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== ストーリー ==
== ストーリー ==
中国、少林拳武術学校で三千日の修行を終えた凛は、日本へ帰路に着く。しかし、そこで見たのは廃墟となった道場だった。必死にあるものを探しながら、訪ねた中華料理店で、師匠の岩井(江口)に出会う。彼の元にいたミンミンに誘われ、国際星館大学、女子ラクロス部に入る。そこで、驚異的な身体能力をみせる凛。現れたのは田村(岡村)、そして岩井だった。道場の事、ラクロス部のコーチになった理由の解らないまま、凛は初試合に臨む。しかし、彼女はある理由からスタメンに入れず、チームの一員・あさみの怪我で後半から入るも個人プレーをしてしまう。ばらばらになるラクロス部。その数日後、凛は、少年サッカーの輪に入る。「チームワーク」という言葉を理解していく、バラバラになったチームに一体感が戻っていく。道場も、チームも再建出来そうになった、車の窓越しにすれ違っていた大場との因縁が訪れる。道場を自ら破門にした岩井の「心」を理解した凛は、大切な仲間を守るに最後の戦いへと、大学に向かう。
中国、少林拳武術学校で三千日の修行を終えた凛は、日本へ帰路に着く。しかし、そこで見たのは廃墟となった道場だった。必死にあるものを探しながら、訪ねた中華料理店で、師匠の岩井(江口)に出会う。彼の元にいたミンミンに誘われ、国際星館大学、女子ラクロス部に入る。そこで、驚異的な身体能力をみせる凛。現れたのは田村(岡村)、そして岩井だった。道場の事、ラクロス部のコーチになった理由の解らないまま、凛は初試合に臨む。しかし、彼女はある理由からスタメンに入れず、チームの一員・あさみの怪我で後半から入るも個人プレーをしてしまう。ばらばらになるラクロス部。その数日後、凛は、少年サッカーの輪に入る。「チームワーク」という言葉を理解していくとき、バラバラになったチームに一体感が戻っていく。道場も、チームも再建出来そうになったとき、車の窓越しにすれ違っていた大場との因縁が訪れる。道場を自ら破門にした岩井の「心」を理解した凛は、大切な仲間を守るために最後の戦いへと、大学に向かう。


== キャスト ==
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== ロケ地 ==
== ロケ地 ==
[[静岡県]][[伊豆の国市]]を中心に、[[伊豆市]]、[[三島市]]、[[静岡市]]、[[藤枝市]]、[[焼津市]]、[[長泉町]]など、静岡県内各地。大学構内は[[静岡県立大学]]、[[静岡産業大学]]が撮影に協力している。練習風景の中で出てくる滝は、長泉町・沼津市の境を流れる黄瀬川・鮎壷の滝(あゆつぼ公園)である。
[[静岡県]][[伊豆の国市]]を中心に、[[伊豆市]]、[[三島市]]、[[静岡市]]、[[藤枝市]]、[[焼津市]]、[[長泉町]]など、静岡県内各地。大学構内は[[静岡県立大学]]、[[静岡産業大学]]が撮影に協力している。練習風景の中で出てくる滝は、長泉町・沼津市の境を流れる黄瀬川・鮎壷の滝(あゆつぼ公園)である。

作品エンドロールより

静岡春風館道場・オノダ電気・味の素スタジアム・藤枝総合運動公園・藤枝市役所・フィルムサポート島田・フィルムコミッション静岡シーサイト事務局・静岡県立大学・静岡市役所観光課・伊豆箱根鉄道株式会社・駿豆建設株式会社・駿豆通運倉庫株式会社・伊豆洋らんパーク・有限会社大仁建設・東レ総合研修センター・伊豆市ふるさと広場・エマハウジング・長倉スポーツ・静岡県立美術館・フィルム・コミッション伊豆・伊豆の国市・国土交通省中部地方整備局沼津河川国道事務所・幕張メッセ・伊豆の国市下畑区・伊豆の国市田中山区・三島市市山区・伊豆の国観光協会・伊豆の国市商工会・長泉町商工会・いたこフィルムコミッション・潮来市


== 評価 ==
== 評価 ==
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2009年1月発売の雑誌『映画秘宝』上で行われた、映画評論家・ライター・監督などが投票によってワースト映画を選ぶ「2008年映画トホホ大賞10」では76点を獲得し、2位の『[[20世紀少年]]』(39点)とダブルスコアに近い差をつけてワースト1位となった<ref name=hiho200903>{{cite book|和書 |title=映画秘宝 2009年3月号 |publisher=洋泉社}}</ref>。また、読者が選ぶ「トホホ大賞10」でも1位となった<ref name=hiho200903/>。更に、「日本映画縛り首」の企画である[[HIHOはくさい映画賞#第2回(2008年度)|第2回(2008年度)HIHOはくさい映画賞]]では「万人が怒った映画」「『少林少女』で泣く人は1億人の中にひとりもいない」と評され、最低作品賞を受賞した。他に、最低監督賞に本広克行、最低主演女優賞に柴咲コウがノミネートされていた<ref name=hiho200903/><ref name=bma>{{cite book|和書 |title=バッド・ムービー・アミーゴスの日本映画最終戦争!<邦画バブル死闘編>2007-2008年版 (映画秘宝COLLECTION 38)|publisher=洋泉社|isbn=978-4862483805}}</ref>。
2009年1月発売の雑誌『映画秘宝』上で行われた、映画評論家・ライター・監督などが投票によってワースト映画を選ぶ「2008年映画トホホ大賞10」では76点を獲得し、2位の『[[20世紀少年]]』(39点)とダブルスコアに近い差をつけてワースト1位となった<ref name=hiho200903>{{cite book|和書 |title=映画秘宝 2009年3月号 |publisher=洋泉社}}</ref>。また、読者が選ぶ「トホホ大賞10」でも1位となった<ref name=hiho200903/>。更に、「日本映画縛り首」の企画である[[HIHOはくさい映画賞#第2回(2008年度)|第2回(2008年度)HIHOはくさい映画賞]]では「万人が怒った映画」「『少林少女』で泣く人は1億人の中にひとりもいない」と評され、最低作品賞を受賞した。他に、最低監督賞に本広克行、最低主演女優賞に柴咲コウがノミネートされていた<ref name=hiho200903/><ref name=bma>{{cite book|和書 |title=バッド・ムービー・アミーゴスの日本映画最終戦争!<邦画バブル死闘編>2007-2008年版 (映画秘宝COLLECTION 38)|publisher=洋泉社|isbn=978-4862483805}}</ref>。


雑誌『[[映画芸術]]』の2008年日本映画ワーストテンでは『[[おくりびと]]』に次いで2位だった<ref>{{Cite web|url=http://eigageijutsu.com/article/112695867.html|title=2008年日本映画ベストテンワーストテン発表|publisher=映画芸術|date=2009-01-16|accessdate=6月25日|accessyear=2010年}}</ref>。
雑誌『[[映画芸術]]』の2008年日本映画ワーストテンでは『[[おくりびと]]』に次いで2位だった<ref>{{Cite web|url=http://eigageijutsu.com/article/112695867.html|title=2008年日本映画ベストテン&ワーストテン発表!|publisher=映画芸術|date=2009-01-16|accessdate=6月25日|accessyear=2010年}}</ref>。


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『[[スポーツ報知]]』による[[蛇いちご賞#第5回(2008年度)|第5回(2008年度)蛇いちご賞]]では、作品部門の選評時に本作の名前が挙がり、「アクション映画であるにもかかわらず柴崎コウのアップばかりで、プロモーションビデオのようだった」と評された<ref>{{Cite web|url=http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20081216-OHT1T00183.htm|title=[芸能班本音トーク檄]第5回「蛇いちご賞」|publisher=スポーツ報知|date=2008-12-16|accessdate=6月25日|accessyear=2010年}}</ref>。


『[[ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル]]』内のコーナー「ザ・シネマハスラー」で2008年に扱った映画のランキングでは、『[[カンフーくん]]』を凌いで最下位の38位となった<ref>{{Cite web|url=http://www.tbsradio.jp/utamaru/2008/12/20081215.html|title=ザ・シネマハスラー 2008年 全映画ランキング!(12月27日確定)|publisher=TBS RADIO|date=2008-12-27|accessdate=6月25日|accessyear=2010年}}</ref>。
『[[ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル]]』内のコーナー「ザ・シネマハスラー」で2008年に扱った映画のランキングでは、『[[カンフーくん]]』を凌いで最下位の38位となった<ref>{{Cite web|url=http://www.tbsradio.jp/utamaru/2008/12/20081215.html|title=ザ・シネマハスラー 2008年 全映画ランキング!(12月27日確定)|publisher=TBS RADIO|date=2008-12-27|accessdate=6月25日|accessyear=2010年}}</ref>。
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* 月刊 CG World 2008年6月号にて、「映画『少林少女』完全メイキング」と題し、作品紹介および監督インタビューと、特殊撮影についての技術的内容が掲載された。
* 月刊 CG World 2008年6月号にて、「映画『少林少女』完全メイキング」と題し、作品紹介および監督インタビューと、特殊撮影についての技術的内容が掲載された。
* 柴咲コウと絡むラクロス練習時の最初のシーンでの[[山崎真実]]は、緑のシャツ上からも胸の突起部全容が目視確認出来る程のお色気ぶりとなっている。
* 柴咲コウと絡むラクロス練習時の最初のシーンでの[[山崎真実]]は、緑のシャツ上からも胸の突起部全容が目視確認出来る程のお色気ぶりとなっている。
* 本作が上映開始から1月後、パロディと思われる映画『少林'''老'''女』が上映された。
* 本作が上映開始から1月後、パロディと思われる映画『少林'''老'''女』が上映された。


== 映像ソフト化 ==
== 映像ソフト化 ==

2010年9月24日 (金) 08:48時点における版

少林少女
SHAOLIN GIRL
監督 本広克行
脚本 十川誠志
十川梨香
製作 臼井裕詞
安藤親広
西冬彦
中島良明
製作総指揮 亀山千広
チャウ・シンチー
出演者 柴咲コウ
仲村トオル
キティ・チャン
岡村隆史
江口洋介
音楽 菅野祐悟
主題歌 mihimaru GTギリギリHERO
撮影 佐光朗
編集 田口拓也
製作会社 ロボット
配給 東宝
公開 2008年4月26日 日本の旗
上映時間 107分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 15.1億円[1]
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少林少女』(しょうりんしょうじょ)は、2008年4月26日に公開された日本映画

概要

監督は『踊る大捜査線』で知られる本広克行、主演は柴咲コウ。『少林サッカー』で脚本・監督・主演を務めたチャウ・シンチーが、エグゼクティブプロデューサーとしてクレジットされている。本広と製作者の意向により撮影手法、合成方法等は「極秘」とされており、「広報」「ブログ」等でもあまり具体的な製作過程は公開されていない。山崎、乙黒、蒲生らをはじめとして出演者女優の多くが特撮番組出演経験者であるのも特徴的。また柴咲コウが単独主演するのは『着信アリ』以来4年ぶりである。

キャッチコピーは、「彼女に日本は狭すぎる。」。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


ストーリー

中国、少林拳武術学校で三千日の修行を終えた凛は、日本へ帰路に着く。しかし、そこで見たのは廃墟となった道場だった。必死にあるものを探しながら、訪ねた中華料理店で、師匠の岩井(江口)に出会う。彼の元にいたミンミンに誘われ、国際星館大学、女子ラクロス部に入る。そこで、驚異的な身体能力をみせる凛。現れたのは田村(岡村)、そして岩井だった。道場の事、ラクロス部のコーチになった理由の解らないまま、凛は初試合に臨む。しかし、彼女はある理由からスタメンに入れず、チームの一員・あさみの怪我で後半から入るも個人プレーをしてしまう。ばらばらになるラクロス部。その数日後、凛は、少年サッカーの輪に入る。「チームワーク」という言葉を理解していくとき、バラバラになったチームに一体感が戻っていく。道場も、チームも再建出来そうになったとき、車の窓越しにすれ違っていた大場との因縁が訪れる。道場を自ら破門にした岩井の「心」を理解した凛は、大切な仲間を守るために最後の戦いへと、大学に向かう。

キャスト

女子ラクロス部員が通う国際星館大学(ロケ地・静岡県立大学)。劇中ではCG処理で建造物が描き加えられている。

国際星館大学女子ラクロス部

国際星館大学関係者

特にスポーツに力を入れているが、一方で校内にはカメラやセンサーが至る所に設置され、学生を常に監視している。

中華料理店

ミンミンのアルバイト先。ラクロス部のたまり場となっている。ティンとラムは少林サッカー鎧の肌空渡りをほぼ踏襲したキャラクター。

少林拳武術学校

修行を終えた凛を送り出すが、彼女が秘めた力を制御できるか懸念する。

その他

スタッフ

主題歌

ロケ地

静岡県伊豆の国市を中心に、伊豆市三島市静岡市藤枝市焼津市長泉町など、静岡県内各地。大学構内は静岡県立大学静岡産業大学が撮影に協力している。練習風景の中で出てくる滝は、長泉町・沼津市の境を流れる黄瀬川・鮎壷の滝(あゆつぼ公園)である。

評価

映画評論家柳下毅一郎は自身のブログにて、本作について「ブルース・リーを舐めるな」「カンフーだけでなくラクロスにも失礼」「話の意味がわからない」「これほど誰にも勧められない映画も珍しい」と述べ、酷評した[2]。また、雑誌『映画秘宝』で柳下と江戸木純らが連載していたコーナー「日本映画縛り首」でも同様の批判がなされた[3][4]

2009年1月発売の雑誌『映画秘宝』上で行われた、映画評論家・ライター・監督などが投票によってワースト映画を選ぶ「2008年映画トホホ大賞10」では76点を獲得し、2位の『20世紀少年』(39点)とダブルスコアに近い差をつけてワースト1位となった[5]。また、読者が選ぶ「トホホ大賞10」でも1位となった[5]。更に、「日本映画縛り首」の企画である第2回(2008年度)HIHOはくさい映画賞では「万人が怒った映画」「『少林少女』で泣く人は1億人の中にひとりもいない」と評され、最低作品賞を受賞した。他に、最低監督賞に本広克行、最低主演女優賞に柴咲コウがノミネートされていた[5][4]

雑誌『映画芸術』の2008年日本映画ワーストテンでは『おくりびと』に次いで2位だった[6]

スポーツ報知』による第5回(2008年度)蛇いちご賞では、作品部門の選評時に本作の名前が挙がり、「アクション映画であるにもかかわらず柴崎コウのアップばかりで、プロモーションビデオのようだった」と評された[7]

ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』内のコーナー「ザ・シネマハスラー」で2008年に扱った映画のランキングでは、『カンフーくん』を凌いで最下位の38位となった[8]

2009年4月25日にフジテレビ系列で地上波初放送。視聴率15.9%だった。

その他

  • 本広克行監督作品のお約束となった「カエル急便」の看板が1カット登場している。
  • 本作のマスコットキャラクターは「ラクロス花子」(デザイン・岡崎能士)。関連グッズには主にこのキャラクターが使われている。
  • 製作費は10億円を超え、宣伝費には4~5億円の予算を次ぎこんだが、興行成績は15.1億円であった[1]
  • 本広監督は「最終的には自分が責任を持つので、それまでは自由に助監督に撮影したいシーン(ラクロス、アクション・シーン他)を撮ってもらい分割制にした」と語っている。
  • 月刊 CG World 2008年6月号にて、「映画『少林少女』完全メイキング」と題し、作品紹介および監督インタビューと、特殊撮影についての技術的内容が掲載された。
  • 柴咲コウと絡むラクロス練習時の最初のシーンでの山崎真実は、緑のシャツ上からも胸の突起部全容が目視確認出来る程のお色気ぶりとなっている。
  • 本作が上映開始から1か月後、パロディと思われる映画『少林女』が上映された。

映像ソフト化

  • 少林少女 コレクターズ・エディション(DVD版:GNBD-7552)
  • 少林少女 Blu-ray コレクターズ・エディション(BD版:GNXD-7001)
いずれも2008年11月5日、ジェネオン エンタテインメントより発売。

出典

  1. ^ a b 日本映画産業統計 過去興行収入上位作品 (興収10億円以上番組) 2008年(1月~12月)”. 社団法人日本映画製作者連盟. 6月25日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  2. ^ 少林少女 (2008)”. 映画評論家緊張日記 (2008年4月27日). 6月25日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  3. ^ 『映画秘宝 2008年7月号』洋泉社。 
  4. ^ a b 『バッド・ムービー・アミーゴスの日本映画最終戦争!<邦画バブル死闘編>2007-2008年版 (映画秘宝COLLECTION 38)』洋泉社。ISBN 978-4862483805 
  5. ^ a b c 『映画秘宝 2009年3月号』洋泉社。 
  6. ^ 2008年日本映画ベストテン&ワーストテン発表!”. 映画芸術 (2009年1月16日). 6月25日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  7. ^ [芸能班本音トーク檄]第5回「蛇いちご賞」”. スポーツ報知 (2008年12月16日). 6月25日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  8. ^ ザ・シネマハスラー 2008年 全映画ランキング!(12月27日確定)”. TBS RADIO (2008年12月27日). 6月25日閲覧。accessdateの記入に不備があります。

関連項目

外部リンク