ビントロング

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ビントロング
ビントロング
ビントロング Arctictis binturong
保全状況評価
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 VU.svgワシントン条約附属書III類(インド
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネコ目 Carnivora
: ジャコウネコ科 Viverridae
亜科 : パームシベット亜科
Paradoxurinae
: ビントロング属
Arctictis Temminck, 1824
: ビントロング A. binturong
学名
Arctictis binturong (Raffles, 1821)
和名
ビントロング
英名
Bear cat
Binturong

ビントロングArctictis binturong)は、動物界脊索動物門哺乳綱ネコ目(食肉目)ジャコウネコ科に分類される食肉類。本種のみでビントロング属を構成する。別名クマネコ(熊猫)、クマジャコウネコ

分布[編集]

  • A. b. albifrons

インド北部ネパールブータンミャンマー北部[1][2][3]

  • A. b. binturong

インドネシアスマトラ島ビンタン島クンジュル島)、タイマレーシアマレー半島[1][2][3]

  • A. b. kerkhoveni

インドネシア(バンカ島[3]

  • A. b. memglaensis

インドネシア(スマトラ島西部、ニアス島[3]

  • A. b. penicillata

インドネシア(ジャワ島、ボルネオ島)[2][3]

  • A. b. whitei

フィリピンパラワン島[2][3]

形態[編集]

体長60-97cm[1]。尾長56-89cmとジャコウネコ科最長種[3]体重9-17kg[3][4]。尾は長く太い筋肉質で、先端を物に巻きつける[4]ことができる[1][2][3]。全身は長い体毛で粗く被われるが[2]、頭部は短い体毛で被われる[3]。耳介背面の体毛は房状に伸長する[2][3]。毛衣は黒く、毛先が白や灰色、黄色、赤褐色[2][3]。耳介の外縁は白く縁取られる[2][3]

耳介は小型で、丸みを帯びる[1][3]。吻端にある体毛が無く露出した板状の皮膚(鼻鏡)は大型[3]。歯列は門歯が上下6本、犬歯が上下2本、小臼歯が上顎8本、下顎6-8本、大臼歯が上顎2-4本、下顎4本の計36-40本の歯を持つ[3]。盲腸は小型で、ない個体もいる[3]。爪は短くやや湾曲し、不完全ながら引っ込める[1]ことができる[3]

出産直後の幼獣は体重0.3kg[3]。乳頭の数は4[3]

分類[編集]

  • Arctictis binturong albifrons (Cuvier, 1822)
  • Arctictis binturong binturong (Raffles, 1821)
  • Arctictis binturong kerkhoveni Sody, 1936
  • Arctictis binturong niasensis Lyon, 1916
  • Arctictis binturong penicillata Temminck, 1841
  • Arctictis binturong whitei Allen, 1910

生態[編集]

森林に生息する[1]。単独もしくは数頭からなる小規模な群れを形成して生活する[3]。樹上棲だが、地表に降りたり水中に入ることもある[2][3]夜行性で、昼間は樹洞などで休む[1][3][4]。休む時には尾を体に巻きつけ頭部を尾の下に入れる[1][3]

食性は植物食傾向の強い雑食で、主に果実を食べるが、昆虫魚類鳥類やその卵、小型哺乳類、ミミズなども食べる[1][2][3][4]

繁殖形態は胎生。周年繁殖する[3]。妊娠期間は84-99日[3]。1回に1-6頭(主に1-3頭)の幼獣を産む[3]。生後6-8週間で固形物も食べることができるようになる[3]。生後2年半で性成熟する[3]

人間との関係[編集]

種小名biturongや和名、英名はマレー語で本種を指す呼称に由来する[3]。 毛皮、ペット目的の乱獲、開発や森林伐採による生息地の減少により数が減っている。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i j 今泉吉典、松井孝爾監修 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社1984年、72、227頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編『動物大百科1 食肉類』、平凡社1986年、152-154、160頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae 今泉吉典監修 『世界の動物 分類と飼育2 (食肉目)』、東京動物園協会、1991年、78、98-99頁。
  4. ^ a b c d 『小学館の図鑑NEO 動物』、小学館2002年、69頁。

外部リンク[編集]