ヤエヤマアオキ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ノニジュース から転送)
?ヤエヤマアオキ

果実と花
分類
植物界 Plantae
被子植物門 Magnoliophyta
双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 キク亜綱 Asterdiae
アカネ目 Rubiales
アカネ科 Rubiaceae
ヤエヤマアオキ属 Morinda
ヤエヤマアオキ M. citrifolia
学名
Morinda citrifolia L.
和名
ヤエヤマアオキ(八重山青木)
英名
Indian Mulberry

ヤエヤマアオキ(八重山青木、学名Morinda citrifolia)は、アカネ科ヤエヤマアオキ属常緑高木ハワイの現地語であるノニ(noni)が近年の健康ブームもあり、良く知られる名称の1つになっている。名に「アオキ」とあるがアオキミズキ目ミズキ科で遠縁。

目次

[編集] 概要

日本では、東京都小笠原諸島沖縄県沖縄諸島大東諸島宮古諸島及び八重山諸島に、日本国外では、台湾中国インドマレーシアハワイ諸島ポリネシアオーストラリアカリブ海沿岸地域に分布する。沖縄諸島が分布の北限に当たる。主に海岸林に生育する。

高さ3~10mに達する常緑亜高木。小枝に4つの稜を持つ。葉は対生、楕円形~長楕円形で、長さ12~25cm、革質で厚い。大きな托葉を持つ。花は頭状花序で、複数の花が根元がくっついた白い1cmくらいの花を密につける。花の先(萼筒)は先で5個に裂ける。1年で4回開花する。果実は液質で、一塊りの集合果となって熟すると白い半液状になり、異臭(カプロン酸などによる)を放つ。果実は中空で海水に浮かぶため、海を渡って広い範囲に散布される(潮流散布)。

[編集] 利用

実に薬効成分が豊富に含まれていると言われているが、有効性を立証するデータは不足しているタヒチクック諸島フィジーキリバスマーシャル諸島ニウエパラオパプアニューギニアサモアソロモン諸島中南米諸国などでノニジュースを輸出する企業が設立され、太平洋諸国にとって貴重な外貨獲得源となっている。インドネシアにおいてもパチェ (Pace) と呼ばれ、伝統的な薬の材料に用いられている[1]

また、美味ではないが、しばしば食用にされる。沖縄では樹皮や根皮を染料として用いれ、樹皮からは赤色の染料が、根被からが黄色の染料が取れる。

現在、沖縄などでは健康ブームにより乱獲が問題となっている。

[編集] 健康食品として

ノニ利用食品は、オーガニック果実100%の発酵飲料や、100%ストレート搾汁を初め、錠剤、顆粒、濃縮液、粉末など多くの商品が出回っている。健康食品として販売されているノニジュースは、少量のグレープジュースやブルーベリージュースまたは天然香料を添加して飲みやすくしたもの。糖尿病、高血圧、免疫力の強化、心臓病、ガンの予防、美容や健康に効果があると言われているが、ヒトでの確実な科学的根拠は現時点では見当たらない。

[編集] 安全性

世界各地で伝統的に月経促進効果を期待し用されている、妊娠中の経口摂取は避けたほうがよい。[2]ノニ果汁はカリウムを豊富に含むため、高カリウム血症の場合は避ける。 2002年12月欧州委員会(Scientific Committee on Food)の報告書によれば、果実ジュース以上の健康効果はないとされている。[2] しかし、農産物を原料としており、常に同じ成分組成のジュースは作成できない。従って、欧州委員会の報告書指摘の内容が全てのノニジュース商品に当てはまるとは言えない。オーストリアでジュースの摂取と肝機能障害の関連が疑われる報告がされている。[3][2] 食品=安全という考えで過大な期待をして利用することには注意が必要。

[編集] Status

生育地である沖縄県が作成したレッドデータブックに掲載されている。

[編集] 脚注

  1. ^ 田中洋平・神谷浩平・佐武紀子 (2003-02-25). “インドネシア産薬用植物 (Morinda citrifolia) に含有する脂質過酸化抑制物質に関する成分研究”. 神戸学院大学ハイテクリサーチセンター. Retrieved on 2008-01-17.
  2. ^ a b c 「健康食品」の安全性・有効性情報(ノニ)2007/02/15 独立行政法人 国立健康・栄養研究所
  3. ^ Morinda citrifolia (Noni): a literature review and recent advances in Noni research. A service of the U.S. National Library of Medicine and the National Institutes of Health

[編集] 参考文献

  • 沖縄県文化環境部自然保護課編 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(菌類編・植物編)-レッドデータおきなわ-』、2006年。
  • 多和田真淳監修・池原直樹著 『沖縄植物野外活用図鑑 第4巻 海辺の植物とシダ植物』 新星図書出版、1979年。
  • 初島住彦・天野鉄夫 『増補訂正 琉球植物目録』 沖縄生物学会、1994年。

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ