ミッション:インポッシブル/フォールアウト

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ミッション:インポッシブル
フォールアウト
Mission: Impossible – Fallout
監督 クリストファー・マッカリー
脚本 クリストファー・マッカリー
原作スパイ大作戦
ブルース・ゲラー
製作 トム・クルーズ
クリストファー・マッカリー
ジェイク・マイヤーズ
J・J・エイブラムス
製作総指揮 デヴィッド・エリソン
デイナ・ゴールドバーグ
ドン・グレンジャー
出演者 トム・クルーズ
ヘンリー・カヴィル
ヴィング・レイムス
サイモン・ペッグ
レベッカ・ファーガソン
ショーン・ハリス
アンジェラ・バセット
ミシェル・モナハン
アレック・ボールドウィン
音楽 ローン・バルフ
撮影 ロブ・ハーディ英語版
編集 エディ・ハミルトン
製作会社 スカイダンス・メディア
TCプロダクションズ
バッド・ロボット・プロダクションズ
配給 アメリカ合衆国の旗 パラマウント映画
日本の旗 東和ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2018年7月27日[1]
日本の旗 2018年8月3日[2][3]
上映時間 147分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $178,000,000[4]
興行収入 世界の旗 $791,657,398[4]
アメリカ合衆国の旗カナダの旗 $220,159,104[4]
日本の旗 47億2000万円[5]
前作 ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
次作 ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
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ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(原題:Mission: Impossible – Fallout)は、2018年制作のアメリカ合衆国スパイアクション映画。『ミッション:インポッシブル』シリーズの第6作目[6]

製作はシリーズの製作権を持つ主演のトム・クルーズの他、『ミッション:インポッシブル3』で脚本・監督を担当したJ・J・エイブラムス。監督・脚本は前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』に引き続きクリストファー・マッカリーが務め、シリーズで初めて監督が前作から続投する。日本では、シリーズ初の東和ピクチャーズ配給作品でもある。

ストーリー

前作の敵であるソロモン・レーンが逮捕された2年後、ソロモン・レーンが率いていた組織シンジケートの⽣き残り勢⼒はアポストル(神の使徒)と呼ばれるグループを結成して活動を続ける。IMF(Impossible Missions Force、不可能作戦部隊)のエージェントのイーサン・ハント英語版とベンジー・ダン、ルーサー・スティッケル英語版は、盗まれた3つのプルトニウムをアポストルの手に落ちることを阻止するためギャングから購入しようとするが、突如現れた何者かにルーサーの命が危険にさらされ、彼を救う間にプルトニウムは奪われてしまう。

IMFチームはプルトニウムを取り戻すため、ジョン・ラークと言う謎の人物のために核兵器を設計した科学者のデルブルック博士を捕え、彼を罠に嵌めることでジョン・ラークとの連絡に使用した携帯電話を入手する。

イーサンは、ホワイト・ウィドウと呼ばれる武器仲買人がジョン・ラークにプルトニウムを売るという情報を仕入れたことで、二人が接触するパリのナイトクラブに潜入しようとする。だが、CIA長官のエリカ・スローンは、イーサンの動きを不服としてIMF長官であるアラン・ハンリーの反対を押し切り、敏腕エージェントのオーガスト・ウォーカーを同⾏させることを決定する。ナイトクラブに潜入したイーサンとウォーカーは、ラークとおぼしき人物に変装してなりすまそうとトイレで格闘するが、そこへ、前作でイーサンと知り合ったMI6のイルサ・ファウストがIMFと別の目的から突如現れ、彼を殺して顔を損傷させてしまう。変装ができなくなったイーサンは機転を利かせ、素顔のままラークの偽装をしてホワイト・ウィドウに接触し、彼女のアジトに入ることとなった。

ホワイト・ウィドウはソロモン・レーンの身柄とプルトニウムの交換を望み、前払いとして3つあるプルトニウムの1つをラーク(イーサン)に渡すかわり、取り調べのためパリで護送されるレーン奪取の手助けを求め、ラーク(イーサン)は承諾。ウォーカー、イーサン、ベンジー、ルーサーは、レーン奪取のため護送する警官たちの殺人をいとわないホワイト・ウィドウの兄ゾラや手下たちを出し抜き、死者をださずに護送中のレーンを奪取する。その後、再び現れたイルサがレーンを狙撃するが、イーサンに妨げられる。ホワイト・ウィドウはレーンに加えてイルサをロンドンに運ぶようラーク(イーサン)に求める。

IMFチームとウォーカーはロンドンの隠れ家にレーンを連行しアランに会うが、アランはCIAが提供した証拠からラークの正体はイーサン自身だと追求し、そこで作戦の中止とイーサンの拘束を命じる。だがこれは芝居であり、本当のラークの正体はウォーカーで、レーン救出のためイーサンを嵌める工作を行っていたことが暴露される。連絡を受けたスローンは安全を期して要員を送り込むが、その中に紛れ込んだアポストルが襲撃を開始。ウォーカーはアランを刺殺して逃亡しイーサンが彼を追跡するが、ウォーカーは隠れて暮らすイーサンの元妻のジュリアを殺すと脅し、レーンとともにヘリコプターで飛び立つ。

IMFチームは、レーンの体内に密かに埋め込んだ発信器により、カシミールシアチェン氷河に行く。そこは中国、パキスタン、インドの水源であるほか、アポストルのまいた天然痘ウイルスに対処する現地の医療キャンプがあり、レーンとウォーカーの企みでジュリアと現夫のエリックがそのキャンプに参加していた。レーンはプルトニウムを用いた連動する2個の核兵器によって氷河を爆破し、世界人口の3分の1といわれる水源を汚染して世界に混沌をもたらそうとする。レーンは核兵器のタイマーを15分にセットし、起爆装置をウォーカーに渡して自分は残る。ウォーカーはカウントダウンをスタートさせたのち起爆装置を持ってヘリで脱出し、起爆装置なしではカウントダウンを解除できないためイーサンは後を追う。ルーサーとジュリアは見つけた核兵器の解除を準備する、ベンジーとイルサはレーンを捕え、もう1つの核兵器を見つけて解除を準備する。ヘリコプターの空中戦ののち、イーサンはウォーカーを殺す。イーサンは起爆装置を用いて2つの核兵器を無事に解除する。ジュリアはイーサンを介抱する。

スローンはCIAの協力者であるホワイト・ウィドウを通じてレーンをMI6に返す。イルサはMI6から解放されることとなった。

キャスト

役名 俳優 日本語吹き替え[7]
イーサン・ハント トム・クルーズ 森川智之
オーガスト・ウォーカー ヘンリー・カヴィル DAIGO
ルーサー・スティッケル ヴィング・レイムス 手塚秀彰
ベンジー・ダン サイモン・ペッグ 根本泰彦
イルサ・ファウスト レベッカ・ファーガソン 甲斐田裕子
ソロモン・レーン ショーン・ハリス 中尾隆聖
エリカ・スローン アンジェラ・バセット 高島雅羅
ホワイト・ウィドウ ヴァネッサ・カービー 広瀬アリス
ジュリア・ミード ミシェル・モナハン 岡寛恵
エリック ウェス・ベントリー 松本忍
ゾラ フレデリック・シュミット 遠藤大智
アラン・ハンリー アレック・ボールドウィン 田中正彦
囮のジョン・ラーク リャン・ヤン 大泊貴揮
ニルス・デルブルック クリストファー・ヨーネル 烏丸祐一
ウルフ・ブリッツァー英語版 星野充昭
ヨーロピアン キャスパー・フィリップソン 各務立基
配達人 チャーリー・アーチャー 西谷修一
指令の声 N/A 梅津秀行
その他 N/A 山岸治雄
種市桃子
下田屋有依
中村和正
綿貫竜之介
れいみ
中澤星児[8]
  • 日本語吹き替えでは、「豪華ゲスト声優」としてシリーズ初となる“タレント吹き替え”が行われ、DAIGO広瀬アリスが起用された[9][10][11]
    • 起用理由について、今作から配給元となり参加した東和ピクチャーズ(東宝東和)の担当者は「テレビ番組などを通して、どんなに厳しい物事でも笑顔で前向きに挑戦するおふたりの姿勢に“不可能を可能にする”という『ミッション:インポッシブル』スピリットを感じ、ぜひチームに加わっていただきたいとオファーいたしました」と説明している[12]

スタッフ

日本語版

吹き替え
  • 演出:三好慶一郎[7]、工藤美樹[7]
  • 翻訳:岸田恵子[7]
  • 録音:池田裕貴、蜂須賀英幸、二宮沙矢花
  • 制作進行:飯塚義豪、田村幸生、大矢隆太
  • プロデューサー:三樹祐太(東宝東和)、高田和人、大西孝国
  • 制作:東北新社[7]

評価

本作は批評家から非常に高い評価を受けた。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには409件のレビューがあり、批評家支持率は97%、平均点は10点満点で8.37点となっている。サイト側による批評家の意見の要約は「『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は速く、洗練された、楽しい映画でシリーズ最高傑作。」となっている。

備考

トム・クルーズは本作のビルからビルへとジャンプするシーンの撮影中に骨折した。なお、その時のシーンはそのまま使用されている[13][14][15]

本作も4、5作品目同様、ドイツの自動車メーカーBMWがスポンサーになっており、最新型のBMW・M5E28型 5シリーズBMWモトラッドR nineT スクランブラーなどが登場する[16][17]

脚注

  1. ^ McClintock, Pamela (2016年11月8日). “Tom Cruise's 'Mission: Impossible 6' Lands Summer 2018 Release Date”. The Hollywood Reporter. http://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/tom-cruises-mission-impossible-6-lands-summer-2018-release-date-945560 2016年11月9日閲覧。 
  2. ^ 日本版オフィシャルサイトより
  3. ^ “トム・クルーズ主演「ミッション:インポッシブル」第6弾、日本公開は8月3日!”. 映画.com. (2018年1月30日). https://eiga.com/news/20180130/2/ 2018年2月22日閲覧。 
  4. ^ a b c “[https://www.boxofficemojo.com/movies/?id=missionimpossible6.htm Mission: Impossible - Fallout]” (英語). Box Office Mojo. 2018年8月5日閲覧。
  5. ^ 2018年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟 2019年2月11日閲覧。
  6. ^ ミッション:インポッシブル フォールアウト : 作品情報”. 映画.com. 2021年8月23日閲覧。
  7. ^ a b c d e ミッション:インポッシブル/フォールアウト”. ふきカエル大作戦!! (2018年8月3日). 2023年1月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月27日閲覧。
  8. ^ 中澤星児 (2018年7月28日). “【密着しすぎレポ】「声優って声出すだけでしょ?」という人に伝えたい『ミッション:インポッシブル』でのアフレコ体験”. ロケットニュース24. ソシオコーポレーション. https://rocketnews24.com/2018/07/28/1088761/ 2023年8月27日閲覧。 
  9. ^ 久保田和馬 (2018年5月14日). “DAIGO&広瀬アリスが「ミッション:インポッシブル」シリーズ初のゲスト声優に!”. MOVIE WALKER PRESS. https://moviewalker.jp/news/article/146533/ 2023年8月27日閲覧。 
  10. ^ 成田おり枝 (2018年8月2日). “DAIGO、『M:I』吹替版の声優抜てきに「マジでいいの?」苦い経験を述懐”. MOVIE WALKER PRESS. https://moviewalker.jp/news/article/156842/ 2023年8月27日閲覧。 
  11. ^ modelpress編集部 (2018年8月2日). “DAIGO、ジャンプアクション挑戦で「まさにMI」 広瀬アリスは「DKDK」<ミッション:インポッシブル/フォールアウト>”. モデルプレス. https://mdpr.jp/cinema/detail/1783584 2023年8月27日閲覧。 
  12. ^ “「ミッション:インポッシブル」最新作でDAIGO&広瀬アリスが日本語吹き替え声優に”. 映画.com. (2018年5月14日). https://eiga.com/news/20180514/1/ 2023年8月27日閲覧。 
  13. ^ Tom Cruise Injured in 'Mission Impossible 6' Stunt”. TMZ (2017年8月13日). 2018年2月22日閲覧。
  14. ^ Tom Cruise hurt filming 'Mission: Impossible 6' roof-jumping stunt”. The Los Angeles Times (2017年8月14日). 2018年2月22日閲覧。
  15. ^ “「ミッション:インポッシブル」第6弾予告、トム・クルーズが骨折したあのシーンも”. 映画ナタリー. (2018年2月15日). https://natalie.mu/eiga/news/269522 2018年2月22日閲覧。 
  16. ^ “トム・クルーズが「ミッション:インポッシブル」最新作で使用するBMW M5の実力”. サライ. (2018年8月2日). https://serai.jp/hobby/323561 2018年8月6日閲覧。 
  17. ^ “第176回:旧型のM5でパリの凱旋門を駆けぬける歓び『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』”. webCG. (2018年8月2日). http://www.webcg.net/articles/-/39189 2018年8月6日閲覧。 

外部リンク