エルヴィス・コステロ
エルヴィス・コステロ OBE | |
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トロント国際映画祭にて(2009年) | |
基本情報 | |
出生名 | デクラン・パトリック・アロイシャス・マクマナス |
別名 | |
生誕 | |
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担当楽器 | |
活動期間 | 1970年 - |
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デクラン・パトリック・アロイシャス・マクマナス(Declan Patrick Aloysius MacManus OBE、1954年8月25日 - )は、エルヴィス・コステロ(Elvis Costello)の名で知られるイングランドのミュージシャン、作曲家、プロデューサーである。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第80位。
経歴
[編集]1954年にイングランドのリヴァプールに生まれる。芸名の「エルヴィス・コステロ」は、エルヴィス・プレスリーと、父方の祖母の旧姓コステロに由来する。「コステロ」はイタリア系の響きに聞こえるが、一般にアイルランド系の名前として多い苗字である。父親のロス・マクマナスはアイルランド系のジャズ・ミュージシャンで、ジョー・ロス&ヒズ・オーケストラでシンガー&トランペッターをつとめた。コステロは父親がもらってくる大量の試聴用レコードに囲まれて育ち、その豊富な音楽的素養を培い、音楽への関心を深めていった。幼少よりビートルズ、特におなじアイルランド系のジョン・レノンの影響を受けて育った。[4]
1972年にアラン・メイズのバンド「ラスティ」に誘われて加入し(当時の名義はD.P.マクマナス)、12か月ほどクラブやリサイタルホールで数多くのギグをこなした。その後、働きながら「フリップ・シティ」というバンドで活動を始める。1974年7月21日にロンドンのステップニーで開催されたイベント<E1 Festival>にフリップ・シティとして出演した。デビュー前の1974年に最初の妻・メアリーと結婚、デビュー時には既に長男・マシューがいた。
1977年パブロックムーブメントの立役者ニック・ロウのプロデュースにより、シングル『レス・ザン・ゼロ(Less Than Zero)』[5]でデビュー。当時はインディーズの代表レーベルである、スティッフ・レコードからレコードが発表されていた。その後、ニック・ロウとともにレイダー・レーベルに移籍している。 ファースト・アルバムは『マイ・エイム・イズ・トゥルー(My Aim Is True)』(1977)である[6]。 セカンド・アルバムの『ディス・イヤーズ・モデル(This Year's Model)』(1978)は日本でも発売された。このアルバムからは自身のバンドであるジ・アトラクションズを率いるようになった。デビュー当初のコステロは、パンク調の作品が多く「怒れる若者」とも言われた。初来日時東京にてプロモーションのため、トラックの荷台に乗り日本の学生服を着てライヴ・パフォーマンスを行ったが、この時は全く見向きもされなかったという[7]。ライブ盤の後の3枚目のオリジナル・アルバム『アームド・フォーセズ』まではニュー・ウェーヴのミュージシャンとして注目を集めたが、80年代に入ってからは注目度が薄れた。コステロにとって80年代は、大人向けの音楽を演奏するミュージシャンへの、産みの苦しみの時期であった。
彼は、その後もソロやオーケストラとのコラボレーション等々、多彩な活動を展開した。ビートルズのメンバーで、同じアイルランド系のポール・マッカートニーとも共作し、「ヴェロニカ」を発表した。その他、有名なものとしては「マイ・ブレイブ・フェイス」、「ソー・ライク・キャンディ」がある。また、ポール・マッカートニーに、彼のトレードマークであるヘフナー・500-1の再使用を勧めたのはコステロであると言われている。
2000年以降はNorthのようなジャズ作品や、アラン・トゥーサンとの共作であるThe River In ReverseではR&B、Secret, Profane & Sugar Caneではカントリー・ミュージック、Il Sognoではバレエ音楽を手がけるなど、など従来の枠に収まらない活動を積極的に行っている。2003年に「エルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズ(Elvis Costello & the Attractions) 」名義でロックの殿堂入りを果たした。
シングル"A Town Called Big Nothing (Really Big Nothing)"では父と親子共演を果たしている。プロデューサーとして関わったのが縁でザ・ポーグスのベーシスト、ケイト・オリオーダンと1986年に再婚。2003年にはジャズ歌手のダイアナ・クラールと3度目の結婚。2006年に双子の息子が生まれている。
カップヌードルの発明者である安藤百福への敬意から、自身のアルバムに『momofuku(百福)』と名付けたものがある。またフジロック・フェスティバルにも、複数回出演している。
2018年7月6日、癌の悪性腫瘍の除去手術を受けていたことを明らかにした。手術後にツアーを開始していたが、体力回復に時間がかかるため、その後予定されていた欧州公演をキャンセルすると発表した。
ディスコグラフィ
[編集]シングル(イギリス盤のみ)
[編集]- 1977 - Less Than Zero / Radio Sweetheart
- 1977 - Alison / Welcome To The Working Week
- 1977 - (The Angels Wanna Wear My) Red Shoes/Mystery Dance
- 1977 - Watching The Detectives
- 1978 - (I Don't Want To Go To) Chelsea
- 1978 - Pump It Up
- 1978 - Radio Radio
- 1979 - Oliver's Army
- 1979 - Accidents Will Happen
- 1980 - I Can't Stand Up For Falling Down
- 1980 - High Fidelity
- 1980 - New Amsterdam
- 1980 - Clubland
- 1981 - From A Whisper To A Scream
- 1981 - Good Year For The Roses
- 1981 - Sweet Dreams
- 1982 - I'm Your Toy(live)
- 1982 - You Little Fool
- 1982 - Man Out Of Time
- 1982 - From Head To Toe
- 1982 - Party Party
- 1983 - Pills And Soap (The Imposter名義)
- 1983 - Everyday I Write The Book
- 1983 - Let Them All Talk
- 1984 - Peace In Our Time(The Imposter名義)
- 1984 - I Wanna Be Loved (radio version)
- 1984 - The Only Flame In Town
- 1985 - The People's Limousine(The Coward Brothers名義)
- 1986 - Don't Let Me Be Misunderstood(The Costello Show名義)
- 1986 - Tokyo Storm Warning - part 1+2
- 1986 - I Want You
- 1987 - Blue Chair (single version)
- 1987 - A Town Called Big Nothing (Really Big Nothing) (single version)(The MacManus Gang名義)
- 1989 - Veronica
- 1989 - Baby Plays Around
- 1991 - The Other Side Of Summer
- 1991 - So Like Candy
- 1993 - Jacksons, Monk And Rowe
- 1994 - Sulky Girl (single version)
- 1994 - 13 Steps Lead Down
- 1994 - You Tripped At Every Step
- 1994 - London's Brilliant Parade
- 1996 - It's Time (single version)
- 1996 - Little Atoms
- 1996 - The Other End (Of The Telescope)
- 1996 - Distorted Angel
- 1996 - All This Useless Beauty
- 1999 - Toledo
- 1999 - She
- 2002 - Tear Off Your Own Head (It's A Doll Revolution)
- 2002 - 45
- 2004 - Monkey To Man
- 2005 - Brilliant Mistake
アルバム
[編集]- 1977 - My Aim Is True (UK #14, US #32)
- 1978 - This Year's Model (UK #4, US #30)
- 1979 - Armed Forces (UK #1, US #10)
- 1980 - Get Happy!!(UK #1, US #11)
- 1981 - Trust (UK #9, US #28)
- 1981 - Almost Blue (UK #7, US #50)
- 1982 - Imperial Bedroom (UK #6, US #30)
- 1983 - Punch the Clock (UK #1, US #24)
- 1984 - Goodbye Cruel World (UK #10, US #35)
- 1986 - King of America (UK #11, US #39)
- 1986 - Blood and Chocolate (UK #16, US #84)
- 1989 - Spike (UK #2, US #32)
- 1991 - Mighty Like a Rose (UK #3, US #55)
- 1993 - The Juliet Letters (UK #18)
- 1994 - Brutal Youth (UK #2, US #34)
- 1995 - Kojak Variety (UK #21)
- 1995 - Deep Dead Blue
- 1996 - All This Useless Beauty (UK #28, US #53)
- 1998 - Painted from Memory, with Burt Bacharach (UK #32, US #78)
- 2001 - For The Stars , with Anne Sofie Von Otter
- 2002 - When I Was Cruel (US #20)
- 2003 - North (UK #44, US #57, US Traditional Jazz #1)
- 2004 - Il Sogno
- 2004 - The Delivery Man (US #40)
- 2005 - Piano Jazz: Costello/McPartland
- 2006 - My Flame Burns Blue
- 2006 - The River in Reverse , with Allen Toussaint
- 2008 - Momofuku
- 2009 - Secret, Profane & Sugar Cane
- 2010 - National Ransom
- 2013 - Wise Up Ghost , with the Roots
- 2018 - Look Now
- 2020 - Hey Clockface
- 2022 - The Boy Named If
主な編集盤
[編集]- 1980 - Ten Bloody Marys & Ten How's Your Fathers
- 1985 - The Man - The Best Of Elvis Costello & The Attractions
- 1987 - Out of Our Idiot
- 1989 - Girls, Girls, Girls
- 1994 - The Very Best Of Elvis Costello & The Attractions
- 1997 - Extreme Honey - The Very Best of Warner Brothers Years
- 2001 - The Very Best Of Elvis Costello
- 2002 - Cruel Smile
- 2003 - Singles, Volume 1
- 2003 - Singles, Volume 2
- 2003 - Singles, Volume 3
- 2007 - Best of Elvis Costello: The First 10 Years
- 2007 - Rock And Roll Music
- 2011 - Pomp & Pout: The Universal Years
日本公演
[編集]- 1985
- 1987年
- 1989
- 1991
- 1993
- 1994
- 1996
- 1998 FUJI ROCK FESTIVAL 98
- 1999
- 2002
- 2003 FUJI ROCK FESTIVAL 03
- 2003
- 2004
- 2006
- 2009 SUMMER SONIC 09
- 2011
- 3月1日 Bunkamuraオーチャードホール、3月3日 サンケイホールブリーゼ
- 2012 FUJI ROCK FESTIVAL 12
- 2013
- 12月11日,12日,13日 EXシアター六本木、12月15日 Zepp Namba
- 2016
- 2024
- 4月8日、9日 すみだトリフォニーホール、11日 ザ・シンフォニーホール、12日 浅草公会堂
映画出演
[編集]- ストレート・トゥ・ヘル - Straight to Hell(1987年、アレックス・コックス監督作品)
- 200本のたばこ - 200 Cigarettes(1999年、リサ・ブラモン・ガルシア監督作品) - 本人役
- Austin Powers - The Spy Who Shagged Me (1999年、ジェイ・ローチ監督) - 本人役- 路上演奏で登場
脚注
[編集]- ^ Upchurch, Michael (2014年4月17日). “Diana Krall takes fresh twist on forgotten tunes | Concert review”. The Seattle Times. 2021年6月30日閲覧。
- ^ The Juliet Letters (Media notes). Elvis Costello. Warner Bros Records. 1993.
- ^ a b c d e Erlewine, Stephen Thomas. “Elvis Costello | Biography & History”. AllMusic. All Media Network. 2021年6月30日閲覧。
- ^ ジョンのアルバムの『ザ・ヒッツ〜パワー・トゥ・ザ・ピープル』の解説によると、まだ少年だったコステロは「彼が(ビートルズの)リーダーだったことは、すぐにわかったよ。あの目は俺たち不良仲間と同じ目だったよ」と述べている。
- ^ http://www.songfacts.com/detail.php?id=1144
- ^ http://www.discogs.com/ja/artist/55029-Elvis-Costello
- ^ “エルヴィス・コステロ、かつて日本で行った路上ライヴが悲惨だったと語る”. NME Japan (2015年10月23日). 2015年10月31日閲覧。
関連項目
[編集]- スペシャルズ - デビュー・アルバム『スペシャルズ』にプロデューサーとして参加した。
- パブロック
- オースティン・パワーズ
- ノッティングヒルの恋人