山口晋 (政治家)

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山口 晋
やまぐち すすむ
2023年1月、施政方針演説中の山口
生年月日 (1983-07-28) 1983年7月28日(40歳)
出生地 日本の旗 日本埼玉県比企郡川島町
出身校 成城大学経済学部
一橋大学国際・公共政策大学院
シンガポール国立大学大学院
前職 東京ガス社員
山口泰明衆議院議員秘書
所属政党 自由民主党茂木派
親族 曽祖父・山口圭一郎(旧中山村長)
祖父・山口泰正(元川島町長)
父・山口泰明(元衆議院議員
公式サイト 山口すすむ公式サイト

選挙区 埼玉10区
当選回数 1回
在任期間 2021年11月2日[1] - 現職
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山口 晋(やまぐち すすむ、1983年(昭和58年)7月28日 - )は、日本政治家自由民主党所属の衆議院議員(1期)。衆議院議員を7期務めた山口泰明の次男。

来歴[編集]

生い立ちから会社員時代まで[編集]

1983年(昭和58年)7月28日埼玉県比企郡川島町生まれ。

川島町立中山小学校西武学園文理中学校・高等学校を経て、2006年3月、成城大学経済学部卒業。2008年3月、一橋大学国際・公共政策大学院修了。2011年2月、国立シンガポール大学リー・クワンユー公共政策大学院修了。

2011年4月、東京ガス入社。2015年4月から2017年9月まで東京ガスアジア社に出向し、シンガポールに滞在。2017年9月、東京ガスを退社[2]

政界入り[編集]

2018年1月より菅義偉衆議院議員(当時第4次安倍内閣内閣官房長官)事務所。2018年7月から9月まで内閣官房長官秘書官を務める。2019年1月より父・山口泰明衆議院議員事務所。

2021年7月、父の山口泰明が年内に予定される第49回衆議院議員総選挙に立候補しない意向を示した[3]。翌8月、後任候補者を選ぶ公募では次男の晋が選ばれた[4][5]。晋の選挙区支部長就任記者会見では、同席した自由民主党柴山昌彦埼玉県連会長から、「公募に名乗りをあげた24人の中から「厳正な審査」で晋氏が選ばれた」と重ねて説明し、「地元にかける熱意やプレゼンテーション能力などの観点から、『2世』ということを超越して候補者としてふさわしい」と強調した。晋は、一部の地元有権者からは「世話になったのは泰明さんだから」と露骨に距離感を示す発言をされたことを明かした上で、「そういう人を引き止めるのは難しい」としながらも、支援を受け続けるよう活動を続けていく意思を示した[6]。同年10月の衆院選では立憲民主党元職の坂本祐之輔との一騎打ちを僅差で制し(坂本は比例復活)、初当選した[注 1][7][8][9]

政策・主張・発言等[編集]

  • QUAD、ASEANとの連携強化による「自由で開かれたインド太平洋」の実現、拉致問題北方領土問題竹島問題尖閣諸島問題などに対する「力強い外交・防衛政策」の推進を主張[10]
  • 2023年5月、青年局の訪台団の一員として台湾を訪問し、蔡英文総統、頼清徳副総統らと面会をし、各会談では、災害対応における連携、台湾のCPTPPへの加入、東日本大震災の復興や一部で続く食品輸入規制の撤廃、ALPS処理水、半導体の製造や供給、エネルギー問題、民間レベルや若い世代同士の交流促進などの意見交換を行った[11]

外交安全保障[編集]

  • 2023年2月、衆議院予算委員会第三分科会で質疑に立ち、ロシアによるウクライナ侵攻について、「欧州とインド太平洋地域の安全保障は切り離しては議論できないことを示すもの」と指摘した上で、「日本を取り巻く環境は一段と厳しさを増しているものとの認識を改めて確認しておかなければなりません。そして、こうした中においてこそ、我が国が価値観を同じくする国々と協力、連携を強めていくことが大切」と語り、「地理的にも近く、基本的な価値観を共有するASEAN諸国との間で多面的な協力を深めていく」必要性を訴えた。また経済連携協定については、「価値観を同じくする同志国との間で、自由な物の流通を確保するための仕組みを整えていくことがより一層大事になってきている」と語っている[12]

エネルギー政策[編集]

  • LNGについて、「欧州や中国が国営企業や政府も関与する形で湾岸諸国とのLNGの長期契約を進め、LNG争奪合戦が激しくなっている」と指摘した上で、「ポイントは私は長期契約と多角化だと思っておりますので、是非、スポットに頼らない形で、このLNGの長期契約が、民間企業が契約できる形で、こういう環境整備に是非政府としても取り組んでいただければと思います」と述べている[12]

インフラ輸出[編集]

  • インフラ輸出を政府が積極的に推進しているとの認識を示した上で、「私は、まさに日本は、インフラシステム海外輸出というのが本当に日本のマーケットを広げる上でも重要になってくると思っておりますので、引き続き、大変な交渉も含め、進めていただければと思います。」と述べている。またインフラ輸出を担う日本企業を取り巻くリスクについて「官民対話の実施等迅速な情報共有が求められている」と指摘している[12]

不祥事[編集]

 2023年11月24日、赤坂のラウンジで共に飲酒して相手の家に送り届けた時、相手女性の自宅ドア前で20代女性に対する不同意での“泥酔キス”トラブルを起こし、その現場を相手女性の母親に目撃され、その母親から30万円を慰謝料として請求されていたことが週刊ポストによって公表。11月27日(月)発売の同誌が詳報した。[13][14]

公職選挙法違反疑い[編集]

山口氏の父・泰明氏は自民党選対委員長や組織運動本部長を歴任し、菅義偉・前首相の側近として知られた大物政治家だ。議員時代から、選挙区(埼玉10区)の坂戸市を中心とする埼玉県中部エリアに都市ガスを供給する「坂戸ガス」の社長兼会長を務め、政治的にも経済人としても文字通り地元の実力者である。 2世議院である山口晋氏は、父の地盤である埼玉10区を引き継ぎ衆議院議員選挙へ出馬し、当選。疑惑はこの世襲選挙をめぐるものだ。総選挙1か月前の同年9月30日、山口父子が経営する坂戸ガスが、地元の坂戸市に1000万円、鶴ヶ島市に350万円、鳩山町に150万円と、選挙区内の3自治体に総額1500万円を寄附した。 公職選挙法(199条の3)は、「公職の候補者等の関係会社等の寄附の禁止」をこう定めている。〈公職の候補者(中略)がその役職員又は構成員である会社その他の法人又は団体は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、これらの者の氏名を表示し又はこれらの者の氏名が類推されるような方法で寄附をしてはならない〉となっている。 鶴ヶ島市長が「贈呈式」で泰明氏から寄附の目録を受け取った時のツーショット写真を公表し、その泰明氏は有権者に配布した党の機関紙で「山口すすむが、継承します」とアピールしている。公選法199条の3の条文では『これらの者の氏名を表示し又はこれらの者の氏名が類推されるような方法で』となっているが、坂戸ガスの経営者が山口家であることは知られており、受け取った自治体も十分承知している可能性が指摘されている。その為、公選法に抵触する可能性は高い。この問題は選挙後、坂戸市議会で追及され、市民団体が父の泰明氏を検察に告発。今年3月、さいたま地検は泰明氏の不起訴処分を決定した。だが、息子の晋氏は告発されていなかった。父の泰明氏は寄附当時、坂戸ガスの代表で現職国会議員ではあったが、引退を決めているので候補者ではなかった。それに対して、息子の晋氏は坂戸ガスの役員で公職の候補者だったから、父の泰明氏以上に公選法に抵触する要件を満たしていると言える。そう公選法や政治とカネの問題に詳しい上脇博之・神戸学院大学法学部教授が指摘する。 [15]。  また、選挙区内の自治体に寄付をしたことが違法だとして告発された山口晋氏のの父であり、自民党の元衆院議員・山口泰明氏をさいたま地検が不起訴としたことについて、さいたま第一検察審査会が不起訴不当の議決をしたことがわかった。告発をした市民団体が明らかにした。議決は2023年12月20日付。 [16]

所属団体・議員連盟[編集]

選挙[編集]

当落 選挙 執行日 選挙区 政党 得票数 得票率 定数 得票順位
/候補者数
政党内比例順位
/政党当選者数
第49回衆議院議員総選挙 2021年10月31日 埼玉県第10区 自由民主党 9万6153票 51.59% 1 1/2 /

その他[編集]

坂戸ガス - 2023年12月現在、父が代表を務める[18]坂戸ガスの取締役を務める[19]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 坂本は比例復活で当選。また、2021年の衆院選埼玉10区における自治体ごとの得票数は以下のとおり。
    坂本祐之輔 山口晋
    東松山市 23,505 19,391
    坂戸市 20,500 24,049
    鶴ヶ島市 15,485 16,964
    滑川町 4,123 4,716
    嵐山町 4,111 4,669
    小川町 7,663 8,013
    川島町 3,512 6,590
    吉見町 4,715 4,902
    鳩山町 4,013 3,708
    ときがわ町 2,587 3,151
    90,214 96,153

出典[編集]

  1. ^ 令和3年11月2日埼玉県選管告示第79号(衆議院小選挙区選出議員選挙において当選した者の住所及び氏名並びに候補者届出政党の名称)
  2. ^ プロフィール | 山口すすむ公式サイト
  3. ^ “自民・山口泰明選対委員長が引退の意向”. 毎日新聞. (2021年7月3日). https://mainichi.jp/articles/20210703/k00/00m/010/244000c 2021年7月3日閲覧。 
  4. ^ “自民、山口氏次男を擁立 衆院埼玉10区”. 産経新聞. (2021年7月6日). https://www.sankei.com/article/20210719-FSVN6CUXE5KURJAQ23JVCYQIKE/ 2021年7月19日閲覧。 
  5. ^ 毎日新聞 (2021年8月21日). “山口泰明氏の次男が出馬表明”. 毎日新聞. https://www.nishinippon.co.jp/item/o/779506/ 2021年8月21日閲覧。 
  6. ^ “山口泰明氏次男、立民元職と一騎打ちへ 衆院埼玉10区”. 産経新聞 (産経新聞社). https://www.sankei.com/article/20210910-262E45NCSNM7TAD7NDFDZZZNJM 2021年9月13日閲覧。 
  7. ^ 衆議院選挙2021 埼玉(川越・越谷など)開票速報・選挙結果”. 衆議院選挙2021特設サイト. NHK. 2021年11月1日閲覧。
  8. ^ 【2021年 衆院選】北関東ブロック(比例区)開票速報”. 衆議院選挙(2021年総選挙)特設サイト. 朝日新聞社. 2021年11月18日閲覧。
  9. ^ “<衆院選>自民新人・山口晋氏、激戦の与野党一騎打ち制す 大物党幹部ら、相次ぎ入り応援/埼玉10区”. 埼玉新聞. (2021年11月1日). https://www.saitama-np.co.jp/articles/10252 2021年12月30日閲覧。 
  10. ^ 政策”. 山口すすむ公式サイト. 2021年12月25日閲覧。
  11. ^ 青年局幹部役員訪台前半 蔡英文総統ら要人と相次いで会談 | 青年局ニュース”. 自由民主党 青年局. 2024年3月18日閲覧。
  12. ^ a b c 国会会議録検索システム”. kokkai.ndl.go.jp. 2024年3月18日閲覧。
  13. ^ 【全文公開】自民党・山口晋衆院議員が「泥酔女性にキス」でトラブル 女性は被害届提出、山口議員は“恐喝された可能性”で警察に相談”. NEWSポストセブン. 2023年11月27日閲覧。
  14. ^ 山口晋・自民党衆議院議員の20代女性への“泥酔キストラブル”に地元大揺れ 父の山口泰明・元党選対委員長が「愛する息子に継がせるため」にしてきたことは”. NEWSポストセブン. 2023年11月27日閲覧。
  15. ^ “泥酔キス騒動”の山口晋・衆院議員に公選法違反疑惑が浮上 選挙区内の3自治体に計1500万円の寄附 NEWSポストセブン 2023年12月7日
  16. ^ 元衆院議員・山口泰明氏の不起訴は「不当」 検察審査会が議決 朝日新聞デジタル 2024年1月16日
  17. ^ “2022年5月号”. 全国たばこ新聞 (全国たばこ販売協同組合連合会). (2022年4月25日). https://zenkyou.xsrv.jp/wp-content/uploads/2022/04/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E3%81%9F%E3%81%B0%E3%81%93%E6%96%B0%E8%81%9E2022%E5%B9%B45%E6%9C%88%E5%8F%B7.pdf#page=5 2022年6月29日閲覧。 
  18. ^ 坂戸市における「脱炭素のまちづくりに向けた包括連携協定」を締結 | 坂戸ガス株式会社
  19. ^ 【全文公開】自民党・山口晋衆院議員が「泥酔女性にキス」でトラブル 女性は被害届提出、山口議員は“恐喝された可能性”で警察に相談|NEWSポストセブン - Part 3

外部リンク[編集]