M-3Hロケット

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M-3Hロケット(ミュー3エイチ)は、日本の東京大学宇宙航空研究所(後の文部省宇宙科学研究所、現宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所、以下、東大)が日産自動車宇宙航空事業部(以下、日産)と共同で開発し、日産が製造、東大が運用した科学衛星打ち上げ用の3段式の固体燃料ロケット

技術的特徴[編集]

M-3Cロケットの第一段目を延長して打ち上げ能力の増大を計った。M-3Cの末尾アルファベット「C」が誘導を意味する「Control」の頭文字であるのに対し、本ロケットの末尾アルファベット「H」は高性能を意味する「High Performance」の頭文字から取られている。

M-3CとM-3Hは構成上共通点が多く、両者を併せてミューロケットの第二世代と見なされている。M-3Cはかつて打ち上げに失敗した衛星の代替機を打ち上げる必要があったことからM-3H登場後も残され、結果的に運用終了はM-3Hのほうが先だった。

仕様[編集]

主要諸元

括弧内は参考としてM-3Cのもの。

  • 全長:23.8m (20.2m)
  • 直径:1.41m (1.41m)
  • 重量:48.7t (41.6t)
  • 低軌道打ち上げ能力:300kg (195kg)
公称性能諸元一覧
段数(Stage) 第1段  補助ブースタ 第2段 第3段 キックモータ
諸元 全長 23.8m 8.9m 3.1m 1.4m
代表径 1.41m 0.31m 1.41m 1.14m 0.9m
各段点火時質量 48.7t 11.3t 1.4t 0.2t 0.4t
固体
ロケット
モータ
モータ名称 M-13 SB-310 M-22 M-3A KM-A KM-B
全長 15.0m 5.17m 4.87m 1.53m 0.58m 0.86m
ケース材料 HT-200 HT-140N HT-200 Ti-6Al・4V (β) Ti-6Al・4V (β) CFRP
推進薬 BP-30B UP-10 BP-22B BP-20B BP-27B BP-20B
モータ質量 32.3t 0.484t 8.69t 1.24t 0.057t 0.284t
推進薬重量 27.1t 0.34t 7.22t 1.08t 0.046t 0.241t
真空比推力 236sec 219sec 277sec 284sec 283sec
平均真空推力 1,117kN 133kN 357kN 66.8kN 7.0kN 22.6kN
有効燃焼時間 56sec 5.5sec 55sec 45sec 18sec 30sec

打ち上げ実績[編集]

名称 打上げ日時
(JST)
成否 積荷 重量(kg) 衛星の軌道
近-遠地点軌道傾斜角
備考
1号機 1977年2月19日14:15 成功 たんせい3号
(MS-T3)
129 楕円 - 近790km,遠3,810km,傾斜角66° 試験衛星
2号機 1978年2月4日16:00 成功 きょっこう
(EXOS-A)
126 楕円 - 近630km,遠3,970km,傾斜角65° オーロラ観測衛星
3号機 1978年9月16日14:00 成功 じきけん
(EXOS-B)
90 長楕円 - 近220km,遠30,100km,傾斜角31° 磁気圏観測衛星

外部リンク[編集]