000.11.14 福島 福島記念 GIII 芝2000m(良) 16 4 8 009.00(5人) 01着 R1:59.2(37.6) -0.6 0菱田裕二 56 (ヒュミドール) 474
0000.12.26 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 1 2 045.50(8人) 13着 R2:34.4(39.1) -2.4 0菱田裕二 57 エフフォーリア 480
2022.02.27 中山 中山記念 GII 芝1800m(良) 16 3 5 004.40(2人) 01着 R1:46.4(37.3) -0.4 0吉田豊 56 カラテ 482
0000.03.26 メイダン ドバイターフ G1 芝1800m(良) 14 12 11 004.50(2人) 01着 R1:45.77 同着 0吉田豊 57 Lord North 計不
0000.06.26 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(良) 17 6 11 010.20(6人) 08着 R2:10.8(37.4) -1.1 0吉田豊 58 タイトルホルダー 476
0000.08.21 札幌 札幌記念 GII 芝2000m(良) 16 2 3 003.30(2人) 02着 R2:01.2(37.7) -0.0 0吉田豊 57 ジャックドール 470
0000.10.30 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 15 2 3 022.80(7人) 02着 R1:57.6(36.8) -0.1 0吉田豊 58 イクイノックス 472
  • 競走成績は2022年10月30日現在

血統表

パンサラッサ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミスタープロスペクター系キングマンボ系
[§ 2]

ロードカナロア
2008 鹿毛
父の父
キングカメハメハ
2001 鹿毛
Kingmambo Mr. Prospector
Miesque
*マンファス *ラストタイクーン
Pilot Bird
父の母
レディブラッサム
1996 鹿毛
Storm Cat Storm Bird
Terlingua
*サラトガデュー Cormorant
Super Luna

*ミスペンバリー
Miss Pemberley
2002 鹿毛
Montjeu
1996 鹿毛
Sadler's Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Floripedes Top Ville
Toute Cy
母の母
Stitching
1992 黒毛
*ハイエステイト Shirley Heights
Regal Beauty
Itching Thatching
Alligatrix
母系(F-No.) (FN:9-f) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 5×4、Special、Thatch 5×5 [§ 4]
出典
  1. ^ [14]
  2. ^ [15]
  3. ^ [14]
  4. ^ [14][15]


脚注

注釈

  1. ^ 日本円で、2億3803万6500円。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n パンサラッサ”. www.jbis.or.jp. 2022年10月30日閲覧。
  2. ^ パンサラッサ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年2月27日閲覧。
  3. ^ ロードノースとパンサラッサ、接戦の末にドバイターフ同着優勝(ドバイ)[その他]”. 2022年4月5日閲覧。
  4. ^ “【マイラーズC】競走除外のパンサラッサは左前肢跛行”. netkeiba.com (ネットドリーマーズ). (2021年4月25日). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=187042 2021年11月23日閲覧。 
  5. ^ “【中山記念】パンサラッサ 2馬身半差大逃げV 矢作師「ドバイも考えたい」”. https://news.sp.netkeiba.com/?pid=news_view&no=200275 2022年3月1日閲覧。 
  6. ^ 【ドバイターフ】3頭の大接戦 パンサラッサが昨年覇者ロードノースと同着V、ヴァンドギャルド3着 - Sponichi Annex 2022年3月27日
  7. ^ 【ドバイターフ】同着Vパンサラッサに欧州遠征プラン浮上!矢作師「ロードノースが行くなら」”. JRA-VAN ver.World. 2022年3月29日閲覧。
  8. ^ “【札幌記念】パンサラッサは大逃げならず2着 矢作師「いい子になりすぎて荒々しさが消えている感じがある」”. https://tospo-keiba.jp/breaking_news/18778 2022年10月30日閲覧。 
  9. ^ 【天皇賞】パンサラッサ 秋の盾から香港カップの転戦を予定 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2022年10月31日閲覧。
  10. ^ 【天皇賞・秋】大逃走パンサラッサにネットも大興奮「なんかドラマ」スズカと同じ57秒4で1000m通過 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル”. スポニチ Sponichi Annex. 2022年10月31日閲覧。
  11. ^ “【天皇賞・秋】吉田豊「何とかしたかった…」パンサラッサ大逃走の末に2着”. https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=211653 2022年10月30日閲覧。 
  12. ^ "競走成績:全競走成績|パンサラッサ". JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2021年11月14日閲覧
  13. ^ "パンサラッサの競走成績". netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2021年11月14日閲覧
  14. ^ a b c >血統情報:5代血統表|パンサラッサ”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2021年12月15日閲覧。
  15. ^ a b パンサラッサの血統表”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2021年12月15日閲覧。
  16. ^ ハイエステイト(IRE)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年3月29日閲覧。
  17. ^ 繁殖牝馬情報:牝系情報|Alligatrix(USA)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年3月29日閲覧。

外部リンク