カイル・クレモンズ

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カイル・クレモンズ Portal:陸上競技
選手情報
ラテン文字 Kyle Clemons
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
競技 陸上競技短距離走
種目 400m
大学 アメリカ合衆国の旗 カンザス大学
生年月日 (1990-12-27) 1990年12月27日(33歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アーカンソー州ジョーンズボロ
身長 181cm[1]
体重 72kg
成績
オリンピック 4x400mR:予選1組2着(2016年
世界選手権 4x400mR:予選2組1着(2015年
国内大会決勝 全米選手権
400m:3位(2014年)
全米室内選手権
400m:優勝(2014年)
自己ベスト
400m 44秒79(2016年)
獲得メダル
陸上競技
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
オリンピック
2016 リオデジャネイロ 4x400mR
世界選手権
2015 北京 4x400mR
世界室内選手権
2014 ソポト 4x400mR
2016 ポートランド 4x400mR
世界リレー
2015 ナッソー 4x400mR
2017 ナッソー 4x400mR
パンアメリカン競技大会
2015 トロント 400m
2015 トロント 4x400mR
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カイル・クレモンズKyle Clemons1990年12月27日 ‐ )は、アメリカ合衆国アーカンソー州ジョーンズボロ出身の陸上競技選手。専門は短距離走400mで、44秒79の自己ベストを持つ。2014年ソポト世界室内選手権の男子400mにおいて銅メダル、同大会男子4×400mリレーにおいて世界記録(当時)を樹立して金メダルを獲得した。2016年リオデジャネイロオリンピック2015年北京世界選手権の男子4×400mリレーでも金メダルを獲得したが、ともに予選のみの出場に終わっている。

経歴[編集]

1990年12月27日アーカンソー州ジョーンズボロに生まれる。母親のヴァラリー・ヒルソン(Valarie Hilson)もアーカンソー大学などで活躍した元陸上競技選手[2]

ローレット高校(Rowlett High School)の2年時から陸上選手としてのキャリアをスタートさせると[3]、2年時と3年時には400mでテキサス州チャンピオンに輝いた[2]

2009年にカンザス大学に進学。屋外と室内のNCAA選手権(全米学生選手権)では、4年間を通じて優勝はおろか決勝に進出することもできなかったが、Big 12選手権では4年時に男子400mと4×400mリレーの2冠を達成した(400mの優勝タイムは45秒10)[4]

2014年[編集]

2月の全米室内選手権男子400m決勝を45秒60で制して初優勝を達成[5]。世界大会初出場となった3月のソポト世界室内選手権には男子400mと4×400mリレーに出場すると、400mは準決勝を46秒06(全体2位)で突破し、決勝ではパベル・マスラク(45秒24)、クリス・ブラウン(45秒58)に続いて45秒74で3位に入り、世界大会初出場で銅メダルを獲得[6]。決勝のみ出場した4×400mリレーはアメリカチームの1走を務めると、3分02秒13の世界新記録(当時)樹立と金メダル獲得に貢献した[注 1][7]。6月の全米選手権男子400m決勝では45秒00の自己ベストをマークして3位に入った[8]

2015年[編集]

5月の世界リレー男子4×400m予選でアメリカチームの2走を務めて決勝進出に貢献した(予選のみの出場)[注 2][9]。6月の全米選手権男子400m決勝では45秒35で5位に入り、北京世界選手権男子4×400mリレーのアメリカ代表の座を掴んだ[10]。7月のパンアメリカン競技大会では男子400mで自身初の44秒台となる44秒84をマークして銅メダルを獲得すると、4×400mリレー(予選でアンカー、決勝で1走)も銅メダル獲得に貢献した[11]世界選手権初出場となった8月の北京世界選手権では、男子4×400mリレー予選でアメリカチームの1走を務めて決勝進出に貢献した(予選のみの出場)[注 3][12]

2016年[編集]

3月の全米室内選手権男子400m決勝で45秒95の2位に終わり、0秒15差で2度目の優勝を逃した[13]。同月のポートランド世界室内選手権では前回大会に続いて男子400mと4×400mリレーに出場すると、400mは準決勝で敗退して2大会連続のメダルを逃したが、決勝のみ出場した4×400mリレーはアメリカチームの1走を務めて優勝に貢献し、2大会連続の金メダルを獲得した[注 4][14]。7月の全米選手権(オリンピックトライアル)男子400mでは準決勝を44秒79の自己ベストで突破すると、決勝は45秒39で6位に入り、リオデジャネイロオリンピック男子4×400mリレーのアメリカ代表の座を掴んだ[15]オリンピック初出場となった8月のリオデジャネイロオリンピックでは、男子4×400mリレー予選でアメリカチームの3走を務めて決勝進出に貢献した(予選のみの出場)[注 5][16]

2017年[編集]

2大会連続の出場となった4月の世界リレー男子4×400m決勝ではアメリカチームの3走を務め(予選は1走)、大会3連覇に貢献した[注 6][17]

自己ベスト[編集]

記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風、-は向かい風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
300m 32秒73 2016年6月11日 ジャマイカの旗 キングストン
400m 44秒79 2016年7月2日 アメリカ合衆国の旗 ユージーン
室内
400m 45秒60 2014年2月23日 アメリカ合衆国の旗 アルバカーキ
500m 1分01秒32 2013年2月1日 アメリカ合衆国の旗 ニューヨーク

主要大会成績[編集]

備考欄の記録は当時のもの

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2014 世界室内選手権 ポーランドの旗 ソポト 400m 3位 45秒74
4x400mR 優勝 3分02秒13 (1走) 世界記録
2015 世界リレー (en バハマの旗 ナッソー 4x400mR 予選 3分02秒81 (2走) 決勝進出[注 7]
パンアメリカン競技大会 (en カナダの旗 トロント 400m 3位 44秒84 自己ベスト
4x400mR 3位 3分00秒21 (1走)
世界選手権 中華人民共和国の旗 北京 4x400mR 予選 2分58秒13 (1走) 決勝進出[注 8]
今季世界最高記録
2016 世界室内選手権 アメリカ合衆国の旗 ポートランド 400m 準決勝 46秒91
4x400mR 優勝 3分02秒45 (1走)
オリンピック ブラジルの旗 リオデジャネイロ 4x400mR 予選 2分58秒38 (3走) 決勝進出[注 9]
今季アメリカ最高記録
2017 世界リレー (en バハマの旗 ナッソー 4x400mR 優勝 3分02秒13 (3走)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 決勝のメンバーは2走がデイヴィッド・バーバーグ、3走がカインド・バトラー、4走がカルヴィン・スミス・ジュニア
  2. ^ 予選のメンバーは1走がデイヴィッド・バーバーグ、3走がジェレミー・ウォリナー、4走がブライセン・スプラトリング。
  3. ^ 予選のメンバーは2走がトニー・マッケイ、3走がブライション・ネラム、4走がバーノン・ノーウッド
  4. ^ 決勝のメンバーは2走がカルヴィン・スミス・ジュニア、3走がChristopher Giesting(英語版)、4走がバーノン・ノーウッド。
  5. ^ 予選のメンバーは1走がアーマン・ホール、2走がトニー・マッケイ、4走がデイヴィッド・バーバーグ。
  6. ^ 決勝のメンバーは1走がデイヴィッド・バーバーグ、2走がトニー・マッケイ、4走がラショーン・メリット
  7. ^ 予選のみ出場。決勝のアメリカは2分58秒43で優勝。
  8. ^ 予選のみ出場。決勝のアメリカは2分57秒82で優勝。
  9. ^ 予選のみ出場。決勝のアメリカは2分57秒30で優勝。

出典[編集]

  1. ^ プロフィール”. リオデジャネイロオリンピック公式サイト. 2016年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月24日閲覧。
  2. ^ a b プロフィール”. カンザス大学 (2012-2013). 2016年9月2日閲覧。
  3. ^ Gold medal home TBD for Olympic champion, KU track alumnus Kyle Clemons”. CJOnline.com (2016年8月26日). 2016年9月2日閲覧。
  4. ^ Kyle Clemons”. Track & Field Results Reporting System (2016年9月2日). 2016年9月2日閲覧。
  5. ^ 2014年全米室内選手権リザルト”. 全米陸上競技連盟 (2014年2月). 2016年9月3日閲覧。
  6. ^ 2014年世界室内選手権男子400m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2014年3月8日). 2016年8月31日閲覧。
  7. ^ 2014年世界室内選手権男子4×400mリレー決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2014年3月9日). 2016年9月3日閲覧。
  8. ^ 2014年全米選手権リザルト”. 全米陸上競技連盟 (2014年6月). 2016年9月3日閲覧。
  9. ^ 2015年世界リレー男子4×400m予選リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2015年5月3日). 2016年9月3日閲覧。
  10. ^ 2015年全米選手権リザルト”. 全米陸上競技連盟 (2015年6月). 2016年9月3日閲覧。
  11. ^ Six-Medal Night Brings Team USA To 41 Total Track And Field Medals In Toronto”. アメリカオリンピック委員会 (2015年7月26日). 2016年9月3日閲覧。
  12. ^ 第15回世界選手権男子4×400mリレー予選リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2015年8月30日). 2016年9月3日閲覧。
  13. ^ 2016年全米室内選手権2日目リザルト”. 全米陸上競技連盟 (2016年3月). 2016年9月3日閲覧。
  14. ^ 2016年世界室内選手権男子4×400mリレー決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2016年3月20日). 2016年9月3日閲覧。
  15. ^ 2016年全米選手権リザルト”. 全米陸上競技連盟 (2016年7月). 2016年9月3日閲覧。
  16. ^ 第31回オリンピック男子4×400mリレー予選リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2016年8月19日). 2016年9月3日閲覧。
  17. ^ Men's 4x400m final - IAAF/BTC World Relays Bahamas 2017”. 国際陸上競技連盟 (2017年4月23日). 2017年4月24日閲覧。

外部リンク[編集]