キノボリジャコウネコ

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キノボリジャコウネコ
キノボリジャコウネコ
キノボリジャコウネコ Nandinia binotata
保全状況評価[a 1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ジャコウネコ科 Viverridae
亜科 : パームシベット亜科
Paradoxurinae
: キノボリジャコウネコ属
Nandinia
: キノボリジャコウネコ
N. binotata
学名
Nandinia binotata (Gray, 1830)
和名
キノボリジャコウネコ
英名
African palm civet
Two-spotted palm civet
African Palm Civet area.png
キノボリジャコウネコの分布

キノボリジャコウネコNandinia binotata)は、動物界脊索動物門哺乳綱ネコ目(食肉目)ジャコウネコ科キノボリジャコウネコ属に分類される食肉類。本種のみでキノボリジャコウネコ属を構成する。

分布[編集]

アフリカ大陸中央部(エチオピア区熱帯アフリカとも)の以下の地域に生息する。

アンゴラ北部、ウガンダガーナガボンカメルーン南部、ガンビアギニアギニアビサウケニア南西部、コートジボワールコンゴ共和国コンゴ民主共和国ザンビア北部、シエラレオネジンバブエ東部、スーダン南部、赤道ギニアセネガル南部、タンザニア中央アフリカ南部、トーゴ南部、ナイジェリア南部、ブルンジベナン南部、マラウイモザンビーク西部、リベリアルワンダ[1][2][a 1]

形態[編集]

体長44-58センチメートル[2]。尾長46-62センチメートル[2]体重1.7-3.2キログラム[2]。全身は短い体毛で密に被われる[2]。背面の毛衣は黄灰色や褐色で、毛先は黄褐色や赤褐色[2]。腹面の毛衣は明灰色で、毛先は黄色[2]。頭部から頸部にかけて3本の不明瞭な暗褐色の縦縞、背面に縦縞状に暗褐色の斑点が並ぶ[2]。肩部には左右に2個ずつ白や淡黄色の斑紋が入り[1]、英名(two-spotted=2つの斑点がある)の由来になっている[2]。尾の背面には12-15本の黒い横縞が入る[2]

耳介は小型で丸みを帯びる[2]。歯列は門歯が上下6本、犬歯が上下2本、小臼歯が上下8本、大臼歯が上下4本で計40本[2]。門歯は小型で、犬歯は発達する[2]盲腸がない[2]。生殖器の前方(会陰腺)、第3-4指の間に臭腺がある[1]。四肢は短く、第1指は第2-5指と離れて位置する[2]。爪は湾曲し、先端が尖る[2]

分類[編集]

キノボリジャコウネコは従来ハクビシンビントロングと近縁なジャコウネコ科パームシベット亜科に分類されてきたが、分子系統学による研究の結果ネコ亜目においてジャコウネコ科やネコ科よりもさらに系統樹の根本に近いところで分かれて進化したものであることが分かり[3]、この見地からはキノボリジャコウネコ科 Nandiniidae キノボリジャコウネコ属 Nandinia の1科1属1種に分類される。

  • Nandinia binotata arborea Heller, 1913
  • Nandinia binotata binotata (Gray, 1830)
  • Nandinia binotata gerrardi Thomas, 1893
  • Nandinia binotata intensa Cabrera & Ruxton, 1926

生態[編集]

森林サバンナに生息する[2]。樹上棲[1]夜行性もしくは薄明薄暮性で、昼間は樹上や木の又などで休む[2]。単独で縄張りを形成して生活し、オスの縄張り内には1-3頭のメスの縄張りが含まれることもある[1][2]。縄張り内の樹上に臭腺のある下腹部や足の裏を擦りつけて、縄張りを主張する[1][2]。発情したメスをめぐって同種間で激しく争うこともあり、相手を殺すこともある[1][2]

食性は植物食傾向の強い雑食で、主に果実を食べるが小型哺乳類、鳥類やその卵、昆虫なども食べる[1][2]。樹上の果実は後肢と尾で体を木の枝に支えながら、前肢で掴み取って食べる。

繁殖形態は胎生。妊娠期間は64日[2]樹洞で1回に3-4頭(主に2頭)の幼獣を産む[2]。授乳期間は6か月[1]

人間との関係[編集]

属名Nandiniaは生息地での呼称nandineに由来する[2]

関連項目[編集]

出典[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科1 食肉類』、平凡社1986年、152、160頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y 今泉吉典監修 『世界の動物 分類と飼育2 (食肉目)』、東京動物園協会、1991年、92-93頁。
  3. ^ 長谷川 (2011), pp.103-104

参考文献[編集]

外部リンク[編集]

  1. ^ a b The IUCN Red List of Threatened Species
    • Van Rompaey, H., Gaubert, P. & Hoffmann, M. 2008. Nandinia binotata. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.2.