ヨコハマBJブルース

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ヨコハマBJブルース
監督 工藤栄一
脚本 丸山昇一
原案 松田優作
出演者 松田優作
辺見マリ
蟹江敬三
田中浩二
山田辰夫
山西道広
財津一郎
馬渕晴子
宇崎竜童
内田裕也
音楽 クリエイション
主題歌 「ブラザーズソング」松田優作
撮影 仙元誠三
編集 田中修
製作会社 東映セントラルフィルム
配給 東映
公開 日本の旗 1981年4月25日
上映時間 112分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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ヨコハマBJブルース』(よこはまビージェイブルース)は、1981年に公開された日本映画。松田優作自ら原案を手がけ、主演のみならず主題歌と挿入歌まで歌い、さらに松田たっての希望から『十三人の刺客』の工藤栄一監督がメガホンを取った、ハードボイルドアクション。

東映セントラルフィルム製作で、松田優作主演の作品としては、『最も危険な遊戯』から数えて5作目である。

惹句[編集]

優作、お前と会うのが楽しみだ!
ガッデム、今度は何をやらかすか!?

ストーリー[編集]

横浜に住むBJは、毎晩場末のうらぶれたバーで歌っているブルースシンガー。だが歌だけでは食えない状態で、生活のために私立探偵紛いな副業でセコイ小銭を稼いでいる。そんなある日、失踪した少年・明の行方調査を依頼されたBJ。所在を見つけたものの、彼は闇組織、通称「ファミリー」のボスでゲイの牛宅麻の男娼となっていた。次の日、BJは久々に再会したニューヨーク時代の親友で刑事の椋を目の前で突然殺され、その上BJを何故か快く思っていなかった椋の同僚刑事・紅谷から殺人容疑をかけられて、取り調べと称したリンチを受ける。更に牛からも麻薬取引で運営している組織のメカニズムに触れたと見なされて命を狙われ、BJは窮地に陥る。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

劇中に流れた松田優作全歌唱曲[編集]

「灰色の街」(作詞:松田優作、作曲:李世福、編曲:クリエイション
「ブラザーズ・ソング」(作詞:大津あきら、作曲:鈴木キサブロー、編曲:今剛、ChoArr:川村栄二
後に仲村トオルがカバーした(編曲:西本明、ChoArr:景家淳)。
「YOKOHAMA HONKY TONK BLUES」(作詞:藤竜也、作曲:エディ藩、編曲:竹田和夫)
「マリーズ・ララバイ」(作詞:大津あきら、作曲:鈴木キサブロー、編曲:今剛、ChoArr:川村栄二)

エピソード[編集]

  • 発端からラストのオチにいたるまでほとんどパクリではないかと思われるほど、ロバート・アルトマン監督『ロング・グッドバイ』に酷似している。松田優作自身も公開当時の『週刊朝日』誌上のインタビューにて、「話のヒントにした」といささかあっけらかんとした調子で公言している。とはいえ、工藤栄一監督独特の光と影のコントラストが利いた映像もさることながら、何よりも松田のブルースシンガーとしての一面がスクリーン上で披露される等、最もパーソナルな作品となっている。
  • 松田と工藤は、その後『火曜サスペンス劇場』の一篇として作られた『死の断崖』(1982年)で再びコンビを組み、松田唯一の監督作品『ア・ホーマンス』では鉄砲玉に射殺されるヤクザ組長役で工藤監督が出演している。そして松田の三回忌にあたる1991年に制作された『泣きぼくろ』にて、工藤監督は「灰色の街」「マリーズ・ララバイ」を挿入歌として使用することでオマージュを捧げた。
  • “ブルースシンガー”松田優作としての3枚目のアルバム『HADEST DAY』のジャケット写真は、“BJ”役としての松田の姿だった。アルバムは映画公開4日前の1981年4月21日にリリースされ、映画にも挿入歌としてアルバム名がクレジットされているので、連動企画の色合いが強い。
  • 大森南朋は『スタジオパークからこんにちは』にゲスト出演した際、NHK制作の主演ドラマ『ハゲタカ』で共演した松田龍平の無精髭姿を見て、「『ヨコハマBJブルース』の時の父親にソックリだなと思った」と語っていた。

外部リンク[編集]