シュールストレミング
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シュールストレミング(Surströmming)は、主にスウェーデンで食べられている缶詰で、ニシンを塩漬けにして、缶の中で発酵させた漬物の一種である。発音の違いから、シュールストローミング、シュールストロミング、シュルストレミング、スールストロミングなどという言い方もする。その強烈な臭いから、「世界一臭い缶詰」などと評されることもある(ギネス等が公式に認定したものではない)。
スウェーデン語で「シュール(Sur)」は「酸っぱい」を、「ストレミング(strömming)」はバルト海の「ニシン」を意味する。
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[編集] 製法
通常の缶詰ではレトルト殺菌により菌の繁殖・発酵は止まった状態となる。しかしシュールストレミングは春先の産卵期にある最も良い状態のニシンを獲り、樽の中にニシンと塩を交互に重ねて1か月から2か月漬け込んだ後、まだ発酵中のニシンを缶詰にして殺菌しない状態のままフタがされるため、密封後も缶の中では発酵が継続している。解禁日は8月の第3木曜日。製品によっては気温が高いと発酵が進み過ぎてどろどろに溶けてしまうので食べる時期、製品の選択に充分注意する必要がある。尚、殺菌を行わないこの食品は缶詰の定義から外れる為に日本ではJAS法などに基づき缶詰と標記できない。
発酵が続くと生じたガス(二酸化炭素など)によって円筒形だった金属缶は丸く膨らむほどになってしまう。こうした状態の缶はスウェーデン各地のスーパーマーケットでよく見られる。
開け方は様々あるが缶にぎっしりと詰まっているのではなく、少しはスキマがあるので50°くらいに傾けて缶の上にスキマを作り、そこを開ける。 この方法は決して確実に開くとは言い切れないがこの方法が最も一般的である。
商品によって切り身のままのもの、頭や腸も使っているもの、カズノコが一緒に入っているものなど様々である。
[編集] 臭い
多くの航空会社では、飛行中の気圧低下により内圧の高いシュールストレミングの缶が爆発して周辺の荷物に悪臭が染み付くという被害を出す恐れがあるとして、航空機内への持込みを禁じているため[1]、基本的には航空機より気圧変化が少ない船舶による輸入が主流である。
気密性が高い缶の中で二次発酵を進めているのは、Haloanaerobiumと呼ばれる嫌気性細菌の1種である。この細菌が醗酵の過程で、強い悪臭を生成している。悪臭物質として、刺激臭のプロピオン酸、腐った卵のような硫化水素、腐ったバターのような酪酸、酸っぱいにおいのする酢酸などである。
その臭さは強烈であって、魚が腐った臭い、または生ゴミを直射日光の下で数日間放置したような臭いともいわれる。臭気指数計ではくさやの6倍以上(8070Au)という値を示す[2]。
世界の臭い珍味としても知られる一方で、そのあまりに強烈な臭いによって、最悪の場合、失神することもある。
[編集] 食べ方
缶詰は内部で発生したガスによって缶自体が膨れている。開封する際にそのガスによって汁が勢いよく飛び出すので、屋外で開けることが推奨されている[3]。
塩気も強いので、ジャガイモ、ニラ、ポテトサラダやトマト、赤すぐりや赤かぶを付け合わせにするか、スライスしたタマネギとブラーナ(ヤギ乳のバターにクリームとシナモンを加えたもの)とともに硬パンに載せて食べる。また室内で食べると臭気がなかなか消えないので、屋外で食べることが多い。場合によっては食べる前にウォッカ等の酒類、または牛乳などで洗うこともある。
主にスウェーデン北部で食べられ、南部などそれ以外の地域では消費量は少ない。
[編集] 入手方法
2009年現在、上記の空輸禁止措置と日本政府によるニシンのIQ(輸入割当制度)による輸入量制限などで日本国内では1社のみの取扱いとなっているが、インターネットの通信販売で購入が可能(入荷回数が少ないため、売り切れる場合もある)。
[編集] 脚注
- ^ Airlines ban 'foul' Swedish fish BBC NEWS 2006年4月1日
- ^ 小泉武夫『NHK人間講座テキスト「発酵は力なり~食と人類の知恵」』日本放送出版協会、2004年5月、ISBN 9784140841839
社会実情データ図録 - ^ 小泉武夫『くさいはうまい』毎日新聞社、2003年、192-193頁 ISBN 4-620-31635-0
[編集] 臭い食べ物の代表例
- シュールストレミング…8070Au
- ホンオフェ…6230Au
- エピキュアーチーズ(缶詰チーズ)…1870Au
- キビヤック…1370Au
- くさや 焼きたて…1267Au、焼く前…447Au
- 臭豆腐…420Au
- ドリアン
- 鮒寿司
数字はアラバスター単位(Au)による測定。

