Ƿ

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大文字のウィン (左)と小文字のウィン (右)

Ƿ ƿ (ウィン, wynn, wen, ƿynn, ƿen) は古英語に使用されていたアルファベットの一つである。 有声両唇軟口蓋接近音/w/を表すのに使われた。

最初期の古英語の文書ではこの音素を表すのに二重音字 <uu>が使われていたが、直にルーン文字ウィン w()を借用して使うようになった。これはアングロ・サクソン時代を通して続いた。 最終的には中英語期に多く入ってきたフランス語の影響を受けて1300年頃に消失した。 それに代わって<uu>が再び使われるようになり、それが近代に<w>へと発展した。

ルーン文字での意味は"幸せ"、"喜び"でアングロ・サクソン期の詩文でも窺える:

Ƿenne bruceþ, ðe can ƿeana lyt
sares and sorge and him sylfa hæf
blæd and blysse and eac byrga geniht.
幸福は楽しむ。誰が痛みを、
悲しみを、不安を知らないのかを。 そして自身は
繁栄と至福そして良き十分な家がある。

ウィンは後期ルーン文字では続かなかったが、ゴート文字では使われた。 ゴート文字𐍅 wwinjaと呼ばれ、ゲルマン祖語での名称は*wunjô* "喜び"として再建されている。

ウィンはルーン文字からラテンアルファベットへ借用された二つの文字の一つ(もう一つはÞ)である。ウィンから派生した文字には古ノルド語で/u//v//w/を表すのに使われたヴェンド"Vend"がある。

近代、ウィンは古英語期の文書を印刷するのに使用するため、þのように復活した。しかし20世紀初頭からウィンはPと酷似しているために古英語期の文書でもその地位を<w>にとって代わられた。

ユニコードとHTMLエンティティ[編集]

アルファベッ大文字 Ƿ U+01F7 and &#503;
アルファベット ƿ U+01BF and &#447;
ルーン U+16B9 and &#5817;
大文字;ヴェンド U+A768 and &#42856;
小文字;ヴェンド U+A769 and &#42857;

参照[編集]

  • Freeborn, Dennis (1992). From Old English to Standard English. London: MacMillan.