奇跡の一本松駅

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奇跡の一本松駅
駅入口(2021年8月)
きせきのいっぽんまつ
Kiseki-no-Ippon-Matsu (Miracle Pine)
陸前今泉 (0.2 km)
(3.0 km) 陸前高田
地図
所在地 岩手県陸前高田市気仙町字土手影
北緯39度0分28.3秒 東経141度37分36.0秒 / 北緯39.007861度 東経141.626667度 / 39.007861; 141.626667座標: 北緯39度0分28.3秒 東経141度37分36.0秒 / 北緯39.007861度 東経141.626667度 / 39.007861; 141.626667
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線 大船渡線BRT
キロ程 82.4 km(一ノ関起点)
駅構造 地上駅
乗車人員
-統計年度-
10人/日(降車客含まず)
-2022年-
開業年月日 2013年平成25年)7月13日
備考 無人駅
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奇跡の一本松駅(きせきのいっぽんまつえき)は、岩手県陸前高田市にある東日本旅客鉄道(JR東日本)大船渡線BRT(バス高速輸送システム)のバス停留所である。

大船渡線BRTの運行開始後に新設された。

概要[編集]

東北地方太平洋沖地震による津波に襲われほぼ壊滅した高田松原の中でほぼ唯一流されずに残った「奇跡の一本松」(以降「一本松」と略記)を訪れる乗客の便宜を計るため、2013年に設置された[新聞 1]。一本松へは最寄駅である陸前高田駅からは徒歩30分かかることから、さらに近い場所に駅を設置するよう陸前高田市から要望が出ていた[1]

当初は期間限定の臨時駅として開業した。2014年2月までは『JR時刻表』・『JTB時刻表』やJR東日本のえきねっとなどへの記載が一切なく、日本国有鉄道(国鉄)時代の仮乗降場と似た扱いとなっていたが、2014年3月よりこれらにも掲載されるようになった。

当初の営業日は2013年7月13日から8月31日までの土休日および「うごく七夕まつり」が開催される8月6日・8月7日、お盆期間である8月12日から8月16日となっており、日中のみ停車していた[報道 1]が、利用者が多かったことから[新聞 2]、秋の行楽シーズンを迎えて9月7日から11月30日までの毎日に全便停車するようになった[報道 2]。冬期の休業期間をはさんで翌2014年3月1日から営業を再開した[報道 3]

その後、一本松の周辺に観光物産施設がオープンするなど集客が好調であることから[新聞 3]、観光客のBRT利用を促進して震災からの復興につなげる目的で[新聞 2]2014年10月1日から常設化された[報道 4]

駅は公道上にバスポールを置く形で設けられていたが、2019年9月、高田松原津波復興祈念公園のオープンに伴い、公園内の乗降場に移設された[報道 5]

歴史[編集]

駅構造[編集]

道の駅高田松原の駐車場の一角、東日本大震災津波伝承館の手前に乗降場が設置されており、下り陸前高田・盛方面、上り気仙沼方面の両方向とも同一箇所で乗降する。

乗降場には上家・ベンチが整備されている。

利用状況[編集]

JR東日本によると、2022年度(令和4年度)の1日平均乗車人員10人である[利用客数 1]

2013年度(平成25年度)以降の推移は以下のとおりである。

乗車人員推移
年度 1日平均
乗車人員
出典
2013年(平成25年) 17 [利用客数 2]
2014年(平成26年) 12 [利用客数 3]
2015年(平成27年) 13 [利用客数 4]
2016年(平成28年) 10 [利用客数 5]
2017年(平成29年) 9 [利用客数 6]
2018年(平成30年) 7 [利用客数 7]
2019年(令和元年) 13 [利用客数 8]
2020年(令和02年) 12 [利用客数 9]
2021年(令和03年) 14 [利用客数 10]
2022年(令和04年) 10 [利用客数 1]

駅周辺[編集]

運賃計算[編集]

開業時は営業キロが設定されていなかったため、当駅での乗降における運賃計算には、外方の隣接駅のキロ数に基づく運賃が適用されていた。当駅の実際の設置箇所は長部駅 - 陸前高田駅間であったが、運賃計算上は陸前矢作駅 - 竹駒駅間に設置されているものとして取り扱われ、気仙沼駅方面との間で乗車の場合は竹駒駅を、盛駅方面との間の場合は陸前矢作駅をそれぞれ基準として運賃を計算していた。

2014年の常設化にあわせて営業キロが設定された。これにより当駅と陸前高田駅の間の運賃が190円から140円に改定されるなどの変更があった[新聞 2][注 1]

隣の停留所[編集]

東日本旅客鉄道(JR東日本)
大船渡線BRT
快速
長部駅 - 奇跡の一本松駅 - 陸前高田駅
普通
陸前今泉駅 - 奇跡の一本松駅 - 陸前高田駅

脚注[編集]

記事本文[編集]

注釈[編集]

  1. ^ これにともない、本駅 - 竹駒駅間の運賃計算上の営業キロは0.1キロとして扱われ、JR旅客営業路線としては最短の駅間となった。ただし、本駅の設置場所と竹駒駅の設置場所は、直線距離で約3キロ離れている。

出典[編集]

報道発表資料[編集]

  1. ^ a b 大船渡線BRT 臨時駅・新駅の設置及び専用道の供用開始について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道盛岡支社、2013年7月11日。 オリジナルの2013年9月3日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20130903040331/http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1373528194_1.pdf 
  2. ^ a b 大船渡線BRT 臨時駅「奇跡の一本松」駅への停車期間延長について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道盛岡支社、2013年9月3日。 オリジナルの2013年9月23日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20130923084134/http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1378186190_1.pdf 
  3. ^ a b 気仙沼線BRT・大船渡線BRTダイヤ改正、消費税率引上げ等に伴う運賃改定及び臨時「奇跡の一本松駅」停車再開について』(プレスリリース)東日本旅客鉄道盛岡支社、2014年2月20日。 オリジナルの2014年3月1日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20140301225418/http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1392885866_1.pdf 
  4. ^ a b 大船渡線BRT「奇跡の一本松」駅の常設化について』(プレスリリース)東日本旅客鉄道盛岡支社、2014年9月29日。 オリジナルの2016年3月5日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20160305221848/http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1411708450_1.pdf 
  5. ^ a b 大船渡線BRTダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道盛岡支社、2019年8月22日。 オリジナルの2019年8月25日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20190824160511/http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1566451139_1.pdf2019年8月25日閲覧 
  6. ^ 大船渡線BRT 臨時駅「奇跡の一本松」駅 営業終了について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道盛岡支社、2013年11月26日。 オリジナルの2013年12月3日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20131203080003/http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/news/pdf_1385437222_1.pdf 
  7. ^ 大船渡線BRTの駅移転及び一部のルート変更について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道盛岡支社、2017年12月18日http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1513572674_1.pdf 
  8. ^ 大船渡線BRTダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道盛岡支社、2019年4月25日http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1556171957_1.pdf 
  9. ^ 聖火リレー開催に伴う乗降場所の変更について(大船渡線BRT及び気仙沼線BRT)』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道盛岡支社、2021年6月9日https://www.jreast.co.jp/press/2021/morioka/20210609_mr01.pdf2021年6月17日閲覧 

新聞記事[編集]

  1. ^ 「奇跡の一本松」駅を新設 徒歩10分、期間限定で JR大船渡線BRT」『MSN産経ニュース』、2013年7月11日。オリジナルの2014年1月16日時点におけるアーカイブ。
  2. ^ a b c 【陸前高田】奇跡の一本松駅を常設化 JR、10月から」『岩手日報』、2014年9月27日。オリジナルの2014年10月8日時点におけるアーカイブ。
  3. ^ 「奇跡の一本松駅」が臨時から常設に-客足衰えず利用高まる」『三陸経済新聞』、2014年9月27日。2024年1月5日閲覧。オリジナルの2014年10月8日時点におけるアーカイブ。

利用状況[編集]

  1. ^ a b BRT駅別乗車人員(2022年度)”. 東日本旅客鉄道. 2023年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月7日閲覧。
  2. ^ BRT駅別乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  3. ^ BRT駅別乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  4. ^ BRT駅別乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  5. ^ BRT駅別乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月14日閲覧。
  6. ^ BRT駅別乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2018年9月17日閲覧。
  7. ^ BRT駅別乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年7月24日閲覧。
  8. ^ BRT駅別乗車人員(2019年度)”. 東日本旅客鉄道. 2020年7月19日閲覧。
  9. ^ BRT駅別乗車人員(2020年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月10日閲覧。
  10. ^ BRT駅別乗車人員(2021年度)”. 東日本旅客鉄道. 2022年8月13日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]