「内之浦宇宙空間観測所」の版間の差分
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*: ロケットや科学衛星、科学機器のモデルなどが展示されている。開館時間 08:30〜16:30、原則として年中無休、入館料無料。 |
*: ロケットや科学衛星、科学機器のモデルなどが展示されている。開館時間 08:30〜16:30、原則として年中無休、入館料無料。 |
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60cm反射式天体望遠鏡は日本光学工業(現[[ニコン]])製。衛星追跡用として開発が行われたもので、国内では珍しい[[ |
60cm反射式天体望遠鏡は日本光学工業(現[[ニコン]])製。衛星追跡用として開発が行われたもので、国内では珍しい[[グレゴリー式望遠鏡|グレゴリアン式反射望遠鏡]]となっている。 |
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JAXAサイト内にみられる「うっちーさん」とは、当観測所の34メートルアンテナのことである。台風銀座に建設された為、強風時の運用において優れている。(一方、「うすださん」とは臼田宇宙空間観測所の64mパラボラアンテナのことである。) |
JAXAサイト内にみられる「うっちーさん」とは、当観測所の34メートルアンテナのことである。台風銀座に建設された為、強風時の運用において優れている。(一方、「うすださん」とは臼田宇宙空間観測所の64mパラボラアンテナのことである。) |
2017年5月28日 (日) 01:05時点における版
内之浦宇宙空間観測所 | |
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ミューセンターのM型ロケット発射装置に据え付けられたM-Vロケット6号機 | |
組織の概要 | |
管轄 | 内閣府・総務省・文部科学省・経済産業省 |
本部所在地 | 鹿児島県肝属郡肝付町 |
上位組織 | 宇宙航空研究開発機構(JAXA) |
ウェブサイト | www.jaxa.jp/about/centers/usc/ |
内之浦宇宙空間観測所(うちのうらうちゅうくうかんかんそくしょ、英語:Uchinoura Space Center、略称:USC)は、日本の宇宙空間観測施設・ロケット打ち上げ施設である。世界でも珍しい山地に立つロケット発射場である。
2007年にDOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選ばれた。
概要
内之浦宇宙空間観測所は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の施設の一つで、科学観測用衛星の打ち上げと追跡・管制を行っている。日本国内のロケット打ち上げ施設としては種子島宇宙センターと並ぶ存在である。立地条件が、市街地から離れ、物資輸送が便利で、東側が開け、国内で地表の自転速度が速い地域ということで、種子島とともに選ばれた。
前身は文部省宇宙科学研究所(ISAS)付属の鹿児島宇宙空間観測所で、JAXA統合後に現在の名称に改められた。秋田ロケット実験場に続く日本で2番目のロケット打ち上げ施設として1962年に起工され、1963年12月9日に開所された。旧名称の英略はKSCでケネディ宇宙センターと同じであった。しかし、命名はこちらの方が先であるという経緯もあり、かつては元祖KSCを名乗っていた。
日本最初の人工衛星である「おおすみ」(内之浦のある大隅半島にちなんで名づけられた)の打ち上げなど、ISASが独自に開発した固体燃料ロケットであるカッパ、ラムダ、ミューなどを用いての宇宙観測や技術試験、天文観測衛星・惑星探査機の打ち上げ、また、それらの追跡・管制を行っている。
内之浦では大型ロケットの打ち上げとしては世界的に珍しい傾斜発射を行うことを特徴としていた。これは、ロケットを早く海上に放出することで、万一事故が発生した場合の被害を少なくするためである。この傾斜発射台はイプシロンロケットでは不要な為、通常の垂直発射台に改造された。
主なロケット打ち上げ実績
- カッパロケット - K-8、K-9M、K-10など全100機以上
- ラムダロケット - L-2、L-3、L-4Sなど全25機
- ミューロケット - M-4S、M-3SII、M-Vなど全32機
- イプシロンロケット - 2機
- 観測ロケット等の多種多様な小型ロケット 全200機以上
計約400機が打ち上げられている。
主な施設
- Mセンター(ミューセンター)
- KSセンター
- 小型のS-520ロケット、S-310ロケット、MT-135型観測ロケットの発射台地で、ロケット組立、打ち上げ管制のコントロールセンター、ランチャーなどの機能を持つ。ラムダ発射台(国立科学博物館前に展示がある)等の設備を有していたロケットセンターの跡地に建設されたものである。ランチャーは高さ約17mの鉄筋コンクリート製ランチャードームの屋内に設置されている。打ち上げ時には天井が開く仕組みとなっており、ロケットはドーム内で打ち上げ態勢に入り、そのまま打ち上げられる。
- 打ち上げ管制センター
- レーダーセンター
- 60cm反射式天体望遠鏡及びシュミット式望遠鏡 - 主として、打ち上げた衛星の追跡を行う望遠鏡。
- テレメーターセンター
- 10メートルアンテナ
- 地球周回軌道の科学衛星との交信を行うアンテナ。UHF帯及びS帯に対応している。2010年現在あけぼのの運用のみに使用されている。
- 20メートルアンテナ
- 主に地球周回軌道の科学衛星との交信を行うアンテナ。S帯の送受信及びX帯の受信に対応している。宇宙探査機の電波捕捉用として用いられる場合もある。1989年度に完成した。
- 34メートルアンテナ
- 地球周回軌道の科学衛星及び宇宙探査機との交信を行うアンテナ。S帯及びX帯の送受信に対応し、Ka帯の受信にも対応している(受信装置は未整備)。1998年度に完成した。臼田宇宙空間観測所64mアンテナのバックアップとしても位置づけられている。
- 10メートルアンテナ
- 宇宙科学資料館
- ロケットや科学衛星、科学機器のモデルなどが展示されている。開館時間 08:30〜16:30、原則として年中無休、入館料無料。
60cm反射式天体望遠鏡は日本光学工業(現ニコン)製。衛星追跡用として開発が行われたもので、国内では珍しいグレゴリアン式反射望遠鏡となっている。
JAXAサイト内にみられる「うっちーさん」とは、当観測所の34メートルアンテナのことである。台風銀座に建設された為、強風時の運用において優れている。(一方、「うすださん」とは臼田宇宙空間観測所の64mパラボラアンテナのことである。)
多くの建物が1970年代の物、もしくはそれに改修を加えた物であり、設備も古く1970年代の管制装置を2006年初頭まで運用していた。管制室内で雨漏りまでする状態であったが、その箇所から機材を遠ざけるなどして対処していた。1997年のM-Vロケット1号機の打ち上げ直前に、アメリカ航空宇宙局(NASA)の宇宙科学局長であるウェズリー・ハントレスらが視察に訪れた際には、「マリリン・モンローが浮浪者の服を着ているみたいだ」と老朽化した施設、設備を嘆いたという[4][5]。
文部省時代には敷地にフェンスは存在しなかったが、宇宙航空研究開発機構が発足して半官半民の組織となったため、施設管理がシビアになったことと、宇宙観測機の打ち上げ等で人的被害が出ることを危惧して対応が行われた。
所在地
ロケット打ち上げ時の展望場所
記載の場所以外でも打ち上げに上空を飛ぶロケットを見ることは可能。
- 宮原一般見学場
- ロケット打ち上げ時の様子を直接確認できる。アクセスは自家用車のみ。来場者が多数予想される場合は抽選となることもある。
ギャラリー
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ロケット3段目の移動(すざく)
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無人のコントロールセンター(2002年撮影)
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M-V3段目に取り付けられたASTRO-E
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発射塔から見下ろした組み立て施設。レールが見える
参考文献
- ^ [1] ISASメールマガジン第078号 06.03.07
- ^ [2]
- ^ [3]
- ^ ISASニュースNo.191 1997.2 ★NASA宇宙科学局長のKSC来訪
- ^ ISASニュースNo.200 1997.11 鹿児島宇宙空間観測所
関連項目
本施設の運用機関
- 宇宙科学研究所(現:宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)
ロケット
衛星打ち上げロケット
観測ロケット
大型衛星打ち上げ実施機関
外部リンク
- 内之浦宇宙空間観測所(JAXA内)
- ロケット打ち上げを見に行こう