ハチソン・ワンポア

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ハチソン・ワンポア・リミテッド
和記黄埔有限公司
Hutchison Whampoa Limited
市場情報 SEHK0013
略称 HWL
本店所在地 香港の旗 香港
設立 1977年
業種 サービス業
事業内容 港湾事業
小売業
不動産開発など
代表者 李嘉誠
主要株主 長江実業
外部リンク Hutchison Whampoa Limited
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ハチソン・ワンポア・リミテッド(英文社名:Hutchison Whampoa Limited/略称:HWL、中文社名:和記黄埔有限公司SEHK0013)は、中華人民共和国香港を拠点とするコングロマリット。現在、長江実業グループ傘下の多国籍企業で、その組織は世界最大の港湾事業、小売業、不動産開発、インフラストラクチャーから最先端技術、販売戦略に精通した通信事業に及んでいる。

歴史[編集]

元々はイギリス植民地であった香港で1863年に設立された香港黃埔埠頭社(香港黃埔船塢有限公司、Hongkong and Whampoa Dock Company (HWD))と1877年に設立された和記企業有限公司(Hutchison International)の2社から成っていた。1960年代に和記企業有限公司はダグラス・クレーグ(Douglas Clague)の下でHWDの支配権を握り、1977年にHWDの全株を取得してハチソン・ワンポア・リミテッド(HWL)となった。

1979年には李嘉誠がHWLの株22%を取得し、同社の会長に就任した。李嘉誠は起業家や慈善家としても有名で、1980年には自身の慈善基金を設立している(www.lksf.org)。

会社概要[編集]

HWLは現在、世界56ヶ国で事業を展開し、22万人以上の従業員が勤務している。主力事業は港湾、不動産とホテル、小売業、エネルギー・インフラ・投資、通信の5つから構成されている。

事業[編集]

港湾事業[編集]

和記黄埔港口(Hutchison Port Holdings、略称:HPH)は、アジア中東ヨーロッパ北アメリカ及びアフリカで港湾の投資・開発・運営を行っている世界有数のメガターミナルオペレーターである。世界で取扱量の多い7つのコンテナ港のうちの5ヶ所でコンテナターミナルを運営し、全世界コンテナ輸送の13%を担っている。

不動産とホテル事業[編集]

和記黃埔地産集団(Hutchison Whampoa Properties)は香港、北京上海の街の象徴にもなっているオフィスビルからイギリスの豪華な住居用不動産に至るまで種々の開発や投資を手掛けている。HWLは長江実業グループと共に、海逸国際酒店集団(Harbour Plaza Hotel Management (International) Limited)という合弁会社を設立し、和記黃埔地産集団の傘下でホテル運営を行っている。

小売業[編集]

HWLの小売部門であるA.S.ワトソンズ社(A.S. Watson & Co., Limited、略称:ASW)は、アジアにおいてワトソンズスーパーマーケット「PARKnSHOP」、高級スーパー・食品販売店「TASTE」「GOURMET 」「GREAT」、電器量販店チェーン「Fortress」、ワトソンズ・ワイン&セラー(Watson’s Wine and Cellar)、免税店「Nuance-Watson」といった小売店チェーンを運営している。ヨーロッパでは美容・健康商品販売チェーン「DC」、「Drogas」、「Kruidvat」、「Rossmann」、「Savers」、「Superdrug」、「Trekpleister」、「Spektr」などを展開すると共に、高級香水化粧品販売の「Marionnaud」、「ICI PARIS XL」、「The Perfume Shop」も展開している。

エネルギー・インフラ・投資事業[編集]

長江基建有限公司(Cheung Kong Infrastructure、略称:CKI)はHWLのインフラ部門であり、交通・エネルギー・インフラ資材・水道事業やその関連事業を行っている多角的インフラ会社である。HWLは香港島及びラマ島へ唯一、電力を供給している香港電燈集団有限公司(Hongkong Electric Holdings、略称:HEH)の株式を保有している。HWLはまた、カナダ最大のエネルギー会社の一つであるハスキー・エナジー社(Husky Energy)の大株主でもある。

通信事業[編集]

ハチソン・ワンポアは移動体マルチメディア通信事業も行っており、「3」ブランドの下で第3世代携帯電話通信事業やネットワーク構築を行っている。また、和記電訊國際有限公司(Hutchison Telecommunications International Limited)を通じて国際的な通信事業会社として、アジア・中東及びアフリカの9つの市場で携帯電話ネットワークとデータサービスを提供している。

また、イギリスに本社を置く携帯端末メーカーINQは同社の子会社である。

現在フランステレコムのブランド名になっているOrangeは元々はハチソンワンポアのイギリスのブランド名であり、イギリスでの事業をフランステレコムに買収されたことでブランドも移転したのである。[1] そのため現在のイギリスでの3とOrangeUK(EE)とは2Gでのローミングの関係がある。

豪州の3についてはボーダフォン豪州法人と経営統合したことに伴い、現在はボーダフォンブランドで営業を行っている。

根拠のない誹謗[編集]

ビル・クリントン政権中のアメリカで、大統領や副大統領が華人筋から資金獲得したとして攻撃された際、何人かの保守派上院・下院議員らがハチソン・ワンポアと李嘉誠会長をスキャンダルに巻き込もうとした。同時期にハチソンがパナマ運河で港湾事業を行う権利を手に入れたため、その偶然性を無視するわけにはいかなかった。

ハチソンも李嘉誠もクリントン政権へ献金を行っておらず、また、ハチソンは中華人民共和国政府とのつながりのない上場会社であったにもかかわらず、批評家たちは「ハチソンの動きはパナマ運河を支配しようとする中国人民解放軍によるものであり、クリントン大統領によって政治的便宜が計られた」としていた。だが、今日においてこれらの非難は根拠のないものであったという評価が一般的である。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ ただし香港ではフランステレコム買収後もOrangeというブランドを引き続き使用していた。